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【EWS】シンガポールETFの株価とリターン

更新日:

米国上場ETFの一つであるEWS(iシェアーズMSCIシンガポール・キャップトETF)。

シンガポールには成長国のイメージがありますが、その伸び率はどの程度なのでしょうか。

今回は、そのパフォーマンスを紹介した上で、シンガポール経済の可能性について考えてみます。

【EWS】iシェアーズMSCIシンガポール・キャップトETFとは

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iシェアーズMSCIシンガポールETFは約30近い銘柄で構成されるMSCI シンガポール指数に連動する米国籍ETFです。

構成銘柄のうち99%以上はシンガポール銘柄。大型株を中心にして代表的な構成銘柄に投資しています。

EWSの株価チャート

株価の推移は以下の通り(ロイターHP)。

EWSの指標

ブルームバーグのサイトから指標を見てみます(2018/9/19閲覧。TR=トータルリターン、R=リターン)

  • 株価52週レンジ:22.8 - 28.35
  • 資産総額(億ドル):5.7
  • 直近配当額:0.486
  • 直近配当利回り(税込):4.17%
  • 経費率:0.48%
  • 3ヶ月トータルリターン:-6.45%
  • 年初来リターン:-8.32%
  • 1年トータルリターン:-0.69%
  • 3年トータルリターン:6.73%
  • 5年トータルリターン:0.83%

最近は新興国株安から立ち直りつつあります。

シンガポール経済には地力があるので、今後の可能性にはそれなりに期待できるかもしれません。

EWSの分配金(2013~2017)

年間で累計した上記ETFの分配金(ドル)の推移は以下の通り(モーニングスターHPを閲覧)

  • 2017:0.8978
  • 2016:0.7901
  • 2015:0.8639
  • 2014:0.8761
  • 2013:0.9927

EWSのポートフォリオ

次に、このETFの構成比率を「組入れ企業の規模」「セクター別の投資割合」「投資先主要10社の比率」で見てみます。

組入れ企業の規模別の比率(%)

  • 巨大企業 48.42
  • 大企業 46.98
  • 中企業 4.6

※出典:モーニングスターHP(7/22閲覧)

セクター別の投資比率(%)

EWSのセクター別の投資比率は以下の通りです。

  1. 金融:46.01
  2. 資本財・サービス:17.19
  3. 不動産:17.09
  4. 一般消費財・サービス:7.31
  5. 電気通信:4.77
  6. 生活必需品:4.1
  7. 情報技術:2.46
  8. キャッシュ等:1

※出典:ブラックロック社のEWS紹介記事(8/26閲覧)。

構成比率を見ると、実質的には金融株のETFに近いとも言えるかもしれません。

投資先主要10社の比率(%)

  1. DBS: DBSグループ・ホールディングス   17.61
  2. UOB: ユナイテッド・オーバーシーズ銀行   13.59
  3. OCBC: オーバーシー・チャイニーズ銀行   13.59
  4. ST: シンガポール・テレコム 4.5
  5. KEP: ケッペル 4.44
  6. AREIT: アセンダスREIT 3.29
  7. GENS: ゲンティン・シンガポール 3.15
  8. WIL: ウィルマー・インターナショナル 3.1
  9. SGX: シンガポール取引所 3.05
  10. STE:シンガポール・テクノロジーズエンジニアリング  2.91

※出典:ブルームバーグHP(9/19閲覧)

この10社はどれもシンガポール市場上場(SP)です。

シンガポールの経済力

では、シンガポール経済の現状はどうなっているのでしょうか。

投資環境を把握するために、世界銀行のデータバンクからシンガポールの主要統計を閲覧してみます。

実質GDPと失業率

実質GDPは2010年米ドル基準 。失業率はILO方式。

実質成長率 総額(億$) 一人当たり($) 失業率
2005 7.5 1707 40020 5.6
2006 8.9 1858 42224 4.5
2007 9.1 2028 44191 3.9
2008 1.8 2064 42650 4.0
2009 -0.6 2052 41133 4.4
2010 15.2 2364 46570 3.2
2011 6.4 2514 48505 3.0
2012 4.1 2617 49262 2.9
2013 5.1 2751 50948 2.8
2014 3.9 2858 52244 2.8
2015 2.2 2922 52785 1.7
2016 2.4 2992 53354 1.8
2017 3.6 3100 55236 2.0

失業率は低水準。実質GDPは12年間で2倍近くにまで増えました。

名目GDPと名目GNI

名目GDP 名目GNI
総額(億$) 一人当たり($) 総額(億$) 一人当たり($)
2005 1274 29870 1210 28370
2006 1478 33580 1412 32080
2007 1800 39224 1636 35660
2008 1922 39721 1775 36680
2009 1924 38578 1849 37080
2010 2364 46570 2274 44790
2011 2760 53238 2504 48310
2012 2907 54716 2715 51110
2013 3045 56389 2955 54730
2014 3115 56957 3083 56370
2015 3041 54941 2990 54020
2016 3098 55243 2935 52350
2017 3239 57714 3060 54530

