【XOM】エクソンモービルの株価と決算、配当

エネルギー,化学,米国個別株,連続増配,高配当銘柄

エクソンモービル(XOM:Exxon Mobil Corporation)はアメリカ最大手の総合エネルギー企業(6大メジャーの一つ)です。

ロックフェラー設立のスタンダード・オイル社を前身とした老舗企業で、1999年にエクソンとモービルが合併しました。

その事業構成は石油と天然ガス事業で「川上(探査・開発・生産)」と「川下(精製・輸送・販売)」「化学事業」の3分野に分かれ、川上から川下までを手がける垂直統合型のビジネスモデルを構築しています。

【売上構成比】

決算期 川下 化学 川上
17/12 78% 12% 10%
18/12 79% 12% 9%
19/12 80% 11% 9%
20/12 79% 13% 8%
21/12 79% 13% 8%

販売に関しては、「エクソン」「エッソ」「モービル」の3ブランドでグローバル展開(21000以上のガソリンスタンドを保有)。

地域別売上高は以下の通り。

年/月 17/12 18/12 19/12 20/12 21/12
米国 35% 35% 35% 35% 53%
カナダ 9% 8% 8% 7% 11%
英国 7% 7% 7% 6% 8%
フランス 5% 5% 5% 5% 7%
シンガポール 5% 5% 5% 5% 8%
その他 39% 40% 40% 42% 13%

2022年、ロシアの石油開発事業「サハリン1」からの撤退を表明しました。

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(指標と株価はgooglefinance関数から取得。配当利回りのみZacks)

1/3株価 61.2
5/20株価 91.9
株価上昇率 50%
52週高値 93.6
52週安値 52.1
β値 1.06
EPS 6.03
PER 15.22
配当利回り 3.96%
時価総額(億$) 3870
株式数(億) 42.1

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

株価の推移を1年ごとに見てみましょう

★1:各年の株価伸び率(※22年終値は5/20株価)
XOM 初値 終値 上昇率
2022 61.2 91.9 50%
2021 41.5 61.2 47%
2020 70.2 41.2 -41%
2019 67.4 69.8 4%
2018 83.8 68.2 -19%
2017 90.9 83.6 -8%
2016 77.5 90.3 16%
2015 92.3 78 -16%
2014 100.6 92.5 -8%
2013 87.8 101.2 15%
2012 86 86.6 1%
2011 73.7 84.8 15%
2010 68.7 73.1 6%
2009 80.1 68.2 -15%
2008 94.2 79.8 -15%
★2:各年初から22/05/20までの伸び率
22年~ 21年~ 20年~ 19年~
50% 121% 31% 36%
18年~ 17年~ 16年~ 15年~
10% 1% 19% 0%
14年~ 13年~ 12年~ 11年~
-9% 5% 7% 25%
10年~ 09年~ 08年~
34% 15% -2%


XOMは米最大手のエネルギー企業

同社の2016年報告書では、川上では39か国で積極的な探査と開発を行い、世界の16カ国に石油化学の拠点を持っているとも書かれていました。
2012~14年までは川上(upstream)が稼ぎ頭でしたが、15年以降の資源安により、2年ほどは川下(downstream)と化学事業で耐え忍びました。

graph

(出所はXOMの年次報告書)

中国など新興国の成長が減速し、米国でのシェールオイル増産、OPECの生産水準維持などの要因があって原油価格が下がり、XOMもそのあおりを受けました。

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OPEC諸国は2016年11月に8年ぶりの減産合意を行い、12月にはOPEC非加盟国の一部とも減産合意を重ねました。原油価格の下落がもたらしたメジャー5社へのインパクトについて、経産省の「エネルギー白書2017」は以下のように述べています。

「スーパーメジャー」と呼ばれる世界を代表する5社(ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total)の石油・天然ガス開発企業においても、2016年の純利益は2014年比で約76%、投資額は約37%減少しています。

エクソンモービルを含むメジャーの利益はどの程度、減ったのでしょうか。

その規模がXOMの2016年年次報告書にもグラフ化されています。

graph

投下資本(有利子負債+自己資本)に対して、どれだけの利益が上がったかを計る使用資本利益率で見ると、どの社も見事に減っています。

しかし、エクソン社は川下と化学でふんばっています。

エクソンモービルの政治力

1999年12月にエクソン社とモービル社とで石油大手同士の合併を行い、エクソンモービル社ができました。その結果、北米とヨーロッパ中心だったエクソン社は、南米、アジア、中東アフリカへと事業範囲を広げていきます。

