DBA・MOO:農産品&アグリビジネスETFの株価・構成銘柄

コモディティ

農産物とアグリビジネスに投資するETFのデータを比較してみます。

このページでは資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

【農業ETF】DBAとMOOを徹底比較!食糧問題に投資する2つの方法

世界の人口は増加の一途をたどり、食料の安定供給は人類にとっての恒久的な課題です。この長期的なメガトレンドに投資する手段として、「農業セクター」が注目されています。今回は、農業に投資する代表的なETFである「DBA」「MOO」を取り上げます。この2つは、投資対象が全く異なるため、その違いを理解することが最適な選択への鍵となります。

【重要】先物型 vs 株式型:農業投資の2つのアプローチ

農業への投資には、大きく分けて2つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

項目 ① 先物型 (DBA) ② 株式型 (MOO)
投資対象 農産物の先物契約 農業関連企業の株式
リターン要因 農産物価格の変動(天候・需給など) 農産物価格 + 企業の利益成長・配当
主なリスク 農産物価格の変動、コンタンゴによる減価 農産物価格の変動、個別企業の経営リスク、株式市場全体の影響
分配金 なし あり

コンタンゴによる減価:先物型ETFは、定期的に契約を乗り換える(ロールオーバー)必要があります。この時、将来の価格が高い「コンタンゴ」という状況だと、割高な先物に乗り換え続けることになり、農産物価格が横ばいでもETFの価値が少しずつ目減りするリスクがあります。

① 農産物そのものに投資する「先物型ETF」

【DBA】インベスコ DB アグリカルチャー・ファンド

トウモロコシ、大豆、砂糖、小麦など、主要な農産物の先物価格に連動することを目指すETFです。天候不順や地政学的リスクによる供給不安など、農産物価格そのものの上昇を直接的に狙いたい場合に適しています。

連動指数 DBIQ Diversified Agriculture Index Return
経費率 0.94%
主な投資対象 トウモロコシ, 大豆, 砂糖, 小麦, コーヒー, カカオ, 生牛, 豚赤身肉など11銘柄
分配金 なし

② 農業関連ビジネスに投資する「株式型ETF」

【MOO】ヴァンエック・アグリビジネスETF

農産物そのものではなく、肥料・農薬・種子の開発、農業機械の製造、食品加工など、農業に関連するグローバル企業約50社の株式に分散投資します。食料需要の増大という長期テーマに、企業の成長と配当という形で投資したい場合に最適です。

連動指数 MVIS Global Agribusiness Index
経費率 0.52%
上位構成銘柄 Deere & Co (ディア), Nutrien (ニュートリエン), Zoetis (ゾエティス), Bayer (バイエル), Archer-Daniels-Midlandなど
国別比率 米国 (約58%), カナダ (約12%), ドイツ (約7%), 日本 (約4%) など
分配金 あり(年2回)

まとめ:あなたの戦略に合うのはどちら?

  • 短期的な価格変動を狙いたいなら → DBA
    天候や世界の需給バランスを読み、農産物価格そのものの上昇・下落に賭けたい短期トレーダー向けの選択肢です。コンタンゴリスクがあるため、長期保有には注意が必要です。
  • 長期的なテーマに投資したいなら → MOO
    「世界的な人口増加と食糧需要の増大」という長期的なメガトレンドに、優良企業の成長と配当を通じて投資したい場合に最適です。株式ETFなので分かりやすく、長期投資に向いています。

農業セクターへの投資は、ポートフォリオの分散効果を高めると同時に、私たちの生活に不可欠な「食」というテーマに参加する機会を提供してくれます。それぞれのETFの特性を理解し、ご自身の投資戦略に合ったものを選びましょう。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄ははチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