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グーグル株 買い時は今? アルファベット決算

更新日:

2018年2月に米国株の「適温相場」が崩壊。

その時には、従来、購入の射程外だったアルファベット等のITガリバーの買い時が来ていました。

10月にもまた株価が急落していますが、これを買い時と見るかどうかは、人によって大きく意見が分かれそうです。

そこで、この記事では、気になるアルファベットの株価チャートと最近の指標を見ていきます。

※アルファベット(Alphabet Inc.)は多言語・多種類(文字、画像、動画、地図、ニュース、ショッピング等)の検索サイト「Google」の持株会社(Google Inc.はAlphabet Inc.の子会社)。アルファベットには保有者に議決権がない【GOOG】株と議決権のある【GOOGL】株がある。これは創業者を含んだ古い株主の議決権を守るための措置。

アルファベットの事業:ネット広告と新規分野

収益のほとんどはネット広告

2017年12月のデータで見ると、アルファベットの売上構成の98.9%は広告です。

そして、地域別売上高は以下の割合となっています。

  • 米国:47.3%
  • 欧州・中東・アフリカ:32.5%
  • アジア太平洋:14.6%
  • 北米・中米・南米(米国除く):5.5%

筆者も掲載しているグーグルアドセンスも大河の一滴のようなグーグルの収入源となっているわけです。

年次決算の数字では売上増の純利益減となりましたが、18年第1四半期は増収増益でした。

2018年2月以降、株価が下がりましたが、そのあとは元の軌道に戻りました。

検索におけるグーグルの優位を崩せるほどのライバルはまだ、見当たりません。

新規事業には選別が必要?

その事業は好調ですが、その持ち株会社傘下にある新規事業は「ファイバー」(米国で光ファイバー事業を行う)、「ネスト」(スマートホーム事業)、「X」(新技術開発)、「ウェイモ」(自動運転)、ベンチャーキャピタルなど、多岐にわたり、その選別が必要ではないかとも言われています。

というのは、グーグルの広告が売上の9割以上を占めているのに、これらの新規事業の売上は1%にも満たず、そこに年間設備投資額の約3割を投じているからです。

筆者は「グーグルはもともと、そういう企業なのだろう」と割り切りますが、世の中の投資家の目は厳しいので、メディアでは訳知り顔の記者たちが「もっと有望事業を選定し、新規事業を絞り込むべきだ」などと論じています。

ただ、向かうところ敵なしにも見えるグーグルにも、近年、懸案事項が浮上してきています。

それは、独占禁止法などの規制への対応です。

例えば、欧州委員会は、検索結果の表示の際、 自社の商品比較サービスを優先させたとの嫌疑により、2017年6月にグーグルに対して約3500億円相当の制裁金を科しました。

18年5月にはGDPR(EU一般データ保護規則)で個人情報保護も強化されましたが、これはグーグルやフェイスブック、アマゾンなどを狙い撃ちにする政策です。

FB情報流出問題などもあって、個人情報保護を求める世論は世界で強まっているので、今後は、その対策のためにコストがかかり、利益率が下がる可能性が見込まれています。

2019年以降、グーグルが中国進出?

2018年に入り、グーグルが再び中国進出への意欲を示していることが報じられています。

そこで、参考までにグーグル社の中国撤退の過程を振り返ってみます。

(以下、「米グーグル,中国市場からの“撤退”を表明」NHK 2010年5月「放送研究と調査」)

  • (グーグルが)「2006年に中国市場に参入した際には,民主化や少数民族問題など中国政府の望まない情報を非表示にするという自主検閲を受け入れたため,ヤフーなど他のネット関連事業者とともにアメリカ議会の公聴会で集中砲火を浴びた」
  • 「グーグルはその後,中国市場でのシェアを30%以上と,中国の事業者『百度』に次ぐ2位にまで伸ばした。しかし2010年1月,中国政府による厳しいネット検閲に加え,同社の無料メールサービス「Gメール」が中国国内からと見られるハッカー攻撃を受けたことなどを理由に,中国市場からの撤退を検討」
  • (交渉後)「中国政府は譲歩する気配を一切見せなかったため,グーグルが正式に中国市場からの撤退を決めた」

