GISとKHCを比較|ゼネラルミルズとクラフトハインツの配当・業績の違い【2026年】
最終更新:2026年8月5日16時19分(日本時間)
GISとKHCの大きな違いは、配当実績と現在の経営局面です。
- ゼネラルミルズ(GIS):127年間、配当を途切れさせていません。ただし、FY2026は売上高、調整後利益、営業キャッシュフローが減少し、FY2027も減益見通しです。
- クラフトハインツ(KHC):2019年の減配後、四半期配当0.40ドルを維持しています。現在は本業再建を優先し、2025年に発表した2社分割関連の作業を一時停止しています。
配当実績と事業の分散を重視するならGIS、本業再建による収益改善余地を重視するならKHCという違いがあります。ただし、両社とも高い配当利回りだけで安全性を判断することはできません。
ゼネラルミルズ(General Mills, Inc./NYSE:GIS)とクラフトハインツ(The Kraft Heinz Company/NASDAQ:KHC)は、どちらも米国を代表する大手食品メーカーです。
本記事では、両社の事業内容、最新決算、売上高、配当、減配履歴、キャッシュフロー、KHCのスピンオフ計画、バークシャー・ハサウェイとの関係、今後の見通しを比較します。
KHCのQ2決算について:クラフトハインツは、米国時間2026年8月5日の市場開始前に2026年Q2決算を発表する予定です。2026年8月5日16時19分(日本時間)時点では公式結果がまだ公開されていないため、本記事では2026年Q1をKHCの最新確定値として使用しています。Q2発表後は、売上高、オーガニック売上高、調整後EPS、通期見通し、配当欄を更新してください。[1]
GISとKHCの違いを比較
比較サマリー:配当実績のGIS、本業再建中のKHC
| 項目 | ゼネラルミルズ (GIS) |
クラフトハインツ (KHC) |
|---|---|---|
| 主力ブランド | Cheerios、Betty Crocker、Nature Valley、Pillsbury、Blue Buffalo、Häagen-Dazsなど。[2] | Heinz、Kraft、Philadelphia、Oscar Mayer、Lunchables、JELL-O、Maxwell Houseなど。 |
| 事業の特徴 | シリアル、スナック、冷凍食品、ベーキング製品、ペットフードなどに分散。 | 調味料、チーズ、加工肉、インスタント食品、飲料など。北米事業の再建が重要。 |
| 最新通期売上高 | 184億ドル FY2026、前年比5%減[3] |
約249億ドル FY2025、前年比3.5%減[4] |
| 最新四半期 | FY2026 Q4 売上高46億ドル 前年比1%増[3] |
2026年Q1 売上高60.47億ドル 前年比0.8%増[5] |
| 配当実績 | 127年間、無中断 連続増配年数ではない[6] |
2019年に約36%減配 その後は四半期0.40ドルを維持[7] |
| 現在の四半期配当 | 0.61ドル 年率換算2.44ドル |
0.40ドル 年率換算1.60ドル |
| 直近支払日 | 2026年8月3日[3] | 2026年6月26日[8] |
| 今後の焦点 | FY2027の減益幅、販売数量、利益率、営業CF、コスト削減。 | 米国事業の数量回復、ブランド投資、Q2以降の利益、分割作業の扱い。 |
| バークシャーとの関係 | 主要な資本関係は確認されていない。 | バークシャーが発行済み株式の約27.5%を保有。[9] |
※配当利回り、株価、PERなどは日々変動するため、下のスプレッドシートで基準日を明示して更新してください。会計年度はGISが5月期、KHCが12月期で、同じ年度表記でも対象期間は一致しません。
ゼネラルミルズは減配する?GISの配当安全性
2026年8月5日時点で、ゼネラルミルズは減配を発表していません。四半期配当は1株0.61ドルで維持され、直近分は2026年7月10日時点の株主を対象として、8月3日に支払われました。同社とその前身企業は127年間、配当を途切れさせていません。[3][6]
一方、長い配当実績があるからといって、今後の減配リスクがゼロになるわけではありません。FY2026の調整後EPSは3.55ドル、年間配当は2.44ドルで、調整後EPSを使った参考配当性向は約68.7%です。
FY2026の営業キャッシュフローは21.66億ドル、設備投資を差し引いたフリーキャッシュフローは16.26億ドルでした。配当支払額は約13.15億ドルで、配当は営業キャッシュフローの範囲内に収まっていますが、フリーキャッシュフローに対しては約81%を使用しています。[3]
KHCのスピンオフはどうなった?分割計画は一時停止
クラフトハインツは2025年9月、2つの上場企業へ分割する計画を発表し、当初は2026年後半の完了を見込んでいました。[10]
しかし、2026年2月に発表したFY2025通期決算で、経営資源を本業の成長回復へ集中させるため、分割関連作業を一時停止すると発表しました。現時点では、分割による価値顕在化よりも、ブランド投資と販売数量の回復が優先されています。[4]
さらにKHCは、2026年7月1日付でグローバル運営体制を次の3地域へ再編しました。[11]
