【NFLX】ネットフリックスの株価と決算

2020年7月13日

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ネットフリックス(Netflix Inc.)は世界最大のネット動画配信企業です。

ネットを通じてテレビ番組と映画コンテンツをサービス加入者に提供しているので、NFLX加入者は、作品をテレビ、PC、モバイル等の媒体を用いてどこでも鑑賞できます。

米国ではCATVよりも安く、どんな端末でも番組を見れる利便性でユーザーの心をつかみました。現在、その動画は中国以外のほとんどの国で視聴できる水準にまで顧客が広がっています。

その事業構成は以下の通り。

年/月 18/12 19/12
米国外動画配信 49.3% 45.9%
米国動画配信 48.4% 52.7%
米国DVD 2.3% 1.5%

(※米国内DVD事業は動画配信前に手がけていた祖業のビデオレンタル)

19年末時点で世界の有料会員数は、1億6709万人(9月末よりも876万人増)。米国外の有料会員数は1億604万人。

日本の人口よりも多い会員数を誇っています。

「ハウス・オブ・カード」や「マスター・オブ・ゼロ」等が有名ですが、数多くの独自番組がその会員増に寄与していますが、最近は各国別のマーケティングを強化しています。

コンテンツ系の企業の「台風の目」となってきたNFLXについて、情報を整理してみます。

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NFLXの事業の概略

NFLXは独自番組の放映と同時に、第三者が制作した番組のライセンスを取得し、それを有料でネット配信することで放送局や映画会社を脅かしています。

斬新なのは、AIの機械学習を用いて1億人以上の視聴データを分析して視聴者の嗜好をつかんでいる点です。

ネットフリックスでは視聴者の嗜好に合わせて推奨画面のデザインが変わったり、対象を絞ったメールでの宣伝を行ったりするだけでなく、「ハウス・オブ・カード」では視聴データをもとに起用俳優や監督を決めました。

ハリウッドを中心とした従来の映画会社が「プロの直観」で決めていた分野に、AIによるビッグデータの分析を取り入れたわけです。

NFLXは、以下のような発展の過程をたどり、17年3月末時点で会員数5085万人を記録。米ケーブルTV主要六社の会員数(約4860万人)を上回りました。

  • 1997年:創業(当初はDVDの郵送サービス企業)
  • 2007年:動画配信サービスを開始
  • 2013年:独自作品「ハウス・オブ・カード」を配信
  • 2015年:日本でサービス開始
  • 2016年:世界190カ国超でサービスを展開
  • 2017年:会員数1億人突破(年末)

ただ、製作費はけた外れの規模です。

ハウス・オブ・カードの制作には約100億円を投じ、17年には売上高の8割に相当する89億ドル(約9300億円)の製作費を費やしました。

後述のフリーキャッシュフローは赤字続きですが、同社は圧倒的な勢いの会員数拡大でそれを賄う方針です(※米国では製作費が計上されるのはドラマが完成し、放映された後なので、NFLXにとっては有利な仕組みになっている)。

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得。配当利回り〔税込み〕のみブルームバーグ)

1/2株価 326.1
7/10株価 548.7
株価上昇率 68.27%
52週高値 555.9
52週安値 252.3
β値 0.96
EPS 4.94
PER 111.1
配当利回り
時価総額(億$) 2413
株式数(億) 4.4

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう

★1:各年の株価伸び率(※20年終値は7/10株価)
NFLX 初値 終値 上昇率
2020 326.1 548.7 68%
2019 259.3 323.6 25%
2018 196.1 267.7 37%
2017 125 192 54%
2016 109 123.8 14%
2015 49.1 114.4 133%
2014 52.4 48.8 -7%
2013 13.6 52.6 287%
2012 10.1 13.2 31%
2011 25 9.9 -60%
2010 7.9 25.1 218%
2009 4.3 7.9 84%
2008 3.8 4.3 13%
★2:各年初から20/7/10までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~
112% 180% 339% 403%
15年~ 14年~ 13年~ 12年~
1018% 947% 3935% 5333%
11年~ 10年~ 09年~ 08年~
2095% 6846% 12661% 14340%

