アメリカ素材セクターETF(VAW・XLB・IYM・MXI)株価・配当・構成銘柄

セクターETF

米国の素材セクターETFを中心に、VAW・XLB・IYMとグローバル型のMXIを比較します。素材は景気循環に加え、鉄鋼・銅・化学品の需給、送配電網やデータセンター向け設備投資、貿易政策によって業績が変動する分野です。

代表的な米国上場ETFは、バンガードのVAW、ステート・ストリートのXLB、ブラックロックのIYM。世界の素材企業を組み入れるMXIも取り上げます。

米国株への集中度、保有銘柄の数、費用と分配利回りを同じ基準で比較し、国際分散の違いも確認します。

本記事は2026年10月9日確認時点の情報をまとめたものです。経費率・保有銘柄数・利回りの基準日は各社で異なり、数値はその時点の公式資料に基づきます。

⚡ 2026年 素材セクター環境メモ(10月9日更新)

🔥 銅:需給が話題になりやすい

ICSG(国際銅研究会)の2026年4月23日公表予測では、世界の精錬銅市場は2026年に約9.6万トン、2027年に約37.7万トンの供給過剰となる見通しです。精鉱の不足が製錬を抑える一方、需要鈍化とスクラップ由来供給が需給に影響します。これは予測値であり、在庫の変化や鉱山障害により実績は変動します。[1]

🌍 中国・アジア景気の影響

世界銀行の2026年10月6日公表資料では、東アジア・太平洋地域の2026年成長見通しは4.5%、中国は4.4%とされています。中国の不動産市場調整と内需の弱さは、金属・建材需要への逆風です。[2]

⚡ 電化投資・インフラ更新

送配電網・データセンター・電動化関連の投資は、銅や建設資材の中長期需要を支える要因です。ただし、採算、建設時期、資金調達の条件によってETFへの寄与は変化します。

📈 貿易・関税のボラティリティ

関税・輸出規制・制裁は、素材価格、流通経路、企業の調達・販売コストを変えます。短期の価格変動が大きくなる可能性があります。

【徹底比較】素材ETF VAW・XLB・IYM・MXI:低コストと分散の違い

化学・金属・鉱業・建設資材などを束ねる素材セクターは、世界景気の波を大きく受けます。VAWやXLBはその値動きを手軽に取り込める代表的ETFです。

一方、景気後退やコモディティ価格の下落局面では逆風も強くなります。戦略(集中か分散か)とコストを見極めましょう。

【はじめに】素材セクターは景気変動に敏感

住宅着工・設備投資・自動車生産などの変化が需要と利益率に表れやすい分野です。ただし、景気に常に先行する指標とは限らず、金属の供給制約や個社要因でも値動きが変わります。

主要素材セクターETF 比較一覧表(2026年10月9日更新)

投資対象・経費率・30日SEC利回り・保有銘柄数を比較します。利回りと銘柄数の公表日が同一ではないため、必ず基準日も確認してください。30日SEC利回りは過去の現金分配額をそのまま年換算したものではありません。

ティッカー 投資戦略 経費率 利回り(目安) 保有銘柄数 キーワード
XLB 米国・S&P500素材セクターの大型株集中型 0.08%
2026-10-06。[3]
30日SEC
1.86%
2026-10-05。[3]
24銘柄
2026-10-05(ETF)。[3]
Linde・Newmont・Freeport-McMoRanが上位。指数構成は26銘柄。[3]
VAW 米国・大型/中型/小型素材株への分散型 0.09%
2026-06-30資料。[4]
30日SEC
1.38%
2026-07-31。[4]
110銘柄
2026-07-31。[4]
MSCI US IMI Materials 25/50に連動。幅広い規模の企業を保有。[4]
IYM 米国・Russell 1000の素材株中心 0.37%
2026-10-05確認。[5]
30日SEC
1.07%
2026-08-31。[5]
40銘柄
2026-10-05。[5]
米国素材株に投資するが、VAWより銘柄数が少なくコストも高い。[5]
MXI 世界・米国以外を含む素材企業 0.37%
2026-10-05確認。[6]
30日SEC
1.56%
2026-08-31。[6]
94銘柄
2026-10-02。[6]
米国36.61%、カナダ12.72%、豪州11.77%(2026-10-02)。[6]

