AVGO(ブロードコム)今後の見通し
ブロードコム(Broadcom Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(QCOM/AVGO:クアルコムとブロードコムを比較)を参照
直近決算
3月4日(米国時間)にブロードコム(Broadcom Inc)は四半期決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.02$→結果2.05$
・売上高:予想192.1億$→結果193.1億$(前年同期比+29%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想204億$→結果220億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
ブロードコム(Broadcom Inc)は、情報通信インフラの根幹を支える半導体と、インフラストラクチャ・ソフトウェアを提供する世界的なリーディング企業です。[1]
通信機器、データセンター、ネットワーキング、産業機器、自動車、スマートフォンなど広範な分野で製品を展開。特に、AI時代の到来により需要が激増している高速ネットワーキング(イーサネット・スイッチ、ルータ向けSoC、カスタムASICなど)において、世界最高水準のシェアを誇ります。[2]
本社はカリフォルニア州パロアルト。設計に特化したファブレスモデルが基本ですが、FBAR/BAWなどのRFフィルタは米コロラド州などの自社拠点での製造を継続し、品質と供給の安定を図っています。[1]
2023年11月のVMware買収完了を経て、ハードウェアと仮想化・マルチクラウド基盤を統合的に提供する「インフラストラクチャの巨人」へと進化しました。これに伴い、導入コストの低減とIT基盤の複雑性解消を同時に進めるサブスクリプション型のビジネスモデルへの移行を加速。2024年7月には、非中核事業であるVMwareのEUC事業をKKRへ売却完了しました(現:Omnissa)。[3]
2018年に国家安全保障上の懸念(CFIUS勧告)からクアルコム(QCOM)の買収が不成立となった経緯もあり、地政学リスクや輸出規制の動向には引き続き注視が必要です。[4]
事業セグメントと売上構成(FY2025)
2025年度(FY2025)は、VMwareの通期連結およびAI関連需要の拡大により、収益構造が大きく強化されました。[1]
| セグメント | 売上高($m) | 構成比 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 半導体ソリューション | 約36,100 | 約60% | AIアクセラレータ、ネットワーキング、スマホ向けRF、ストレージ等 |
| インフラストラクチャ・ソフトウェア | 約24,000 | 約40% | VMware(VCF等)、CA(メインフレーム)、Symantec(セキュリティ) |
| 合計 | 約60,100 | 100% | ※FY2025通期実績(連結ベース) |
地域別では、中国(香港含む)市場への依存度が低下。2023年度の約32%から、2025年度時点では約18%前後へと低下し、市場ポートフォリオの分散が進んでいます。[1]
AI関連の成長ドライバー
- ① カスタムAIアクセラレータ(ASIC)
大手ハイパースケーラー向けのカスタムチップ需要が堅調。2025年には「第3の主要顧客」からの量産受注が本格化し、2026年にかけて120億ドル超の売上寄与が期待されています。[2] - ② イーサネット主導のAIネットワーキング
最新スイッチ「Tomahawk 6」が市場投入され、単芯102.4Tbpsの帯域を実現。InfiniBandに対抗するオープンなAIインフラとして、大規模GPUクラスタでの採用が拡大しています。[5] - ③ 光インターコネクト/CPO(Co-Packaged Optics)
光電融合技術(CPO)の商用化により、AIバックボーンの消費電力抑制と広帯域化を両立。800Gから1.6T級への移行を技術面で牽引しています。[6] - ④ ソフトウェアのVCF一本化
VMware Cloud Foundation(VCF)を軸としたスイート販売が定着。オンプレミスとクラウドの統合管理需要を取り込み、高収益なサブスクリプション収入を支えています。[3]
直近のトレンド(FY2026 Q1):四半期のAI売上は約59億ドル(前年同期比約60%増)を記録。半導体部門におけるAI寄与率は5割を超え、成長の主軸となっています。[2]
地政学・規制リスクとガバナンス
- 輸出管理の影響:先端AI向け半導体の対中輸出規制(米商務省)により、中国向けハイエンド製品の出荷には引き続きライセンスや仕様変更が必要な状況です。[1]
- 顧客集中リスク:FY2025においても、売上の2割弱を占める特定大口顧客(Apple、Google等)との取引維持が、短期的な業績変動要因となります。[1]
- 独占禁止法審査:大規模なM&A(VMware等)において、各国当局の審査による統合の遅延や、是正措置が事業計画に影響するリスクがあります。[3]
最近の主なトピック
- 2024年7月に10対1の株式分割を実施。投資単位が下がり、市場の流動性が高まっています。[1]
- VMwareのEUC事業(現:Omnissa)の売却を2024年7月にクローズ。ソフトウェア事業を「VCF」「Symantec」「CA」のコア領域へ集中させています。[7]
- 広域分散AIコンピューティング向けの最新ファブリック「Jericho4」の普及が2025-2026年にかけて進展しています。[8]
用語ミニ解説
- ASIC:特定用途向け集積回路。AIの学習・推論に特化させることで、汎用GPUよりも高い電力効率と低コスト化を狙う。
- Tomahawk 6:Broadcomのフラッグシップ・ネットワークスイッチ。AIトラフィックの爆発的増加に対応する。
- CPO:Co-Packaged Optics。チップと光接続部品を同一パッケージに封入し、データ転送の省電力化と高速化を図る技術。
- VCF:VMware Cloud Foundation。仮想化されたIT基盤をワンストップで管理するプラットフォーム。
【注】(出典リンク)
- Broadcom IR → Form 10-K (FY2025 Annual Report) ↩(確認日:2026-04-21)
- 最新決算速報 → FY2026 Q1 Financial Results Earnings Release ↩(確認日:2026-04-21)
- VMware戦略更新 → Broadcom Strategic Update on VMware Cloud Foundation ↩(確認日:2026-04-21)
- 規制動向(過去事例) → Presidential Order on Qualcomm Acquisition ↩(確認日:2026-04-21)
- ネットワーク製品 → Broadcom Ships Tomahawk 6 for Next-Gen AI Networks ↩(確認日:2026-04-21)
- CPO技術詳細 → Co-Packaged Optics (CPO) Overview ↩(確認日:2026-04-21)
- 事業売却完了 → Closing of VMware EUC Sale to KKR ↩(確認日:2026-04-21)
- 分散AIファブリック → Jericho4: High-Performance Fabric for AI Scaling ↩(確認日:2026-04-21)
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

