ISRG(インテューイティブサージカル)今後の見通し
インテュイティヴサージカル(Intuitive Surgical, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
4月21日(米国時間)にインテュイティブ・サージカルは決算を発表しました。
★業績
《業績
《四半期》
・EPS:予想2.12$→結果2.5$
・売上高:予想26.2億$→結果27.7億$(前年同期比+23%)
★ガイダンス
《通年》
・売上成長率:13.5〜15.5%
・ノンギャップ粗利:67.5〜68.5%
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsider
企業概要
インテュイティヴ・サージカル(Intuitive Surgical, Inc. / ティッカー: ISRG)は、外科手術支援ロボットの分野で世界をリードする企業です。主力の da Vinci Surgical System は、従来の開腹手術に比べて「低侵襲(=体の負担が小さい)」かつ高精度な手術を支援するためのプラットフォームで、泌尿器科、婦人科、一般外科、胸部外科など幅広い診療科で使われています。[1]
同社はロボット本体だけでなく、手術器具・消耗品、デジタル(学習・解析)ツール、保守サービスまでを含むエコシステムを提供しています。収益構造としては、システム販売だけでなく、手術件数の増加に応じて器具・消耗品とサービス収入が積み上がる点が特徴です。2025年通期の売上高は約101億ドルで、2024年比21%増でした。2025年にはIntuitiveシステムを使った手技数が320万件超となり、累計手技数は2,040万件超に達しています。[2]
その事業は、以下の4つの主要領域で構成されています。
★ロボット支援手術システム
主力製品 da Vinci は、カメラ付きアームと複数の操作アーム(鉗子など)を備え、医師がコンソールから操作します。小さな切開で高精度の操作が可能です。マルチポートの「Xi / X」、単孔式の「SP」、そして最新世代の「da Vinci 5」を展開しています。da Vinci 5は2024年に米FDAのクリアランスを受け、2025年7月に欧州CEマークを取得し、2026年1月には一部の心臓手術への適応拡大についてFDA 510(k)クリアランスを取得しました。肺生検向けの気管支鏡ロボット「Ion」も提供しています。[3]
★外科用器具および消耗品
内視鏡、鉗子、持針器、エネルギーデバイス、ステープラーなど多数の専用器具・消耗品(EndoWrist/SureForm など)を供給しています。ロボットの稼働に応じて需要が発生するため、安定的な収益源になっています。2026年Q1の売上高27.7億ドルのうち、器具・アクセサリー売上は16.7億ドルで、同社最大の収益項目です。[4]
★ソフトウェアおよびサービス
学習・運用データの可視化や在庫・稼働管理を行うポータル「My Intuitive」、術者のシミュレーショントレーニング「SimNow」、術中映像の記録・配信「Intuitive Hub」、遠隔立会い・遠隔メンタリングを支えるテレプレゼンスなどを提供しています。保守サービスやリースも含め、病院の運用を包括的に支援します。2026年Q1のサービス売上は5.3億ドルでした。[5]
★研究開発と技術革新
AI・機械学習、視覚化技術(蛍光画像など)、操作性・耐久性の改良、力覚フィードバック、遠隔支援(テレプレゼンス)など、次世代ロボティクスの研究開発を継続しています。2025年通期の研究開発費は12.49億ドルで、2025年通期売上高の約12%でした。最新機「da Vinci 5」では操作性・安全性・耐久性に加え、将来的なデータ活用やデジタル機能の拡張余地も重視されています。[6]
社史:1995年に設立。1999年に初代 da Vinci を発表、2000年に米FDAの承認を取得して商用化しました。以後20年以上にわたり、ロボット支援手術の普及を牽引しています。2025年7月1日付で、長年CEOを務めたGary Guthart氏が取締役会エグゼクティブ・チェアに就き、PresidentのDave Rosa氏がCEOに昇格しました。継続性の高い経営承継といえます。[7]
グローバル導入状況:2025年12月末時点のIntuitiveシステム総設置台数は12,100台超で、このうち da Vinci システムは約11,106台、Ion システムは995台でした。2026年3月末時点では、da Vinci の稼働台数は11,395台、Ion の稼働台数は1,041台へ増加しています。導入地域は2025年時点で世界70カ国超に広がっています。[8]
直近業績:2026年Q1の売上高は27.7億ドルで、前年同期比23%増でした。2026年Q1の da Vinci 手技数は前年同期比15%増、Ion 手技数は39%増でした。da Vinci システムの設置台数は431台で、このうち232台が da Vinci 5 でした。2026年Q1のGAAP純利益は7.00億ドル、希薄化後EPSは1.89ドル、Non-GAAP希薄化後EPSは2.50ドルでした。[9]