その後、中国のネットユーザーがgoogleにアクセスすると香港のサイトに転送されるようになりましたが、グーグル社は結局、中国市場のシェアよりも、自社のポリシーを守ることを選んだわけです。

しかし、今後の再進出でグーグルのもともとの理念を忘れるようなことがあれば、ブランドそのものの価値が下がってしまいます。

【GOOGL】【GOOG】の指標

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まず、主要指標のデータでアルファベットを見てみましょう。

GOOGGOOGL
1/2株価1048.341053.02
10/26株価1071.51083.8
株価上昇率2.20%2.90%
52週高値1273.891291.44
52週安値972.2984
EPS25.7725.77
PER41.5842.05

※GOOGの株式数は3億、GOOGLは3.5億。両者を合わせた時価総額は7512億ドル。

【GOOGL】の株価推移

さらに、【GOOGL】の株価を見てみます(【GOOG】の株価推移はほぼ同じなので省略)。

青線が株価推移。赤線が50日間の移動平均線です。

2月上旬に株価が下がり、その後に株価がひととき回復したのですが、パウエルFRB議長の議会証言の後に下落。

3月にはフェイスブックの個人情報流出が問題視され、広告主体のビジネスモデルを持つグーグルに同種のリスクが懸念され、株価が下がりました。

その後、株価は回復したものの、18年以降、懸念材料が増えてきています。

年次でその伸び率を見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※18年終値は10/26)
GOOGL初値最安最高終値上昇率
201810531005.21285.51083.83%
2017800.6807.81085.11053.432%
2016762.2681.1835.7792.54%
2015532.6497.179477846%
2014557.7498.2610.1530.7-5%
2013360351.4560.4560.456%
2012326.2279.5384353.78%
2011298.6237.43233238%
2010313.7218313.4297-5%
2009154141.4311.4310101%
2008346.4128.7346.4153.8-56%
★2:各年初から2018/10/26までの伸び率
18年~17年~16年~15年~14年~13年~
3%35%42%103%94%201%
12年~11年~10年~09年~08年~-
232%263%245%604%213%-

サブプライムショック後、08年には株価が半減(-56%)しましたが、09年初からアルファベット株を持ち続けた場合、18年10月26日で7倍以上の株価になります

・・・

グーグルの株価は右肩上がりなのですが、近年は、EUを中心に個人情報規制の動きが本格化してきました。

欧州委員会は7月18日に、グーグルが「アンドロイド」を搭載した携帯で自社の検索サービス等を不当優遇したことをEU競争法違反と見なして約5600億円相当の制裁金の支払いを命じています。

しかし、それでも23日の2018年の4-6月期決算での純利益は前年同期比で9%減にとどまりました。

売上高も前年同期比で約26%ほど増えたので、その勢いはまだ止まっていません。

ただ、今後、EUが採った個人情報保護の潮流が世界に広まれば、コスト増となり、今までほどの発展を維持するのは難しくなるのかもしれません。

【GOOGL】四半期決算(予想と実値)

さらに、決算の数字を見てみます。

以下、ロイターのサイトに掲載されている予想値です(2018/11/18)

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています(後述のGAAP基準と異なる売上とEPSの数値は非GAAP基準)

【GOOGL】ロイター予想値

売上予想平均上限下限期間
2019163036167239158247通年
2018136501137108135572通年
Mar-193722538191361554半期
Dec-183896039565380294半期
売上予想結果
Sep-1834045337403050.89
Jun-1832171326574861.51
Mar-1830288311468582.83
Dec-1731868323234561.43
Sep-1727204277725682.09
EPS予想平均上限下限期間
20197.547.856.85通年
20186.466.626.32通年
Mar-191.721.861.644半期
Dec-181.531.671.384半期
EPS予想結果
Sep-181.681.780.1025.32
Jun-181.531.660.1322.59
Mar-181.251.500.256.99
Dec-171.121.140.022.80
Sep-171.231.340.1114.91

