DAL(デルタエアラインズ)今後の見通し

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デルタエアライン(Delta Air Lines, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


直近決算

DAL(デルタエアライン)は10月9日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.53$→結果1.71$
・売上高:予想150.4億$→結果152億$(前年同期比+4%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想5.77$→結果6$
★出典
IRページ
★予想値は以下のページを参照しました。
streetinsider

企業概要

デルタ・エアラインズは米国を代表する大手航空会社の一つであり、国内外の旅客輸送および貨物輸送を中心に事業を展開しています。
2024年には年間2億人超の顧客を運び、自社便で最大275都市・50カ国へ運航(提携網を含めると60カ国超・1,000以上の都市にアクセス可能)と、世界有数のネットワークを誇ります。[1][2]

同社は、アトランタ(最大ハブ)、ボストン、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス/セントポール、ニューヨーク(JFK/LGA)、ソルトレイクシティ、シアトルを主要拠点に、欧州、アジア、南米などへ国際線を展開しています。[3]

世界50カ国以上、300都市以上…という表現はかつての季節運航等を含む広い意味で用いられることがありますが、デルタの最新オフィシャル表記は「最大275都市・50カ国」です(提携を含めると1,000都市超)。[1][2]

その事業は、大きく以下の3つに分類されます。

★旅客航空輸送

・国内線および国際線の定期便を運航し、年間2億人規模の顧客にサービスを提供。
・最新鋭機(A321neo、A330neo、A350など)への更新で燃費改善を進めています。[4]

★貨物航空輸送

・デルタ・カーゴは旅客機の貨物室(ベリー)を活用するモデルで、専用貨物機(フレイター)は保有しない方針です。[5]

★付帯サービス

・マイレージプログラム「SkyMiles」、空港ラウンジ、モバイルアプリ等を提供。
無料の機内Wi-Fi(SkyMiles会員向け)を米国内で先行展開し、長距離国際線にも拡大中。[6][7]

社史をさかのぼると、デルタの起源は農薬散布会社Huff Daland Dusters(1925年創業)にあります。その後「Delta Air Service」を経て現在のデルタ・エアラインズに至りました(2025年は創業ルーツから100周年)。[8]

第二次世界大戦後の航空需要拡大、ジェット機の導入、2008年のノースウエスト航空との合併によるネットワーク拡大を経て、グローバル航空会社として確固たる地位を確立しました。[9]

近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)に力を入れ、アプリによるシームレスな搭乗体験、Delta Syncや無料Wi-Fiの展開で顧客体験を強化。加えて、アメックスとの提携カード事業は2024年に$7.4bnの収益規模となるなど、ロイヤルティ事業が収益の柱の一つになっています。[10]

アライアンスと提携では、スカイチーム(SkyTeam)の創設メンバーとして、エールフランス-KLM/ヴァージン・アトランティックとの大西洋JV、大韓航空との太平洋JV、LATAMとの南米JVなど、主要地域で強固なパートナー網を構築しています。[11][12]

サステナビリティでは、2050年ネットゼロを目標に、機材更新・運航効率化・SAF(持続可能な航空燃料)の活用を推進。自社関連のトレーナー製油所(Monroe Energy)でも再生燃料の取り組みを検討するなど、燃料面からの脱炭素も模索しています。[13][14]

最近の業績トピック(要点)

  • 2024年通期(GAAP):売上$61.6bn・営業利益$6.0bn・EPS $5.33。フリーCF$3.4bn、純有利子負債圧縮を継続。[15]
  • 需要動向:プレミアム需要とロイヤルティ収益(提携カード等)が成長を牽引。2025年も国際線、とくに欧州線で堅調。[15]

参考(出典)

  1. About Delta(275都市・50カ国、顧客数等)
  2. Delta Flight Deals(提携含む1,000都市・60カ国超)
  3. SkyTeam Hubs(デルタの主要ハブ一覧)
  4. Delta Fleet(A321neo/A330neo/A350等の保有・発注)
  5. Delta Cargo 公式(ベリー貨物モデル)解説記事
  6. Onboard Wi-Fi(無料Wi-Fi案内・国際線拡大)
  7. News Hub(国際線への無料Wi-Fi拡大)
  8. Delta History(起源は1925年のHuff Daland Dusters)
  9. IRリリース(2008年ノースウエスト合併)
  10. Form 10-K(2024年 アメックス収益$7.4bn)
  11. AF-KLM/ヴァージンとの大西洋JV(5周年)
  12. Airline Partners(大韓航空JV・中国東方・LATAM等)
  13. Sustainability(2050年ネットゼロ方針)
  14. Monroe/Trainerでの再生燃料試験報道
  15. IR:2024年通期決算(売上・利益・CF等)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