※「銘柄数」はETFの保有銘柄数です。ベンチマーク構成銘柄数とは異なる場合があります。利回りは30日SEC利回りに統一していますが、公表基準日はそろっていません。


米国市場への投資戦略:集中か、分散か

【低コスト対決】巨大企業(XLB) vs 幅広く分散(VAW)

米国素材株を幅広く保有するならVAW(経費率0.09%)、S&P500素材企業に絞るならXLB(0.08%)です。両者のコスト差は年0.01ポイントで、実際には保有企業の集中度や、銅・金・化学などへの比率の違いが重要になります。[3][4]

XLB巨大企業に集中投資

State Street公式(2026年10月5~7日)
経費率: 0.08%
30日SEC: 1.86%

投資対象はS&P500の素材セクター。2026年10月7日時点の上位銘柄はLinde(13.04%)、Newmont(6.99%)、Freeport-McMoRan(6.03%)です。工業ガス・金・銅の影響が大きく、単なる化学大手の集合ではありません。[3]

VAWセクター全体に分散投資

Vanguard公式(2026年6月末資料・7月末利回り)
経費率: 0.09%
保有銘柄: 110(7月31日)

2026年7月31日時点の保有銘柄数は110。大型・中型・小型の素材企業を組み入れますが、時価総額加重のためLindeなど上位企業の影響が残ります。[4]

(補足)IYMは2026年10月5日時点で40銘柄、経費率0.37%です。米国素材株に幅広く投資できますが、VAW(7月末110銘柄)と比べると銘柄数は少なく、コストは高めです。[5][4]


視点を世界へ:グローバル素材セクター戦略

なぜグローバルに投資するのか?

米国に偏らず豪州・カナダ・英国などの素材企業も保有したい場合、MXIが候補になります。2026年10月2日時点では米国36.61%、カナダ12.72%、豪州11.77%、英国9.00%、日本7.13%で、米国以外への分散が明確です。[6]

MXI世界の鉱業・化学メジャーに投資

iShares公式(2026年8月末~10月5日の指標)
経費率: 0.37%(2026-10-05)
30日SEC: 1.56%(2026-08-31)
保有銘柄数: 94(2026-10-02)

MXIは米国外の鉱業・化学企業にも投資し、地域分散を図ります。一方、2026年10月2日時点で金属・鉱業が50.33%を占め、国際的な鉱物市況の変動にも敏感です。[6]

⚠️ 注意:コストとのトレードオフ

2026年10月5日時点で確認できる経費率は0.37%です。米国集中型のVAWやXLBより高く、保有地域・業種の違いとコストの見合いが判断材料になります。[6]


💡2026年版 素材セクター投資戦略(要点)

🎯 低コスト分散

VAW:経費率0.09%、7月末110銘柄。米国素材セクターを幅広く保有。[4]

🏘 大型株偏重

XLB:経費率0.08%、10月5日時点24銘柄。S&P500素材の大型株中心。[3]

🌐 グローバル分散

MXI:経費率0.37%、世界の素材企業94銘柄(10月2日)。[6]

⚡ テーマ併用

VAW/XLBを土台に、銅・リチウムなど個別テーマをサテライトで上乗せ(タイミング分散を徹底)。

素材は景気変化や供給障害で値動きが大きくなります。世界銀行の2026年10月見通しはアジアの成長持続を示しますが、中国の不動産調整には注意が必要です。精錬銅はICSGの2026年4月予測で供給超過とされる一方、実際の在庫・生産障害によって需給は変わります。[2][1]

