【IBM】アイビーエムの株価と決算、配当

アイビーエムは有名すぎるITサービス大手です。メインフレームやPCを開発した業界草創期からの「巨人企業」で、システム構築やアウトソーシング、戦略コンサルティングなどを中心に活動しています。

80年代、IBMが大型コンピュータで圧倒的なシェアを誇っていた頃、マイクロソフトが現れ、90年代にPCのソフトで市場を先導するようになりました。その結果、内部組織の硬直化もあって業績不振に陥り、事業再編が行われます。

2004年にレノボヘPC事業を売却。昔はハードウエアの製造が主力でしたが、現在はサービス・ソフト事業を中核に据え、仮想化・クラウド化などにも注力しています。

近年には、AIやクラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャル、セキュリティといった戦略分野の開拓を目指し、企業買収も活発です。

2016年にビデオストリーミングサービスのユーストリーム (UStream) を買収を発表。この時、クラウドビデオ部門の新設を公表しました。

また、ソフト力の強化のため、19年7月にレッドハットを買収。クラウド分野の開拓を狙っています。

規模の大きさを活かして、量子コンピューターの実用化に取り組んでいる点も注目に値します。

その事業構成を見てみましょう(事業部の名称が長いので略します)。

★グローバルテクノロジーサービス(GTS)

★クラウド&コグニティブソフトウェア(CCS)

★グローバルビジネスサービス(GBS)

★システムズ(S)

★グローバルファイナンシング(GF)

【事業別売上比率】

年/月 18/12 19/12 20/12
GTS 44.3% 47% 36.7%
CCS 26.6% 31.7% 36.1%
GBS 21.5% 21.3% 22.2%
S 11.1% 10.8% 10.6%
GF 4% 3.4% 2.7%

【地域別売上高】

年/月 18/12 19/12 20/12
米州 46.5% 47% 46.3%
欧州+中東+アフリカ 32% 31.7% 32.1%
アジア太平洋 21.5% 21.3% 21.6%

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得)。

1/4株価 125.9
5/14株価 144.7
株価上昇率 14.96%
52週高値 158.8
52週安値 90.6
β値 1.28
EPS 10.73
PER 10.07
配当利回り 4.55%
時価総額(億$) 960
株式数(億) 8.9


株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

graph

株価の推移を1年ごとに見てみましょう。

★1:各年の株価伸び率(※21年終値は5/14株価)
IBM 初値 終値 上昇率
2021 125.9 144.7 15%
2020 135 125.9 -7%
2019 112 134 20%
2018 154.5 113.7 -26%
2017 167 153.4 -8%
2016 135.6 166 22%
2015 161.3 137.6 -15%
2014 187.2 160.4 -14%
2013 194.1 187.6 -3%
2012 186.7 191.6 3%
2011 147.2 183.9 25%
2010 131.2 146.8 12%
2009 83.9 130.9 56%
2008 109 84.2 -23%
★2:各年初から21/5/14までの伸び率
21年~ 20年~ 19年~ 18年~
15% 7% 29% -6%
17年~ 16年~ 15年~ 14年~
-13% 7% -10% -23%
13年~ 12年~ 11年~ 10年~
-25% -23% -2% 10%
09年~ 08年~
72% 33%


配当利回りと配当性向

さらに、配当利回りを見てみます。

権利落ち日 配当 利回り 株価
2021/5/9 1.64 4.49% 145.5
2021/2/9 1.63 5.34% 122.1
2020/10/31 1.63 5.83% 111.7
2020/8/9 1.63 5.2% 125
2020/5/7 1.63 5.35% 121.2
2020/2/9 1.62 4.22% 153.4
2019/11/7 1.62 4.67% 137.7
2019/8/8 1.62 4.55% 140.1
2019/5/9 1.62 4.68% 135.3
2019/2/7 1.57 4.72% 133.2
2018/11/8 1.57 5.03% 123.4
2018/8/9 1.57 4.24% 144.8

