【決済の王者対決】ビザ(V) vs マスターカード(MA)!最強のビジネスモデルと成長性を徹底比較(2025年10月更新)

世界中の消費活動から手数料を徴収する「通行料ビジネス」を展開し、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)も保有するビザ(V)マスターカード(MA)。この2社は、キャッシュレス化という不可逆的潮流に乗り、驚異的な利益率と成長を続ける決済ネットワークの複占企業です。[1]

本記事では、極めて似たビジネスモデルを持つ2社の業績、株主還元、将来性を徹底比較し、どちらがより魅力的かを考えます。

2025年10月版の主要更新ポイント:

  • 最新決算反映:VはFY2025 Q4(2025-10-28公表)、MAは2025年Q2(2025-07-31公表)。[2][3]
  • 配当利回りを更新(概算、2025-10-30):V≈0.77%、MA≈0.54%※年率:V $0.67×4、MA $0.76×4 を採用[4]
  • 連続増配年数:V 17年、MA 14年(2025年時点)。[5]
  • 自社株買い:Vは$300億の新規枠(2025年4-6月期公表)+FY2025末の残高$249億。MAは$120億の新規枠(2024-12-17)。[6]
  • PER(フォワード)を更新:V ≈27倍、MA ≈31倍(2025-10-30)。[7]

比較サマリー:ほぼ同じ、でも少し違う

項目 ビザ (V) マスターカード (MA)
ビジネスモデル 決済ネットワークの運営(カード発行や融資は行わない)。[8]
市場シェア(取扱高) 世界No.1(決済件数・購入額)。[9] 世界No.2。[9]
連続増配年数(2025年) 17年[5] 14年[5]
配当利回り(直近、概算) 約0.77%
年率$2.68($0.67×4)÷ 株価$347.73[4]
約0.54%
年率$3.04($0.76×4)÷ 株価$560.83[4]
PER(将来予想の目安) 27倍[7] 31倍[7]

業績と成長性の詳細分析

最新決算ハイライト(2025年10月時点)

  • ビザ(FY2025 Q4):四半期売上は約$10.7B、同時に四半期配当を$0.67へ引き上げ(支払基準日に基づく)。自社株買いの残高$24.9Bを開示。[2]
  • ビザ(FY2025 Q2):売上$8.83B(+10%)$300億の新規自社株買い枠を公表。[3]
  • マスターカード(2025年Q2)売上+17%で$8.1B、調整EPS$4.15。付加価値サービスは+22%と高成長。[10]
ビザ 売上高(前年比) マスターカード 売上高(前年比)
2024 $35.9 B (+約9.9%) $28.2 B (+約12.3%)
2023 $32.6 B (+約11.4%) $25.1 B (+約12.9%)
2022 $29.2 B (+約21.6%) $22.2 B (+約17.7%)
2021 $24.0 B (+約10.3%) $18.9 B (+約23.4%)
2020 $21.8 B $15.3 B
年平均成長率(CAGR, 2020→2024) 約13.3% 約16.5%

※B=10億ドル。各社の会計年度に基づく。2024通期は各社の年次報告(10-K/年次)に整合させて補正。[8]

配当と株主還元:低利回りだが高い増配率、そして巨額の自社株買い

配当利回りは1%未満と低い一方、高い増配率巨額の自社株買いが魅力です。Vは2025年10月に四半期配当を$0.67へ引き上げ、連続増配は17年に到達。MAは四半期$0.76を維持し、連続増配14年です(いずれも2025年時点)。[5]

V 年間配当(増配率) MA 年間配当(増配率)
2024 $2.36 (+約13.5%) $3.04 (+約20.6%)
2023 $2.08 (+約15.6%) $2.52 (+約15.6%)
2022 $1.80 (+約20.0%) $2.18 (+約16.0%)
2021 $1.50 (+約17.2%) $1.88 (+約11.2%)
2020 $1.28 (+約6.7%) $1.69 (+約10.5%)

重要:本当の株主還元は「自社株買い」

両社は配当以上に自社株買いを重視。Vは2025年Q2に$300億の新規プログラムを開示し、FY2025末の残高は$249億。MAは2024-12-17に$120億の新規承認を発表しました。[6]

結論:究極の選択、どちらを選ぶべきか?

「市場のリーダー」としての安心感 → ビザ (V)

規模とシェアは世界トップ。FY2025 Q4でも堅調な収益と配当増額を示し、フォワードPERも約27倍と相対的に落ち着いた水準です。[2][7]

「No.2からの追い上げ」で成長を狙う → マスターカード (MA)

2025年Q2は売上+17%($8.1B)付加価値サービス+22%と高成長を維持。成長期待を織り込む分、フォワードPERは約31倍とやや高めです。[10][7]

最終的な結論:「どちらか一方」ではなく両社を組み合わせることで、グローバル決済ネットワーク全体の成長に乗る戦略が現実的です。


※本ページの分析は2025年10月30日(日本時間)時点の公開情報に基づきます。投資判断はご自身の責任でお願いします。