金・金鉱株ETF(GLD・IAU・GDX・GDXJ)を比較する

コモディティ,金・金鉱株

金/金鉱株ETFのデータを比較してみます。

金ETFの代表は、ステート・ストリート社の【GLD】、ブラックロック社の【IAU】ですが、金鉱株ETFとしてヴァンエックの【GDX】【GDXJ】も紹介します。

(※GLDとIAUはいずれも金の国際価格に連動することを目指す一方、運用資産、コスト、保管・運用スキーム等に違いがあります。)

このページでは、積立や資産運用の参考となるように、ETFの概要や重要データ、リスクの違いを整理します。

【金・金鉱株ETF】GLD, IAU, GDX, GDXJを徹底比較!

更新:2026年1月(最新データ反映)
2026年1月30日時点で、LBMA Gold Price PM(USD)は$5,405.00/ozと高値圏です。[1] 金(現物)に連動するETFと、金鉱株(採掘企業)に投資するETFでは、値動きの要因とリスクの質が大きく異なります。
本記事では、各社公式ページの純資産(運用資産)・コスト・直近実績(主に2025年末、または2026年1月末時点)を中心に更新しました。

地政学的リスクや経済の不確実性が高まる局面では、「有事の金」として金(ゴールド)への関心が強まることがあります。金への投資には、金現物に連動するETFと、金を採掘する企業(=金鉱株)に投資するETFの2種類があり、それぞれ全く異なる特性を持ちます。

今回は、代表的な4つのETF「GLD」「IAU」「GDX」「GDXJ」を比較し、投資戦略に合う選択肢を整理します。

【金現物ETF】安全資産としての選択肢(GLD vs IAU)

金そのものの価格に連動することを目指すETFです。金の現物を信託財産として保管しており、ポートフォリオの「守り」やインフレヘッジの役割を期待する投資家が多い資産クラスです。一般に分配金(インカム)は基本的にありません(信託が金現物を保有するため)。

【GLD】SPDR® ゴールド・シェア

世界最大級の純資産総額と高い流動性を持つ代表的な金ETFです。取引のしやすさ(流動性)を重視する場合、比較の基準になりやすい存在です。主要指標は以下のとおりです。[1]

経費率 0.40%(公表値、確認日:2026-01-31)。[1]
純資産総額
(運用資産)
約$174.1B(2026年1月30日時点)。[1]
参考:金価格指標 LBMA Gold Price PM(USD):$5,405.00/oz(2026年1月30日時点)。[1]
設定年 2004年(設定日:2004-11-18)。[1]

【IAU】iシェアーズ・ゴールド・トラスト

GLDと同様に金現物への連動を目指しますが、コスト(スポンサー手数料)が低い点が特徴です。長期保有でコスト差を重視する場合、検討対象になりやすいETFです。[2]

コスト
(スポンサー手数料)
0.25%(目論見書記載、確認日:2026-01-31)。[2]
純資産総額
(運用資産)
約$79.7B(Net Assets of Fund、2026年1月30日時点)。[2]
NAV(参考) NAV $93.80(2026年1月30日時点)。[2]
直近実績(参考) 2025年通期:Total Return 64.60%(as of 2025-12-31、Calendar Year)。[2]
設定年 2005年(Fund Inception:2005-01-21)。[2]

★選び方:コストを重視する長期投資ならIAU、流動性や代表性を重視するならGLDが比較軸になりやすいです。なお、金現物ETFは「金価格(USD)」の影響が中心で、円建て評価ではUSD/JPYの変動も影響します。


【金鉱株ETF】金価格上昇を積極的に狙う選択肢(GDX vs GDXJ)

金を採掘・生産する企業の株式に投資するETFです。金価格だけでなく、企業の業績、コスト構造、資源量、国・地域の規制、M&Aなど多様な要因で価格が動きます。企業が配当を出すため、分配(インカム)が出る可能性がありますが、金現物ETFより値動きは大きくなりやすい点に注意が必要です。

【GDX】ヴァンエック・金鉱株ETF

主要な大手・中堅の金鉱株に分散投資する代表的な金鉱株ETFです。金価格の局面に応じて変動が拡大しやすい点が特徴です。[3]

経費率 0.51%(Expense Ratio、確認日:2026-01-31)。[3]
純資産総額
(運用資産)
約$28.9B(Total Net Assets、2026年1月29日時点)。[3]
直近実績(参考) 2026年年初来:YTD RETURN 10.05%(2026年1月30日時点)。[3]
補足 組入・比率は日々変動します(Daily Holdingsの基準日が併記されます)。[3]