配当性向の推移もモーニングスター(MS)社のデータで確認してみましょう。
★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕
★単純計算=EPS÷1株配当。MS試算=モーニングスター社の試算値

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
08/12 8.89 1.9 21.4 21.3
09/12 10.01 2.15 21.5 21.5
10/12 11.52 2.5 21.7 21.7
11/12 13.06 2.9 22.2 22.2
12/12 14.37 3.3 23.0 23
13/12 14.94 3.7 24.8 25.1
14/12 11.9 4.25 35.7 26.6
15/12 13.42 5 37.3 33
16/12 12.38 5.5 44.4 44.1
17/12 6.14 5.9 96.1 48.5
18/12 9.5 6.2 65.2 98
19/12 10.6 6.4 60.9 74.1


四半期決算(2021予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
(※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載。データの主な出所は英語版のヤフーファイナンス。ただ、2019年6月までのデータ出所はロイター)。

EPS:予想と結果

予想 10/18 1月前 2月前
Y:2021 12.18 12.22 12.21
Y:2020 11.07 11.08 11.07
Q:20/12 4.45 4.47 4.44
Q:20/9 2.58 2.58 2.58
EPS 予想 結果
21/3 1.63 1.77 0.14 8.6
20/12 1.79 2.07 0.28 15.6
20/9 2.58 2.58 0 0.0
20/6 2.06 2.18 0.12 5.8
20/3 1.8 1.84 0.04 2.2
19/12 4.68 4.71 0.03 0.6
19/9 2.67 2.68 0.01 0.4
19/6 3.07 3.17 0.1 3.3
19/3 2.22 2.25 0.03 1.4
18/12 4.82 4.87 0.05 1
18/9 3.4 3.42 0.02 0.6
18/6 3.05 3.08 0.03 1
18/3 2.42 2.45 0.03 1.4

graph

売上高:予想と結果

予想 10/18 1月前 2月前
Y:2021 75270 75230 75250
Y:2020 74080 74010 74010
Q:20/12 20790 20750 20800
Q:20/9 17540 17540 17500
売上 予想 結果
21/3 17340 17730 390 2.2
20/12 20630 20370 -260 -1.3
20/9 17540 17560 20 0.1
20/6 17730 18120 390 2.2
20/3 17620 17570 -50 -0.3
19/12 21630 21777 147 0.7
19/9 18260 18028 -232 -1.3
19/6 19157 19161 4 0
19/3 18458 18182 -276 -1.5
18/12 21711 21760 49 0.2
18/9 19101 18756 -345 -1.8
18/6 19852 20003 151 0.8
18/3 18822 19072 250 1.3

graph
決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

graph

IBM 売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 103630 18812 18% 18812
09/12 95758 20773 22% 20773
10/12 99870 19549 20% 19549
11/12 106916 19846 19% 19846
12/12 102874 19586 19% 19586
13/12 98367 17485 18% 17485
14/12 92793 16868 18% 16868
15/12 81741 17255 21% 17255
16/12 79919 17084 21% 17084
17/12 79139 16724 21% 16724
18/12 79591 15247 19% 15247
19/12 77147 14770 19% 14770
20/12 73620 18197 25% 18197

同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや売上成長率など

IBM SG(%) EPS DSO
08/12 5% 8.89 43.3
09/12 -8% 10.01 45.7
10/12 4% 11.52 43.6
11/12 7% 13.06 42
12/12 -4% 14.37 40.7
13/12 -4% 14.94 38.7
14/12 -6% 11.9 38.5
15/12 -12% 13.42 38.9
16/12 -2% 12.38 40
17/12 -1% 6.14 41.8
18/12 1% 9.52 37.5
19/12 -3% 10.56 36.2
20/12 -5% 6.23 37.2