- 北米
- 欧州・太平洋先進国
- 新興国
この地域再編は、事業の意思決定を速め、経営資源を重点分野へ配分するためのものです。ただし、2社分割作業の再開を意味するものではありません。分割の実施時期、各社の資本構成、ブランド配分などは未確定です。
注意点:「KHCは2026年に確実に分割する」と記載するのは不正確です。正しくは、分割計画は発表済みですが、関連作業は一時停止しており、再開時期は未定です。
バフェットはゼネラルミルズに投資しているのか
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイと強い資本関係がある食品会社は、ゼネラルミルズではなくクラフトハインツです。
KHCの2025年Form 10-Kによると、2026年1月16日時点でバークシャーが保有する登録対象株式は、KHC発行済み株式の約27.5%に相当しました。バークシャーの2026年Q1報告では、KHC株の帳簿価額が公正価値を約14億ドル上回っていました。[9][12]
そのため、KHCは一般に「バフェット銘柄」として知られています。ただし、バークシャーが大株主であることは、KHCの配当や株価の安全性を保証するものではありません。KHCは2019年に減配を実施し、その後もブランド価値の減損や売上数量の低迷に直面しています。
最新決算と業績を比較
GISはFY2026通期まで発表済みです。KHCは2026年Q1まで発表済みで、Q2は米国時間2026年8月5日に発表予定です。
| 年・期 | GIS 売上高 (前年比) |
KHC 売上高 (前年比) |
|---|---|---|
| 最新四半期 | FY2026 Q4:46.10億ドル +1% オーガニック売上は横ばい[3] |
2026年Q1:60.47億ドル +0.8% オーガニック売上は0.4%減[5] |
| 最新通期 | FY2026:184億ドル -5%[3] |
FY2025:約249億ドル -3.5%[4] |
| 前年度 | FY2025:195億ドル -2%[13] |
FY2024:258.5億ドル -3.0%[14] |
| さらに前年 | FY2024:201.0億ドル -0.9% |
FY2023:266.4億ドル +0.6% |
| 2022年度・年 | FY2023:202.8億ドル +5.8% |
FY2022:260.3億ドル +2.4% |
※GISとKHCでは会計年度の終了月が異なります。単純な同期間比較ではなく、各社の業績推移を確認するための表です。
GISの現況:通期は減収・減益、Q4は一部改善
ゼネラルミルズのFY2026通期売上高は184億ドルで前年比5%減、オーガニック売上高は2%減でした。調整後営業利益は28億ドルで恒常為替ベース16%減、調整後EPSも16%減の3.55ドルとなっています。[3]
GAAP希薄化EPSはマイナス0.16ドルでした。これは主として、のれん・ブランド無形資産の減損約18億ドルと、売却予定のブラジル事業に関する評価損約10億ドルなどの非現金費用によるものです。ただし、減損はブランドや買収資産の将来収益力について見積もりが低下したことを示すため、単純に無視できる項目ではありません。
一方、FY2026 Q4の売上高は46億ドルで前年比1%増、オーガニック売上高は横ばいでした。調整後営業利益は恒常為替ベース13%増、調整後EPSは27%増の0.95ドルとなり、通期は弱かったものの年度末には一定の改善が見られました。[3]
KHCの現況:Q1は売上増でも、数量と調整後利益は弱い
クラフトハインツの2026年Q1売上高は60.47億ドルで前年比0.8%増加しました。ただし、為替や事業売却の影響を除くオーガニック売上高は0.4%減でした。価格は0.8ポイント上昇した一方、販売数量・製品構成は1.2ポイント低下しています。[5]
営業利益は11.45億ドルで4.3%減、調整後営業利益は10.58億ドルで11.8%減でした。調整後EPSは0.58ドルで6.5%減となっています。広告費の増加、製造・物流コストの上昇、再編費用などが利益を圧迫しました。
一方、営業キャッシュフローは10.06億ドルで39.7%増、フリーキャッシュフローは7.66億ドルで58.9%増となりました。利益面は弱いものの、Q1のキャッシュフローには改善が見られます。[5]
株価:過去から現在まで
チャートではGIS、KHCに加え、生活必需品ETFのVDCと米国10年国債利回りを比較します。
※チャート左目盛り:株価推移(VDC:Vanguard Consumer Staples ETFを含めて比較)
※チャート右目盛り:米国10年国債利回り
株価、52週高値・安値、PER、PBR、PSR、時価総額、配当利回りは日々変動します。固定値を本文へ残す場合は、必ず基準日を明記してください。
決算:市場予想と結果
市場におけるEPSと売上高予想の変化、会社実績、次期見通しを確認します。
個別の決算推移は、以下の関連記事で確認できます。
★ゼネラルミルズ(GIS)の今後の見通し・決算
★クラフトハインツ(KHC)の今後の見通し・決算
配当の詳細比較:実績のGIS、据え置き配当のKHC