四半期決算(2020予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。

(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。ただ、2019年6月までのデータ出所はロイター)。

EPS:予想と結果

予想 7/12 1月前 2月前
Y:2021 8.6 8.55 8.59
Y:2020 6.45 6.44 6.46
Q:Sep-20 2 1.99 1.98
Q:Jun-20 1.81 1.81 1.81
EPS 予想 結果
20/3 1.65 1.57 -0.08 -4.8
19/12 0.53 1.3 0.77 145.3
19/9 1.04 1.47 0.43 41.3
19/6 0.56 0.6 0.04 7.1
19/3 0.57 0.76 0.19 33.3
18/12 0.24 0.3 0.06 25.0
18/9 0.68 0.89 0.21 30.9
18/6 0.79 0.85 0.06 7.6
18/3 0.64 0.64 0 0.5

売上高:予想と結果

予想 7/12 1月前 2月前
Y:2021 29280 29240 29270
Y:2020 24790 24770 24770
Q:Sep-20 6380 6370 6370
Q:Jun-20 6080 6070 6070
売上 予想 結果
20/3 5760 5770 10 0.2
19/12 5450 5467 17 0.3
19/9 5250 5245 -4 -0.1
19/6 4927 4923 -4 -0.1
19/3 4502 4521 19 0.4
18/12 4207 4187 -20 -0.5
18/9 3997 3999 2 0.1
18/6 3940 3907 -33 -0.8
18/3 3690 3701 11 0.3

決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等

NFLX 売上高 営業CF OCFマージン 純利益
08/12 1365 284 21% 83
09/12 1670 325 19% 116
10/12 2163 276 13% 161
11/12 3205 318 10% 226
12/12 3609 22 1% 17
13/12 4375 98 2% 112
14/12 5505 16 0% 267
15/12 6780 -749 -11% 123
16/12 8831 -1474 -17% 187
17/12 11693 -1786 -15% 559
18/12 15794 -2680 -17% 1211
19/12 20156 -2887 -14% 1867

*同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。なお、NFLXの場合は先行投資が巨額であるために営業CFがマイナスになっている。

EPSや売上高成長率など

NFLX SG(%) EPS DSO
08/12 13% 0.19 0.0
09/12 22% 0.28 0.0
10/12 30% 0.42 0.0
11/12 48% 0.59 0.0
12/12 13% 0.04 0.0
13/12 21% 0.26 0.0
14/12 26% 0.62 0.0
15/12 23% 0.28 0.0
16/12 30% 0.43 0.0
17/12 32% 1.25 0.0
18/12 35% 2.68 0.0
19/12 22% 4.13 0.0

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

NFLX 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 615 268 347 56%
09/12 680 481 199 29%
10/12 982 692 290 30%
11/12 3069 2426 643 21%
12/12 3968 3223 745 19%
13/12 5413 4079 1334 25%
14/12 7043 5185 1858 26%
15/12 10203 7979 2223 22%
16/12 13587 10907 2680 20%
17/12 19013 15431 3582 19%
18/12 25974 20736 5239 20%
19/12 33976 26394 7582 22%

自己資本比率を見てみると、だいたい2割ぐらいを維持しながらも、その値は微妙に下がってきています。

ROAとROEなど

NFLX ROA ROE 流動比率
08/12 13% 24% 166%
09/12 17% 58% 181%
10/12 16% 56% 164%
11/12 7% 35% 149%
12/12 0% 2% 134%
13/12 2% 8% 142%
14/12 4% 14% 147%
15/12 1% 6% 154%
16/12 1% 7% 125%
17/12 3% 16% 140%
18/12 5% 23% 149%
19/12 5% 25% 73%

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合

★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合

★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

成長企業ではありますが、流動負債を流動資産が上回る経営を維持し続けてきました。

キャッシュフロー

ただ、営業キャッシュフローに関しては赤字が続いています。

NFLX 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 284 -145 -177
09/12 325 -246 -85
10/12 276 -116 -100
11/12 318 -266 262
12/12 22 -245 6
13/12 98 -256 476
14/12 16 -43 542
15/12 -749 -179 1640
16/12 -1474 50 1092
17/12 -1786 34 3077
18/12 -2680 -339 4049
19/12 -2887 -387 4506

ネットフリックスはまだ成長真っ盛りの企業なので、これは致し方ないのかもしれません。