XOM:エクソンモービルの配当推移

エネルギー,配当






エクソンモービル(XOM)配当利回りと株価分析【2026年8月更新版】

エクソンモービル(XOM)配当利回りと株価分析【2026年8月更新版】

エクソンモービル(ExxonMobil、NYSE:XOM)の配当利回りと株価を、直近の決算・配当情報とあわせて見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを見る指標)等も確認します。

本文の業績・配当データは、特に断りがない限り2025年通期決算、2026年第2四半期・上半期決算、2026年7月31日終値、2026年第3四半期までに宣言された配当情報に基づいています。

【2026年8月更新】
エクソンモービルは2025年第4四半期から四半期配当を1株あたり1.03ドルへ引き上げ、2026年第1四半期から第3四半期まで同額を維持しています。2026年時点で、同社は43年連続増配を継続しています。2026年第2四半期の純利益は14,525M$、営業CFは23,555M$、FCFは17,236M$でした。2026年7月31日終値155.44ドルと現行年率配当4.12ドルをもとにした配当利回りは約2.7%です。[1][2][3]

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当(ドル)、平均株価、通年EPSの推移を確認します。2026Eは2026年7月31日時点の株価と直近12カ月(TTM)のEPSを用いた参考値です。以下の数値は各年のForm 10-K、決算リリース、配当データをもとに作成しています。[4]

配当 平均株価
/基準日株価
年EPS
利回り 成長率 配当性向 年計
2026E 約2.7%
(7月31日)
約3%
(現行年率)
約53%
(TTM EPS比)
4.12
(現行年率)
155.44
(7月31日)
約7.77
(TTM)
2025 約4% 約60% 4.00 6.70
2024 3.43% 4% 49% 3.84 112.0 7.84
2023 3.39% 4% 41% 3.68 108.6 8.89
2022 3.87% 2% 27% 3.55 91.7 13.26
2021 6.02% 0% 65% 3.49 58.0 5.39
2020 7.82% 1% -66% 3.48 44.5 -5.25
2019 4.65% 6% 102% 3.43 73.7 3.36
2018 4.04% 6% 66% 3.23 80.0 4.88
2017 3.74% 3% 66% 3.06 81.9 4.63
2016 3.46% 3% 159% 2.98 86.2 1.88
2015 3.48% 7% 75% 2.88 82.8 3.85
2014 2.77% 10% 36% 2.70 97.3 7.60
2013 2.72% 13% 33% 2.46 90.5 7.37
2012 2.52% 18% 22% 2.18 86.5 9.70
2011 2.32% 6% 22% 1.85 79.7 8.42
2010 2.68% 5% 28% 1.74 65.0 6.22
2009 2.34% 7% 42% 1.66 70.9 3.98
2008 1.87% 13% 18% 1.55 82.7 8.66

※2025年の年間配当は、2025年第1〜第3四半期の0.99ドルと第4四半期の1.03ドルを合計した4.00ドルです。2026Eは、2026年第1〜第3四半期に宣言された四半期配当1.03ドルを4倍した現行年率配当4.12ドルを用いた参考値で、2026年通期の確定値ではありません。TTM EPS約7.77ドルと配当性向約53%は、2025年下半期と2026年上半期の希薄化後EPSを接続して算出しています。[1][2]

長期にわたり続く安定した配当の実績

【2026年更新】 エクソンモービル(XOM)は2026年時点で43年連続増配を継続しています。2025年第4四半期に四半期配当を0.99ドルから1.03ドルへ約4%引き上げ、2026年第1四半期から第3四半期まで同額を維持しています。第3四半期配当は2026年8月17日を基準日として、9月10日に支払う予定です。[1][2]

エクソンモービル(XOM)の配当実績は、エネルギー市場の変動にもかかわらず、高い安定性を示しています。2026年時点で43年連続増配を達成しており、米国を代表する長期増配銘柄の一つです。特筆すべきは、2020年のCOVID-19パンデミックによるエネルギー需要急減と原油価格暴落の中でも、多くのエネルギー企業が配当削減を余儀なくされる中、XOMは配当を維持し、連続増配記録を守ったことです。

配当成長率の推移

XOMの配当成長率は市場環境に応じて変動しながらも、長期ではプラスを維持しています:

  • 2008〜2014年:堅調な成長期(5〜18%の成長率)
  • 2015〜2017年:原油価格低迷期でも成長継続(3〜7%)
  • 2018〜2019年:回復基調(6%の安定成長)
  • 2020〜2021年:パンデミック期の慎重な維持(0〜1%)
  • 2022〜2025年:回復期での堅実な成長再開(おおむね2〜4%)
  • 2026年:第1〜第3四半期は四半期配当1.03ドルを維持。現行年率配当は4.12ドル
【2025年実績】 2025年の年間配当は1株あたり4.00ドルとなり、2024年の3.84ドルから約4%増加しました。2025年第4四半期に四半期配当は1株あたり1.03ドルへ引き上げられ、その水準が2026年第3四半期まで継続しています。[1][2]

このパターンは、市場環境が厳しい時期にも配当を維持・成長させるXOMの能力を示しています。特に、2020年のパンデミック時には純損失22,440M$を計上しながらも、営業CFはプラスを維持し、配当を守りました。これは、同社が株主還元を重要な資本配分方針の一つとして位置づけ、長期的な視点で経営していることを示しています。[4]

配当利回りの推移と魅力

XOMの配当利回りは、株価の変動と配当の着実な成長により、長期的に魅力的な水準を維持してきました。原油価格の低迷期(2015〜2016年)や市場不安定期(2020年)には特に高い利回りを記録し、インカム重視の投資家にとって重要な選択肢となりました。

【現在の状況】 2026年7月31日終値は155.44ドルです。現行年率配当4.12ドルを前提にすると、配当利回りは約2.7%です。配当額が同じでも株価が上昇すると利回りは低下するため、基準日をそろえて比較する必要があります。[3]

特に注目すべき点は:

  • 原油価格サイクルの低迷期には6%以上の高利回りを記録
  • 株価上昇局面では利回りが低下しやすいが、増配により長期のインカム成長を狙える
  • 競合他社と比較して、配当の安定性と財務体質のバランスが強い
  • 利回りだけでなく、営業CF・FCF・負債水準を確認することが重要

高い配当利回りはエネルギーセクターの魅力の一つですが、XOMの場合は単に高配当というより、長期の増配実績、強いバランスシート、ガイアナやパーミアン盆地などの高収益資産によって支えられている点が特徴です。

配当性向の持続可能性

XOMの配当性向は、原油価格サイクルの影響を受けて大きく変動します。特に2016年(159%)と2019年(102%)には高い水準を記録しましたが、2020年のパンデミック時には純損失により計算上のマイナスとなりました。一方、2022年には過去最高益を記録し、配当性向は27%まで低下しています。

【2025年実績】 2025年の年間配当は4.00ドル、希薄化後EPSは6.70ドルでした。EPSベースの配当性向は約60%です。2024年の約49%から上昇しましたが、エネルギー企業としてはなお過度に高い水準ではありません。[4]
【2026年上半期・TTM】 2026年上半期の1株配当は2.06ドル、希薄化後EPSは4.47ドルで、上半期のEPSベース配当性向は約46%です。2026年7月31日時点の現行年率配当4.12ドルをTTM EPS約7.77ドルで割ると、参考配当性向は約53%となります。[2]

配当性向の変動要因:エネルギー企業特有の純利益の変動性が、配当性向に大きく影響しています:

  • 原油価格の大幅な変動:2020年の暴落と2022年の高騰
  • 資産減損:市場環境の変化による資産評価の見直し
  • 事業ポートフォリオの最適化:低収益資産の売却や戦略的投資
  • 税制変更や一時的費用:法人税率変更や組織再編コスト
  • 2024〜2026年上半期:Pioneer買収後の統合、増産効果、原油・製品価格の変動が混在

しかし、XOMの強みは、純利益の変動にかかわらず、営業キャッシュフローが一貫して配当をカバーできる水準を維持している点にあります。2025年の営業CFは51,970M$、フリーCFは26,131M$、配当支払いは17,231M$でした。EPSベースの配当性向が上昇しても、キャッシュフローでは配当を十分にカバーしています。[4]