以下は、各年に実際に支払われた配当額ではなく、各年末または直近時点の四半期配当を4倍した年率換算配当の比較です。基準を統一することで、現在の配当ペースの変化を確認します。
| 基準年 | GIS 年率換算配当 | KHC 年率換算配当 |
|---|---|---|
| 2026 | 2.44ドル 四半期0.61ドル |
1.60ドル 四半期0.40ドル |
| 2025 | 2.44ドル 0.60ドルから0.61ドルへ増配 |
1.60ドル 横ばい |
| 2024 | 2.40ドル 四半期0.60ドル |
1.60ドル 横ばい |
| 2023 | 2.36ドル 四半期0.59ドル |
1.60ドル 横ばい |
| 2022 | 2.16ドル 四半期0.54ドル |
1.60ドル 横ばい |
| 2021 | 2.04ドル 四半期0.51ドル |
1.60ドル 横ばい |
| 2020 | 2.04ドル 0.49ドルから0.51ドルへ増配 |
1.60ドル 2019年減配後の水準 |
GISは長期にわたり配当を維持し、近年も小幅な増配を行っています。一方、毎年増配してきた「連続増配株」ではなく、配当据え置き期間もあります。
KHCは2019年に四半期配当を0.625ドルから0.40ドルへ引き下げ、その後は0.40ドルを維持しています。配当が増えていないため、高い利回りの主因は株価水準にあります。
配当の詳細はこちら:
★ゼネラルミルズ(GIS)の配当推移
★クラフトハインツ(KHC)の配当推移
2026~2027年の見通し:高配当の持続性が焦点
GISのFY2027見通し
ゼネラルミルズはFY2027について、オーガニック売上高をマイナス1.5%からプラス0.5%、調整後営業利益を恒常為替ベースで8~13%減、調整後EPSを3.00~3.20ドルと見込んでいます。フリーキャッシュフロー転換率は約95%の計画です。[3]
| 指標 | GIS FY2027会社見通し |
|---|---|
| オーガニック売上高 | -1.5%~+0.5% |
| 調整後営業利益 | 恒常為替ベースで-13%~-8% |
| 調整後EPS | 3.00~3.20ドル |
| FCF転換率 | 約95% |
| FY2027コスト削減 | 7.5億ドル以上 |
年率換算配当2.44ドルをFY2027の調整後EPS見通し3.00~3.20ドルで割ると、参考配当性向は約76~81%です。会社見通しどおりに利益が低下した場合、配当余力はFY2026より縮小します。
KHCの2026年見通し
KHCは2026年Q1決算時点で、通期のオーガニック売上高を1.5~3.5%減、恒常為替ベースの調整後営業利益を14~18%減、調整後EPSを1.98~2.10ドル、フリーキャッシュフロー転換率を約100%と見込んでいます。[5]
| 指標 | KHC 2026年会社見通し (Q1発表時点) |
|---|---|
| オーガニック売上高 | -3.5%~-1.5% |
| 調整後営業利益 | 恒常為替ベースで-18%~-14% |
| 調整後EPS | 1.98~2.10ドル |
| FCF転換率 | 約100% |
| 追加投資 | マーケティング・営業・研究開発などへ約6億ドル |
年率換算配当1.60ドルを調整後EPS見通し1.98~2.10ドルで割ると、参考配当性向は約76~81%です。GISと同様に、配当は維持されているものの、利益見通しに対する余裕は大きくありません。
結論:GISとKHCのどちらが向いているか
両社の比較では、「高い配当利回り」だけでなく、配当実績、利益の回復可能性、キャッシュフロー、経営再編の不確実性を合わせて見る必要があります。
配当実績と事業の分散を重視するならGIS
GISは127年間無中断の配当実績を持ち、KHCより配当履歴の信頼性は高いと考えられます。シリアル、スナック、冷凍食品、ペットフードなど事業領域も比較的分散しています。
一方、FY2026は売上高、調整後EPS、営業キャッシュフローが減少し、FY2027も調整後EPS3.00~3.20ドルを見込んでいます。現在は「安定成長する食品株」というより、配当を維持しながら販売数量と利益率の回復を目指す高利回り食品株として見る方が適切です。
本業再建による回復余地を重視するならKHC
KHCは2019年の減配後、四半期0.40ドルを維持しています。2026年Q1は営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローが改善しましたが、オーガニック売上高と調整後営業利益はまだ弱い状態です。
また、分割関連作業が停止しているため、現在の投資テーマは「スピンオフによる価値顕在化」よりも、ブランド再投資と新しい地域運営体制によって販売数量を回復できるかに移っています。
現時点の整理
- 配当履歴:GISが優位
- 現在の再建余地:KHCの方が大きいが、不確実性も高い
- FY2026の利益とCF:両社とも余裕が縮小
- 経営再編リスク:KHCの方が高い
- 安定性:GISが相対的に高いが、業績悪化には注意
したがって、守りを重視するならGIS、本業再建による株価回復を狙うならKHCという整理ができます。ただし、どちらも「高配当だから安全」とは言い切れません。
GISとKHCに関するよくある質問
