GSとMSを比較:ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーの違いとは
GSとMSを違いを踏まえて比較します。(2025年10月更新)
ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)とモルガンスタンレー(Morgan Stanley)は投資銀行の代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移(XLF:Financial Select Sector SPDR Fundを含めて比較)
※チャート右目盛り:10年国債利回り
※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。
決算(予想:結果)と配当
決算の予想:結果については以下の関連記事を参照
★ゴールドマンサックス(GS)決算:予想と結果 売上&EPS
★モルガンスタンレー(MS)決算:予想と結果 売上&EPS
【ウォール街の巨人対決】ゴールドマン・サックス (GS) vs モルガン・スタンレー (MS)
伝統か安定か? ― ビジネスモデルと株主還元を最新データで徹底比較
指標ミニガイド
- ROE / ROTCE
- 自己資本(または有形自己資本)に対する利益率。高いほど稼ぐ力が強い。
- CET1 比率
- 最も厳しい自己資本規制の比率。規制最低線(約8%)を大きく上回ると安全余力大。
- P/B
- 株価 ÷ 1 株当たり簿価。1 倍未満は簿価割れ、1 倍超はプレミアム評価。
- 配当利回り
- 年間配当 ÷ 株価。インカム投資家の注目ポイント。
1 | 収益構造の決定的な違い
◆ ゴールドマン・サックス(GS)
- 核は 投資銀行+トレーディング。市場好況時の爆発力が大。
- 2023〜25 年は資産・ウェルス・マネジメントの拡大で安定収益を強化。
- 2025年Q3の資産運用監督残高(AUS)は約 $3.45T。
◆ モルガン・スタンレー(MS)
- 収益の中核はウェルス・マネジメント(WM)。「手数料エンジン」で安定性が高い。
- Eaton Vance 取り込み後、2025年Q3の総クライアント資産 $8.9Tに到達。
- 市場サイクルの影響は受けにくい一方、評価はプレミアムになりやすい。
2 | 2024 通期ハイライト
| 指標 (FY 2024) | GS | MS |
|---|---|---|
| 純収益 | $53.5 B[6] | $61.8 B[5] |
| 純利益 | $14.28 B[6] | $13.4 B[5] |
| ROE | 12.7 %[6] | 13.9 %[5] |
| CET1 比率 | 14.6 %[7] | 15.0 %[5] |
3 | 株価バリュエーション & 配当 (2025/10/17 終値)
| 項目 | GS | MS |
|---|---|---|
| 株価 | $752.70[4] | $160.62[5] |
| 簿価/株 (BVPS) | $353.79(3Q25)[10] | $62.98(3Q25)[2] |
| P/B | 2.13 倍 | 2.55 倍 |
| 年間配当 | $16.00($4.00×4)[8] | $4.00($1.00×4)[9] |
| 配当利回り | 約 2.13 % | 約 2.49 % |
※利回り・P/B は上記終値ベースの概算。配当は直近の増額発表に基づく。
4 | 強みとリスク
◆ ゴールドマン・サックス
- 強み:投資銀行の回復で収益が拡大、2025年Q3は純収益$15.18B・EPS $12.25・ROE 14.2%。AUSの過去最高更新で運用手数料も伸長。[1][3]
- リスク:市況連動のボラティリティが大きい。トレーディング・引受の不振時は収益ブレに注意。
◆ モルガン・スタンレー
- 強み:WM が高マージンを確保しつつ、2025年Q3は純収益$18.2B・EPS $2.80・ROTCE 23.5%。総クライアント資産は$8.9T。[2]
- リスク:P/Bが2倍超で割安感は限定的。AUM/市場水準の下押しが長期化すると評価見直しも。
5 | 投資判断のヒント
- ◆ 攻めの高βを狙うなら GS
- 市場サイクルへの感応度は高い一方、投資銀行・トレーディング回復の恩恵を取り込みやすい。AUS拡大で基礎収益の底上げも進行。[1][3]
- ◆ 安定インカムを重視するなら MS
- WMが下支えし、配当も段階的に増加。直近はROTCE 23.5%と高水準だが、評価(P/B)は割高圏につきエントリー水準に留意。[2]
免責事項:本記事は情報提供のみを目的とし、特定銘柄の推奨ではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
参考・出典
計算メモ:P/B は GS 752.70 ÷ 353.79 ≒ 2.13、MS 160.62 ÷ 62.98 ≒ 2.55。配当利回りは GS 16.00 ÷ 752.70 ≒ 2.13%、MS 4.00 ÷ 160.62 ≒ 2.49%。

