米国の不動産REITセクターの銘柄(指数連動ETFと主要な高配当REIT6社)について、株価の推移とFFO利回り、配当性向などを比較してみます(*FFO利回りは、減価償却費を考慮したキャッシュフローベースの利回り)。
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【IYR】iShares米国不動産ETF
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主要REIT6社(2025年8月版)
- 3. IYRとWELL・PLD・AMTを比較
- 4. IYRとDLR・SPG・EQIXを比較
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【IYR】iShares米国不動産ETF
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米国の不動産セクターに幅広く投資する米国籍ETF。 -
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ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指す。 -
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住宅、商業施設、ヘルスケア、データセンター等の多様なREITに投資する。 -
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構成銘柄はPLD、AMT、EQIX、WELL等の大型REITが上位を占める。(2025年8月時点) -
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配当利回り:約2.09%(経費率0.38%)
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主要REIT6社(2025年8月版)
WELL
ウェルタワー(Welltower)
ヘルスケア
ヘルスケア施設REIT最大手。高齢化の恩恵を受ける成長型REIT。シニア住宅から医療施設まで幅広くカバー。
📈事業の柱
シニア住宅/長期ケア施設/医療オフィスビル/ライフサイエンス施設
🌍主要市場
米国主要都市圏、カナダ、英国の約1,900物件
💪強み
高齢化による構造的需要増、優良オペレーターとの戦略的提携
⚠️注意点
オペレーターの運営リスク、医療制度改革の影響を受けやすい
PLD
プロロジス(Prologis)
物流
産業用不動産REIT世界最大手。eコマース拡大で物流施設需要が継続成長、2025年には需要回復の兆しが見える。
📈事業の柱
物流施設/配送センター/データセンター向け施設
🏗️基盤資産
20カ国に約13億平方フィート、主要物流ハブに集中
💪強み
10年以上連続増配、占有率95%前後を維持、2025年に配当5%増額
⚠️注意点
金利上昇時の開発コスト増、空室率が一時的に上昇中
AMT
アメリカン・タワー(American Tower)
通信
通信タワーREIT最大手。5G展開で需要継続、世界25カ国で約22万基のタワーを運営し、データセンターも拡張中。
📈事業の柱
通信タワー/データセンター/分散アンテナシステム
🌍資産構成
米国40%、国際60%の地域分散、長期契約で安定収入
💪強み
5G投資サイクルとデータセンター拡張の恩恵、テナント追加による高マージン成長
⚠️注意点
新興国の為替・政治リスク、通信事業者の統合による需要減
DLR
デジタル・リアルティ・トラスト(Digital Realty Trust)
データセンター
データセンターREIT大手。AI・クラウド需要急拡大でさらなる高成長期待、世界300以上のデータセンターを運営。
📈事業の柱
コロケーション/ハイパースケール/相互接続サービス
💪強み
主要クラウド事業者との長期契約、AI需要でさらなる拡張中
👥顧客基盤
Fortune 500企業の70%以上、主要クラウドプロバイダー全社と契約
🎯ポイント
18年連続増配、AI・機械学習需要で占有率は記録的低水準の2.8%
SPG
サイモン・プロパティ・グループ(Simon Property Group)
商業施設
商業施設REIT最大手。2025年はモール業界の本格回復年、占有率96%の高水準でプレミアムアウトレット中心に展開。
📈事業の柱
ショッピングモール/プレミアムアウトレット/ライフスタイルセンター
🏢特徴
北米・アジアで約200施設、占有率96%の高水準
💪強み
立地の優位性、高級ブランドとの強固な関係、海外展開(インドネシア・イタリア)
⚠️注意点
eコマースとの競争継続、金利上昇による債務リファイナンスコスト増
EQIX
エクイニクス(Equinix)
データセンター
データセンターREIT最高峰。AI・相互接続の最重要インフラとして、アジア展開でさらなる成長加速。
📈事業の柱
コロケーション/相互接続/エッジサービス/デジタルサービス
🔗ビジネスモデル
世界35カ国270データセンター、1万社以上が相互接続、インドネシア進出
💪強み
ネットワーク効果による高い参入障壁、AI需要で顧客維持率98%
⚠️注意点
高い設備投資負担、電力コスト上昇、地政学リスク
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2025年版投資戦略のヒント
高配当重視
SPG・
PLD
AI成長重視
EQIX・
DLR
ディフェンシブ
WELL・
AMT
分散投資
IYR
2025年のトレンド:AIとデータセンター需要の急拡大、商業施設REITの本格回復、物流セクターの需要回復、ヘルスケア需要の安定成長が注目ポイントです。