グーグル株 買い時は今? アルファベット決算

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2020年の株価暴落を乗り越えて、アルファベットはしぶとく成長を続けています。

2021年のGOOG(GOOGL)は好調でしたが、その勢いがどこまで続くのかが注目されています。

近年は、グーグルも米議会で検索結果に偏見が反映されていると追及されたり、EUから制裁金を徴収されるなど、世の中の風当たりが強くなってきました。

それでもグーグルの優位は崩れないと見るならば、今も「買い時」になるのでしょうが、このあたりの判断は、人によって意見が分かれそうです。

そこで、この記事では、気になるアルファベットの株価チャートと最近の指標、四半期決算、年次で見た業績などを見ていきます。

※アルファベット(Alphabet Inc.)は多言語・多種類(文字、画像、動画、地図、ニュース、ショッピング等)の検索サイト「Google」の持株会社(Google Inc.はAlphabet Inc.の子会社)。アルファベットには保有者に議決権がない【GOOG】株と議決権のある【GOOGL】株がある。これは創業者を含んだ古い株主の議決権を守るための措置。

アルファベットの事業:ネット広告と新規分野

収益の柱はネット広告

直近決算で見ると、売上の8割が広告収入になっています(アルファベット収入の単位は10億ドル)。

17 18 19 20 21
GOOGL 広告 検索 63% 62% 61% 57% 58%
YouTube 7% 8% 9% 11% 11%
Network 16% 15% 13% 13% 12%
クラウド 4% 4% 6% 7% 7%
他事業 10% 10% 11% 12% 11%
GOOGL以外 0% 0% 1% 0% 0%
アルファベット収入 111B 137B 162B 183B 258B

広告以外ではクラウドが重要で、他事業にはアプリ(Google Play等)やハードウェア(Pixelスマホ、Nest、Home等)、ユーチューブの有料会員収入等が含まれます(※19年11月にグーグルはウェアラブル機器を扱うフィットビット買収を発表。この分野にも進出の可能性が見込まれる)。

こうしてみると、当ブログが掲載するグーグルアドセンスも大河の一滴のようなグーグルの収入源となっているわけです。

最近は、音声検索が台頭し、Eコマース内の検索(AMZN等)も増えたので、昔のように文字検索のみが戦場ではなくなりましたが、この分野でグーグルの優位を崩せるほどのライバルは、いまだ見当たりません。

グーグルは、その広告が出される携帯端末の世界にもアンドロイドを展開。さらにピクセル3や4を販売し、AAPLと市場競争を続けてきました。

筆者も19年にアイフォンからピクセル3に機種変更し、端末の使い心地としては、「いい勝負」をしていると感じました。


近年の動向で特に着目すべきは、中国進出計画でしょう。

18年にはビチャイCEOが中国進出用の検索エンジン「ドラゴンフライ」の開発を進めていることが報じられ、1000名を超える社員からの抗議を受けました。中国との対決を呼びかけたペンス副大統領の演説にも「ドラゴンフライ」への批判が盛り込まれ、19年には米議会でグーグルが中国に設立したAI研究所も槍玉にあげられました。議会も対中強硬策に傾く世相なので、中国進出計画は、もうしばらくストップが続きそうです。

地域別売上高は以下の割合となっています。

年/月 17/12 18/12 19/12 20/12 21/12
米国 47% 46% 46% 47% 46%
EMEA 32% 33% 31% 30% 31%
アジア太平洋 15% 16% 17% 18% 18%
その他 6% 6% 6% 5% 5%

(※EMEA=欧州・中東・アフリカ)


新規事業には選別が必要?

google以外の「Other Bets」に含まれるアルファベットの事業は、Waymo(自動運転)、Verily(ライフサイエンス)、CapitalG(プライベートエクイティ)、Calico(老化防止)などです(投資部門なので営業赤字)。

2019年秋にはゲームストリーミングのプラットフォームとして「Stadia」(スタディア)」のβ版が公開されました。こちらは、ゲーム機を必要とせず、ネット上でPS4 ProやXboxOneと同レベルの技術水準のゲームを提供していく方針です。

