EWC·EWW:カナダとメキシコETFの比較

海外ETF

カナダとメキシコETFのデータを比較し、情報を整理してみます。

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を紹介してみましょう

【国別ETF】カナダ(EWC)・メキシコ(EWW) – 米国の隣人への投資を考える

米国株投資に慣れてきた投資家が次なる分散先として注目するのが、地理的にも経済的にも米国と繋がりの深い隣国、カナダとメキシコです。G7の一員である先進国カナダと、ニアショアリングの恩恵を受ける新興国メキシコは、対照的な魅力とリスクを持っています。今回は、それぞれの国を代表するiシェアーズのETF「EWC(カナダ)」「EWW(メキシコ)」について、その中身と投資妙味を徹底解説します。

【EWC】iシェアーズ MSCI カナダ ETF

先進国としての安定性と、資源国としての側面を併せ持つカナダ経済の主要企業にまるごと投資できるETFです。

カナダ(EWC)投資の魅力とリスク

投資の魅力
  • 先進国としての安定性: G7の一員であり、政治・経済的に安定しています。
  • 健全な金融システム: 世界的に見ても健全性が高いとされる大手銀行群が経済の基盤を支えています。
  • 豊富な天然資源: 世界有数の資源国であり、原油などのコモディティ価格上昇の恩恵を受けます。
注意すべきリスク
  • 資源価格への依存: 原油価格の変動がカナダ経済および株価に大きな影響を与えます。
  • セクターの集中: ポートフォリオが金融とエネルギーセクターに大きく偏っています。

EWCの基本情報とポートフォリオ

連動指数 MSCI Canada Index
経費率 0.50%
純資産総額 約43億ドル
上位構成銘柄 Royal Bank of Canada, Toronto-Dominion Bank, Shopify, Enbridge, Canadian Natural Resourcesなど
セクター比率 金融 (約35%), エネルギー (約18%), 資本財 (約11%), 素材 (約9%) など

【EWW】iシェアーズ MSCI メキシコ ETF

「ニアショアリング」の潮流に乗り、米国の隣で成長を続けるメキシコ経済の主要企業に投資するETFです。

メキシコ(EWW)投資の魅力とリスク

投資の魅力
  • ニアショアリングの恩恵: 米中対立を背景に、企業が生産拠点を中国からメキシコへ移す動きが加速しており、経済成長の追い風となっています。
  • 米国との強固な経済連携: 米国への最大の輸出相手国であり、米国経済の恩恵を受けやすい地理的優位性があります。
  • 豊富な若年労働力: 人口ボーナス期にあり、今後の内需拡大が期待されます。
注意すべきリスク
  • 新興国リスク: 政治情勢の変動や治安問題などが、経済の不安定要因となる可能性があります。
  • 通貨(ペソ)の変動: 米ドルに対してメキシコ・ペソが下落すると、ドル建てのETFの価値も目減りします。
  • 米国経済への依存: 米国の景気後退は、メキシコ経済に直接的な打撃を与えます。

EWWの基本情報とポートフォリオ

連動指数 MSCI Mexico IMI 25/50 Index
経費率 0.50%
純資産総額 約28億ドル
上位構成銘柄 America Movil, Fomento Economico Mexicano (FEMSA), Walmart de Mexico, Grupo Financiero Banorte, Grupo Mexicoなど
セクター比率 生活必需品 (約24%), 金融 (約21%), 通信 (約19%), 素材 (約12%) など

※純資産総額は2025年6月時点の参考値であり、常に変動します。

まとめ:ポートフォリオにおける役割

EWCとEWWは、どちらも米国の隣国ですが、その性格は大きく異なります。

  • EWC (カナダ): 先進国への分散投資の一環として、ポートフォリオに「安定」「高配当(銀行株)」を加えたい場合に適しています。資源価格上昇局面での強みも期待できます。
  • EWW (メキシコ): 新興国への投資として、ポートフォリオに「高い成長性」を加えたい場合に面白い選択肢です。「ニアショアリング」という明確な成長ストーリーに期待する投資家に向いています。

どちらのETFも、米国株だけでなく他の国へも視野を広げることで、より多角的なポートフォリオを構築するための有効なツールとなります。それぞれの国の魅力とリスクを十分に理解した上で、投資を検討してみてください。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割り、平均の利回りを計算してみます。


ポートフォリオ

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、セクター別比率はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢


EWC EWW
2024 2.16% 2.6%
2023 2.35% 3.09%
2022 2.08% 2.75%
2021 1.76% 1.66%
2020 2.42% 2.57%
2019 2.3% 2.56%
2018 2.11% 2.25%
2017 1.71% 1.55%
2016 2.04% 2.52%
2015 2.36% 1.51%