2026年上半期は、営業CFが32,260M$、FCFが19,935M$、現金配当が8,633M$でした。第2四半期だけでも営業CFは23,555M$、FCFは17,236M$となり、第1四半期の一時的なキャッシュフロー低下から大きく回復しています。配当の安全性は単一四半期だけでなく、上半期・通年の営業CF、FCF、投資額をあわせて確認する必要があります。[2]

財務パフォーマンスと成長見通し

以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージンは%単位で表示しています。2026年上半期の数値は2026年第2四半期資料に基づきます。[2]

主要財務指標の推移

年度 売上高 営業CF 同マージン 純利益
2026 H1 197,690 32,260 16% 18,708
2025 332,238 51,970 16% 28,844
2024 349,585 55,022 16% 33,680
2023 336,665 55,369 16% 36,010
2022 400,737 76,797 19% 55,740
2021 277,140 48,129 17% 23,040
2020 181,502 14,668 8% -22,440
2019 264,938 29,716 11% 14,340
2018 290,212 36,014 12% 20,840
2017 244,363 30,066 12% 19,710
2016 208,114 22,082 11% 7,840
2015 249,248 30,344 12% 16,150
2014 411,939 45,116 11% 32,520
2013 438,255 44,914 10% 32,580
2012 480,681 56,170 12% 44,880
2011 486,429 55,345 11% 41,060
2010 383,221 48,413 13% 30,460
2009 310,586 28,438 9% 19,280
2008 477,359 59,725 13% 45,220

収益性と効率性の変動

XOMの財務データは、石油・ガス産業特有の景気循環性を明確に示しています:

  • 売上高は原油価格サイクルに連動し、2011年の486,429M$から2020年には181,502M$へ大きく減少
  • 営業CFマージンは比較的安定しており、2021〜2025年は16〜19%の高水準を維持
  • 純利益は2022年に55,740M$を記録するなど、原油価格環境に強く影響
  • 2020年には純損失22,440M$を記録したが、翌年には迅速に黒字転換
  • 2026年上半期は売上高197,690M$、純利益18,708M$となり、第2四半期の増益が上半期業績を押し上げ
【2025年実績】 2025年は売上高332,238M$、営業CF51,970M$、純利益28,844M$を記録しました。2024年からは減益となったものの、ガイアナ、パーミアン盆地、LNGなどの優位性ある資産が生産を押し上げ、通年の純生産量は40年以上ぶりの高水準となる日量470万石油換算バレルに達しました。[4]
【2026年上半期】 売上高は197,690M$、営業CFは32,260M$、純利益は18,708M$でした。第2四半期の純利益は14,525M$、1株利益は3.48ドルです。第2四半期の原油・天然ガス生産量は日量451.4万石油換算バレルで、パーミアン盆地では日量180万石油換算バレル超の過去最高生産を記録しました。[2]

特筆すべきは、XOMの収益構造が景気循環性を持ちながらも、営業CFマージンが比較的安定している点です。これは、同社の垂直統合型ビジネスモデル(上流の探鉱・生産から下流の精製・販売、化学、スペシャルティ製品まで一貫した事業展開)により、原油価格の変動影響を部分的に相殺できるためです。

2026年上半期までの累計構造的コスト削減額は2019年比で163億ドルとなり、2026年上半期だけで12億ドルの追加削減を達成しました。コスト削減は、原油・ガス価格や精製・化学マージンが変動する中で、利益とキャッシュフローを下支えする要因です。[2]

強力なキャッシュフロー基盤

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CF、FCFはM$(百万ドル)単位で表示しています。2026年上半期の数値は2026年第2四半期資料に基づきます。[2]

年度 営業CF 投資CF 財務CF FCF
2026 H1 32,260 -12,325 -19,865 19,935
2025 51,970 -25,927 -39,081 26,131
2024 55,022 -19,938 -42,789 34,362
2023 55,369 -19,274 -34,297
2022 76,797 -14,742 -39,114
2021 48,129 -10,235 -35,423
2020 14,668 -18,459 5,285
2019 29,716 -23,084 -6,618
2018 36,014 -16,446 -19,446
2017 30,066 -15,730 -15,130
2016 22,082 -12,403 -9,293
2015 30,344 -23,824 -7,037
2014 45,116 -26,975 -17,888
2013 44,914 -34,201 -15,476
2012 56,170 -25,601 -33,868
2011 55,345 -22,165 -28,256
2010 48,413 -24,204 -26,924
2009 28,438 -22,419 -27,283
2008 59,725 -15,499 -44,027