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

graph

IBM 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 109524 95939 13584 12%
09/12 109022 86267 22755 21%
10/12 113452 90279 23172 20%
11/12 116433 96197 20236 17%
12/12 119213 100229 18984 16%
13/12 126223 103294 22929 18%
14/12 117271 105257 12014 10%
15/12 110495 96071 14424 13%
16/12 117470 99078 18392 16%
17/12 125356 107631 17725 14%
18/12 123382 106452 16929 14%
19/12 152186 131202 20985 14%
20/12 155971 135244 20727 13%

ROAとROEなど

IBM ROA ROE 流動比率
08/12 17% 138% 98%
09/12 19% 91% 137%
10/12 17% 84% 116%
11/12 17% 98% 121%
12/12 16% 103% 113%
13/12 14% 76% 128%
14/12 14% 140% 124%
15/12 16% 120% 124%
16/12 15% 93% 121%
17/12 13% 94% 133%
18/12 12% 90% 129%
19/12 10% 70% 102%
20/12 12% 88% 98%

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

graph

IBM 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 18812 -9285 -11834
09/12 20773 -6729 -14700
10/12 19549 -8507 -12429
11/12 19846 -4396 -13696
12/12 19586 -9004 -11976
13/12 17485 -7326 -9883
14/12 16868 -3001 -15452
15/12 17255 -8159 -9413
16/12 17084 -10928 -5917
17/12 16724 -7081 -6418
18/12 15247 -4913 -10469
19/12 14770 -26936 9042
20/12 18197 -3028 -9721

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IBMワトソンの性能は?

IBMのサービスの中で、人工知能ワトソンはとりわけ注目されています。

そこで、その性能の一部を見てみます。

IBMの人工知能ワトソンは無料でかなりの部分が一般開放されているので、その中の【speach to text】(音声認識)の機能を実況中継動画で紹介してみます。

IBMの株価はさほど好調ではありませんが、ワトソン君はいたって優秀です。

【speach to text】にいたっては、人間以上の多言語の文字起こし能力を発揮してくれるので、そのデモ機能を紹介してみます。

ワトソンの【speach to text】実況中継

まずは動画でワトソンの秀才ぶりをご覧あれ。

speach to text demoで実際にやってみた文字起こしの記録です。

日本語と英語のニュースをどの程度、文字起こしできるのかを見てみます。

まずは、世の中を騒がしたコインチェック騒動の報道から。

ニュースの出元はNHK報道です(金融庁

コインチェックに業務改善命令)

 

多少、間違い入力もありますが、後で人間が直せば、すぐに原稿にできる下書きを用意する能力があることが分かります。

ワトソン君はライターの優秀なアシスタントになってくれるでしょう。

次に英語での大統領とキャスターの問答の文字起こしを見てみます。

こちらはCNBCのインタビュー。二人の音声を見事に英語でワトソンは拾っています。

 

日本人でここまで二人の対話を英語で拾ってくれる文字起こしを雇ったらいくらかかるのでしょうか。

ワトソン君は優秀なマルチリンガルライターなのです。

ここまで見て、ワトソンの性能に恐れをなした方もいるかもしれません。

そのうち、文字起こしという職種は絶滅。速記という仕事もなくなりそうだからです。

恐るべきマルチリンガル出現ですが、人工知能の台頭そのものは止められないでしょう。

そこで、筆者の提案は「ワトソンとお友達になり、その性能をみんなで活かそう」という結論になります。

昔のイギリスの労働者のように機械の打ちこわし運動をしても先はないからです。

筆者はワトソンをプログラム言語を用いて利用する能力はないので、デモ版の使い方を紹介しておきます。

後は自動で文字起こししてくれます。

ただ、動画はキャプチャーソフトを用いて、それをMP3等に変換しなければいけません。

筆者はbandicom(キャプチャー)とAiseesoft(動画⇒音声変換)を使いました。

これでワトソン君とお友達になれます。

後は自動で文字起こししてくれます。

ただ、動画はキャプチャーソフトを用いて、それをMP3等に変換しなければいけません。

筆者はbandicom(キャプチャー)とAiseesoft(動画⇒音声変換)を使いました。

これでワトソン君とお友達になれます。