【GOOGL】四半期決算(GAAP基準)

売上高純利益EPS
2015/31725835155.1
2015/61772739314.93
2015/91867539795.73
2015/122132949237.06
2016/32025742076.02
2016/62150048777
2016/92245150617.25
2016/122606453337.56
2017/32475054267.73
2017/62601035245.01
2017/92777267329.57
2017/122606453334.35
2018/331146940113.33
2018/63265731954.54
2018/933740919213.06

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【GOOGL】通年決算(GAAP基準)

最後に、アルファベットの決算の数字を見てみます。

(なお、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS。情報源は亜州IR株式会社の『米国株四季報』とアルファベット決算等〉

損益計算:2008~2017年

売上高営業CF同マージン純利益
2008/1221796785336.0%4227
2009/1223651931639.4%6520
2010/12293211108137.8%8505
2011/12379051456538.4%9737
2012/12460391661936.1%10737
2013/12555191865933.6%12733
2014/12660012302434.9%14136
2015/12749892657235.4%16348
2016/12902723603639.9%19478
2017/121108553709133.5%12662

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15~35%程度あれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

・・・

17年の通年決算、17年第1四半期~18年第1四半期の決算などを見ると、業績自体は一定の水準をキープしていますが、直近の年次報告書(2017)は、わりと厳しい未来の見通しを明かしています。

そこでは「当社の収益成長率は時が経つにつれて低下する可能性があり、将来的には営業利益率の低下圧力がかかることを予想している」とも述べていました。競争の激化、オンライン広告市場の進化・多様化、ユーザーのテクノロジー、デバイス等の採用率、コスト増加等により、利益率は下押し圧力を受ける可能性があることを見込んでいるのです(コスト増の要因の中には、18年5月にEUで発効する一般データ保護規制等も挙げられていました)。

EPSなど:2008~2017年

営業利益率EPSDSO
2008/1230.46.740.2
2009/1235.210.244.9
2010/1235.413.246.3
2011/1231.014.946.6
2012/1225.416.248.4
2013/1223.318.851.2
2014/1225.020.650.5
2015/1225.822.851.0
2016/1226.327.951.9
2017/1226.118.053.5
TTM23.826.746.6

財務情報:2008~2017年

総資産総負債株主資本自己資本率
12-20083176835292823988.9%
12-20094049744933600488.9%
12-201057851116104624179.9%
12-201172574144295814580.1%
12-201292711220737157079.8%
12-2013109050220738697778.7%
12-20141291872532710386080.4%
12-20151474612713012033181.6%
12-20161674972846113903683.0%
12-20171972954479315250277.3%

アルファベットの年次報告書の記録を見ると、8割近い驚異的な自己資本率をたたき出しています。

さらに、重要指標を見てみます。

ROEとROAなど:2008~2017年

  • ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業がどれだけの利益を上げたかを見る
  • ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業がどれだけの利益を上げたかを見る
  • 流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る(下表では資本が負債の何倍かを表記
ROAROE流動比率
単位倍率
2008/1214.816.68.8
2009/1218.120.310.6
2010/1217.320.74.2
2011/1214.918.75.9
2012/1212.916.54.2
2013/1212.616.34.6
2014/1211.915.14.8
2015/1211.414.14.7
2016/1212.415.06.3
2017/126.98.75.1
TTM9.111.54.1

キャッシュフロー:2008~2017年

営業CF投資CF財務CFフリーCF
12-20087853-5319875494
12-20099316-80192338506
12-201011081-1068030507063
12-201114565-1904180711127
12-201216619-13056122913346
12-201318659-13679-85711301
12-201423024-21055-208712065
12-201526572-23711-422516657
12-201636036-31165-833226064
12-201737091-31401-829824006

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