DAL(デルタエアラインズ)今後の見通し

株価•決算,資本財,カジノ・クルーズ・ホテル・旅行

デルタエアライン(Delta Air Lines, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


直近決算

DAL(デルタエアライン)は4月9日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.61$→結果0.64$
・売上高:予想139.7億$→結果142億$(前年同期比+1%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想1.7$→結果1~1.5$
*ブルームバーグ記事では以下の見通しが報じられています
デルタ航空はイラン戦争の影響で6月までに燃料費が20億ドル(約3200億円)余り増加するとの見通しを示した。これを背景に、同社は慎重姿勢を維持し、従来の通期利益見通しを据え置いた。エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「不確実性を踏まえ、現時点では見通しは変更しない。今、新たな予測を示すのは賢明ではない」と述べた。紛争により世界のエネルギー市場が混乱し、燃料価格は急騰している。需要が底堅く推移する中で、航空会社のコストは押し上げられている。こうしたコスト増をどの程度運賃に転嫁できるかが、予約の落ち込みを招かずに済むかどうかの判断材料となっている。バスティアンCEOは既に実施した分に加え、さらなる運賃引き上げも検討していると述べた。
https://bloomberg.com/jp/news/articles/2026-04-08/TD6GFMT9NJLU00#gsc.tab=0
★出典
IRページ
★予想値は以下のページを参照しました。
streetinsider

企業概要

デルタ・エアラインズ(Delta Air Lines, Inc.)は、米国を代表する大手航空会社の一つであり、国内外の旅客輸送、貨物輸送、整備・MRO、ロイヤルティ、提携カードなどを組み合わせて事業を展開しています。2025年時点の公式表記では、年間約2億人の顧客を運び、最大275都市・50カ国へ自社便を運航しています。提携航空会社のネットワークを含めると、1,000以上の都市へアクセスできます。[1]

同社は、アトランタ(最大ハブ)、ボストン、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス/セントポール、ニューヨーク(JFK/LGA)、ソルトレイクシティ、シアトルを主要拠点に、欧州、アジア、南米などへ国際線を展開しています。米国内ではプレミアム需要と法人需要に強く、国際線では大西洋路線、太平洋路線、南米路線を提携網と組み合わせて拡大しています。[2]

「世界50カ国以上、300都市以上」という表現は、季節運航や提携網を含む広い意味で使われることがありますが、デルタの最新オフィシャル表記としては、自社便で最大275都市・50カ国、提携網を含めると1,000都市超と整理するのが適切です。[1]

その事業は、大きく以下の3つに分類されます。

旅客航空輸送

・国内線および国際線の定期便を運航し、年間約2億人規模の顧客にサービスを提供しています。
・機材面では、A321neo、A220、A330neo、A350などの導入・更新を進め、燃費改善、座席あたりコストの低減、プレミアム座席の拡大を狙っています。2026年2月には、追加でA321neoを34機発注し、2029年以降の受領を予定していることを発表しました。[3]

貨物航空輸送

・デルタ・カーゴは、旅客機の貨物室を活用するベリーカーゴを中心に、医薬品、電子部品、生鮮品、eコマース関連貨物などを輸送しています。米国の旅客航空会社として、旅客ネットワークの広さを生かして貨物を運ぶモデルであり、専用貨物機を多数保有して貨物専業で稼ぐ航空会社とは収益構造が異なります。[4]

付帯サービス

・マイレージプログラム「SkyMiles」、空港ラウンジ「Delta Sky Club」、モバイルアプリ、Delta Vacations、整備事業のDelta TechOpsなどを展開しています。
・無料の機内Wi-Fi「Delta Sync Wi-Fi」は、SkyMiles会員向けに提供され、米国内路線から国際線へ拡大しています。2026年時点でも、無料Wi-Fiはデルタの顧客体験強化策の中心に位置づけられています。[5]

社史をさかのぼると、デルタの起源は農薬散布会社Huff Daland Dusters(1925年創業)にあります。その後「Delta Air Service」を経て現在のデルタ・エアラインズに至りました。2025年は、創業ルーツから数えて100周年の節目にあたります。[6]

第二次世界大戦後の航空需要拡大、ジェット機の導入、2008年のノースウエスト航空との合併によるネットワーク拡大を経て、グローバル航空会社としての地位を確立しました。ノースウエストとの統合は、デルタの太平洋路線、ミネアポリス/デトロイト拠点、アジア接続を強化する重要な転機でした。[7]

近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)にも力を入れています。アプリによる搭乗体験の改善、Delta Sync、無料Wi-Fi、パーソナライズされた旅行体験などで顧客接点を強化しています。加えて、アメリカン・エキスプレスとの提携カード事業はロイヤルティ収益の柱です。2025年のアメックスからの報酬は82億ドルとなり、2024年の74億ドルから増加しました。[8]

