米国の不動産REITセクターの銘柄(指数連動ETFと主要な高配当REIT6社)について、株価の推移とFFO利回り、配当性向などを比較してみます(*FFO利回りは、減価償却費を考慮したキャッシュフローベースの利回り)。
- 1. 【IYR】iShares米国不動産ETF
- 2. 主要REIT6社(2025年版)
- 3. IYRとWELL・PLD・AMTを比較
- 4. IYRとDLR・SPG・EQIXを比較
【IYR】iShares米国不動産ETF
- 米国の不動産セクターに幅広く投資する米国籍ETF。
- ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指す。
- 住宅、商業施設、ヘルスケア、データセンター等の多様なREITに投資する。
- 構成銘柄はPLD、AMT、EQIX、WELL等の大型REITが上位を占める。(2025年1月時点)
主要REIT6社(2025年版)
WELL:ウェルタワー(Welltower)
ヘルスケア
ヘルスケア施設REIT最大手。高齢化の恩恵を受ける成長型REIT。シニア住宅から医療施設まで幅広くカバー。
📈 事業の柱
シニア住宅/長期ケア施設/医療オフィスビル/ライフサイエンス施設
🌍 主要市場
米国主要都市圏、カナダ、英国の約1,900物件
💪 強み
高齢化による構造的需要増、優良オペレーターとの戦略的提携
⚠️ 注意点
オペレーターの運営リスク、医療制度改革の影響を受けやすい
PLD:プロロジス(Prologis)
物流
産業用不動産REIT世界最大手。eコマース拡大で物流施設需要が急増、安定成長を続ける。
📈 事業の柱
物流施設/配送センター/データセンター向け施設
🏗️ 基盤資産
19カ国に約12億平方フィート、主要物流ハブに集中
💪 強み
10年以上連続増配、稼働率95%以上を維持
⚠️ 注意点
金利上昇時の開発コスト増、eコマース成長鈍化リスク
AMT:アメリカン・タワー(American Tower)
通信
通信タワーREIT最大手。5G展開で需要急増、世界25カ国で約22万基のタワーを運営。
📈 事業の柱
通信タワー/データセンター/分散アンテナシステム
🌍 資産構成
米国40%、国際60%の地域分散、長期契約で安定収入
💪 強み
5G投資サイクルの恩恵、テナント追加による高マージン成長
⚠️ 注意点
新興国の為替・政治リスク、通信事業者の統合による需要減
DLR:デジタル・リアルティ・トラスト(Digital Realty Trust)
データセンター
データセンターREIT大手。クラウド・AI需要拡大で高成長、世界300以上のデータセンターを運営。
📈 事業の柱
コロケーション/ハイパースケール/相互接続サービス
💪 強み
主要クラウド事業者との長期契約、グローバルな相互接続プラットフォーム
👥 顧客基盤
Fortune 500企業の70%以上、主要クラウドプロバイダー全社
🎯 ポイント
18年連続増配、AI・機械学習需要で成長加速
SPG:サイモン・プロパティ・グループ(Simon Property Group)
商業施設
商業施設REIT最大手。プレミアムアウトレットとAクラスモールに特化、体験型施設へシフト。
📈 事業の柱
ショッピングモール/プレミアムアウトレット/ライフスタイルセンター
🏢 特徴
北米・アジアで約200施設、年間来場者数20億人超
💪 強み
立地の優位性、高級ブランドとの強固な関係、混合用途開発への転換
⚠️ 注意点
eコマースとの競争、消費者行動の変化による来店客減少リスク
EQIX:エクイニクス(Equinix)
データセンター
データセンターREIT最高峰。相互接続に特化、デジタルエコシステムのハブとして機能。
📈 事業の柱
コロケーション/相互接続/エッジサービス/デジタルサービス
🔗 ビジネスモデル
世界70都市で260以上のデータセンター、1万社以上が相互接続
💪 強み
ネットワーク効果による高い参入障壁、FFO成長率年10%以上
⚠️ 注意点
高い設備投資負担、電力コスト上昇、競争激化による価格圧力
💡 投資戦略のヒント
高配当重視
SPG・DLR
成長性重視
EQIX・PLD
ディフェンシブ
WELL・AMT
分散投資
IYR
IYRとWELL・PLD・AMTを比較
※左目盛り:株価推移(最大20分ディレイ)
※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル
IYRとDLR・SPG・EQIXを比較
※左目盛り:株価推移(最大20分ディレイ)
※右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル