ヘルスケアETF(VHT・XLV・IYH・IXJ)を比較:株価・配当・構成銘柄

セクターETF

米国のヘルスケアセクターETFのデータを比較してみます。

その代表は、バンガードの【VHT】、ステート・ストリートの【XLV】、ブラックロックの【IYH】ですが、世界各国のヘルスケア企業に投資する【IXJ】の内容も紹介します。

なお「グローバル型」といっても、時価総額加重に近い指数設計では米国比率が高めになりやすい点は念頭に置いておきましょう。IXJは世界のヘルスケア株に投資するETFですが、2026年5月11日時点でも米国企業の影響が大きい商品です。[4]

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETFの概要、連動指数、経費率、上位集中度、パフォーマンス、リスクなどを整理してみましょう。

【徹底比較】ヘルスケアETF VHT vs XLV おすすめは?リスクも解説

ヘルスケアセクターと一口にいっても、医薬品、バイオテクノロジー、医療機器、医療サービスなど中身はかなり幅広く、ETFごとに「大型株に寄るか」「中小型まで拾うか」「米国外を含むか」で性格が変わります。VHT、XLV、IYH、IXJの違いは、まさにこの設計の差に表れています。[1][2][3][4]

【はじめに】ヘルスケアETFは「同じセクター」でも中身が違う

ヘルスケアETFは、景気敏感株だけに偏らない守備的な面を持ちながらも、医療機器やバイオ、肥満症治療薬、医療サービスなど成長期待の高い領域も含みます。ただし、ETFごとに上位銘柄の集中度や組入対象の広さが異なるため、値動きは意外と揃いません。特にXLVは大型主力株寄りVHTは中小型まで含む幅広分散型IXJはグローバル分散型という違いが見えやすいです。[1][2][4]

主要ヘルスケアETF比較一覧表(2026/5/12確認)

まずは、今回ご紹介するETFの「個性」が一目でわかる比較表をご覧ください。「上位銘柄の集中度」は、ヘルスケアETFの値動きを理解するうえで重要なヒントになります。

ティッカー 投資戦略 経費率
(年率)
上位集中
(目安)
キーワード
XLV 米国・大型株中心 0.08%
2026/05/12確認[1]
上位10銘柄で約59.8%(2026/05/11時点)。[1] S&P 500ヘルスケアを大型株中心で取りにいきやすい
VHT 米国・幅広分散(中小型も含む) 0.09%
2026/05/12確認[2]
上位10銘柄で約50.6%(2026/03/31時点)。[2] 400銘柄超を保有し、セクター内分散が効きやすい
IYH 米国・幅広分散 0.38%
2026/05/12確認[3]
保有銘柄数103(2026/05/11時点)。上位主力株の影響は大きめ。[3] iSharesの米国ヘルスケア。VHT/XLVよりコストは高め
IXJ グローバル分散 0.40%
2026/05/12確認[4]
保有銘柄数114(2026/05/11時点)。米国外も含むが米国比率は高め。[4] 米国外の大手ヘルスケア企業も含めたい場合の候補

※データは各社公表資料の基準日時点です。経費率・構成比・保有銘柄数・純資産総額(AUM)・利回り・パフォーマンスは変動します。[1][2][3][4]

ミニ解説:「ヘルスケアETFはどれも似ている」と見えやすいのですが、実際は上位集中度がかなり違います。たとえば、XLVの上位10銘柄比率は2026年5月11日時点で約59.8%ですが、VHTは2026年3月31日時点で約50.6%です。XLVのほうが大型主力株の影響を受けやすく、VHTは同じ米国ヘルスケアでも裾野が広い設計です。[1][2]


【米国ヘルスケアETF対決】XLV vs VHT

米国ヘルスケアセクターに投資するなら、この2つが中心的な選択肢です。どちらも上位銘柄の影響は出やすいのですが、XLVはS&P 500ヘルスケア由来で大型株色が強く、VHTは中小型まで含むぶん、同じ米国ヘルスケアでも広がりがあります。[1][2]

【XLV】ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRファンド(大型株中心)

