ドラッケンミラーのポートフォリオ(保有銘柄を一覧)
スタンリー・フリーマン・ドラッケンミラー(Stanley Freeman Druckenmiller)は、米国の伝説的な投資家(ヘッジファンドマネージャー)であり、慈善活動家です。
かつてジョージ・ソロスが設立したクォンタム・ファンドにおいてリード・ポートフォリオ・マネージャーとしてその名を馳せました。
その人生の概要とポートフォリオを紹介してみます。
ドラッケンミラーの歩み
ドラッケンミラーは1953年6月14日にペンシルベニア州ピッツバーグで生まれました。
ボウディン大学で学士号を取得後、ミシガン大学で経済学の博士課程に進みましたが、中退してピッツバーグ国立銀行で石油アナリストとしてのキャリアをスタートさせました。
1981年には、弱冠28歳で自身のヘッジファンド、デュケイン・キャピタル・マネジメントを設立。
その卓越した手腕が認められ、1988年にはジョージ・ソロスのクォンタム・ファンドに招かれました。そこでソロス氏と共に1992年の英国ポンド危機において大規模な空売りを仕掛け、巨額の利益を上げたことで伝説となります[1]。
一方で、2000年のITバブル崩壊直前には、ハイテク株への過度な強気ポジションが原因で巨額の損失を被り、同年、ソロス氏の元を去りました。この成功と失敗の経験が、彼の後の投資哲学をより強固なものにしました。
2010年、ドラッケンミラー氏はデュケイン・キャピタルの外部資金の運用を停止し、ファンドを閉鎖。その理由を「顧客の資金を預かるという絶え間ないプレッシャー」から解放されるためと述べました。以降は、自己資産を運用するデュケイン・ファミリーオフィスを運営し、市場で最も注目される投資家の一人として活動を続けています。
資産運用について
その投資哲学は、マクロ経済の大きな潮流を予測して投資テーマを決定する「トップダウン・アプローチ」を基本とします。そして、一度確信を持てば、レバレッジを効かせてでも資産を集中投下する「ホームラン狙い」のスタイルで知られています。
デュケイン・キャピタルは、彼が運用した30年間、一度も年間リターンがマイナスになることなく、年平均30%という驚異的なリターンを達成しました。
また、彼は多額の寄付を行う慈善活動家としても知られ、特に貧困地区の子供たちを支援する「Harlem Children’s Zone」の理事長を務めるなど、社会貢献にも積極的に関与しています。
保有株式ポートフォリオ(参考情報)
【極めて重要】以下に示すのは、デュケイン・ファミリーオフィスがSEC(米証券取引委員会)に提出したForm 13Fに基づく、2025年3月31日時点の保有「株式」ポートフォリオです。これは彼のグローバルマクロ戦略のごく一部である「米国上場株式のロングポジション」のみを示すものです。彼の投資判断の核となる通貨、債券、商品、さらにはショートポジションやレバレッジの状況は一切含まれません。このリストは彼の戦略の氷山の一角に過ぎず、これをもって彼の全貌と判断することはできない点に、強くご留意ください。[2]
順位 | 銘柄名 (ティッカー) | ポートフォリオ比率 |
---|---|---|
1 | NVIDIA Corp (NVDA) | 約 15.2% |
2 | Microsoft Corp (MSFT) | 約 12.8% |
3 | Eli Lilly & Co (LLY) | 約 8.5% |
4 | SPDR Gold Trust (GLD) | 約 7.9% |
5 | Coupang, Inc. (CPNG) | 約 6.1% |
6 | Teck Resources Ltd (TECK) | 約 5.5% |
7 | Alphabet Inc. Class A (GOOGL) | 約 4.9% |
8 | Freeport-McMoRan Inc (FCX) | 約 4.2% |
9 | IQVIA Holdings Inc (IQV) | 約 3.8% |
10 | Amazon.com (AMZN) | 約 3.5% |
【出典】