この事業に関しては、プラットフォームのみならず、ゲームソフトの確保が成否のカギを握ることになりそうです(スタディアはまず、米英加、欧州で始まり、日本やアジアはその後になる)。

こうした新規事業は多岐にわたりますが、これらの新規事業の売上はアルファベットの1%にも満たず、そこに年間設備投資額の約3割を投じています。

そのため、メディアでは記者たちが「もっと有望事業を選定し、新規事業を絞り込むべきだ」などと論じています。

グーグルがそこまで新規事業に力を注ぐのは、現時点では向かうところ敵なしでも、今後は新しいゲームチェンジャーが生まれてくる可能性があるからです。

実際に、近年には、同社にとっての懸案事項が浮上してきています。

それは、個人情報保護の潮流や独占禁止法適用などの動きです。

例えば、欧州委員会は、検索結果の表示の際、自社の商品比較サービスを優先させたことなどを理由に、2017年には27億ドル、18年にも50億ドルの制裁金を課しました。

18年5月にEUが個人情報保護のために制定したGDPR(EU一般データ保護規則)はグーグルやFB、AMZNなどを狙い撃ちにしています。

FB情報流出問題などもあって、個人情報保護を求める世論は世界で強まっているので、今後は、その対策のためにコストがかかり、利益率が下がる可能性が見込まれています。

また、19年12月には共同創業者のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏が最高経営責任者を退任し、サンダー・ピチャイ氏が後任となりました。これに伴い、新路線が打ち出されるのかどうかが注目されています。

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)

GOOG GOOGL
1/3株価 2889.5 2889.5
5/20株価 2186.3 2186.3
株価上昇率 -24.34% -24.34%
52週高値 3042 3042
52週安値 2127.5 2127.5
β値 1.13 1.13
EPS 110.57 110.57
PER 19.77 19.77
配当利回り
時価総額(億$) 14374 14374
株式数(億) 3.1 3.1

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※22年終値は5/20株価)
GOOG 初値 終値 上昇率
2022 2889.5 2186.3 -24%
2021 1757.5 2893.6 65%
2020 1341.6 1751.9 31%
2019 1016.6 1337 32%
2018 1048.3 1035.6 -1%
2017 778.8 1046.4 34%
2016 743 771.8 4%
2015 527.6 758.9 44%
2014 557.7 525 -6%
2013 361.8 560.4 55%
2012 326.2 353.7 8%
2011 298.6 323 8%
2010 313.7 297 -5%
2009 154 310 101%
2008 342.6 153.8 -55%
★2:各年初から22/05/20までの伸び率
22年~ 21年~ 20年~ 19年~
-24% 24% 63% 115%
18年~ 17年~ 16年~ 15年~
109% 181% 194% 314%
14年~ 13年~ 12年~ 11年~
292% 504% 570% 632%
10年~ 09年~ 08年~
597% 1320% 538%


四半期決算(2021予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。

(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス)。

EPS:予想と結果

予想 5/16 1月前 2月前
Y:2023 132.59 136.15 136.06
Y:2022 111.61 115.92 115.94
Q:22/9 28.77 29.74 29.77
Q:22/6 26.72 27.39 27.44
EPS 予想 結果
22/3 25.94 24.62 -1.32 -5.1
21/12 27.48 30.69 3.21 11.7
21/9 23.47 27.99 4.52 19.3
21/6 19.14 27.26 8.12 42.4
21/3 15.88 26.29 10.41 65.6
20/12 15.99 22.30 6.31 39.5
20/9 11.21 16.40 5.19 46.3
20/6 8.34 10.13 1.79 21.5
20/3 10.99 9.87 -1.12 -10.2
19/12 12.59 15.35 2.76 21.9
19/9 12.42 10.12 -2.30 -18.5
19/6 11.25 14.21 2.96 26.3
19/3 10.57 11.90 1.33 12.6
18/12 10.82 12.77 1.95 18.0
18/9 10.42 13.06 2.64 25.3
18/6 9.58 11.75 2.17 22.7
18/3 9.28 9.93 0.65 7.0