素材セクター投資に共通するリスク(2026年版)

  1. 1
    景気後退・コモディティ価格リスク

    景気減速で需要・価格が同時に弱含み、利益と株価を圧迫。

  2. 2
    地政学・貿易政策リスク

    関税・輸出規制・制裁の強化は、需給や価格のボラティリティを増幅し得ます。

  3. 3
    アジア景気・金融環境リスク

    成長見通しの鈍化や信用環境の変化は、素材需要の重石になり得ます。

  4. 4
    環境規制・操業許認可リスク

    鉱山・化学の規制コストや認可遅延、脱炭素投資負担は利益を圧迫しうる。

免責事項

本記事は情報提供であり、特定商品の売買推奨ではありません。市場環境・数値は変動します。投資判断はご自身の責任でお願いします。

ミニ解説:「XLB=S&P500素材の大型株中心」「VAW=米国の幅広い素材株」「IYM=米国素材株・比較的高コスト」「MXI=世界の素材企業」。低い経費率だけでなく、組入銘柄、地域、工業ガス・金・銅などの業種比率を見て選ぶのが基本です。

【注】(出典リンク)

  1. ICSG:2026~27年の精錬銅需給予測 → ICSG 2026年4月23日公式予測(確認日:2026-10-09) ↩
  2. 世界銀行:2026年10月の東アジア・中国見通し → 世界銀行 2026年10月6日公表資料(確認日:2026-10-09) ↩
  3. XLB:経費率、保有銘柄、SEC利回り・上位保有銘柄 → State Street XLB公式(確認日:2026-10-09) ↩
  4. VAW:経費率、銘柄数、利回り、指数 → Vanguard 2026年6月末ファクトシート → Vanguard VAW公式商品情報(確認日:2026-10-09) ↩
  5. IYM:経費率、保有銘柄、SEC利回り → iShares IYM公式(確認日:2026-10-09) ↩
  6. MXI:経費率、保有銘柄、SEC利回り、地域・業種配分 → iShares MXI公式(確認日:2026-10-09) ↩

株価:過去~現在

※チャート左目盛り:株価推移
※チャート右目盛り:緑線は米国10年国債利回り
※主要指標の単位 B:10億ドル、M:100万ドル。株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、総資産、配当利回り、経費率、権利落ち日などの情報を整理。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。




配当(分配金)と利回り

年間累計の分配金(ドル)を株価で割った利回りの推移を見てみます。
(*ここでは特別配当(分配金)を含めて計算するので、通常の定期的な配当だけで計算した時よりも利回りが高くなることがあります)

VAWの利回り

年 分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.62% 3.23 1.3% 199.0 0.2%
2024 1.61% 3.19 -1.5% 198.7 11.9%
2023 1.83% 3.24 -3.3% 177.5 1.1%
2022 1.91% 3.35 18.8% 175.6 -2.4%
2021 1.57% 2.82 8.0% 180.0 40.8%
2020 2.04% 2.61 0.8% 127.8 2.5%
2019 2.08% 2.59 16.1% 124.7 -4.4%
2018 1.71% 2.23 0.9% 130.5 5.4%
2017 1.79% 2.21 18.2% 123.8 21.0%
2016 1.83% 1.87 -13.4% 102.3 -1.4%
2015 2.08% 2.16 14.3% 103.7 -3.7%
2014 1.75% 1.89 0.0% 107.7 16.8%
2013 2.05% 1.89 20.4% 92.2 15.0%
2012 1.96% 1.57 0.0% 80.2 0.2%
2011 1.96% 1.57 -12.8% 80.0 14.3%
2010 2.57% 1.80 95.7% 70.0 27.7%
2009 1.68% 0.92 -42.1% 54.8 -28.6%
2008 2.07% 1.59 – 76.7 –

