GSとMSを比較:ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーの違いとは

金融,銘柄比較

GSとMSを違いを踏まえて比較します。(2026年2月更新)

ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)とモルガンスタンレー(Morgan Stanley)は投資銀行の代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移(XLF:Financial Select Sector SPDR Fundを含めて比較)

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

決算(予想:結果)と配当

決算の予想:結果については以下の関連記事を参照

ゴールドマンサックス(GS)決算:予想と結果 売上&EPS

モルガンスタンレー(MS)決算:予想と結果 売上&EPS

【ウォール街の巨人対決】ゴールドマン・サックス (GS) vs モルガン・スタンレー (MS)

伝統か安定か? ― ビジネスモデルと株主還元を最新データで徹底比較

指標ミニガイド

ROE / ROTCE
自己資本(または有形自己資本)に対する利益率。高いほど稼ぐ力が強い。
CET1 比率
最も厳しい自己資本規制(普通株等Tier1)の比率。規制水準を十分に上回るほど安全余力が大きい。
P/B
株価 ÷ 1 株当たり簿価。1 倍未満は簿価割れ、1 倍超はプレミアム評価。
配当利回り
年間配当(年換算)÷ 株価。インカム投資家の注目ポイント。

1 | 収益構造の決定的な違い

◆ ゴールドマン・サックス(GS)

  • 核は 投資銀行+トレーディング。市況が良い局面で収益が伸びやすい一方、波も大きい。
  • 近年は資産・ウェルス・マネジメントの拡大で、収益の土台(手数料収益)の厚みを増やす方向。
  • 2025年末(2025年Q4・2025-12-31)時点の資産運用監督残高(AUS)は$3.606T[1]

◆ モルガン・スタンレー(MS)

  • 収益の中核はウェルス・マネジメント(WM)。「手数料エンジン」で安定性が高い。
  • Eaton Vance 取り込み後も統合の強みが続き、2025年末(2025年Q4・2025-12-31)時点の総クライアント資産は$9.3T[2]
  • 市況サイクルの影響は受けにくい一方、安定性が評価されるほどバリュエーションはプレミアムになりやすい。

2 | 2025 通期ハイライト(FY 2025:2025年12月期)

指標(FY 2025) GS MS
純収益(Net revenues) $58.28B(2025通期)[1] $70.65B(2025通期)[2]
純利益(Net earnings / Net income) $17.18B(2025通期)[1] $16.86B(2025通期)[2]
ROE 15.0%(2025通期)[1] 16.6%(2025通期)[2]
CET1 比率 14.4%(2025-12-31、Standardized)[1] 15.0%(2025-12-31、Standardized)[2]

3 | 株価バリュエーション & 配当(株価:2026-02-07 UTC 取得の直近値)

項目 GS MS
株価 $928.75(取得:2026-02-07 UTC)[3] $179.96(取得:2026-02-07 UTC)[4]
簿価/株(BVPS) $357.60(2025-12-31)[1] $64.37(2025-12-31)[2]
P/B 約 2.60 倍 約 2.80 倍
年間配当(年換算) $18.00($4.50×4、増額:2026-01-14決議)[1] $4.00($1.00×4、増額:2025-07公表)[5]
配当利回り(概算) 約 1.94 % 約 2.22 %

※P/B・利回りは、上記「取得時点の株価」と「年換算配当」を用いた概算です。

4 | 強みとリスク(直近決算トピック反映)

◆ ゴールドマン・サックス

  • 強み:投資銀行・マーケットの回復局面では伸びやすい。2025年Q4(2025-12-31期)は純収益$13.45B・EPS $14.01・年率ROE 16.0%。AUSは2025年末で$3.606T。[1]
  • リスク:市況連動のボラティリティが大きい。トレーディング・引受の逆風局面では業績ブレに注意。

◆ モルガン・スタンレー

  • 強み:WM が収益の下支えになりやすい。2025年Q4(2025-12-31期)は純収益$17.9B・EPS $2.68・ROTCE 21.8%。総クライアント資産は2025年末で$9.3T。[2]
  • リスク:P/Bが高い局面では割安感は限定的。市場水準の下押しが長引くと、評価(マルチプル)の見直し圧力が出やすい。

5 | 投資判断のヒント

◆ 攻めの高βを狙うなら GS
市場サイクルへの感応度は高い一方、投資銀行・マーケット回復の恩恵を取り込みやすい。AUS(運用関連)の積み上げが進めば、収益の底も厚くなりやすい。[1]
◆ 安定インカムを重視するなら MS
WMが下支えしやすく、景気の波に対する耐性が比較的高い。一方で、安定性が評価されるほどバリュエーション(P/B)は高くなりやすいので、買い付け水準には工夫が必要。[2]

免責事項:本記事は情報提供のみを目的とし、特定銘柄の推奨ではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

計算メモ(概算):P/B は GS 928.75 ÷ 357.60 ≒ 2.60、MS 179.96 ÷ 64.37 ≒ 2.80。配当利回り(年換算)は GS 18.00 ÷ 928.75 ≒ 1.94%、MS 4.00 ÷ 179.96 ≒ 2.22%。

見比べポイント(要点)

  • 市況に強く連動して「伸びやすいがブレやすい」のがGS、手数料基盤で「粘り強い」傾向がMS。
  • 同じ金融でも、収益のエンジン(投資銀行・トレーディング vs ウェルス)が違うため、適正バリュエーションも変わりやすい。

【注】(出典リンク)

  1. GS:2025通期・4Q決算(純収益/ROE/BVPS/CET1/AUS/配当) → SEC提出資料(Ex-99.1)GSプレスリリース(確認日:2026-02-08)
  2. MS:2025通期・4Q決算(純収益/ROE/ROTCE/BVPS/CET1/総クライアント資産) → SEC提出資料(Ex-99.1)MSプレスリリース(確認日:2026-02-08)
  3. GS:株価(取得時点の直近値) → Yahoo! Finance(GS)Reuters(GS.N)(確認日:2026-02-08)
  4. MS:株価(取得時点の直近値) → Yahoo! Finance(MS)Reuters(MS)(確認日:2026-02-08)
  5. MS:配当増額(四半期$1.00へ、2025年Q3から) → SEC提出資料(Ex-99.1)MSプレスリリース(確認日:2026-02-08)

Posted by 南 一矢