AAPL/MSFTを比較:アップルとマイクロソフトの戦略の違いとは

AI(人工知能),SaaS(クラウド+サブスク),銘柄比較

AAPL(アップル)とMSFT(マイクロソフト)を違いを踏まえて比較します。(2025年6月更新)

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(VGT:Vanguard Information Technology ETFを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。


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【世界時価総額TOP対決】アップル(AAPL) vs マイクロソフト(MSFT)!最強の帝国はどちらか?

世界の株式市場の頂点に君臨し、時価総額トップを争い続ける究極のライバル、アップル(AAPL)マイクロソフト(MSFT)。両社は私たちの生活や仕事に深く浸透し、強力なブランドとエコシステムを築き上げてきました。しかし、その収益の柱と成長戦略は大きく異なります。

本記事では、「コンシューマー(個人)の王」アップルと、「エンタープライズ(法人)の覇者」マイクロソフトの、業績、株主還元、そして未来を賭けたAI戦略を徹底的に比較・分析します。

最重要ポイント:ビジネスモデルとエコシステムの違い

  • アップル (AAPL) → ハードウェア + サービス
    収益の半分以上を稼ぎ出すiPhoneを中核に、Mac, iPad, Apple Watchといったハードウェアで強力なエコシステムを構築。近年は、App Storeや音楽配信などで稼ぐ高利益率のサービス事業が第2の柱として急成長しています。
  • マイクロソフト (MSFT) → ソフトウェア + クラウド
    収益の柱は、法人向けのクラウドプラットフォーム「Azure」と、Office 365などの「生産性向上ソフトウェア」です。企業のデジタルトランスフォーメーションを支えることで、安定的かつ継続的な収益を上げています。

比較サマリー:個人のAAPL、法人のMSFT

項目 アップル (AAPL) マイクロソフト (MSFT)
主力事業 iPhone、サービス事業 クラウド(Azure)、ソフトウェア(Office)
エコシステム コンシューマー(個人)向け エンタープライズ(法人)向け
AI戦略 デバイス上での処理を重視し、ユーザー体験を向上させる「Apple Intelligence」 OpenAIとの提携を軸に、AIをサービスとして法人に販売する「Copilot」
連続増配年数 12年 21年
配当利回り(直近) 約0.5% 約0.7%

業績と成長性の詳細分析

両社とも巨大企業でありながら、力強い成長を続けています。マイクロソフトはクラウドとAIの波に乗り、近年アップルを上回る成長率を見せています。アップルはiPhoneの販売動向に業績が左右されやすいものの、サービス事業が安定的に成長を支えています。

AAPL 売上高 (前年比) MSFT 売上高 (前年比)
2024 $383.3 B (-2.8%) $244.9 B (+13.7%)
2023 $394.3 B (+7.8%) $215.4 B (+6.9%)
2022 $365.8 B (+33.3%) $201.5 B (+18.0%)
2021 $274.5 B (+5.5%) $170.8 B (+17.5%)
2020 $260.2 B $145.4 B

※B=10億ドル。両社は決算月が異なるため、各社会計年度に基づき比較しています。

結論:あなたに合うのはどちら?

両社はともに「持たざるリスク」とまで言われる超優良企業です。どちらを選ぶかは、どちらのエコシステムの未来をより信じるか、という点にかかっています。

「消費者の心」を掴むブランド力とエコシステムに賭けるなら → アップル (AAPL)

iPhoneを中心とした強力なハードウェアと、高利益率なサービス事業の組み合わせは、巨大な利益を生み出し続けています。その利益を源泉とした巨額の自社株買いは、今後も株主価値を高めていくでしょう。世界で最も熱心なファンを持つブランド力に投資したい方向けです。

「世界のビジネスの進化」という大きな潮流に乗るなら → マイクロソフト (MSFT)

企業のクラウド化とAI導入は、今後何十年も続く不可逆的なトレンドです。マイクロソフトはその両方で中心的な役割を担っており、より安定的かつ予測可能な成長が期待できます。連続増配の歴史も長く、ポートフォリオの中核として、最も信頼できるテクノロジー企業の一つです。


※本ページの分析は2025年6月9日時点の公開情報に基づいています。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。

Posted by 南 一矢