XLBの利回り

年 分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.68% 1.74 8.1% 103.4 14.8%
2024 1.79% 1.61 -4.7% 90.1 11.8%
2023 2.10% 1.69 -2.3% 80.6 0.5%
2022 2.16% 1.73 19.3% 80.2 -2.7%
2021 1.76% 1.45 19.8% 82.4 38.3%
2020 2.03% 1.21 1.7% 59.6 4.9%
2019 2.10% 1.19 10.2% 56.8 -1.9%
2018 1.87% 1.08 9.1% 57.9 5.7%
2017 1.81% 0.99 4.2% 54.8 18.6%
2016 2.06% 0.95 -1.0% 46.2 -1.9%
2015 2.04% 0.96 2.1% 47.1 -2.3%
2014 1.95% 0.94 0.0% 48.2 17.8%
2013 2.30% 0.94 13.3% 40.9 13.3%
2012 2.30% 0.83 15.3% 36.1 -1.4%
2011 1.97% 0.72 -37.9% 36.6 10.9%
2010 3.52% 1.16 107.1% 33.0 21.8%
2009 2.07% 0.56 -30.9% 27.1 -26.0%
2008 2.21% 0.81 – 36.6 –

IYMの利回り

年 分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.27% 2.33 8.4% 182.9 28.7%
2024 1.51% 2.15 -11.2% 142.1 8.8%
2023 1.85% 2.42 -8.7% 130.6 0.7%
2022 2.04% 2.65 28.0% 129.7 0.0%
2021 1.60% 2.07 32.7% 129.7 38.7%
2020 1.67% 1.56 -22.8% 93.5 1.7%
2019 2.20% 2.02 45.3% 91.9 -6.3%
2018 1.42% 1.39 -4.1% 98.1 6.5%
2017 1.57% 1.45 20.8% 92.1 21.2%
2016 1.58% 1.20 -15.5% 76.0 -2.3%
2015 1.83% 1.42 -0.7% 77.8 -7.6%
2014 1.70% 1.43 -0.7% 84.2 16.0%
2013 1.98% 1.44 9.1% 72.6 7.7%
2012 1.96% 1.32 -6.4% 67.4 -7.8%
2011 1.93% 1.41 65.9% 73.1 15.8%
2010 1.35% 0.85 1.2% 63.1 36.3%
2009 1.81% 0.84 -27.0% 46.3 -31.1%
2008 1.71% 1.15 – 67.2 –

MXIの利回り

年 分配金 株価
平均利回り 年累計 年伸び率 平均株価 年伸び率
2025 1.85% 1.96 -22.2% 105.8 22.5%
2024 2.92% 2.52 -0.8% 86.4 5.6%
2023 3.11% 2.54 -33.2% 81.8 0.4%
2022 4.66% 3.80 20.3% 81.5 -8.9%
2021 3.53% 3.16 225.8% 89.5 36.9%
2020 1.48% 0.97 -60.4% 65.4 3.2%
2019 3.86% 2.45 56.1% 63.4 -5.4%
2018 2.34% 1.57 28.7% 67.0 7.5%
2017 1.96% 1.22 71.8% 62.3 25.1%
2016 1.43% 0.71 -56.4% 49.8 -6.7%
2015 3.05% 1.63 26.4% 53.4 -13.3%
2014 2.09% 1.29 -2.3% 61.6 3.5%
2013 2.22% 1.32 2.3% 59.5 0.2%
2012 2.17% 1.29 3.2% 59.4 -12.1%
2011 1.85% 1.25 4.2% 67.6 9.4%
2010 1.94% 1.20 172.7% 61.8 28.0%
2009 0.91% 0.44 -57.7% 48.3 -26.9%
2008 1.57% 1.04 – 66.1 –


ポートフォリオの比較

次に、このETF(投資信託)の資産総額を占める金融商品(株式など)の構成比率を見てみます。
投資する企業の規模別比率、組入れ上位10銘柄はチャールズシュワブのサイト内のページを参照。

Posted by 南 一矢