【AMZN】アマゾンの株価と決算

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アマゾンは世界最大のEコマースを運営しつつ、AIとビッグデータを活かしたプラットフォームを企業に提供しています。

消費者、販売者、デベロッパー、企業・組織、コンテンツクリエイターを「顧客」と定義し、BtoC、BtoBで事業を拡大し続けています。

BtoC(企業対消費者):オンラインマーケットや実店舗(ホールフーズや無人コンビニ等)、アマゾンプライム、アマゾン製品の販売(Kindleやアレクサほか)、決済サービス(アマゾンペイ)等。

BtoB(企業対企業):AWS(アマゾンウェブサービス)によるクラウドコンピューティングが主力(ここは利益率が高い)。

初期のアマゾンは古本等の中古品販売を中心にEコマースを開始し、今や世界一の富豪となったジェフベゾスは、そこで得たノウハウに基づいてEコマース事業を幅広く拡大。さらには、KindleやAWS等の新事業を成功に導きました。

現在は、事業を通して得たビッグデータと進化するAI(アレクサ)を組み合わせ、AWS上で新サービスを提供することで、プラットフォーマーとしての競争優位性を築いています(2021年にはジェフ・ベゾスが第一線から退き、AWSの実務担当者が後任となった)。

今のAMZNはEコマースだけでなく、各事業の相乗効果を生かして新ビジネスの創造に挑戦しています。

例えば、Eコマースと実店舗を組み合わせたオンラインとオフラインの統合、AIを活かしたKindleでの商品紹介、Eコマースとアマゾンペイとの連携などです。

事業の構成は以下の通りです。

17/12 18/12 19/12 20/12 21/12
オンラインストア 61% 53% 50% 51% 47%
サードパーティ 18% 18% 19% 21% 22%
AWS 10% 11% 13% 12% 13%
サブスク 6% 6% 7% 7% 7%
実店舗 3% 7% 6% 4% 4%
その他 3% 4% 5% 6% 7%

(サードパーティ=サードパーティセラー、AWS=アマゾンウェブサービス、サブスク=サブスクリプション、実店舗はホールフーズが中心)

【地域別売上高】

年/月 17/12 18/12 19/12 20/12 21/12
米国 68% 69% 69% 68% 69%
ドイツ 10% 9% 8% 8% 8%
英国 6% 6% 6% 7% 6%
日本 7% 6% 6% 5% 6%
その他 10% 11% 11% 12% 11%

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)。

1/3株価 3351
5/20株価 2151.8
株価上昇率 -35.79%
52週高値 3773.1
52週安値 2048.1
β値 1.23
EPS 41.36
PER 52.03
配当利回り
時価総額(億$) 10947
株式数(億) 5.1

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※22年終値は5/20株価)
AMZN 初値 終値 上昇率
2022 3351 2151.8 -36%
2021 3270 3334.3 2%
2020 1875 3256.9 74%
2019 1465.2 1847.8 26%
2018 1172 1502 28%
2017 757.9 1169.5 54%
2016 656.3 749.9 14%
2015 312.5 675.9 116%
2014 398.8 310.4 -22%
2013 256.4 398.8 56%
2012 176.4 250.9 42%
2011 181.4 173.1 -5%
2010 136.3 180 32%
2009 51.1 134.5 163%
2008 95.4 51.3 -46%
★2:各年初から22/05/20までの伸び率
22年~ 21年~ 20年~ 19年~
-36% -34% 15% 47%
18年~ 17年~ 16年~ 15年~
84% 184% 228% 589%
14年~ 13年~ 12年~ 11年~
440% 739% 1120% 1086%
10年~ 09年~ 08年~
1479% 4111% 2156%


四半期決算(2021予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。
※21/12決算以降のEPSには、21/11にNASDAQにIPOされたRIVN(リビアン)の株式評価益(もしくは損)が計上されていることに注意。それ以前と単純比較が不能になった。

EPS:予想と結果

予想 5/16 1月前 2月前
Y:2023 53.28 72.54 72.86
Y:2022 15.97 48.59 48.91
Q:22/9 7.92 12.76 12.88
Q:22/6 3.09 11.23 11.34
EPS 予想 結果
22/3 8.36 -7.56 -15.92 -190.4
21/12 3.58 27.75 24.17 675.1
21/9 8.92 6.12 -2.80 -31.4
21/6 12.22 15.12 2.90 23.7
21/3 9.54 15.79 6.25 65.5
20/12 7.23 14.09 6.86 94.9
20/9 7.41 12.37 4.96 66.9
20/6 1.46 10.30 8.84 605.5
20/3 6.25 5.01 -1.24 -19.8
19/12 4.03 6.47 2.44 60.5
19/9 4.62 4.23 -0.39 -8.4
19/6 5.56 5.22 -0.34 -6.1
19/3 4.72 7.09 2.37 50.2
18/12 5.64 6.04 0.40 7.1
18/9 3.12 5.75 2.63 84.3
18/6 2.50 5.07 2.57 102.8
18/3 1.26 3.27 2.01 159.5



売上高:予想と結果

予想 5/16 1月前 2月前
Y:2023 614600 634970 634730
Y:2022 525640 541470 541370
Q:22/9 128620
Q:22/6 119640 126410 126490
売上 予想 結果
22/3 116,300 116,440 140 0.1
21/12 137,560 137,410 -150 -0.1
21/9 111,600 110,810 -790 -0.7
21/6 115,070 113,080 -1,990 -1.7
21/3 104,460 108,520 4,060 3.9
20/12 119,660 125,560 5,900 4.9
20/9 92,700 96,150 3,450 3.7
20/6 81,310 88,910 7,600 9.3
20/3 74,150 75,450 1,300 1.8
19/12 86,000 87,440 1,440 1.7
19/9 68,790 69,980 1,190 1.7
19/6 62,480 63,400 920 1.5
19/3 59,690 59,700 10 0.0
18/12 71,870 72,380 510 0.7
18/9 57,060 56,580 -480 -0.8
18/6 53,380 52,890 -490 -0.9
18/3 49,790 51,040 1,250 2.5



ガイダンス

(Q=四半期、Y=通年、予=予想。GD=ガイダンス、「21/3」は21/3決算で出した次期Qもしくは通年のGD。B=10億ドル)

売上 Q:予 Q:GD
22/3 125.55B 116~121B
21/12 120.11B 112~117B
21/9 142.05B 130~140B
21/6 118.6B 106~112B
21/3 108.4B 110~116B
20/12 95.7B 100~106B
20/9 112.4B 112~121B
20/6 86.5B 87~93B
20/3 78.9B 75~81B
19/12 71.6B 69~73B
19/9 87.2B 80~86.5B

決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

AMZN 売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 19166 1697 9% 645
09/12 24509 3293 13% 902
10/12 34204 3495 10% 1152
11/12 48077 3903 8% 631
12/12 61093 4180 7% -39
13/12 74452 5475 7% 274
14/12 88988 6842 8% -241
15/12 107006 12039 11% 596
16/12 135987 17203 13% 2371
17/12 177866 18365 10% 3033
18/12 232887 30723 13% 10073
19/12 280522 38514 14% 11588
20/12 386064 66064 17% 21331
21/12 469822 46327 10% 33364

同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

AMZN SG(%) EPS DSO
08/12 29% 1.49 14.6
09/12 28% 2.04 14.7
10/12 40% 2.53 16.9
11/12 41% 1.37 19.5
12/12 27% -0.09 22.8
13/12 22% 0.59 23.4
14/12 20% -0.52 23
15/12 20% 1.25 19.3
16/12 27% 4.9 22.4
17/12 31% 6.15 27
18/12 31% 20.14 26.1
19/12 20% 23.01 27.1
20/12 38% 41.83 23.3
21/12 22% 64.81 25.6

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。

バランスシート

AMZN 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 8314 5642 2672 32%
09/12 13813 8556 5257 38%
10/12 18797 11933 6864 37%
11/12 25278 17521 7757 31%
12/12 32555 24363 8192 25%
13/12 40159 30413 9746 24%
14/12 54505 43764 10741 20%
15/12 64747 51363 13384 21%
16/12 83402 64117 19285 23%
17/12 131310 103601 27709 21%
18/12 162648 119099 43549 27%
19/12 225248 163188 62060 28%
20/12 321195 227791 93404 29%
21/12 420549 282304 138245 33%

