VGT·XLK·IYW·IXN(情報技術セクターETF)を比較する

セクターETF

 

米国の情報技術セクターETFのデータを比較してみます。

その代表は、バンガード社の【VGT】、ステート・ストリート社の【XLK】、ブラックロック社の【IYW】ですが、世界各国の情報テクノロジー企業に投資する【IXN】も紹介してみます。

ブラックロック社の世界投資型ETFは、どのセクターでも米国比率がかなり高いからです。[4]

このページでは積立や資産運用の参考となるように、ETF(投資信託)の概要(連動するインデックス等)や株価チャート、配当利回り、ポートフォリオ等の詳細を整理してみましょう。

【徹底比較】テクノロジーETF VGT vs XLK!グローバル投資という選択肢も

現代の株式市場を牽引する「情報技術(テクノロジー)セクター」。その成長にまとめて投資できるのが、VGTやXLKといったテクノロジーETFです。

しかし、一見すると同じように見えるこれらのETFですが、その中身(ポートフォリオ)はかなり異なります。あるETFは幅広く分散しているのに対し、別のETFはごく少数の巨大企業に資産が大きく集中している、といった違いが起こり得ます。[1][2]

この記事では、まず米国を代表するテクノロジーETFの戦略的な違いを解き明かし、さらに視野を世界に広げたグローバル投資の選択肢までを詳しく解説します。

主要テクノロジーETF 比較一覧表

まずは、今回ご紹介するETFの「個性」が一目でわかる比較表をご覧ください。「経費率」と、ポートフォリオの「上位銘柄への集中度」が特に重要な比較ポイントです。

※各ETFの公式開示(最新表示)を参照。確認日:2026-01-22。
[1][2][3][4]
ティッカー 投資戦略 経費率(年率) 銘柄数(目安) 上位3銘柄の集中度(目安)
VGT 米国・幅広分散型 0.09% 314銘柄(2025-09-30時点) 約44.7%(AAPL/MSFT/NVDA合計、2025-09-30時点)
XLK 米国・超大型集中型 0.08% 70銘柄(2026-01-21時点) 約37.7%(AAPL/MSFT/NVDA合計、2026-01-21時点)
IYW 米国・独自指数型(高コスト) 0.38% 141銘柄(2026-01-21時点) (公式ページで日々変動:要確認)
IXN グローバル分散型(高コスト) 0.40% 115銘柄(2026-01-21時点) (公式ページで日々変動:要確認)

※上位3銘柄の集中度は、各ETFの上位構成比率から算出した目安です。比率は日々変動します。[1][2]


米国テクノロジーETFの選択:分散か、集中か

【VGT】バンガード米国情報技術セクターETF(分散・網羅型)

  • 特徴: 米国の情報技術関連企業に幅広く投資し、銘柄数は314(2025-09-30時点)。[1]
  • 集中度の注意: 分散型とはいえ、上位銘柄の影響は無視できません。例えば上位10銘柄で約59%(2025-09-30時点)と、メガテックの比重が高い構造です。[1]
  • 経費率: 0.09%(Factsheet上の表示、2025-12時点)。[1]
  • 出典: バンガード社のFactsheet・開示資料。[1]

【XLK】テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(超大型・集中型)

  • 特徴: テクノロジー・セレクト・セクター指数への連動を通じ、S&P500由来の超大型企業中心の構成になりやすいETFです。銘柄数は70(2026-01-21時点)。[2]
  • 集中度: 上位構成比率は高めで、例としてNVIDIA 14.69%Apple 12.07%Microsoft 10.89%(いずれも2026-01-21時点)と、上位3社だけで約37.7%を占めます。[2]
  • 経費率: 0.08%(2026-01-21時点表示)。[2]
  • 出典: ステート・ストリート(SSGA)の公式開示。[2]

【IYW】iシェアーズ 米国テクノロジーETF(独自指数・高コスト)

  • 特徴: Dow Jones U.S. Technology Index連動を掲げるiSharesの米国テクノロジーETF。銘柄数は141(2026-01-21時点)。[3]
  • コスト面: 経費率は0.38%(現行目論見書ベース表示)で、VGT/XLKより高めです。長期保有では、このコスト差が効いてきます。[3]
  • 出典: iShares(BlackRock)の公式開示。[3]

グローバル投資という戦略:なぜ世界に目を向けるのか?

