RTX(レイセオンテクノロジーズ)今後の見通し

資本財,軍事株

レイセオンテクノロジーズ(Raytheon Technologies Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については以下を参照

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直近決算

米国時間で4月22日にRTXは四半期決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.35$→結果1.47$
・売上高:予想198.2億$→結果203億$(前年同期比+5%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想6.11$→結果6~6.15$
・売上高:予想842億$→結果830~840億$
★出典
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照。

企業概要

RTXコーポレーション(RTX Corporation)は、軍事大手のレイセオンと航空宇宙系の複合企業であるユナイテッド・テクノロジーズ(航空宇宙・防衛事業部門)が合併し、2020年4月にレイセオン・テクノロジーズとして誕生。2023年7月に現社名の「RTX」へ変更し、事業体制も再編されました[1]

旧ユナイテッド・テクノロジーズは軍用・民用の双方で用いられる「航空機エンジン」や「飛行システム」に強みを持ち、旧レイセオンはミサイルや電子戦/精密誘導システム等で優れていたので、この双方を握ったRTXは、LMT(ロッキードマーチン)と並ぶ国防大手の双璧となりました。

傘下の「プラット&ホイットニー」は軍用/商用エンジン製造を手がけ、「コリンズ・エアロスペース」は多角的な航空宇宙製品・サービスを展開。そして旧レイセオンの防衛部門を統合した「レイセオン」部門がミサイルやセンサー事業等を保有しています。

(※90年代以降、軍では「指揮(Command)」「統制(Control)」「通信(Communication)」「コンピューター(Computer)」の4Cと「情報(Intelligence)」「監視(Surveillance)」「偵察(Reconnaissance)」の役割が拡大。旧レイセオンはこの部門を強化してきた)。

航空システムとミサイルという、現代戦の中核を担うRTXは、米国軍事を支える重要企業なので、今後の発展が期待されています。

【事業構成】

コリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace): 航空機用アビオニクス、客室内装品、航空宇宙用部品などを提供(航空機用コックピットディスプレイ、シート、酸素供給システムなど)。

プラット&ホイットニー(Pratt & Whitney): 軍用/商用エンジン製造(関連製品含む)。例えばF135エンジン(F-35戦闘機搭載)、PW1100G-JMエンジン(エアバスA320neoファミリーなどに搭載)など。近年、同エンジンシリーズの一部で製造上の問題が発覚し、大規模な点検作業が経営課題となっています。

レイセオン(Raytheon): 旧レイセオンの2部門(インテリジェンス&スペース、ミサイル&ディフェンス)を統合した部門。ミサイル、防空システム、レーダー、宇宙・サイバー領域のソリューションを提供(パトリオットミサイル、トマホーク巡航ミサイル、SM-3ミサイル、GPS OCX=GPS次期地上管制システムなど)。

【出典】

Posted by 南 一矢