  • 連動指数:Health Care Select Sector Index。[1]
  • 保有銘柄数:60(ファンド、2026/05/11時点)。[1]
  • 純資産総額(AUM):約366.1億ドル(2026/05/11時点)。[1]
  • 30日SEC利回り:1.75%(2026/05/08時点)。[1]
  • 分配頻度:四半期(2026/05/12確認)。[1]
  • 特徴:上位銘柄の比率が厚く、2026/05/11時点ではEli Lilly 14.81%、Johnson & Johnson 10.31%、AbbVie 6.93%、UnitedHealth Group 6.73%、Merck 5.34%でした。[1]

【VHT】バンガード・ヘルスケアETF(幅広分散型)

  • 連動指数:MSCI US Investable Market Health Care 25/50 Index。[2]
  • 保有銘柄数:413〜400銘柄超の水準(2026年春時点の公表データ)。[2]
  • ETF純資産総額:約161億〜162億ドル(2026年3月末〜4月末時点の公表データ)。[2]
  • 分配頻度:四半期。[2]
  • 特徴:大型株だけでなく中小型も含む設計で、2026年3月31日時点の上位10銘柄比率は約50.6%でした。XLVほど極端ではありませんが、Eli Lilly、Johnson & Johnson、AbbVieなどの主力株の影響は大きくなります。[2]

【選択肢を広げる】iシェアーズ社の米国・グローバルETF

VanguardやSPDRの主力ETF以外にも、iSharesには性格の異なる選択肢があります。IYHは米国ヘルスケアを広く取るETF、IXJはグローバル分散を意識したETFです。[3][4]

【IYH】高コスト寄りの米国ヘルスケアETF

iShares U.S. Healthcare ETF(IYH)は、Russell 1000 Health Care RIC 22.5/45 Capped Indexに連動するETFです。経費率は0.38%、保有銘柄数は103、純資産総額は約27.5億ドルでした(いずれも2026/05/11時点または2026/05/12確認)。30日SEC利回りは1.30%(2026/03/31時点)です。[3]

IYHは米国ヘルスケアを広く取れるETFですが、経費率はVHTやXLVより高めです。米国ヘルスケアETFとして使う場合、コスト重視ならVHTやXLVと比較したうえで選ぶのが実務的です。

【IXJ】グローバル戦略という選択肢

「米国の企業だけに投資するのは偏りが気になる」と考える投資家にとって、iShares Global Healthcare ETF(IXJ)は選択肢になります。経費率は0.40%、保有銘柄数は114、純資産総額は約35.5億ドルでした(いずれも2026/05/11時点または2026/05/12確認)。30日SEC利回りは1.52%(2026/03/31時点)です。[4]

IXJに投資する主なメリット

  • カントリーリスクの分散:米国以外の大手ヘルスケア企業も組み入れられるため、米国単独のセクターETFより地域分散を取りやすくなります。[4]
  • 世界の大手ヘルスケアへのアクセス:医薬品、バイオテクノロジー、医療機器など、世界のヘルスケア企業をまとめて保有できます。[4]

⚠️ 注意点:コストと指数変更の確認は重要

IXJはグローバル分散のメリットがある一方、VHT/XLVと比べると経費率が高めです。加えて、iSharesの公式ページでは、IXJの連動指数が2026年3月23日ごろS&P Global 1200 Health Care (Sector) Capped Indexへ変更される旨が案内されています。比較の際は、古い資料と新しい資料が混在しないよう注意したいところです。[4]


【2026年市場環境】ヘルスケアETFの現在のパフォーマンス

📊 2026年は、ヘルスケアETFが年初来でやや苦戦する展開になっています。 もっとも、同じヘルスケアでも指数や組入範囲が違うため、下げ幅は揃っていません。[1][2][3][4]

主要ETFのパフォーマンス(直近確認ベース)

  • VHT:年初来リターン(NAV)は-6.16%(2026/05/08時点)。[2]
  • XLV:年初来リターン(NAV)は-5.33%(2026/04/30時点)。[1]
  • IYH:年初来リターン(NAV)は-6.84%(2026/05/08時点)。[3]
  • IXJ:年初来リターン(NAV)は-5.87%(2026/05/08時点)。[4]