「米国の企業だけに投資するのは、カントリーリスクの観点から集中しすぎている」と考える投資家にとって、グローバルな視点を持つことは重要です。世界の優良企業にアクセスし、地政学的なリスクや特定国の経済・政策リスクを分散する効果が期待できます。

【IXN】iシェアーズ グローバル・テクノロジー ETF

IXNは、そのグローバル戦略を実現するための具体的な選択肢です。とはいえ実務上は、指数設計と時価総額構成の影響で、米国比率が高くなりやすい点に注意が必要です。[4]

  • 世界の代表企業にアクセス: 米国の巨大企業に加え、国・地域をまたいだテクノロジー企業群に投資する枠組みを持ちます。[4]
  • コストとのトレードオフ: 経費率は0.40%(現行目論見書ベース表示)であり、VGT/XLKより高い設計です。[4]
  • 銘柄数: 115(2026-01-21時点)。[4]

出典: iShares(BlackRock)の公式開示。[4]


2026年テクノロジーセクターの注目点(概観)

注目テーマ

• AI(生成AI含む)の普及に伴うインフラ投資(データセンター、半導体、ネットワーク)の波は、セクターの追い風になり得ます。一方で、期待先行の局面ではバリュエーションの変動が大きくなりやすい点も意識したいところです。

• 金利・景気の変動局面では、将来成長を織り込むテクノロジー株は、他セクターよりも株価が敏感に反応する傾向があります。

• 規制(競争政策、個人情報、AIガバナンス)や地政学(輸出規制、サプライチェーン)は、企業業績だけでなく市場心理にも影響しやすい論点です。

投資前に理解すべきテクノロジーセクターのリスク

高い成長が期待できる一方、テクノロジーセクターへの集中投資には特有のリスクが伴います。

  1. 高いボラティリティ(価格変動): 景気の動向や市場心理に敏感に反応するため、市場全体(S&P500など)に比べて価格の変動が激しくなる傾向があります。
  2. 金利変動への感応度: 成長期待が高いほど、金利上昇局面で理論上の株価が下がりやすい傾向があります(逆に金利低下は追い風になり得ます)。
  3. 規制リスク: 世界各国で、巨大IT企業に対する競争政策や個人情報保護、AI関連の規制強化の動きがあり、株価の重しになる可能性があります。
  4. 地政学的リスク: 半導体・先端技術分野は政策・規制の影響を受けやすく、輸出規制やサプライチェーンの分断が業績に波及する可能性があります。
  5. 集中リスク: 低コストETFでも上位数社の比重が高いケースがあります。ETFの「分散度合い」は銘柄数だけでなく、上位比率も併せて確認することが重要です。[1][2]
  6. (IXNの場合)為替・海外要因: グローバルETFは、米国以外の政治・規制・為替の影響も受けます。一方で、実態として米国比率が高いケースもあるため、国別構成の確認が有効です。[4]

【まとめ】あなたの投資スタイルに合うのは?

  • 分散を重視し、米国ITを広く押さえたいなら → VGT
    低コスト(0.09%)で米国IT関連に広く分散。ただし上位銘柄の比重も要確認。[1]
  • 超低コストで超大型中心に投資するなら → XLK
    経費率0.08%。上位銘柄の影響を受けやすい設計(集中リスク)を理解して使う。[2]
  • 同じ米国でも別指数・別設計を許容するなら → IYW
    経費率0.38%と高め。指数・構成の違いに価値を見出せるかがポイント。[3]
  • 世界にも目を向けたいなら → IXN
    グローバル枠組みだが米国比率が高くなりやすい点に注意。高コスト(0.40%)との見合いで判断。[4]

投資判断のポイント

コスト重視:VGT(0.09%)またはXLK(0.08%)[1][2]

米国ITを広く:VGT(314銘柄、2025-09-30時点)[1]

超大型中心:XLK(70銘柄、2026-01-21時点)[2]

グローバル枠組み:IXN(115銘柄、2026-01-21時点、ただし米国比率は要確認)[4]

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。記載データは各社公式開示に基づきますが、日々変動します。[1][2][3][4]

ミニ解説:「同じテクノロジーETF」でも、連動指数上位比率で実質的な値動きが変わります。銘柄数だけでなく、上位数社の比率(集中度)とコスト(経費率)をセットで見ておくと、想定外のブレを減らせます。[1][2]

【注】(出典リンク)

  1. VGT Factsheet(経費率・銘柄数・上位構成等) → Vanguard Factsheet(PDF)(確認日:2026-01-22)
  2. XLK 公式開示(経費率・銘柄数・上位構成等) → SSGA XLK Fund Page(確認日:2026-01-22)
  3. IYW 公式開示(経費率・銘柄数等) → iShares IYW Fund Page(確認日:2026-01-22)
  4. IXN 公式開示(経費率・銘柄数等) → iShares IXN Fund Page(確認日:2026-01-22)


