JNJとPFEを比較:ジョンソン&ジョンソンとファイザー 配当王VS高配当の違い
JNJとPFEを違いを踏まえて比較します(2025年11月更新)。
ジョンソンエンドジョンソン(Johnson & Johnson)とファイザー(Pfizer Inc.)はヘルスケア銘柄の代表格です。
その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。
これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。
株価:過去~現在
※チャート左目盛り:株価推移(VHT:Vanguard Health Care Index Fund ETFを含めて比較)
※チャート右目盛り:10年国債利回り
※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。
決算(予想:結果)
決算の予想:結果のグラフについては以下の関連記事を参照
【ヘルスケア巨人対決】J&J(JNJ) vs ファイザー(PFE)!安定の配当王か、変革の高配当か?(2025年11月更新)
ヘルスケアセクターの二大巨頭、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とファイザー(PFE)。JNJは60年以上にわたり増配を続ける「配当王」としての安定感を誇り、一方のファイザーはコロナ特需後の転換期にありつつ、がん領域(Seagen買収)を軸に再成長を狙います[9]。
本記事では、消費者向け事業を分社化し医薬品と医療機器(メドテック)に集中する「新生JNJ」と、コロナ関連製品の反動減から再加速を図るファイザーを、最新決算(2025年Q3)・配当・将来性の観点から比較します[1][2]。
| 2025年11月版の主要更新ポイント: |
比較サマリー:安定性のJNJ、転換期のPFE
| 項目 | ジョンソン・エンド・ジョンソン (JNJ) | ファイザー (PFE) |
|---|---|---|
| 事業内容 | 医薬品、医療機器(メドテック)に集中(Kenvue分社化後)[9] | ワクチン、がん治療薬など革新的医薬品(Seagen統合)[8] |
| 近年の戦略 | 消費者向け事業「Kenvue」を分社化し高成長領域へ集中[9] | がん領域強化のためSeagen買収(2023年12月クローズ)[8] |
| 連続増配年数 | 63年(配当王)[5] | 16年[6] |
| 配当利回り(執筆時点) | 約2.8%(年額$5.20)[5][10] | 約7.0%(年額$1.72)[6][10] |
| PER(予想、会社ガイダンス中間値×株価) | 約17倍[1][10] | 約8倍[2][10] |
業績と成長性の詳細分析
PFEはコロナ関連の反動減を経て、2025年Q3は売上+20%と回復の兆し。会社は2025年通期の調整後EPS見通しを$3.00–$3.15に上方修正し、売上ガイダンス($61–$64B)を再確認しました[2]。一方JNJは2025年Q3 売上$240億、調整後EPS $2.80と堅調で、2025年通期売上見通しを$93.5–$93.9Bに引き上げ、調整後EPSの中間値$10.85を再確認しています[1]。
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2025年Q3決算ハイライト: JNJ:売上$239.9億(前年比+6.8%)、調整後EPS $2.80。2025年通期は売上$93.5–$93.9Bに上方修正、調整後EPS中間値$10.85を再確認。[1] PFE:売上$139億(前年比+20%)、調整後EPS $0.87。2025年通期は調整後EPSを$3.00–$3.15に上方修正、売上$61–$64Bを再確認。[2] |
※JNJは2023年にKenvueを分社化済みで、それ以前の売上には同事業が含まれます[9]。PFEの2021–2023年はコロナ関連製品の特需を大きく含みます。
| 年 | JNJ 売上高 (前年比) | PFE 売上高 (前年比) |
|---|---|---|
| 2024 | $88.8 B (+4.3%)[3] | $63.6 B (-36.6%)[4] |
| 2023 | $85.2 B (-9.3%)*[3] | $100.3 B (+23.4%)[4] |
| 2022 | $94.9 B (+1.3%) | $81.3 B (+95.2%) |
| 2021 | $93.8 B (+13.6%) | $81.3 B (+42.7%) |
| 2020 | $82.6 B | $41.9 B |
※B=10億ドル。*JNJの2023年減収はKenvue分社化の影響[9]。会計年度や基準により数値は多少変動します。
配当の詳細比較:配当王の安定か、高利回りの魅力か
JNJの63年連続増配は、事業の盤石さを示すシグナルです[5]。PFEは株価調整で利回りが高水準(約7%)ながら、減配は行わず16年連続増配を継続しています[6]。
| 年 | JNJ 年間配当 (増配率) | PFE 年間配当 (増配率) |
|---|---|---|
| 2024 | $4.96 (+4.2%)[5] | $1.68 (+2.4%) |
| 2023 | $4.76 (+5.3%)[11] | $1.64 (+2.5%) |
| 2022 | $4.52 (+5.6%) | $1.60 (+2.6%) |
| 2021 | $4.19 (+6.7%) | $1.56 (+3.3%) |
| 2020 | $3.98 (+5.0%) | $1.51 (+5.6%) |
| 5年平均増配率 | 約5.6% | 約2.7% |
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2025年最新の配当状況: JNJ:四半期配当$1.30(年額$5.20)。次回支払日:2025年12月9日予定。[7] PFE:四半期配当$0.43(年額$1.72)。直近宣言:2025年11月1日、支払日:2025年12月1日。[6] |
結論:あなたに合うのはどちら?
安定した増配と堅実な成長を重視するならJNJ。Q3実績・通期見通しともに着実で、配当の信頼度も高い[1][5]。一方、高利回りと再加速に期待するならPFE。Q3は増収・ガイダンス上方修正と回復色が濃く、がん領域の伸びがカタリストになり得ます[2][8]。
※本ページの分析は2025年11月4日時点の公開情報に基づきます。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
【注】(出典リンク)
- JNJ 2025年Q3決算・ガイダンス(一次)→ Earnings Release PDF /(補助)→ WSJライブ(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- PFE 2025年Q3決算・ガイダンス(一次)→ Business Wire: Pfizer Q3 2025(会社配信) /(補助)→ Investor’s Business Daily(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- JNJ 2024通期 売上$88.8B 等(一次)→ JNJ プレスリリース(確認日:2025-11-04) ↩ ↩
- PFE 2024通期 売上$63.6B 等(一次)→ Business Wire: PFE FY2024 /(補助)→ PFE Earnings Release PDF(確認日:2025-11-04) ↩ ↩
- JNJ 配当:2025年4月の増配(63年連続、年額$5.20)等(一次)→ JNJ プレスリリース(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- PFE 配当:四半期$0.43(連続増配16年)、2025年Q4支払日等(一次)→ PFE:増配発表(2025-03-28) / PFE:Q4 2025配当宣言(支払日12/1)(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- JNJ 次回(2025年12月9日)配当支払予定(一次)→ JNJ プレスリリース(2025-10-14)(確認日:2025-11-04) ↩
- PFEのSeagen買収クローズ(一次)→ PFE プレスリリース(2023-12-14)(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩
- JNJのKenvue分社化(一次)→ JNJ プレスリリース(2023-08-23) /(補助)→ Kenvue 投資家サイト(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- 株価(利回り・PER算出用の終値・履歴、2025-11-04近辺)(二次)→ Nasdaq: JNJ Historical / Nasdaq: PFE Historical(確認日:2025-11-04) ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩ ↩
- JNJ 2023年の増配発表(年額$4.76)(一次)→ JNJ プレスリリース(2023-04-18)(確認日:2025-11-04) ↩

