AIQ/BOTZ:AI&ロボティクスETFの株価と配当
人工知能(AI)とロボティクスに関わる企業に投資するETFのデータを比較し、情報を整理してみます。
このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう
【徹底比較】AI&ロボティクス関連ETF「AIQ」と「BOTZ」の違いとは?
人工知能(AI)やロボティクスは、現代のテクノロジーを牽引する重要なテーマです。これらの分野に手軽に分散投資できるETFとして、グローバルX社の「AIQ」と「BOTZ」が注目されています。両者は似ているようで、投資対象のニュアンスが異なります。この記事では、それぞれのETFの概要と特徴を詳しく解説し、どちらがご自身の投資戦略に適しているか判断するための情報を提供します。
【2025年8月最新】AI投資環境の変化
2025年に入り、AI関連株式市場は新たな局面を迎えています。NVIDIA等の半導体株の高騰が続く一方で、実用的なAIアプリケーションやロボティクス分野への注目も高まっています。生成AI技術の普及により、AIインフラからアプリケーション層まで、幅広い分野での成長が期待されています。
【AIQ】グローバルX 人工知能&テクノロジーETF
AIQは、AI技術の開発そのものから、AIを活用したサービス、ビッグデータ解析など、AIとデータ技術のバリューチェーン全体に幅広く投資するETFです。
正式名称: グローバルX 人工知能&テクノロジーETF (Global X Artificial Intelligence & Technology ETF)
連動指数: Indxx Artificial Intelligence & Big Data Index
投資対象: AIの開発、AIaaS(AI-as-a-Service)、ビッグデータ、AIを支えるハードウェアなど、AI関連企業約88社に分散投資します。
基本情報(2025年8月現在)
経費率:0.68%
構成銘柄数:88銘柄
上位構成銘柄:
・Tencent (4.08%)
・Palantir Technologies (3.84%)
・Samsung Electronics (3.79%)
・Oracle (3.75%)
・Broadcom (3.36%)
・Meta Platforms (3.33%)
・NVIDIA (3.32%)
・Microsoft (3.27%)
・Netflix (3.21%)
・Alibaba Group (3.19%)
国/地域別比率:米国が中心(約72%)、その他アジア太平洋地域
セクター別比率:情報技術(約69%)、コミュニケーションサービス(約16%)が中心
パフォーマンス(2025年8月現在)
YTD(年初来):+14.23%
1年間:+24.58%
配当利回り:0.14%
ソフトウェアやクラウド、半導体メーカーなど、AI技術の根幹を支える大手テック企業が多く含まれるのが特徴です。Palantir Technologiesが上位に位置するなど、最新のAI技術を手がける企業への配分も目立ちます。
【BOTZ】グローバルX ロボティクス&人工知能ETF
BOTZは、その名の通り、ロボット技術とAIの応用に焦点を当てたETFです。特に、産業用ロボットやオートメーション、医療用ロボットなど、物理的な「モノ」としてのロボットや、それを動かすAI技術への投資比率が高くなります。
正式名称: グローバルX ロボティクス&人工知能ETF (Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)
連動指数: Indxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Index
投資対象: 産業用・非産業用ロボット、自動化、自律走行車、AIの開発・応用に関わる企業約47社に投資します。
基本情報(2025年8月現在)
経費率:0.68%
純資産総額:約$2.69億ドル
構成銘柄数:47銘柄
上位構成銘柄:
・NVIDIA (14.15%)
・Intuitive Surgical (10.54%)
・Dynatrace (4.55%)
・ABB
・Keyence
・Fanuc
・Mitsubishi Electric
国/地域別比率:米国、日本、スイスなど、製造業の強い国がバランス良く含まれます。日本企業の比率が約30%と高いのが特徴
セクター別比率:情報技術のほか、資本財(インダストリアル)、ヘルスケアの比率が高いのが特徴です。
パフォーマンス(2025年8月現在)
1年間:+6.47%〜+16.9%
配当利回り:0.15%〜0.24%
※AIQと比較してパフォーマンスは控えめ
【注目ポイント】手術支援ロボットのIntuitive Surgicalが第2位
BOTZではIntuitive Surgical(手術支援ロボット「da Vinci」の開発企業)が10.54%の高い比率を占めています。これは、AIの実用的応用としての医療ロボティクス分野への強い注目を表しています。
AIQとBOTZの比較まとめ
どちらのETFもAIとテクノロジーの未来に投資する魅力的な商品ですが、その焦点には明確な違いがあります。
項目 | AIQ | BOTZ |
主な投資テーマ | AI開発、ビッグデータ、クラウドなどソフトウェアやデータ中心 | 産業用ロボット、自動化、医療ロボットなどハードウェアや応用技術中心 |
構成銘柄数 | 多い (88銘柄) | 少ない (47銘柄) |
国別分散 | 米国に集中(約72%) | 米国、日本、スイスなど国際分散 |
セクター | 情報技術が中心(約69%) | 情報技術、資本財、ヘルスケアに分散 |
2025年パフォーマンス | YTD +14.23%、1年 +24.58% | 1年 +6.47%〜+16.9% |
投資イメージ | AIの「頭脳」に幅広く投資 | AIが動かす「身体」に重点的に投資 |
投資の際の注意点
集中投資のリスク: いずれのETFもテクノロジーという特定のテーマに集中投資するため、市場全体の動向とは異なる値動きをする可能性があります。2025年現在、AI関連株は高いボラティリティを示しており、テクノロジー業界の景気後退や規制強化などの影響を大きく受けるリスクがあります。
コスト: 経費率はいずれも0.68%と、一般的なインデックスファンドに比べると高めに設定されています。
為替リスク: 米国籍ETFのため、日本から投資する場合は為替レートの変動リスクが伴います。
パフォーマンス格差: 2025年現在、AIQの方がBOTZより優れたパフォーマンスを示しています。これは主に大手テック企業のAI関連事業への注目度の違いによるものです。
まとめ
AIのソフトウェアやプラットフォーム、データ技術といった「AIの頭脳」の成長に期待するならAIQが、工場の自動化や手術支援ロボットといった「AIが動かす身体」の進化に期待するならBOTZが、より適した選択肢と言えるでしょう。
2025年現在の市場環境では、AIQの方が好調なパフォーマンスを示していますが、長期的な視点では、実用的なロボティクス分野の成長も期待されます。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、ポートフォリオへの組み込みを検討してみてください。
【出典・情報源】
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
配当金(分配金)と利回り
年間配当を1年の平均株価で割った平均利回りの推移です。
年 | AIQ | BOTZ |
2024 | 0.16% | – |
2023 | 0.38% | – |
2022 | 0.27% | – |
2021 | 0.38% | – |
2020 | 0.5% | – |
2019 | 0.58% | – |
2018 | 0.01% | – |
2017 | 1.71% | – |
2016 | 2.04% | – |
2015 | 2.36% | – |
ポートフォリオ
次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。