株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

VGTの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.67% 3.72 19.6% 556.1 35.9%
2023 0.76% 3.11 7.6% 409.3 13.1%
2022 0.8% 2.89 -0.3% 362 -9.1%
2021 0.73% 2.9 0.3% 398.3 41.7%
2020 1.03% 2.89 7% 281 34.2%
2019 1.29% 2.7 26.8% 209.4 14.7%
2018 1.17% 2.13 33.1% 182.6 25.4%
2017 1.1% 1.6 1.3% 145.6 30.5%
2016 1.42% 1.58 14.5% 111.6 4.1%
2015 1.29% 1.38 17.9% 107.2 11.7%
2014 1.22% 1.17 24.5% 96 24.2%
2013 1.22% 0.94 13.3% 77.3 10.6%
2012 1.19% 0.83 72.9% 69.9 12%
2011 0.77% 0.48 33.3% 62.4 12.8%
2010 0.65% 0.36 44% 55.3 28.%
2009 0.58% 0.25 -21.9% 43.2 -10.9%
2008 0.66% 0.32 48.5

XLKの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.7% 1.52 4.8% 216.5 34.2%
2023 0.9% 1.45 14.2% 161.3 15.3%
2022 0.91% 1.27 15.5% 139.9 -5.5%
2021 0.74% 1.1 -6.8% 148 40.7%
2020 1.12% 1.18 13.5% 105.2 35.4%
2019 1.34% 1.04 7.2% 77.7 12.3%
2018 1.4% 0.97 14.1% 69.2 22%
2017 1.5% 0.85 2.4% 56.7 26.8%
2016 1.86% 0.83 10.7% 44.7 5.9%
2015 1.78% 0.75 7.1% 42.2 10.2%
2014 1.83% 0.7 18.6% 38.3 20.8%
2013 1.86% 0.59 22.9% 31.7 9.3%
2012 1.66% 0.48 33.3% 29 13.7%
2011 1.41% 0.36 16.1% 25.5 11.8%
2010 1.36% 0.31 6.9% 22.8 23.2%
2009 1.57% 0.29 38.1% 18.5 -12.7%
2008 0.99% 0.21 21.2

IYWの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.23% 0.33 -8.3% 143.6 41.9%
2023 0.36% 0.36 2.9% 101.2 15.1%
2022 0.4% 0.35 2.9% 87.9 -11.4%
2021 0.34% 0.34 -26.1% 99.2 46.1%
2020 0.68% 0.46 12.2% 67.9 36.6%
2019 0.82% 0.41 17.1% 49.7 11.7%
2018 0.79% 0.35 12.9% 44.5 23.3%
2017 0.86% 0.31 -3.1% 36.1 31.3%
2016 1.16% 0.32 14.3% 27.5 3.8%
2015 1.06% 0.28 0% 26.5 10.4%
2014 1.17% 0.28 33.3% 24 24.4%
2013 1.09% 0.21 40% 19.3 6.6%
2012 0.83% 0.15 114.3% 18.1 11.7%
2011 0.43% 0.07 75% 16.2 12.5%
2010 0.28% 0.04 -20% 14.4 27.4%
2009 0.44% 0.05 25% 11.3 -9.6%
2008 0.32% 0.04 12.5

IXNの利回り

配当 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2024 0.46% 0.36 -2.7% 78.3 35.9%
2023 0.64% 0.37 -26% 57.6 13.8%
2022 0.99% 0.5 42.9% 50.6 -10.1%
2021 0.62% 0.35 0% 56.3 41.8%
2020 0.88% 0.35 12.9% 39.7 33.2%
2019 1.04% 0.31 40.9% 29.8 9.2%
2018 0.81% 0.22 22.2% 27.3 21.3%
2017 0.8% 0.18 -5.3% 22.5 33.1%
2016 1.12% 0.19 11.8% 16.9 5%
2015 1.06% 0.17 13.3% 16.1 9.5%
2014 1.02% 0.15 7.1% 14.7 20.5%
2013 1.15% 0.14 75% 12.2 10.9%
2012 0.73% 0.08 14.3% 11 8.9%
2011 0.69% 0.07 40% 10.1 8.6%
2010 0.54% 0.05 -16.7% 9.3 22.4%
2009 0.79% 0.06 100% 7.6 -13.6%
2008 0.34% 0.03 8.8


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