XOMの最大の強みは、その強力なキャッシュ創出能力にあります。石油メジャーとしての規模と効率性を活かし、景気循環を通じて安定したキャッシュフローを確保しています:

  • 2020年のパンデミック時でさえ、14,668M$の営業CFを確保
  • 2022年には76,797M$の営業CFを記録
  • 2023〜2025年も50,000M$超の営業CFを維持
  • 2025年のFCFは26,131M$で、配当支払い17,231M$をカバー
  • 2026年上半期のFCFは19,935M$で、現金配当8,633M$を2倍超カバー
【株主還元】 2025年は総額37.2Bドルを株主に還元しました。その内訳は、配当17.2Bドル、自社株買い20.0Bドルです。2026年上半期の株主還元は約18.6Bドルで、配当8.6Bドル、自社株買い10.0Bドルでした。第2四半期だけでも配当4.3Bドルと自社株買い5.1Bドル、合計9.4Bドルを還元しています。[2][4]

投資CFに注目すると、2021年は抑制的な投資でしたが、2022年以降は高収益プロジェクトへの投資を拡大しています。2024年のPioneer買収後も、パーミアン盆地、ガイアナ、LNG、化学、低炭素関連への投資を進めています。2026年上半期の設備投資等は約130億ドルで、ガイアナの5基目のFPSOは現地へ向けて出航し、2026年第4四半期の生産開始を予定しています。[2]

キャッシュフロー分析のポイント:XOMのキャッシュフローは「投資・成長・還元」の好循環を実現しています。高い営業CFをベースに、成長投資と株主還元をバランスよく実施しています。この強力なキャッシュ創出能力と規律ある資本配分が、XOMの長期的な競争優位性の源泉です。

健全な負債水準と資本構成

以下の表では、総資産、総負債、総資本はM$(百万ドル)単位、資本比率は%単位で表示しています。2026年Q2の数値は2026年6月末の暫定連結貸借対照表に基づきます。[2]

年度 総資産 総負債 総資本 資本比率 総債務 純負債
2026 Q2 464,482 198,371 266,111 57% 42,368 31,780
2025 448,980 182,354 266,626 59% 43,537 32,856
2024 453,475 182,869 270,606 60% 41,710 18,523
2023 376,317 163,779 212,538 56%
2022 369,067 166,594 202,473 55%
2021 338,923 163,240 175,683 52%
2020 332,750 168,620 157,150 47%
2019 362,597 163,659 191,650 53%
2018 346,196 147,668 191,794 55%
2017 348,691 154,191 187,688 54%
2016 330,314 156,484 167,325 51%
2015 336,758 159,948 170,811 51%
2014 349,493 168,429 174,399 50%
2013 346,808 166,313 174,003 50%
2012 333,795 162,135 165,863 50%
2011 331,052 170,308 154,396 47%
2010 302,510 149,831 146,839 49%
2009 233,323 117,931 110,569 47%
2008 228,052 110,529 112,965 50%

XOMの資本構成は、石油メジャーの中でも健全性が高いと評価できます:

  • 資本比率は2025年末で約59%、2026年Q2末で約57%と高水準
  • 2024年のPioneer買収後も、資本を厚く保ったまま事業規模を拡大
  • 2025年末の総債務は43,537M$、純負債は32,856M$
  • 2026年Q2末の総債務は42,368M$、純負債は31,780M$
  • 2026年Q2末のDebt-to-capital ratioは約13.7%、Net-debt-to-capital ratioは約10.7%(記事内計算)で、なお保守的な水準
【2026年Q2実績】 2026年6月末時点の総資産は464,482M$、総負債は198,371M$、総資本は266,111M$です。短期借入等10,139M$と長期債務32,229M$の合計を総債務、そこから現金10,588M$を差し引いた値を純負債として計算すると、Debt-to-capital ratioは約13.7%、Net-debt-to-capital ratioは約10.7%です。[2]

資本構成の変化には、以下の要因が影響しています:

  • 2010〜2011年:戦略的買収による資産・負債の拡大
  • 2015〜2016年:原油価格の急落による資産評価見直しと投資抑制
  • 2020年:パンデミックによる純損失と追加借入
  • 2021〜2023年:原油高によるキャッシュフロー増加と負債削減
  • 2024年:Pioneer買収による資産規模の大幅拡大
  • 2025〜2026年:高水準の株主還元を続けながらも、バランスシートの健全性を維持

特筆すべきは、2024年にPioneer Natural Resourcesの大型買収を完了した後も、資本比率が50%台後半を維持している点です。これは、株式交換中心の買収構造と、統合後の強いキャッシュフロー創出力によるものです。強固な財務基盤は、長期的な成長投資と安定配当のための重要な土台です。

まとめ:長期配当投資家にとってのXOMとは?

エクソンモービルは、エネルギー業界の厳しい市場環境においても、長期的な株主価値の創造と安定した配当政策を両立させてきました。原油価格サイクルや地政学的リスク、エネルギートランジションの圧力にもかかわらず、43年連続増配を継続し、米国株式市場における代表的な長期増配銘柄としての地位を確立しています。[1]

同社の強みは以下の点にあります:

  • 卓越したキャッシュフロー生成能力と規律ある資本配分
  • 43年連続増配という長期実績
  • 健全な財務体質(2026年Q2末のNet-debt-to-capital ratioは約10.7%、記事内計算)
  • 垂直統合型ビジネスモデルによる原油価格変動への耐性
  • 低コスト生産資産への集中投資(ガイアナ、パーミアン盆地、LNGなど)
  • 2019年比で累計163億ドルの構造的コスト削減(2026年上半期まで)
  • 低炭素事業への段階的・選択的な投資
【2025〜2026年の成果】

  • 2025年通期の純生産量は日量470万石油換算バレルとなり、40年以上ぶりの高水準となりました。[4]
  • 2026年第2四半期のパーミアン盆地の生産量は日量180万石油換算バレル超となり、過去最高を更新しました。[2]
  • 2025年は総額37.2Bドルを株主に還元しました(配当17.2Bドル+自社株買い20.0Bドル)。[4]
  • 2026年上半期は約18.6Bドルを株主に還元しました(配当8.6Bドル+自社株買い10.0Bドル)。[2]
  • ガイアナの5基目のFPSOは2026年第4四半期の生産開始を予定し、日量25万バレルの能力追加を見込んでいます。[2]

一方で、投資家が留意すべき点としては:

  • 原油価格サイクルに伴う収益変動性
  • エネルギートランジションに伴う長期的な需要リスク
  • 環境規制強化のリスク:炭素税や排出規制
  • 再生可能エネルギーとの競争激化
  • 地政学的リスク:中東、ロシア・ウクライナ、資源国の政治リスク
  • Pioneer買収後の統合・シナジー実現リスク
  • 気候変動対応戦略に対する投資家評価の二極化

投資家へのポイント:XOMは、「信頼性の高い配当」と「成長機会」を兼ね備えたエネルギーセクターの代表的な銘柄です。2026年7月31日時点の配当利回りは約2.7%で、過去の高利回り局面に比べると低めです。配当の安全性を見るうえでは、利回りだけでなく、営業CF、FCF、Debt-to-capital ratio、原油価格、投資額を継続的に確認することが重要です。

よくある質問

XOMの配当はどれくらい安全ですか?

XOMの配当は、現時点では安全性が高いと評価できます。同社は2020年のパンデミック時に純損失を計上した際にも配当を維持し、その後も43年連続増配を継続しています。2025年の営業CFは51,970M$、FCFは26,131M$、配当支払いは17,231M$でした。2026年上半期も営業CF32,260M$、FCF19,935M$に対し、現金配当は8,633M$で、FCFによる配当カバーは約2.3倍です。[2][4]

短期的な原油価格下落局面では配当性向が上昇する可能性がありますが、同社のバランスシート、低コスト資産、キャッシュフロー創出力を考えると、短中期的な配当削減リスクは低いと考えられます。

エネルギートランジションはXOMの配当にどのような影響を与えますか?