研究開発投資:同社は成長の源泉をR&Dに置き、2025年通期の研究開発費は12.49億ドルでした。2025年通期の売上高が約101億ドルだったため、R&D比率は約12%です。2024年通期の研究開発費は約11.5億ドル、売上高は約83.5億ドルでしたが、2025年は売上成長によりR&D比率はやや低下しています。[6]
買収・体制強化:2020年に手術映像管理の Orpheus Medical を買収し、デジタル/映像基盤を強化しました。中国では、Intuitive-Fosun Pharmaの合弁を通じて現地販売・製造体制を整備しており、2023年には中国でローカル版 da Vinci Xi の製造ライセンスを取得しています。2026年3月にはイタリア、スペイン、ポルトガルの販売代理店を取得し、南欧での直接販売体制を確立しました。[10]
地域展開:日本では2020年に「da Vinci Endoscope Plus」の薬事承認、2022年に単孔式「da Vinci SP」の承認を取得し、適応・導入領域が広がりました。さらに2025年6月には、da Vinci 5が日本でda Vinci Xiと同じ外科領域・手技(心臓領域を除く)に対して規制クリアランスを取得しました。Ionも肺がん診断の効率化に寄与しており、2025年通期のIon手技数は前年比51%増、2026年Q1は前年比39%増でした。[11]
経営体制:2025年7月1日付でDave Rosa氏がCEOに就任し、Gary Guthart氏は取締役会エグゼクティブ・チェアに移行しました。Rosa氏は長年Intuitiveに在籍し、製品開発・事業運営に深く関わってきた人物であり、急激な戦略転換というよりも、既存のエコシステム拡大と次世代プラットフォーム展開を継続する承継です。[7]
ミニ解説:Intuitiveの強みは、ロボット本体を売って終わりではなく、手技数の増加に応じて器具・アクセサリー、保守、トレーニング、デジタル基盤の収益が積み上がる点です。2026年Q1時点では、da Vinci 5の導入拡大、Ionの肺生検手技の成長、設置台数の増加が追い風です。一方で、競合参入、病院の設備投資予算、関税・規制、手技の伸び率鈍化には注意が必要です。
【注】(出典リンク)
- 会社概要・製品概要・低侵襲ケア領域 → Intuitive公式サイト → Intuitive About Us / Company(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期売上・手技数・累計手技数・設置台数 → Intuitive 2025 Annual Report → 2025年Q4決算リリース(確認日:2026-05-10) ↩
- da Vinci 5・CEマーク・心臓手術向けFDAクリアランス・Ion概要 → da Vinci 5 CEマーク → da Vinci 5心臓手術向けFDAクリアランス → Ion製品ページ(確認日:2026-05-10) ↩
- 器具・アクセサリー売上・収益構造 → Intuitive 2026年Q1決算リリース → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- My Intuitive・SimNow・Intuitive Hub・サービス売上 → My Intuitive → SimNow → Intuitive Hub → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- 研究開発費・R&D比率・2025年Annual Report → Intuitive 2025 Annual Report → SEC: 2025 Annual Report PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- 社史・CEO交代・Dave Rosa氏就任・Gary Guthart氏の役割変更 → CEO交代リリース → Intuitive About Us / Company(確認日:2026-05-10) ↩
- da Vinci/Ion設置台数・グローバル導入状況 → Intuitive 2025 Annual Report → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1業績・da Vinci/Ion手技成長・da Vinci 5設置台数 → Intuitive 2026年Q1決算リリース → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- Orpheus Medical買収・中国合弁・南欧代理店取得 → Orpheus Medical買収 → Intuitive 2025 Annual Report(確認日:2026-05-10) ↩
- 日本でのda Vinci SP/da Vinci 5承認・Ion手技成長 → da Vinci SP 日本承認 → Intuitive 2025 Annual Report → 2026年Q1決算PDF(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

