【CRWD/ZS】クラウドストライクとズィースケーラーの比較

SaaS(クラウド+サブスク),情報技術,米新興株特選,銘柄比較,高成長銘柄,サイバーセキュリティ

CRWD(クラウドストライク)とZS(ジースケイラー)はサイバーセキュリティ系の新興企業の代表格です。

CRWDは全てのエンドポイント(PCやサーバー、仮想化環境、IoTデバイス等)を保護するとともに、そこで集めたクラウド上の情報を分析し、セキュリティ態勢を更新し続けるサービスを提供しています(顧客増→データベース強化⇒より高度なセキュリティを全顧客にシェアという好循環をつくる)。

一方、ZSは世界各地のデータセンターを用いて多様な端末からアプリやサービスにアクセスする顧客をクラウド上で脅威から守るプラットフォームを提供。

(ジースケイラープライベートアクセス〔ZPA〕は社内アプリを保護し、ジースケイラーインターネットアクセス〔ZIA〕は外部アプリやウェブへのアクセス等を保護する)

どちらもクラウドの時代に対応し、社内・社外を問わず、PCやスマホ、タブレット等、多様な端末を用いてアプリや自社サーバー等にアクセスする顧客を保護するセキュリティシステムを手がけています。

両社が強みを持つ領域に違いはありますが、共通しているのは、「いつでも、どこでも、どんな端末からでも、社員が安全にネットを通じて自社データにアクセスし、仕事ができる環境をつくろうとしている」ということです。

両社の事業はITの素人(筆者)にはわかりにくいのですが、その着地点は似ています(近年、両社のアプリを併用できる仕組みがつくられた模様)。

そこで、近年によく比較されてきた、この二企業の株価と決算、業績などを概観してみます(グラフをクリックすると、リンクでCRWDやZSのページに飛びます)。

主要指標で比較

CRWD ZS
1/4株価 210 199.7
9/15株価 259.6 273.4
株価上昇率 23.6% 36.93%
52週高値 289.2 293.4
52週安値 118.1 120.3
β値 0.82
EPS -0.83 -1.93
PER
配当利回り
時価総額(億$) 592 375
株式数(億) 2.1 1.4

グーグルファイナンス関数(グーグルスプレッドシートで使用可能)でデータを取得するとZSのベータ値が低めに出てくるのですが、ZSは米国市場全体を収めた株価指数よりも値動きが激しいので、この数値は信用しないほうがよいと思います(多くの投資家の実感としてZSはVTIよりもはるかに値動きが大きいというのが正直な実感のはず。典型的なハイパーグロース株なので)

なお、同関数ではIPOから一定期間が経たないとβ値が出てこないため、CRWDの数値は記載なしになっています。

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(赤点線が200日間の移動平均線)。

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株価の伸び率を1年ごとに見てみましょう。

株価伸び率

★1:各年の株価伸び率(※21年終値は9/15株価)
CRWD ZS
2021 24% 37%
2020 323% 326%
2019 -21% 21%
2018 145%

単年度の伸び率で見ると、2020年と19年ではZSのほうが上ですが、両社が大幅に株価を伸ばした2020年は同じぐらいでした。

その後はCRWDのほうがよいので必ずしもZSの勝ちとまでは言えません。値動きはやや似ています。


各年初からの伸び率比較

各年初から直近までの伸び率を比較しました

★2:各年初から21/9/15までの伸び率
CRWD ZS
2021 24% 37%
2020 419% 483%
2019 309% 612%
2018 1609%

18年初から見るとZSの伸び率が目立ちますが、これはスタート時点の株価が低かったためです。

IPO当日の初値で見ると、CRWDは63.5ドル(2019/6/14)、ZSは16ドル(2018/3/16)なので、この違いが結局、直近までの伸び率に反映されています。

IPO時点から比べるとZSのほうが伸び率が高めに出てきますが、近年で見るとCRWDのほうに分があります。

例えば、コロナショックの頃の株価下落から2020年末までを見てみましょう。

★CRWD:59.1$(3/2)⇒39$(3/16) -34%

★CRWD:39$(3/16)⇒211.8$(12/31) +443%

★ZS:52.8$(3/2)⇒39.5$(3/12) -25%

★ZS:39.5$(3/12)⇒199.7$(12/31) +254%

CRWDのほうが下落率は激しいものの、その後の伸び率はZSよりも高くなりました。


四半期決算(2021予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。ただ、2019年6月までのデータ出所はロイター)。

EPS:予想と結果

予想 CRWD ZS
9/12 1月前 9/12 1月前
Y:2022 0.71 0.71 0.56 0.56
Y:2021 0.4 0.39 0.47 0.47
Q:22/1 0.09 0.09 0.12 0.12
Q:21/10 0.09 0.09 0.09 0.09

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売上高:予想と結果

予想 CRWD ZS
9/12 1月前 9/12 1月前
Y:2022 1950 1850 1190 900
Y:2021 1410 1360 908 663
Q:22/1 400 215
Q:21/10 364 351 200 199

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どちらも、EPSと売上は良好です。

2021年の株価は、3月に10年国債利回りが上がった頃に大きく下がりましたが、事業は好調なので、CRWDは買い場が来たという見方もよくネット上で散見されます。

臆病な筆者は3月にCRWDを売り払ってしまったのですが…。


通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を比較してみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

どちらもサイバーセキュリティのサブスクリプションビジネスで、事業形態が似ているせいか、PLとBSの形がやや似ています。

CFで見ると、CRWDの投資CFで大きなプラスが出ているのが気になります。まだまだ投資が必要なはずの新興企業なのに、どうしてプラスが積みあがっているのか、気になるところです。

損益計算(売上、純利益等)

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*同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

バランスシート

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キャッシュフロー

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