パフォーマンスが分かれやすい主な要因

  1. 上位銘柄の寄与(集中度):大型株比率が高いETFほど、Eli Lilly、Johnson & Johnson、AbbVie、UnitedHealth Groupなど少数の主力銘柄の動きが効きやすくなります。
  2. 組入範囲の違い:VHTは中小型まで広く、XLVはS&P 500構成銘柄のヘルスケア株中心、IXJは米国外も含みます。
  3. 指数ルールの違い:IYHやIXJは指数設計が異なり、IXJのような指数変更もETFの中身を確認するうえで重要です。[3][4]
  4. 薬価・規制・個別材料:ヘルスケア株は、薬価政策、医療保険、臨床試験、特許切れ、買収などの材料で個別銘柄の値動きが大きくなりやすいセクターです。

【重要】ヘルスケアセクター投資の主なリスク

安定性が注目されやすい一方、ヘルスケアセクターには固有のリスクもあります。ここは「ディフェンシブだから安心」と単純化しすぎないほうがよい部分です。

  1. 政治・規制リスク:
    薬価、保険償還、医療制度、政府規制の変更は、ヘルスケア企業の収益見通しやバリュエーションに影響しやすいポイントです。米国大統領選挙や議会の医療政策議論が、セクター全体の重しになることもあります。
  2. 研究開発・製品競争リスク:
    新製品開発の遅れ、臨床試験の失敗、競争激化、特許切れは、業績や株価に響きやすく、特に医薬品・バイオ関連では材料が集中しやすい傾向があります。
  3. セクター集中リスク:
    セクターETFは分散投資ではあるものの、業種自体には集中しています。医療政策や業界全体の地合いが悪化すると、広く影響を受ける可能性があります。
  4. 大型株集中リスク:
    XLVのように上位10銘柄で約6割を占めるETFでは、ETFという名前から受ける印象以上に、少数の大型株の業績や株価に左右されます。[1]

⚖️ 免責事項

本記事は2026年5月12日時点で確認できる情報に基づく情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。ETFの保有銘柄、構成比率、経費率、利回り、純資産総額、パフォーマンスは日々変動します。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

ミニ解説:ヘルスケアETFを選ぶときは、「どのETFが上がりそうか」だけでなく、どの企業群のリスクを引き受けるかで考えると整理しやすくなります。大型株中心ならXLV、米国ヘルスケア全体を広く取りたいならVHT、iSharesで米国ヘルスケアを取りたいならIYH、米国外も含めたいならIXJという棲み分けです。

【注】(出典リンク)

  1. XLV公式データ(経費率、保有銘柄数、AUM、30日SEC利回り、上位構成、業種配分、パフォーマンス) → State Street「Health Care Select Sector SPDR Fund」(確認日:2026-05-12)
  2. VHT公式データ(連動指数、経費率、純資産、上位10銘柄比率、分配頻度、パフォーマンス) → Vanguard「Vanguard Health Care ETF」Vanguard「VHT Fact Sheet」(確認日:2026-05-12)
  3. IYH公式データ(経費率、保有銘柄数、ベンチマーク、純資産総額、30日SEC利回り、パフォーマンス) → iShares「iShares U.S. Healthcare ETF」(確認日:2026-05-12)
  4. IXJ公式データ(経費率、保有銘柄数、純資産総額、30日SEC利回り、指数変更案内、パフォーマンス) → iShares「iShares Global Healthcare ETF」(確認日:2026-05-12)

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*当サイトは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高く計上されることがあります)

VHTの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.78% 4.64 19.9% 260.1 -0.1%
2024 1.49% 3.87 13.5% 260.4 13.0%
2023 1.48% 3.41 3.3% 230.4 0.8%
2022 1.44% 3.30 8.6% 228.5 -0.2%
2021 1.33% 3.04 12.2% 228.9 26.7%
2020 1.50% 2.71 -25.1% 180.7 14.9%
2019 2.30% 3.62 63.1% 157.2 7.3%
2018 1.52% 2.22 9.9% 146.5 14.7%
2017 1.58% 2.02 9.8% 127.7 15.7%
2016 1.67% 1.84 13.6% 110.4 -3.0%
2015 1.42% 1.62 26.6% 113.8 18.8%
2014 1.34% 1.28 12.3% 95.8 28.9%
2013 1.53% 1.14 -5.0% 74.3 31.7%
2012 2.13% 1.20 14.3% 56.4 15.6%
2011 2.15% 1.05 7.1% 48.8 15.1%
2010 2.31% 0.98 -34.2% 42.4 15.8%
2009 4.07% 1.49 98.7% 36.6 -8.5%
2008 1.88% 0.75 40.0

