DBA・MOO:農産品&アグリビジネスETFの株価・構成銘柄

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【農業ETF】DBAとMOOを徹底比較!食糧問題に投資する2つの方法

【最新更新】 2025年10月時点の公表情報を反映し、経費率・構成・税務まわりの注意点を見直しました。数値は変動するため、投資前に必ず各社の公式ページで最新値をご確認ください。

農産物とアグリビジネスに投資するETFのデータを比較してみます。

このページでは資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を整理してみましょう。

【農業ETF】DBAとMOOを徹底比較!食糧問題に投資する2つの方法

世界の人口は増加の一途をたどり、食料の安定供給は人類にとっての恒久的な課題です。この長期的なメガトレンドに投資する手段として、「農業セクター」が注目されています。今回は、農業に投資する代表的なETFである「DBA」「MOO」を取り上げます。この2つは、投資対象が全く異なるため、その違いを理解することが最適な選択への鍵となります。

【重要】先物型 vs 株式型:農業投資の2つのアプローチ

農業への投資には、大きく分けて2つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

項目 ① 先物型 (DBA) ② 株式型 (MOO)
投資対象 農産物の先物契約 農業関連企業の株式
リターン要因 農産物価格の変動(天候・需給など) 農産物価格 + 企業の利益成長・配当
主なリスク 農産物価格の変動、コンタンゴによる減価 農産物価格の変動、個別企業の経営リスク、株式市場全体の影響
分配金 通常なし あり(配当は変動/頻度は各社ルールに依存)

コンタンゴによる減価:先物型ETFは、定期的に契約を乗り換える(ロールオーバー)必要があります。この時、将来の価格が高い「コンタンゴ」という状況だと、割高な先物に乗り換え続けることになり、農産物価格が横ばいでもETFの価値が少しずつ目減りするリスクがあります。

① 農産物そのものに投資する「先物型ETF」

【DBA】インベスコ DB アグリカルチャー・ファンド

トウモロコシ、大豆、砂糖、小麦など、主要な農産物の先物価格に連動することを目指すETFです(ベンチマーク:DBIQ Diversified Agriculture Index Excess Return)。先物取引の仕組みで実物を保管せずにエクスポージャーを得るのが特徴。Invesco公式のETF一覧から「DBA」ページで最新構成と先物限月を確認できます。[1]

項目 詳細
連動指数 DBIQ Diversified Agriculture Index Excess Return[1]
経費率 目安 0.85%前後(外部公表値)。公的資料での表記差があるため、投資前に最新の「費用」欄をご確認ください。[2]
主な投資対象 トウモロコシ/大豆/砂糖/小麦/コーヒー/カカオ/生牛/豚赤身肉など(指数ルールに基づき年1回見直し)[1]
分配金 通常なし(先物型のため)
税務(米国) DBシリーズはSchedule K-1を発行(確定申告手続きが通常のETFと異なる点に注意)。[3]

② 農業関連ビジネスに投資する「株式型ETF」

【MOO】ヴァンエック・アグリビジネスETF

農産物そのものではなく、肥料・農薬・種子、農業機械、穀物メジャーなどアグリバリューチェーン全体の上場企業に分散投資(ベンチマーク:MVIS Global Agribusiness Index)。国際分散・配当の取り込みができ、テーマの長期成長に企業収益を通じて乗る設計です。[4]

項目 詳細
連動指数 MVIS Global Agribusiness Index[4]
経費率 0.55%[4]
上位構成銘柄(例) Corteva、Deere、Archer-Daniels-Midland、Zoetis、Nutrien、Bayer 等(比率は随時変動)[4]
分配金 あり(年1回・利回りは市況と決算により変動。最新の「Distributions」を要確認)[4]
地域分散 米国を中心に、カナダ/欧州/日本などへも分散(構成は定期見直し)[4]

まとめ:あなたの戦略に合うのはどちら?

  • 短期的な価格変動を狙いたいなら → DBA
    天候や世界の需給バランスを読み、農産物価格そのものの上昇・下落に賭けたいトレード志向の選択肢。コンタンゴ環境ではロールコストがマイナス要因になる点、K-1発行による税務の手間に注意。[3]
  • 長期的なテーマに投資したいなら → MOO
    「人口増×蛋白需要×農業生産性向上」という長期テーマに、企業収益と配当で参加。個別企業リスクはあるものの、国際分散と実体ビジネスの利益成長を取り込めます。[4]

農業セクターへの投資は、ポートフォリオの分散効果を高めつつ、生活必需の「食」というテーマに参加する方法です。各ETFの構造(先物か株式か)と費用・税務・リスクを理解し、ご自身の投資方針に合ったものを選びましょう。

【出典・情報源】

※公表値は予告なく変更されることがあります。具体的な数値(経費率・AUM・配当利回り等)を利用する際は、必ず各公式ページの「Fees」「Holdings」「Distributions」等で直近値をご確認ください。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