LMTとRTXを比較:ロッキードマーチンとレイセオンテクノロジーズの違いとは

資本財,軍事株,銘柄比較

ロッキード・マーティン(Lockheed Martin Corporation)とRTX(RTX Corporation)は軍事企業の代表格です。その株価の推移(チャート)、決算の予想と結果、配当金と利回り、業績(財務情報)はどうなっているのでしょうか。これらの銘柄について、今後の見通しや将来性を探ってみます。

※本記事は、公開されている最新の決算情報や財務データに基づき作成していますが、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。

2026年2月版の主要更新ポイント:

  • LMTの2025年通期・Q4(売上$75.0B、希薄化後EPS$21.49、FCF$6.9B)と、2025年末バックログ$194B(記録的水準)を反映。あわせて2026年見通し(売上$77.5–80.0B、EPS$29.35–30.25、FCF$6.5–6.8B)を更新。[1]
  • RTXの2025年通期・Q4(売上$88.6B、GAAP EPS$4.96、調整後EPS$6.29、FCF$7.9B)と、2025年末バックログ$268Bを反映。あわせて2026年見通し(調整後売上$92–93B、調整後EPS$6.60–6.80、FCF$8.25–8.75B)を更新。[2]
  • 配当を更新:LMTは四半期配当$3.45(2025年10月の増配後、2026年も同水準で継続)。RTXは四半期配当$0.68(2025年の増配後、2026年も同水準で継続)。[3][4]
  • 株価目安を更新(2026-02-06終値近辺):LMT 約$624、RTX 約$199[5]

株価:過去~現在

※チャート右目盛り:10年国債利回り

※株価の成長率や52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、PBR、PSR、時価総額などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。今後の見通しの参考情報として目標株価も掲載。

2026年2月6日終値近辺(目安):
LMT:約$624、四半期配当$3.45(年換算$13.80)で配当利回り目安は約2.2%[3][5]
RTX:約$199、四半期配当$0.68(年換算$2.72)で配当利回り目安は約1.4%[4][5]

決算(予想:結果)

マーケットにおけるEPSと売上の予想値の変動を更新してみます。

最新(2025年通期・Q4)決算ハイライト:
LMT:2025年通期の売上$75.0B、希薄化後EPS$21.49、FCF$6.9B。Q4は売上$20.3B、希薄化後EPS$7.67[1]
RTX:2025年通期の売上$88.6B、GAAP EPS$4.96、調整後EPS$6.29、FCF$7.9B。Q4は売上$24.2B、調整後EPS$1.55[2]

バックログ(受注残)の更新(参考):
LMT:2025年末で$1,940億($194B)[1]
RTX:2025年末で$2,680億($268B)[2]

2026年の会社見通し(参考):
LMT:売上$775–800億($77.5–80.0B)、希薄化後EPS$29.35–30.25、FCF$65–68億($6.5–6.8B)[1]
RTX:調整後売上$920–930億($92–93B)、調整後EPS$6.60–6.80、FCF$82.5–87.5億($8.25–8.75B)[2]

決算の予想:結果のグラフについては以下の関連記事を参照

ロッキード・マーティン(LMT)今後の見通し

レイセオンテクノロジーズ(RTX)今後の見通し

業績と配当の詳細比較(2026年2月版)

株価や決算と並んで重要なのが、企業のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を示す業績と、株主還元の姿勢を示す配当です。ここではLMTとRTXの2社について、過去5年間のデータを基に詳しく比較・分析します。

比較サマリー

項目 ロッキード・マーティン (LMT) RTX
事業概要 世界最大級の防衛企業。F-35など大型案件の比重が高い。 防衛(Raytheon)と、航空(Collins/Pratt & Whitney)を併せ持つ構造。
連続増配・配当姿勢 増配を継続(2025年10月に$3.45へ増額)。[3] 長期で配当を継続(2025年に増配)。[4]
配当(直近) 四半期$3.45(年換算$13.80)。[3] 四半期$0.68(年換算$2.72)。[4]
バックログ(受注残) $1,940億(2025年末)。[1] $2,680億(2025年末)。[2]

成長性の詳細分析

売上高の比較 (2020–2025年)

2025年通期では、LMTは$75.0B、RTXは$88.6Bと、いずれも規模を拡大しています。[7]

LMT 売上高 RTX 売上高
2020 $65.4 B $56.6 B
2021 $67.0 B $64.4 B
2022 $66.0 B $67.1 B
2023 $67.6 B $74.3 B
2024 $71.0 B $80.7 B
2025 $75.0 B[1] $88.6 B[2]

※B=10億ドル。2025年は各社公表値。2020–2024は年次推移データ(丸め)。

EPS(1株利益)の比較(参考)