合併吸収後、XOMは巨大な政治力を発揮しましたが、そのなかでも有名な事例の概要を『石油の帝国』(スティーブ・コール著/森義雅訳、ダイヤモンド社)で見てみます。

当時、モービル社は70年代から独立闘争が続くインドネシアのアチェ州でガス田(アルンガス田)開発を続けており、合併後にその問題を引き継ぐことになります(アルンガス田はエクソンとの合併前の10年間にモービル海外石油ガス生産収入の1/5を占めた)。モービル社はインドネシア政府と交渉し、インドネシア軍にアルンガス田を警備させることを認めさせました。

また、独裁体制が続く中央アフリカのチャド共和国では、高い政治リスクに見合った有利な契約を政府との間で締結しています。

「本契約の期間中、将来いかなる政府も、当事者間の合意に基づかないで、契約共同体に反し、直接もしくは間接に、共同体の義務を加重し、あるいは支払い負担を増加させ、もしくは本契約によって享受される共同体の権利と経済的便益に有害な効果をもたらす行為を行わないことを国(チャド)を保証する」

要するに、何が起きても、エクソンに不利な契約改定は認めないというわけです。

その後、エクソン社はロシアでの資源採掘にも踏み込みました。

1996年にはサハリン1の開発条件に合意し、プーチン政権発足後まで交渉を続け、2002年にロシア政府との契約締結にこぎつけます。プーチンは当初、大統領令によって開発プロジェクトを進めようとしたのですが、その時にティラーソン社長(当時)は納得せず、「事業を大統領令に基づいては進めたくない、耐久性のある法律に基づいて進めたい」と迫りました。

その後、立法がなされたことについて、ティラーソン氏は「正確にロシア法に沿って細部まで注意を払いたかった。もしそれができないなら、プロジェクトを進めるつもりはなかった」と述べています。

米国をバックにして、エクソン社はロシア政府にも屈しない交渉力を発揮したわけです。

配当利回りと配当性向

XOMの年次報告書では配当成長率の高さが強調されています。

graph

その配当利回りと配当性向の推移をモーニングスター(MS)社のデータで見てみましょう。

権利落ち日 配当 利回り 株価
2022/5/12 0.88 4.07% 86.3
2022/2/9 0.88 4.43% 79
2021/11/11 0.88 5.43% 64.3
2021/8/12 0.87 6.07% 57.4
2021/5/12 0.87 5.8% 60
2021/2/9 0.87 6.77% 50.6
2020/11/11 0.87 9.54% 36.5
2020/8/12 0.87 7.89% 44.1
2020/5/12 0.87 7.89% 44.1
2020/2/10 0.87 5.8% 60
2019/11/11 0.87 4.88% 70.3
2019/8/12 0.87 4.85% 69.6

配当性向の推移もモーニングスター(MS)社のデータで確認してみましょう。
★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕
★単純計算=EPS÷1株配当。MS試算=モーニングスター社の試算値

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
08/12 8.66 1.55 17.9 21.9
09/12 3.98 1.66 41.7 41.7
10/12 6.22 1.74 28 27.9
11/12 8.42 1.85 22 21.9
12/12 9.7 2.18 22.5 22.5
13/12 7.37 2.46 33.4 31.3
14/12 7.6 2.7 35.5 33.2
15/12 3.85 2.88 74.8 59.9
16/12 1.88 2.98 158.5 138.3
17/12 4.63 3.06 66.1 99
18/12 4.88 3.23 66.2 58.5
19/12 3.36 3.43 102.1 98.3
20/12 -5.25 3.48 -66.3 446.1
21/12 5.39 3.49 64.7


四半期決算(2022予想など)

さらに、四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます。
※下記図表では、Y=年度決算、Q=四半期決算、日/月=データの日時、その右欄にあるのは1カ月前、2か月前の予想値を記載
※予想値は主に英語版Yahoo financeから取得。2021年後半の売上予想値はYahooの上振れが大きすぎるたため、4四半期ともEstimize.comの値に変更しました

EPS:予想と結果

予想 5/16 1月前 2月前
Y:2023 8.78 7.28 6.88
Y:2022 10.13 8.72 7.76
Q:22/9 2.7 2.17 1.94
Q:22/6 2.87 2.26 2.02
EPS 予想 結果
22/3 2.10 2.07 -0.03 -1.4
21/12 1.93 2.05 0.12 6.2
21/9 1.56 1.57 0.01 0.6
21/6 1.01 1.10 0.09 8.9
21/3 0.59 0.64 0.05 8.5
20/12 0.01 0.03 0.02 200.0
20/9 -0.25 -0.18 0.07 28.0
20/6 -0.61 -0.70 -0.09 -14.8
20/3 0.00 0.53 0.53
19/12 0.43 0.41 -0.02 -4.7
19/9 0.67 0.68 0.01 1.5
19/6 0.66 0.61 -0.05 -7.6
19/3 0.70 0.55 -0.15 -21.4
18/12 1.08 1.41 0.33 30.6
18/9 1.23 1.46 0.23 18.7
18/6 1.27 0.92 -0.35 -27.6
18/3 1.12 1.09 -0.03 -2.7