人口伸び率など

総人口(万人) 人口増加率 出生率 平均寿命
2005 427 2.35 1.26 80.0
2006 440 3.13 1.28 80.1
2007 459 4.17 1.29 80.4
2008 484 5.32 1.28 80.8
2009 499 3.02 1.22 81.2
2010 508 1.77 1.15 81.5
2011 518 2.08 1.20 81.7
2012 531 2.45 1.29 82.0
2013 540 1.62 1.19 82.2
2014 547 1.30 1.25 82.5
2015 554 1.19 1.24 82.7
2016 561 1.30 1.20 82.8
2017 561 0.09

GDP伸び率はよいのですが、出生率は極めて低水準であることには注意が必要でしょう。

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シンガポールのリーダーとは

最後に、シンガポールを担う首相と象徴的な役割を担う大統領を見てみます。

リー・シェンロン首相

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まずは、実権を担う首相の人物像を見てみます。

シェンロン首相は1952年2月10日に建国の父であるリークアンユーの息子としてシンガポールで生まれました。

そして、74年にケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ校を卒業(数学、コンピューター工学専攻)し、1980年にハーバード大学ケネディスクールを卒業(行政学修士)しました。

シェンロン氏は軍でキャリアを積み、84年に退役後、政治家になりました。

  • 71年(19歳)シンガポール国軍入隊
  • 81年(29歳) 統合幕僚運用部長
  • 82年(30歳) 統合幕僚長

異常に早い年齢で統合幕僚長になっています。退役時は准将でした。

その後、政治家として歩み始めます。

  • 84年(32歳)国会議員初当選(以降計6選)
  • 84年(32歳)貿易産業担当国務大臣兼国防担当国務大臣
  • 87年(35歳)貿易産業大臣兼第二国防大臣
  • 90年(38歳)副首相兼貿易産業大臣
  • 93年(41歳)副首相
  • 98年(46歳)副首相のまま通貨監督庁(MAS)議長兼任
  • 01年(49歳)さらに財務大臣を兼任
  • 04年(49歳)首相兼財務大臣
  • 04年(49歳)人民行動党(PAP)書記長
  • 07年(55歳)首相(財務大臣兼任解消)

15年のリークアンユー氏の死後、後継者となり、現在、人民行動党書記長を務めています。

日本に対しては歴史認識問題で中国寄りの立場を取りながらも、国連安保理常任理事国入りを支持しています。

シンガポールは華人が多いので中国寄りですが、安全保障上、米国との関係を頼みの綱にしているので、自由主義陣営の日本との関係も大事にしています。

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ハリマ・ヤコブ大統領

何気なくシンガポールについて調べてみると、いつのまにか9月11日に大統領が交代していました。

日本のメディアではあまり取り上げられなかったので、筆者もスルーしていたのですが、今回の選挙では「初の女性大統領が選挙による投票を経ずに誕生」したそうです。

CNN日本語版の記事(9/12)でその概要を見てみましょう(「シンガポール大統領選、マレー系女性候補が無投票で勝利」)

  • マレー系女性のハリマ・ヤコブ前国会議長が無投票で大統領選に当選。選挙は23日予定だったが、今回から導入された立候補資格を満たす候補者がハリマ氏しかいなかった(立候補条件には、民間人の場合、自社資本を3億7000万ドル(約400億円)以上保有するCEOであることが規定された)。
  • ハリマ氏は「シンガポール国民のために最善を尽くすことを約束」。この国の大統領は象徴職ですが、政府高官の任命や国庫準備金には関わることが可能。
  • シンガポールでは中国系が74%で、現首相のリー・シェンロン氏も中国系。人口の13%を占めるマレー系の大統領が出るのは1965~70年の初代大統領以来。

立候補要件に400億円の資産が必要・・・。日本人には信じられない規定です。

時事通信の記事(9/12)を見ますと「5人から立候補申請が出されていたが、首相府選挙局は11日、立候補の資格がある人物は1人だけだったと発表し」、「ハリマ氏以外の会社経営者ら4人は、経営する企業の資本要件が基準に満たないなどの理由から立候補を認められなかった」。「シンガポールでは昨年11月、大統領選挙制度の憲法改正が行われ、今年の選挙での候補者はマレー系に限定されていた」とも書かれています(シンガポールで初の女性大統領=前議会議長ハリマ氏、無投票当選」)。

この規定を見ると、シンガポールは経済面では自由でも、政治面ではあまり自由ではないことがわかります。

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