エネルギートランジションは長期的にXOMの事業モデルに変化をもたらす可能性がありますが、同社は段階的かつ現実的なアプローチで対応しています。特徴的なのは、既存の石油・ガス事業を急激に縮小するのではなく、低コストで高収益な資産に集中しながら、CCS(二酸化炭素回収・貯留)、水素、低排出燃料、リチウムなどへ選択的に投資している点です。[5]

この段階的アプローチにより、短中期的には伝統的な石油・ガス事業からのキャッシュフローが配当原資を支え続ける一方、低炭素事業が将来のオプションとして育つ構図が想定されます。そのため、エネルギートランジションが直ちに配当政策の急激な変更につながる可能性は低いと見られます。

2020年の純損失にもかかわらず配当を維持できた理由は何ですか?

2020年にXOMが22,440M$の純損失を計上しながらも配当を維持できた理由は、純損失の大部分が資産減損など非現金項目によるもので、営業キャッシュフローは14,668M$のプラスを確保していたためです。加えて、同社は資本的支出の削減、運営コストの削減、流動性確保、非中核資産の売却などを組み合わせて、配当原資を守りました。

この経験は、XOMの配当政策が単年度の純利益ではなく、景気循環を通じたキャッシュフロー創出力と財務余力に支えられていることを示しています。

2024年のPioneer買収は配当政策にどのような影響を与えますか?

2024年に完了したPioneer Natural Resourcesの買収は、XOMの配当政策に中長期的にプラスの影響をもたらす可能性があります。この買収により、XOMはパーミアン盆地における生産量を大きく拡大し、低コスト・高収益の石油・ガス資産を強化しました。[6]

短期的には買収関連コストや統合コストが収益を圧迫する可能性はありますが、2025年にはパーミアン盆地とガイアナの生産拡大が業績を支えました。中長期的には、安定的な生産増とコストシナジーによって配当成長余地を広げる効果が期待できます。

2026年7月のテキサス州への本拠法移転で、配当やティッカーは変わりましたか?

2026年7月1日、ニュージャージー州法人だったExxon Mobil Corporationは再編を完了し、テキサス州法人のExxonMobil Holdings Corporationが上場親会社・承継登録会社となりました。旧会社の普通株式1株は新会社の普通株式1株へ自動交換され、NYSEでのティッカーは「XOM」のままです。したがって、この再編だけを理由に保有株数や配当の連続性が変わったわけではありません。[7]

※本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。

出典の詳細はページ末尾の「【注】(出典リンク)」をご確認ください。

ミニ解説: エネルギー企業の配当を見るときは、配当利回りと配当性向だけでは不十分です。原油価格の下落局面ではEPSが大きく落ちるため、営業CF、FCF、投資額、純負債、Debt-to-capital ratioをあわせて見ると、配当の安全性を判断しやすくなります。

【注】(出典リンク)

  1. 配当実績・43年連続増配・2025年第4四半期の増配 → 一次情報:ExxonMobil「Announces 2025 Results」ExxonMobil「Dividends」(確認日:2026-08-03)
  2. 2026年第2四半期・上半期決算、第3四半期配当、CF、バランスシート → 一次情報:ExxonMobil「Second-Quarter 2026 Results」ExxonMobil「2Q26 Investor Relations Data Summary」(確認日:2026-08-03)
  3. 2026年7月31日終値・配当利回り → 一次情報:ExxonMobil「Stock Quote」 → 参考情報:Google Finance「XOM:NYSE」(確認日:2026-08-03)
  4. 2025年通期業績・営業CF・FCF・バランスシート → 一次情報:ExxonMobil「Announces 2025 Results」ExxonMobil「Financial Results」(確認日:2026-08-03)
  5. 低炭素事業・エネルギートランジション戦略 → 一次情報:ExxonMobil「Advancing Climate Solutions」ExxonMobil「Sustainability and Reports」(確認日:2026-08-03)
  6. Pioneer Natural Resources買収 → 一次情報:ExxonMobil「Completes Acquisition of Pioneer Natural Resources」 → 補助:Reuters「Exxon closes Pioneer deal」(確認日:2026-08-03)
  7. テキサス州への本拠法移転・承継登録・1対1の株式交換・ティッカー継続 → 一次情報:SEC「ExxonMobil Holdings Corporation Form 8-K」(確認日:2026-08-03)


Posted by 南 一矢