アライアンスと提携では、スカイチーム(SkyTeam)の創設メンバーとして、エールフランス-KLM/ヴァージン・アトランティックとの大西洋JV、大韓航空との太平洋JV、LATAMとの南米JVなど、主要地域で強固なパートナー網を構築しています。これにより、単独では運航しにくい地域でも、共同販売、乗り継ぎ、マイレージ連携を通じてネットワーク効果を高めています。[9]

サステナビリティでは、2050年ネットゼロを目標に、機材更新、運航効率化、SAF(持続可能な航空燃料)の活用、廃棄物削減を進めています。ただし、航空業界全体としてSAFの供給量・価格・インフラには制約があり、脱炭素は短期的に利益を押し上げる材料というより、長期的な規制対応・ブランド維持・燃料リスク管理の取り組みとして見るのが妥当です。[10]

最近の業績トピック(要点)

  • 2025年通期(GAAP):営業収益634億ドル営業利益58億ドル、営業利益率9.2%、EPS7.66ドルでした。営業キャッシュフローは83億ドル、2025年末の債務・ファイナンスリース債務は141億ドルです。[11]
  • 2026年Q1(GAAP):営業収益は159億ドル、営業利益は5.01億ドル、営業利益率は3.2%でした。燃料価格上昇や運航回復コストの影響もあり、GAAPベースでは税引前損失2.14億ドル、EPSマイナス0.44ドルとなりました。[12]
  • 2026年Q1(Non-GAAP):営業収益は142億ドル、営業利益は6.52億ドル、営業利益率は4.6%、EPSは0.64ドルでした。会社側は、2026年Q2について売上高が前年同期比で低二桁%増、営業利益率6〜8%、EPS1.00〜1.50ドルを見込んでいます。[12]
  • 需要動向:2025年から2026年初にかけて、プレミアム客室、法人需要、ロイヤルティ収益が成長を支えています。一方で、2026年Q1には燃料高、乗員・運航コスト、運航回復費用が利益率を圧迫しました。[12]

ミニ解説

デルタは単なる旅客航空会社ではなく、プレミアム航空需要、SkyMiles、アメックス提携カード、整備事業、貨物、提携ネットワークを組み合わせて収益を作る企業です。投資家が見るべき点は、旅客単価や搭乗率だけでなく、プレミアム売上、ロイヤルティ収益、燃料費、労務費、債務圧縮、運航信頼性です。特に航空会社は景気、燃料価格、天候、労務、空港混雑に左右されやすいため、売上成長と利益率・キャッシュフローを分けて確認する必要があります。

【注】(出典リンク)

  1. 就航都市・国数・旅客数・提携網 → Delta Air Lines About DeltaDelta Flight Deals & Destinations(確認日:2026-05-10)
  2. 主要拠点・ネットワーク概要 → Delta Air Lines About DeltaDelta Air Lines Form 10-K 2025(SEC)(確認日:2026-05-10)
  3. 機材更新・A321neo追加発注 → Delta Adds 34 Additional Airbus A321neo AircraftDelta Air Lines Form 10-K 2025(SEC)(確認日:2026-05-10)
  4. Delta Cargo・ベリーカーゴ → Delta CargoDelta News Hub: Inside Delta Cargo(確認日:2026-05-10)
  5. Delta Sync Wi-Fi・無料Wi-Fi → Delta Onboard Wi-FiDelta Sync Wi-Fi Media Kit(確認日:2026-05-10)
  6. 創業史・Huff Daland Dusters・100周年 → Delta’s history: From dusting crops to connecting the worldDelta Centennial(確認日:2026-05-10)
  7. ノースウエスト航空との合併 → Delta and Northwest Merge, Creating Premier Global Airline(確認日:2026-05-10)
  8. アメックス提携カード収益・ロイヤルティ → Delta Full Year 2025 Financial ResultsDelta 2025 Form 10-K PDF(確認日:2026-05-10)
  9. 航空提携・共同事業 → Delta Airline PartnersDelta Pro: Atlantic JV(確認日:2026-05-10)
  10. サステナビリティ・2050年ネットゼロ → Delta SustainabilityDelta Air Lines Form 10-K 2025(SEC)(確認日:2026-05-10)
  11. 2025年通期業績・債務・キャッシュフロー → Delta Air Lines Announces December Quarter and Full Year 2025 Financial ResultsDelta 2025 Form 10-K PDF(確認日:2026-05-10)
  12. 2026年Q1業績・2026年Q2見通し → Delta Air Lines Announces March Quarter 2026 Financial ResultsDelta News Hub Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