売上高:予想と結果

予想 5/16 1月前 2月前
Y:2023 377420 357190 348850
Y:2022 405680 381520 371760
Q:22/9 102250
Q:22/6 100450 99450 98860
売上 予想 結果
22/3 83,570 90,500 6,930 8.3
21/12 85,010 84,970 -40 0.0
21/9 71,130 73,790 2,660 3.7
21/6 64,640 67,740 3,100 4.8
21/3 56,380 59,150 2,770 4.9
20/12 48,760 46,540 -2,220 -4.6
20/9 46,010 46,200 190 0.4
20/6 38,160 32,610 -5,550 -14.5
20/3 53,530 56,160 2,630 4.9
19/12 64,170 67,170 3,000 4.7
19/9 64,790 65,050 260 0.4
19/6 65,770 69,090 3,320 5.0
19/3 64,820 63,630 -1,190 -1.8
18/12 77,280 71,900 -5,380 -7.0
18/9 73,550 76,610 3,060 4.2
18/6 72,590 73,500 910 1.3
18/3 63,600 68,210 4,610 7.2


決算予想と結果では米国会計基準(GAAP)とは違う「非GAAP基準」の数値(各社が経営実態を踏まえて調整した数値)が多用されています。そのため、本節の売上とEPSは次節のGAAP基準の値と同じになるとは限りません。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます(以下、売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)。

損益計算(売上、純利益等)

XOM 売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 477359 59725 13% 45220
09/12 310586 28438 9% 19280
10/12 383221 48413 13% 30460
11/12 486429 55345 11% 41060
12/12 480681 56170 12% 44880
13/12 438255 44914 10% 32580
14/12 411939 45116 11% 32520
15/12 249248 30344 12% 16150
16/12 208114 22082 11% 7840
17/12 244363 30066 12% 19710
18/12 290212 36014 12% 20840
19/12 264938 29716 11% 14340
20/12 181502 14668 8% -22440
21/12 285640 48129 17% 23040

同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

XOM SG(%) EPS DSO
08/12 18% 8.66 21.1
09/12 -35% 3.98 27.9
10/12 23% 6.22 29.4
11/12 27% 8.42 27.5
12/12 -1% 9.7 27
13/12 -9% 7.37 23.6
14/12 -6% 7.6 20.6
15/12 -39% 3.85 22.4
16/12 -17% 1.88 24.4
17/12 17% 4.63 28.7
18/12 19% 4.88 26.7
19/12 -9% 3.36 29.1
20/12 -31% -5.25 38.3
21/12 57% 5.39 41.4

※SG(セールスグロース):売上高成長率(前年度比)
※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。

バランスシート

XOM 総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 228052 110529 117523 52%
09/12 233323 117931 115392 49%
10/12 302510 149831 152679 50%
11/12 331052 170308 160744 49%
12/12 333795 162135 171660 51%
13/12 346808 166313 180495 52%
14/12 349493 168429 181064 52%
15/12 336758 159948 176810 53%
16/12 330314 156484 173830 53%
17/12 348691 154191 194500 56%
18/12 346196 147668 198528 57%
19/12 362597 163659 198938 55%
20/12 332750 168620 164130 49%
21/12 338923 163240 175683 52%

ROAとROEなど

XOM ROA ROE 流動比率
08/12 20% 38% 147%
09/12 8% 17% 106%
10/12 10% 20% 94%
11/12 12% 26% 94%
12/12 13% 26% 100%
13/12 9% 18% 83%
14/12 9% 18% 82%
15/12 5% 9% 79%
16/12 2% 5% 87%
17/12 6% 10% 82%
18/12 6% 10% 84%
19/12 4% 7% 78%
20/12 -7% -14% 80%
21/12 7% 13% 104%

★ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
★ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
★流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る指標

キャッシュフロー

XOM 営業CF 投資CF 財務CF
08/12 59725 -15499 -44027
09/12 28438 -22419 -27283
10/12 48413 -24204 -26924
11/12 55345 -22165 -28256
12/12 56170 -25601 -33868
13/12 44914 -34201 -15476
14/12 45116 -26975 -17888
15/12 30344 -23824 -7037
16/12 22082 -12403 -9293
17/12 30066 -15730 -15130
18/12 36014 -16446 -19446
19/12 29716 -23084 -6618
20/12 14668 -18459 5285
21/12 48129 -10671 -34987