AMZN(アマゾン)今後の見通し
アマゾン・ドットコム(Amazon.com, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(AMZNとSHOPを比較:アマゾンとショッピファイ)を参照
直近決算
AMZN(アマゾン)は7月31日(米国時間)に決算を発表しました。
《四半期》
・EPS:予想1.32$→結果1.68$
・売上高:予想1620.5億$→結果1677億$(前年同期比+13%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想1731億$→結果1740~1795億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
アマゾン(Amazon.com, Inc.)は、世界最大級のオンライン小売企業であり、クラウド(AWS)、広告、デジタルコンテンツ、物流・ロボティクス、生成AIなど多岐にわたる事業を展開するテック企業です。
1994年にジェフ・ベゾスが米ワシントン州で創業し、1995年にオンライン書店としてサービスを開始。その後「何でもそろう店」へと領域を拡大しました。なお、当初は新品の書籍販売が中心で、中古書籍を含むマーケットプレイスの本格展開は2000年開始です。
アマゾンは物流の自動化・最適化を強力に推進。2012年にKiva Systems(現Amazon Robotics)を買収して棚搬送型ロボットなどを導入し、短納期・低コスト配送を実現してきました。2023年以降は配送網を地域単位に再設計し、米国での当日/翌日配送の割合を継続的に高めています。
音声AI「Alexa」は2025年に大規模モデルを採用した新バージョン「Alexa+」として刷新。より自然な会話、タスク遂行、マルチモーダル対応を強化し、Prime会員は追加費用なしで利用できます。生成AI基盤ではAWSが「Bedrock」や自社チップ(Trainium2など)を提供し、Anthropicとの戦略提携・最大40億ドル出資でモデル選択肢も拡充しました。
グローバル展開は北米、欧州、アジア、中南米、中東などに及び、各地域の言語・決済・物流に適合したサービスを提供。2024年の連結売上高は約6,380億ドル、営業利益は約686億ドルと、コマースとAWS・広告の両輪で成長しています。
アマゾンの事業分野(代表例)は以下の通りです。
★Eコマース事業(BtoC/BtoB)
オンラインマーケットプレイスで書籍、家電、衣料、食品などを販売。自社販売に加え第三者出品者(3P)向けの料金・物流(FBA)を提供し、商品数と在庫回転を最大化。実店舗ではWhole FoodsやAmazon Go等を運営し、オンラインとオフラインを連携(OMO)。決済はAmazon Payを展開し、エコシステムを強化。
★Amazon Web Services(AWS)
2006年開始のクラウド事業。コンピュート、ストレージ、データベース、分析、機械学習、生成AI(Bedrock、SageMaker、自社チップTrainium2など)を提供。2024年のAWS売上は約1,076億ドル(+19%)。2025年Q2も前年比+17.5%と加速しています。
★サブスクリプション/デジタルコンテンツ
Prime(配送特典・Prime Video/ Music など)を中心に会員基盤を拡大。Prime Videoは2024年から「限定的な広告」を導入(広告非表示は追加料金)し、映像投資と広告収益の両立を図っています。
★広告(Advertising Services)
検索連動・ディスプレイ・動画(Prime Video広告を含む)を提供。2024年の広告売上は約562億ドルと高成長が続いています。
★物流・ロボティクス/配送の高速化
Amazon Robotics(旧Kiva)のロボット活用やネットワークの地域最適化で、同日・翌日配送を拡大。ドローン「Prime Air」も機体MK30で飛行性能と静粛性を高め、対象商品の拡大に向けた規制対応を進めています。
■最近のトピック(抜粋)
・2024年通期:売上6,379億ドル、AWS売上1,076億ドル、広告売上562億ドル。
・2025年Q2:AWS売上309億ドル(+17.5%)で順調。
・Alexa+発表(2025年2月):生成AIで会話性とタスク遂行力が大幅向上。
・Anthropicへの出資完了(2024年3月):最大40億ドル、Bedrockと連携。
・Prime Videoの広告導入(2024年開始):映像投資の原資確保へ。
【出典】
- 2024年 年次報告書(10-K相当・年次レター付き):売上、セグメント、カテゴリ別売上、費用内訳、設備など
- 2025年Q2 決算リリース
- Anthropicへの最大40億ドル出資完了(2024/3)
- Alexa+ の導入発表(2025/2)
- 同日・翌日配送の拡大(2025/6)/配送スピード向上(2024/1)
- Kiva Systems買収リリース(2012/3)
- (参考)
※アマゾンではなく、装置業界の参考記事のため本文では未引用 - Prime Videoの広告導入発表(2023/9 → 2024年導入)
- 中古本マーケットプレイスの開始報道(2000/11)
- Prime Air(MK30)の最新情報
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】