LMTは受注型ビジネスゆえに大型案件の進捗・見積り変更で利益が振れやすく、2025年もプログラム損失の影響が出ました。一方のRTXは「調整後」指標でみると、航空・防衛の複合ポートフォリオを背景に利益水準を引き上げています。[1][2]

2026年の業績見通し

最新ガイダンス(2026年通期・2026年2月時点):
LMT:売上$775–800億、希薄化後EPS$29.35–30.25、FCF$65–68億[1]
RTX:調整後売上$920–930億、調整後EPS$6.60–6.80、FCF$82.5–87.5億[2]

結論:今後の見通しと注意すべきリスク

分析サマリー

  • LMT:記録的な受注残(2025年末$194B)を背景に、2026年も増収・高水準の利益を見込む一方、固定価格契約などで損失が顕在化しやすい体質は残ります。[1][6]
  • RTX:防衛と民間航空の両面で需要が強く、2025年末の受注残は$268B。2026年は増収とFCF改善を見込む一方、Pratt & Whitneyのエンジン(GTF)関連の検査・改修などがキャッシュフローの変動要因になり得ます。[2][8]

注意すべきリスク要因

  • LMTのリスク:固定価格契約・機密案件等での見積り悪化が利益に直撃しやすい(2025年もプログラム損失が発生)。加えて、政府調達の運用ルール見直しが、株主還元(自社株買い・配当)や経営評価の考え方に影響する可能性があります。[6][9]
  • RTXのリスク:GTF関連の点検・改修、関税などコスト要因、そして航空機の生産ペースの変動が、利益・キャッシュフローのぶれにつながり得ます。[8]

総合的な見通し

LMTは「防衛大型案件×高還元」でディフェンシブに、RTXは「防衛+商業航空の二本柱」で循環にも強い構造です。2025年末時点では両社とも受注残が高水準で、2026年も需要環境は底堅い一方、コスト超過や整備・改修コストといった“現場の実行リスク”が株価の変動要因になり得ます。保有目的(安定配当か、成長と分散か)に応じて選好を分けるのが妥当でしょう。


最終更新日:2026年2月7日

ミニ解説:「バックログ」とは受注残高のこと。今後の売上計上見込みを示す重要指標で、防衛産業では中長期の需要を測るベースになります。2025年末時点でLMTは$194B、RTXは$268Bと高水準です。[1][2]

【注】(出典リンク)

  1. LMT 2025通期・Q4/バックログ$194B/2026見通し(売上$77.5–80.0B、EPS$29.35–30.25、FCF$6.5–6.8B) → Lockheed Martin(2025通期・Q4リリース資料)PRNewswire配信(確認日:2026-02-07)
  2. RTX 2025通期・Q4/バックログ$268B/2026見通し(調整後売上$92–93B、調整後EPS$6.60–6.80、FCF$8.25–8.75B) → RTX(2025通期・Q4リリース)(確認日:2026-02-07)
  3. LMT 配当(四半期$3.45):2025年10月に増配/2026年2月も同水準で宣言 → Lockheed Martin(2025-10-09 配当)Lockheed Martin(2026-02-06 配当)(確認日:2026-02-07)
  4. RTX 配当(四半期$0.68):2025年に増配/2026年2月も同水準で宣言 → RTX(2025-05-01 配当増額)RTX(2026-02-06 配当)(確認日:2026-02-07)
  5. 株価(2026-02-06終値近辺:LMT $623.58/RTX $198.66) → Yahoo!ファイナンス(LMT)Yahoo!ファイナンス(RTX)(確認日:2026-02-07)
  6. LMT:プログラム損失(2025年に複数案件で損失計上) → Lockheed Martin(2025年Q2決算)Lockheed Martin(2025通期・Q4資料内の説明)(確認日:2026-02-07)
  7. 売上推移(2020–2025) → LMT(2025通期資料)RTX(2025通期資料)Macrotrends(LMT売上推移)Macrotrends(RTX売上推移)(確認日:2026-02-07)
  8. RTX:GTF等(点検・改修、関税・コスト要因など) → RTX(2025通期・Q4リリースの注意事項)(確認日:2026-02-07)
  9. 米国防総省:企業の株主還元・報酬など運用見直し(報道) → Reuters(2026-02-06)(確認日:2026-02-07)
  10. 需要面(例:防空ミサイル関連の増産・長期枠組みの動き) → U.S. DoD(PAC-3 MSE枠組み)Lockheed Martin(PAC-3増産関連)(確認日:2026-02-07)
  11. 関連記事(当サイト) → LMT関連記事RTX関連記事(確認日:2026-02-07)

Posted by 南 一矢