JNJとPFEを比較:ジョンソン&ジョンソンとファイザー 配当王VS高配当の違い

銘柄比較

JNJとPFEを違いを踏まえて比較します(2025年6月更新)。

ジョンソンエンドジョンソン(Johnson & Johnson)とファイザー(Pfizer Inc.)はヘルスケア銘柄の代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(VHT:Vanguard Health Care Index Fund ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

決算(予想:結果)

決算の予想:結果のグラフについては以下の関連記事を参照

ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)決算:予想と結果 売上&EPS

ファイザー(PFE)決算:予想と結果 売上&EPS

【ヘルスケア巨人対決】J&J(JNJ) vs ファイザー(PFE)!安定の配当王か、変革の高配当か?

ヘルスケアセクターの二大巨頭、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)ファイザー(PFE)。JNJは60年以上にわたり増配を続ける「配当王」としての絶対的な安定感を誇り、一方のファイザーはコロナ禍を経て大きな変革期を迎え、高い配当利回りで注目されています。

本記事では、消費者向け事業を分社化し、医薬品と医療機器に集中する「新生JNJ」と、コロナ特需後を見据え、大型買収で次の一手を打つファイザーの今を、業績・配当・将来性の観点から徹底比較します。

比較サマリー:安定性のJNJ、転換期のPFE

項目 ジョンソン・エンド・ジョンソン (JNJ) ファイザー (PFE)
事業内容 医薬品、医療機器(メドテック)に集中 ワクチン、がん治療薬など革新的な医薬品
近年の戦略 消費者向け事業「Kenvue」を分社化し、高成長分野へ特化 コロナ特需後の売上減を補うため、がん治療薬のSeagenを買収
連続増配年数 62年 (配当王) 14年
配当利回り(直近) 約3.1% 約6.0%
PER (株価収益率) 約21倍 約12倍

業績と成長性の詳細分析

両社の業績は、近年の戦略の違いを明確に反映しています。ファイザーはコロナワクチン・治療薬の売上により2022年にかけて急成長しましたが、現在はその特需が剥落し、大幅な減収となっています。一方、JNJは安定した成長を続けています。

※JNJは2023年にKenvueを分社化したため、それ以前の売上には同事業が含まれます。PFEの2021-2023年の売上はコロナ関連製品の特需を大きく含みます。

JNJ 売上高 (前年比) PFE 売上高 (前年比)
2024 $85.16 B (-9.3%) $58.53 B (-41.6%)
2023 $93.77 B (+6.5%) $100.33 B (+23.4%)
2022 $88.08 B (+1.3%) $81.29 B (+95.2%)
2021 $86.96 B (+13.6%) $41.65 B (+42.7%)
2020 $76.54 B $29.19 B

※B=10億ドル。会計年度や基準により数値は多少変動します。

配当の詳細比較:配当王の安定か、高利回りの魅力か

JNJの62年という連続増配年数は、同社の事業がいかに盤石であるかを物語っています。一方、ファイザーはコロナ特需後の株価下落により、配当利回りが6%に達する高水準となっています。

JNJ 年間配当 (増配率) PFE 年間配当 (増配率)
2024 $4.96 (+4.9%) $1.68 (+2.4%)
2023 $4.73 (+5.6%) $1.64 (+2.5%)
2022 $4.48 (+6.7%) $1.60 (+2.6%)
2021 $4.20 (+5.0%) $1.56 (+3.3%)
2020 $4.00 (+5.8%) $1.51 (+5.6%)
5年平均増配率 5.6% 3.3%

結論:あなたに合うのはどちら?

両社の比較は、「盤石な安定性」と「変革期にある企業の割安さと高利回り」のどちらに投資価値を見出すか、という選択になります。

「絶対的な安心感と着実な増配」を求めるなら → ジョンソン・エンド・ジョンソン (JNJ)

62年連続増配という実績は、何物にも代えがたい信頼の証です。事業内容を将来性の高い分野に絞ったことで、今後も安定した成長と増配が期待できます。「安心して眠れる銘柄」の代表格であり、長期的な資産形成の核となる得る存在です。

「高い配当利回りと将来の復活劇」に期待するなら → ファイザー (PFE)

現在の6%という高い配当利回りは、株価が低迷している今だからこその魅力です。コロナ特需後の売上減少は大きな課題ですが、大型買収で強化したがん治療薬分野などが成功すれば、株価と事業の回復が期待できます。リスクを取って高いリターンを狙いたい、バリュー投資家向けの選択肢と言えるでしょう。

配当については以下の関連記事を参照

ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)の配当推移

ファイザー(PFE)の配当推移


※本ページの分析は2025年6月8日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。

Posted by 南 一矢