XLVの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.76% 2.48 8.3% 140.9 -0.7%
2024 1.61% 2.29 5.5% 141.9 13.4%
2023 1.73% 2.17 9.0% 125.1 1.5%
2022 1.61% 1.99 6.4% 123.3 5.6%
2021 1.60% 1.87 10.7% 116.8 25.3%
2020 1.81% 1.69 -23.5% 93.2 13.0%
2019 2.68% 2.21 62.5% 82.5 7.7%
2018 1.78% 1.36 11.5% 76.6 13.3%
2017 1.80% 1.22 9.9% 67.6 14.0%
2016 1.87% 1.11 7.8% 59.3 -1.3%
2015 1.71% 1.03 12.0% 60.1 17.2%
2014 1.79% 0.92 9.5% 51.3 28.6%
2013 2.11% 0.84 5.0% 39.9 30.8%
2012 2.62% 0.80 17.6% 30.5 15.5%
2011 2.58% 0.68 17.2% 26.4 14.3%
2010 2.51% 0.58 1.8% 23.1 13.8%
2009 2.81% 0.57 -1.7% 20.3 -9.0%
2008 2.60% 0.58 22.3

IYHの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.30% 0.770 6.5% 59.4 -1.3%
2024 1.21% 0.730 7.4% 60.2 13.2%
2023 1.27% 0.680 8.3% 53.2 1.3%
2022 1.19% 0.620 10.6% 52.5 1.7%
2021 1.09% 0.560 -1.6% 51.6 25.9%
2020 1.40% 0.570 16.7% 41.0 14.2%
2019 1.37% 0.490 -30.5% 35.9 7.2%
2018 2.11% 0.710 83.9% 33.5 13.9%
2017 1.31% 0.380 3.5% 29.4 14.8%
2016 1.45% 0.370 -38.8% 25.6 -2.7%
2015 2.30% 0.610 100.7% 26.3 17.4%
2014 1.35% 0.300 13.5% 22.4 28.0%
2013 1.52% 0.270 -5.7% 17.5 31.6%
2012 2.12% 0.280 27.0% 13.3 15.7%
2011 1.93% 0.220 6.7% 11.5 13.9%
2010 2.06% 0.210 6.1% 10.1 14.8%
2009 2.23% 0.200 12.0% 8.8 -8.3%
2008 1.82% 0.170 9.6

IXJの利回り

分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.52% 1.36 5.4% 89.5 -1.2%
2024 1.42% 1.29 7.5% 90.6 12.3%
2023 1.49% 1.20 21.2% 80.7 2.3%
2022 1.25% 0.99 -2.0% 78.9 1.5%
2021 1.30% 1.01 4.1% 77.7 20.7%
2020 1.51% 0.97 -1.0% 64.4 13.8%
2019 1.73% 0.98 -18.3% 56.6 7.8%
2018 2.29% 1.20 46.3% 52.5 10.5%
2017 1.73% 0.82 0.0% 47.5 11.8%
2016 1.93% 0.82 -43.8% 42.5 -4.7%
2015 3.27% 1.46 114.7% 44.6 12.9%
2014 1.72% 0.68 4.6% 39.5 24.6%
2013 2.05% 0.65 -11.0% 31.7 29.4%
2012 2.98% 0.73 19.7% 24.5 12.9%
2011 2.81% 0.61 7.0% 21.7 14.2%
2010 3.00% 0.57 11.8% 19.0 13.1%
2009 3.04% 0.51 0.0% 16.8 -10.2%
2008 2.73% 0.51 18.7


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