ROAとROEなど

AMZN ROA ROE 流動比率
08/12 8% 24% 130%
09/12 7% 17% 133%
10/12 6% 17% 133%
11/12 2% 8% 117%
12/12 0% 0% 112%
13/12 1% 3% 107%
14/12 0% -2% 112%
15/12 1% 4% 108%
16/12 3% 12% 104%
17/12 2% 11% 104%
18/12 6% 23% 110%
19/12 5% 19% 110%
20/12 7% 23% 105%
21/12 8% 24% 114%

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

AMZN 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 1697 -1199 -198
09/12 3293 -2337 -280
10/12 3495 -3360 181
11/12 3903 -1930 -482
12/12 4180 -3595 2259
13/12 5475 -4276 -539
14/12 6842 -5065 4432
15/12 12039 -6450 -3882
16/12 17203 -9516 -3716
17/12 18365 -27084 9928
18/12 30723 -12369 -7686
19/12 38514 -24281 -10066
20/12 66064 -59611 -1104
21/12 46327 -58154 6291

ジェフ・ベゾスの発想とは

最後に、大発展を築いたベゾスの発想法を紹介してみましょう。
★2018/01/13 11:30:「ジェフ・ベゾス的思考」を手に入れる10の方法

ジェフ・ベゾスの名言:ベスト10

  • 変わらないものを軸に戦略を立てよ⇒「選択肢はより多く、価格はより安く、配達はより迅速で確実に」というのが、顧客が「変わらず求め続けるもの」とされています。
  • 顧客に執着せよ⇒ベゾスは会議室に誰も座らない椅子を持ち込み、そこに顧客がいると思って話せと幹部に述べています。
  • 我々は長期間にわたって誤解されることを厭わない⇒新規事業は道楽に見えるが、花開くまで5~7年かかっても問題なし。
  • 会社には2種類ある。高く売るために努力する会社と、安く売るために努力する会社だ⇒後者を目指したのがアマゾンの歩みでした。
  • 顧客のニーズから逆算せよ⇒キンドルもこの発想の産物です。顧客重視の姿勢はWMT(ウォルマート)に学んだともいわれています。
  • アマゾンの企業文化は「調和」と「情熱」だが、いざどちらかを選ぶとなれば、我々は「情熱」をとる⇒筆者には「調和」がどこにあるのか、疑問視しています。「調和」を持ち出すのは外向けのポーズではないでしょうか。
  • 発明家になりたければ失敗を恐れるな
  • 「なにかを学べるなら、つまずきも人生の一部だ」
  • 時間を10%とすると、かつては3%をサービスの構築に、残りの7%をプレゼンに充てたが、時代は変わった。これからは逆だ⇒プレゼン7割、サービス3割の企業からは買いたくありません。確かに、これはもっともな話です。
  • 誰もがコールセンターで働けるようにならなければいけない⇒ベゾスは自身も含め、全管理職に毎年2日間のコールセンタートレーニングを受けさせているといわれています。ベゾスに電話を取ってもらいたいです。
  • 今日はインターネットの1日目だ⇒これは1997年にアマゾンが出した最初の株主への手紙です。学ぶことが膨大にあることを名文句で表現しています。

ジェフ・ベゾスの決断:10の指針

フォーブス誌には、10の決断の指針も書かれていました。

  1. 情報を7%集めたところで決断を:9%になるまで待つと手遅れになる
  2. 競争を無視:他社を気にして模倣するよりも、自社サービスの充実が第一
  3. 1%の可能性に賭けよ:ベゾスいわく「100倍の利益が返ってくる可能性が1%あれば、必ず賭けるべき」
  4. 現状の成功に甘んじるな:配当金なしで成長にすべてをつぎ込むのも、このスタンスの表れ
  5. 特異な文化の形成:開拓や発明を愛する人のための独自の文化づくりを薦める
  6. プロセスに進化を阻ませない:アマゾンは大企業病を認めない
  7. 全てを分解する:従来の商品配送の過程を分け、ベゾスは独自の商品配送方法を再構築。
  8. ビジネスを「役所仕事」にしない:スタートアップの精神が第一
  9. 失敗の達人になる:失敗後の対処ができる人材にならないと挑戦はできない
  10. 長期的視点を大事にする:現在の成功も長期的視点の賜物です。

ベゾス氏の発想はいろいろな面で参考になります。

長期で見た戦略が優れているからこそ、投資先としてお金が集まっているわけです。

ヘビーユーザーの一人として、今後のアマゾンの発展に期待したいものです。