売上高:予想と結果

予想 5/16 1月前 2月前
Y:2023 345230 351190 351430
Y:2022 299010 303760 303890
Q:22/9 74580
Q:22/6 70850 72010 72050
売上 予想 結果
22/3 68,070 68,010 -60 -0.1
21/12 72,130 75,330 3,200 4.4
21/9 63,450 65,120 1,670 2.6
21/6 56,030 61,880 5,850 10.4
21/3 51,700 55,310 3,610 7.0
20/12 53,110 56,900 3,790 7.1
20/9 42,880 46,170 3,290 7.7
20/6 37,360 38,300 940 2.5
20/3 40,290 41,160 870 2.2
19/12 46,870 46,080 -790 -1.7
19/9 40,170 40,500 330 0.8
19/6 38,210 38,940 730 1.9
19/3 37,360 36,340 -1,020 -2.7
18/12 38,910 39,280 370 1.0
18/9 34,040 33,740 -300 -0.9
18/6 32,170 32,660 490 1.5
18/3 30,290 31,150 860 2.8


決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

GOOGL 売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 21796 7853 36% 4227
09/12 23651 9316 39% 6520
10/12 29321 11081 38% 8505
11/12 37905 14565 38% 9737
12/12 46039 16619 36% 10737
13/12 55519 18659 34% 12733
14/12 66001 23024 35% 14136
15/12 74989 26572 35% 15826
16/12 90272 36036 40% 19478
17/12 110855 37091 33% 12662
18/12 136819 47971 35% 30736
19/12 161857 54520 34% 34343
20/12 182527 65124 36% 40269
21/12 257637 91652 36% 76033

同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

GOOGL SG(%) EPS DSO
08/12 31% 6.66 40.2
09/12 9% 10.21 49.4
10/12 24% 13.16 62.3
11/12 29% 14.88 59.4
12/12 21% 16.16 68.1
13/12 21% 18.79 61.7
14/12 19% 20.57 60
15/12 14% 22.84 67.7
16/12 20% 27.85 57.5
17/12 23% 18 61.6
18/12 23% 43.7 56.5
19/12 18% 49.16 62
20/12 13% 58.61 62.8
21/12 41% 112.2 57.1

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。

バランスシート

GOOGL 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 31768 3529 28239 89%
09/12 40497 4493 36004 89%
10/12 57851 11610 46241 80%
11/12 72574 14429 58145 80%
12/12 93798 22083 71715 76%
13/12 110920 23611 87309 79%
14/12 129187 25327 103860 80%
15/12 147461 27130 120331 82%
16/12 167497 28461 139036 83%
17/12 197295 44793 152502 77%
18/12 232792 55164 177628 76%
19/12 275909 74467 201442 73%
20/12 319616 97072 222544 70%
21/12 359268 107633 251635 70%

ROAとROEなど

GOOGL ROA ROE 流動比率
08/12 13% 15% 877%
09/12 16% 18% 1062%
10/12 15% 18% 416%
11/12 13% 17% 592%
12/12 11% 15% 422%
13/12 11% 15% 458%
14/12 11% 14% 480%
15/12 11% 13% 467%
16/12 12% 14% 629%
17/12 6% 8% 514%
18/12 13% 17% 392%
19/12 12% 17% 337%
20/12 13% 18% 307%
21/12 21% 30% 293%

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

GOOGL 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 7853 -5319 87
09/12 9316 -8019 233
10/12 11081 -10680 3050
11/12 14565 -19041 807
12/12 16619 -13056 1229
13/12 18659 -13679 -857
14/12 23024 -21055 -2087
15/12 26572 -23711 -4225
16/12 36036 -31165 -8332
17/12 37091 -31401 -8298
18/12 47971 -28504 -13179
19/12 54520 -29491 -23209
20/12 65124 -32773 -24408
21/12 91652 -35523 -61362