ADSK(オートデスク)今後の見通し

SaaS(クラウド+サブスク),情報技術

オートデスク(Autodesk Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(ADBE/ADSK:アドビとオートデスクを比較)を参照

直近決算

オートデスクは2024年11月26日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.12$→結果2.17$
・売上高:予想15.6億$→結果15.7億$(前年同期比+11%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想2.12$→結果2.1~2.16$
・売上高:予想16.2億$→結果16.2~16.4億$
《通年》
・EPS:予想8.27$→結果8.29~8.35$
・売上高:予想61.1億$→結果61.2~61.3億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

オートデスクは1982年にアメリカで創業された、建築・製造・エンターテインメント分野で利用される設計ソフトウェアのパイオニアです。

特に、CAD(コンピュータ支援設計)の分野では、「AutoCAD」により業界のスタンダードを築き、以降、Revit、Inventor、Aliasなど多くの専門的なツールを提供し、デジタル時代の設計とエンジニアリングの未来を切り拓いています。

本社はアメリカ・カリフォルニア州サンラファエルにあり、建築、土木、機械、製造、映画、ゲームなど幅広い業界向けに、2D・3D設計ソフトウェアやシミュレーションツールを提供しています。

これらのソフトウェアは、精密な図面作成や3Dモデリング、デジタルプロトタイピングを可能にし、効率的な製品開発や建築計画を実現する上で欠かせないツールとなっています。

主な製品・サービスは以下の通りです。

  • AutoCAD:2Dおよび3Dの設計図面を作成するためのソフトウェア。建築物、土木構造物、機械部品など、様々な分野で標準的に利用されており、世界中で最も普及しているCADツールです。

  • Revit:BIM(Building Information Modeling)ソフトウェアとして、建築、構造、設備設計を統合的に行うツール。プロジェクト全体の情報を一元管理することで、設計と施工の効率化が可能となります。

  • Autodesk Inventor:機械設計に特化した3Dモデリングソフトウェア。製品の部品設計やアセンブリ、シミュレーションを一括して行うことができ、製造業での利用が広がっています。

  • Autodesk Alias:主に自動車やプロダクトデザインに利用されるソフトウェアで、洗練された曲線デザインや意匠の作成に強みがあります。

これらの製品に加え、Autodeskはクラウドプラットフォームを通じて、ユーザーがどこからでも最新のツールにアクセスできる環境を提供しています。また、MuleSoft、Datorama、Tableau、Vlocityなどの企業買収により、データ統合、解析、可視化の分野でのソリューションも充実させています。

Autodeskは、北米、欧州、アジア、南米、中東、アフリカなど、世界中でソフトウェアを提供し、グローバル市場で確固たる地位を築いています。

欧州、アジア、その他の地域では、現地のパートナーを配置し、文化や業界特性に合わせたローカライズされたサービスを展開しています。

市場戦略としては、クラウドベースの定額課金モデルであるサブスクリプションモデルを採用し、ユーザーが常に最新のソフトウェアにアクセスできる環境を提供しています。

パートナー企業や開発者コミュニティとの連携を深め、エコシステムを拡大することで、Autodesk Platformを中心に多様なアプリケーションを統合しています。

AI技術を活用した自動解析ツール「Autodesk Generative Design」など、ユーザーの設計をサポートする機能を提供するほか、クラウドコンピューティングによるソフトウェア配信、オンラインでの共同作業を容易にするモバイルアプリやコラボレーションツールなど、様々な技術革新に取り組んでいます。

20年7月には、機械学習を用いた建築ソフトをてがけるパイプ社の買収を発表。

21年2月に、水道システム設計ソフトを扱うイノバイズ社とも買収で合意に至りました。

【出典】

【事業構成】

graph

Posted by 南 一矢