都道府県と世界各国のGDPを比較 東京VSオランダ、大阪VSマレーシア、愛知VSフィリピンの結果は? 

政治経済

今回は、日本の都道府県のGDP(国内総生産)の規模について考えてみます。

名目GDPで比較して、上位になる都道府県のGDPが世界各国のランキングでどのあたりに匹敵するのかを調べてみます。

日本の経済規模は大きいとされますが、それを各都道府県や経済圏に区切ってみたら、はたして、どの国と同じぐらいの経済規模になるのでしょうか。

計算過程は以下の通りです。

  1. 日本の各県の名目GDPのデータを内閣府の「県民経済計算」から取得
  2. 世界銀行のデータバンクから各国の名目GDP(米ドル)を取得
  3. 両方のデータが揃う最新の年(日本は年度なので若干のズレはありますが、概算なので無視)を割り出す(今回は2021年
  4. 2021年のドル円の年間平均レート(1ドル=109.80円)で各県GDPを米ドルに換算

「各国VS東京都or地域(経済圏)」でGDPを比較

まず、各県VS各国の比較に入る前に、東京都+地域(経済圏)で名目GDPの比較をしてみます。

【ご注意】以下のGDPは2021年の名目GDP(単位:百万ドル)です。その後の急激な円安(1ドル130円〜150円台)を反映した場合、ドル建てのGDPはさらに下がり、各地域のランキングも変動する点にご留意ください。

一番目立つのが関東圏(約1.97兆ドル)ですが、その上にはイタリア(約2.11兆ドル)がいます。関東圏はイタリアよりは小さく、ブラジル(約1.65兆ドル)よりは大きい、という位置づけです。

東京都はオランダとほぼ互角。そして近畿圏がトルコやスイスに迫り、中部圏はポーランドに匹敵する経済規模を誇ります。九州圏の後ろにはナイジェリアが迫っているという感じです。

日本の地域 GDP (百万ドル) 比較対象国 GDP (百万ドル)
イタリア 2,114,342
関東広域圏 1,968,961
ブラジル 1,649,623
メキシコ 1,315,953
オランダ 1,012,896
東京都 948,014
サウジアラビア 874,157
スイス 807,175
トルコ 806,831
近畿圏 741,080
中部圏 691,529
ポーランド 681,393
ベルギー 594,769
タイ 505,568
九州・沖縄圏 447,816
ナイジェリア 440,777
北海道・東北圏 418,634
シンガポール 423,627

「各国VS都道府県」でGDPを比較

次に、都道府県を中心に世界各国と比較してみます。この表はGDPの大きい順なので、一部、経済圏も交じります。

大阪府や愛知県は、東南アジアの成長著しい国、マレーシアやフィリピン、ベトナムといった国々と肩を並べる規模感です。神奈川県も南米のチリやコロンビアに迫ります。

日本の都道府県/地域 GDP (百万ドル) 比較対象国 GDP (百万ドル)
シンガポール 423,627
マレーシア 373,568
大阪府 357,109
ベトナム 366,138
フィリピン 361,489
愛知県 333,752
コロンビア 318,512
チリ 317,058
神奈川県 289,887
中国地方 255,876
ポルトガル 255,190
ペルー 224,984
ギリシャ 217,390
埼玉県 202,686
ウクライナ 200,091
カザフスタン 199,726
兵庫県 188,145
千葉県 182,130
カタール 179,664
福岡県 172,306
ハンガリー 181,114
北海道 163,892
静岡県 148,827
モロッコ 142,873

こうして見ると、日本の各地域や主要な都道府県が、単独で一つの国に匹敵する、あるいはそれを超えるほどの経済規模を持っていることがよく分かります。普段私たちが住んでいる地域の経済力の大きさを、改めて感じられるのではないでしょうか。

Posted by 南 一矢