ゼネラルミルズは減配しましたか
2026年8月5日時点で減配は発表されていません。四半期配当は0.61ドルです。ただし、FY2027も減益見通しであり、今後は調整後EPS、営業CF、FCFによる配当カバーを確認する必要があります。
ゼネラルミルズは連続増配株ですか
127年間、配当を途切れさせていませんが、毎年増配してきた連続増配株ではありません。配当据え置き期間もあります。
KHCのスピンオフは中止されたのですか
正式な中止ではなく、分割関連作業が一時停止されています。再開時期は未定です。2026年7月からの地域別運営体制への再編は、2社分割の再開発表とは異なります。
バフェットはGISに投資していますか
バークシャー・ハサウェイと強い資本関係があるのは、主にKHCです。KHCの開示によると、バークシャーの登録対象株式は発行済み株式の約27.5%に相当しました。
GISとKHCの配当性向はどちらが低いですか
最新の会社見通しと年率換算配当を単純比較すると、両社とも将来の調整後EPSに対する配当性向はおおむね70%台後半から80%前後になります。計算基準が異なるため、EPSだけでなく営業CFとFCFも併せて比較してください。
GISとKHCはどちらも高配当株ですか
株価水準によっては高い配当利回りになりますが、両社とも利益低下が見込まれています。高利回りは必ずしも割安や安全性を意味しません。
※本記事は2026年8月5日16時19分(日本時間)までに公開された情報を基に作成しています。KHCの2026年Q2決算は同日の米国市場開始前に発表予定です。株価、配当、会社見通しは変化します。本記事は投資判断の参考となる情報を整理したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。
【注】(出典リンク)
- KHC 2026年Q2決算発表予定 → The Kraft Heinz Company to Report Second Quarter 2026 Results on August 5, 2026(確認日:2026-08-05)。 ↩
- GISの代表ブランド → General Mills – Brands(確認日:2026-08-05)。 ↩
- GIS FY2026 Q4・通期実績、FY2027見通し、配当、CF → General Mills FY2026 Fourth-quarter and Full-year Results → General Mills Form 10-K FY2026(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHC FY2025通期決算、2026年見通し、分割作業の一時停止 → Kraft Heinz FY2025 Results(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHC 2026年Q1決算、通期見通し、キャッシュフロー → Kraft Heinz Q1 2026 Results(確認日:2026-08-05)。 ↩
- GISの127年無中断配当 → General Mills – Dividends and Stock Splits(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHCの2019年減配 → Kraft Heinz Q4 and Full Year 2018 Results(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHC 2026年6月支払配当 → Kraft Heinz Declares Quarterly Dividend of $0.40(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHCとバークシャーの資本関係 → Kraft Heinz Form 10-K FY2025(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHCの2社分割計画 → Kraft Heinz Separation Plan(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHCの新グローバル運営体制 → Kraft Heinz Announces New Global Operating Structure(確認日:2026-08-05)。 ↩
- バークシャーのKHC投資の帳簿価額と公正価値 → Berkshire Hathaway Form 10-Q, March 31, 2026(確認日:2026-08-05)。 ↩
- GIS FY2025通期決算 → General Mills FY2025 Results(確認日:2026-08-05)。 ↩
- KHC FY2024通期決算 → Kraft Heinz FY2024 Results(確認日:2026-08-05)。 ↩


GISの配当を判断する4つの指標
現時点で配当を賄えない状態ではありませんが、FY2027も減益見通しであり、増配余地と安全余裕は以前より小さくなっています。