【GDXJ】ヴァンエック・中小型金鉱株ETF

GDXよりも規模の小さい中・小型の金鉱株(いわゆる「ジュニア」)への比重が相対的に高く、探鉱・開発段階の企業も含まれやすいETFです。成功すれば上昇余地が大きい一方、資金調達環境やプロジェクトリスクの影響を受けやすく、よりハイリスク・ハイリターンになりやすい点が特徴です。[4]

経費率 0.51%(Expense Ratio、確認日:2026-01-31)。[4]
補足 金現物・GDXよりも企業固有の要因(操業・資金調達・開発進捗等)の影響を受けやすく、変動が大きくなりやすい点に注意が必要です。[4]

【最重要】金現物ETF vs 金鉱株ETF 徹底比較

どちらに投資すべきかは、期待する役割(守り/攻め)と、耐えられるリスクの質で判断しやすくなります。

項目 金現物ETF
(GLD, IAU)
金鉱株ETF
(GDX, GDXJ)
値動き 金価格(USD)に比較的素直に連動しやすい 金価格に加え、企業業績・コスト・開発/操業リスク等で変動幅が拡大しやすい
主なリスク要因 金価格(+円建てではUSD/JPY) 金価格、企業リスク(操業・財務・M&A)、カントリー/規制リスク等
分配金 原則なし あり得る(投資先企業の配当等の影響)
役割 安全資産寄り、ポートフォリオの「守り」 高リターン狙い、ポートフォリオの「攻め」
直近実績(参考) IAU:2025年通期 Total Return 64.60%(as of 2025-12-31)。[2] GDX:2026年年初来 YTD RETURN 10.05%(as of 2026-01-30)。[3]

まとめ:あなたの戦略に合うのはどれ?

  • インフレヘッジや資産の逃避先として、ポートフォリオの安定性を高めたいなら → GLD or IAU(長期でコスト差を重視するならIAUが比較上有利になりやすい)。[1][2]
  • 金価格の上昇局面でより大きなリターンを狙いたい、企業リスクも許容できるなら → GDX or GDXJ(より変動が大きくなりやすいのはGDXJ)。[3][4]
2026年1月時点の追加ポイント(要旨):
・金価格は高値圏で推移し、短期的な材料(金融政策・地政学・需給)で変動する可能性があります。
・中銀の金需要など、構造的要因も金市場の下支えになり得ます。[5]
・本記事の「金価格指標」はLBMA Gold Price(PM)を参照しています(指数の定義はLBMAの説明を参照)。[6]

金現物と金鉱株は、似ているようで全く異なる資産クラスです。特性(値動きの要因)とリスクの質を切り分け、投資目的とリスク許容度に合わせて活用しましょう。

※本記事の数値は、各社公表ページに基づき、主として2026年1月30日(GLD/IAUの基準日)および2026年1月29〜30日(GDXの基準日)、ならびに2025年12月31日(IAUの年次実績)を参照しています。[1][2][3] 過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。最新の情報は各運用会社の公式サイトでご確認ください。

【注】(出典リンク)

  1. GLD主要データ(運用資産・経費率・LBMA Gold Price PMなど)→ SSGA(SPDR Gold Shares ETF / GLD)(確認日:2026-01-31)
  2. IAU主要データ(スポンサー手数料・純資産・実績など)→ BlackRock iShares(iShares Gold Trust / IAU)(確認日:2026-01-31)
  3. GDX主要データ(経費率・純資産・年初来リターン・Daily Holdings等)→ VanEck(Gold Miners ETF / GDX)(確認日:2026-01-31)
  4. GDXJ主要データ(経費率・Key Facts等)→ VanEck(Junior Gold Miners ETF / GDXJ)(確認日:2026-01-31)
  5. 金市場の構造要因(需要・投資家動向などの解説)→ World Gold Council(Gold all-time highs: navigating unusual markets)(確認日:2026-01-31)
  6. LBMA Gold Price(ベンチマークの定義・概要)→ LBMA(Precious Metal Prices / LBMA Gold Price)(確認日:2026-01-31)

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。



配当金(分配金)と利回り

年間配当を1年の平均株価で割った平均利回りの推移です。

GDX GDXJ
2024 1.45% 0.69%
2023 1.58% 0.51%
2022 1.83% 2.02%
2021 0.6% 1.86%
2020 0.57% 0.4%
2019 0.44% 0.4%
2018 0.83% 0.05%
2017 0.26% 4.26%
2016 0.51% 0.58%
2015 0.73% 0.79%
2014 0.84% 0.03%

ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率はチャールズシュワブ、組入れ上位10銘柄はフィディリティのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