MS(モルガンスタンレー)今後の見通し
モルガンスタンレー(Morgan Stanley)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
モルガンスタンレーは2025年1月16日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.64$→結果2.22$
・売上高:予想147.6億$→結果162.2億$(前年同期比+26%)
(株価チャートは01/16 23:16)
★出典:IRページ
https://www.morganstanley.com/content/dam/msdotcom/en/about-us-ir/shareholder/4q2024.pdf
★予想値は以下のページを参照しました。
https://www.streetinsider.com/ec_earnings.php?q=MS
企業概要
モルガン・スタンレーはアメリカのメガバンクの一つであり、世界42か国以上で銀行業務、投資銀行業務、資産運用等を行っています。
MSは1935年のグラス・スティーガル法の制定により、モルガン商会の証券部門が独立する形で設立されました。
創業以来、M&Aアドバイザリー、資本調達、証券取引、資産管理などの分野で急成長し、特に1980年代以降の金融自由化により、グローバル金融市場での存在感を高めました。
2008年のリーマン・ショック時には、大手金融機関が相次いで破綻や合併に追い込まれる中、モルガン・スタンレーは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)から約90億ドルの資本注入を受けて生き残りました。
その後は銀行持株会社へ移行し、資産運用やウェルスマネジメント事業を強化。
2020年にはイー・トレード(E-Trade)を買収するなど、戦略的M&Aを通じて成長を続けています。
その事業は、大きく以下の3つの分野に分かれています。
★法人および機関投資家向け証券業務(Institutional Securities: IS)
企業や政府、金融機関向けにM&Aアドバイザリー、資本調達、証券の引受・売買、リスク管理を提供。M&Aアドバイザリー業務ではグローバルでトップクラスのシェアを誇り、多くの大企業の合併・買収に関与しています。
★富裕層向けウェルスマネジメント(Wealth Management: WM)
個人投資家や富裕層向けに資産運用、財務プランニング、プライベートバンキングサービスを提供。旧スミス・バーニーの統合やイー・トレードの買収を通じて、リテール金融サービスを強化しました。
★投資管理(Investment Management: IM)
機関投資家や公共部門向けに資産運用サービスを提供。株式、債券、オルタナティブ投資、プライベートエクイティなど幅広い運用商品を展開。
近年はウェルスマネジメント部門が成長。M&Aアドバイザリー業務においては、ゴールドマン・サックスと並び、世界トップクラスのシェアを誇ります。
リテール向け金融サービスの強化により、個人投資家向けの資産運用サービスでも業界内での競争力を高めました。
経営戦略として、今後は、以下の3つを重視しています。
・事業の多角化と統合サービスの提供:証券業務、ウェルスマネジメント、投資管理の各分野を統合的に運用し、クロスセル効果を最大化。
・デジタルトランスフォーメーションの推進:オンライン証券サービスの強化やデータ分析技術の導入を進め、デジタル金融サービスの利便性向上を図る。
・戦略的M&Aによる成長:イー・トレードやスミス・バーニーの買収を通じて、ウェルスマネジメントの拡大を推進し、個人投資家市場への進出を加速。
【出典】
【事業構成】
【地域別売上高】