RTX(レイセオンテクノロジーズ)今後の見通し
レイセオンテクノロジーズ(Raytheon Technologies Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については以下を参照
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直近決算
米国時間で4月21日にRTXは四半期決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.51$→結果1.78$
・売上高:予想214.4億$→結果221億$(前年同期比+9%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想6.84$→結果6.7~6.9$
・売上高:予想935億$→結果925~935億$
★出典
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照。
企業概要
RTXコーポレーション(RTX Corporation, NYSE: RTX)は、米国バージニア州アーリントンに本社を置く、世界最大級の航空宇宙・防衛企業です。旧ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)の航空宇宙事業とレイセオンの統合により、2020年4月にRaytheon Technologiesとして発足しました。[1]
同社は2023年7月に法的社名をRTX Corporationへ変更し、同時期に事業構造をコリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace)/プラット&ホイットニー(Pratt & Whitney)/レイセオン(Raytheon)の3事業体制へ再編しました。[2]
【2025年通期・2026年Q1業績ハイライト】
2025年通期売上高は886.03億ドル(前年比+10%)、純利益は67.32億ドル、営業キャッシュフローは105.67億ドル、フリーキャッシュフローは79.40億ドルでした。2025年末の受注残は2,680億ドル(商用1,610億ドル/防衛1,070億ドル)です。[3]
2026年1Q売上高は220.76億ドル(前年比+9%)、純利益は20.59億ドル、営業キャッシュフローは18.55億ドル、フリーキャッシュフローは13.09億ドルでした。2026年1Q末の受注残は2,710億ドル(商用1,620億ドル/防衛1,090億ドル)に増加しています。[4]
従業員数は18万人超、2025年売上高は880億ドル超とされ、RTXは商用航空と防衛の両方に大きな事業基盤を持つ企業です。[3]
旧UTCは「航空機エンジン」「航空機システム」に強み、旧レイセオンは「ミサイル」「防空」「センサー/電子戦」「宇宙・サイバー」等で優位でした。両者の統合により、RTXは商用航空の回復、防衛需要の拡大、ミサイル・防空・宇宙関連の長期需要を同時に取り込む企業となっています。
傘下のPratt & Whitneyは軍用/商用エンジン、Collins Aerospaceは航空宇宙向けシステム・部品・アビオニクス・内装・通信など、Raytheonはミサイル、防空、レーダー、宇宙・サイバー領域を担います。2025年通期のセグメント別売上高は、Collins Aerospaceが301.96億ドル、Pratt & Whitneyが329.16億ドル、Raytheonが280.43億ドルでした。[5]
(※90年代以降、軍では「指揮(Command)」「統制(Control)」「通信(Communication)」「コンピューター(Computer)」の4Cと、「情報(Intelligence)」「監視(Surveillance)」「偵察(Reconnaissance)」の役割が拡大してきました。旧レイセオンはこのC4ISR領域、防空、精密誘導兵器、電子戦関連を強化してきた企業です)
航空システム、エンジン、ミサイル、防空という現代戦と民間航空の中核を担うRTXは、米国・同盟国の装備と、世界の航空機メーカー・航空会社を支える重要企業です。
【事業構成】
コリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace):航空機用アビオニクス、通信、客室内装、酸素供給、着陸装置、センサー、電装、各種部品・サービスなどを提供します。2025年通期売上高は301.96億ドル、セグメント営業利益は49.23億ドルでした。2026年1Q売上高は76.02億ドル(前年比+5%)で、商用OE、商用アフターマーケット、防衛のいずれも増収要因となりました。[6]
プラット&ホイットニー(Pratt & Whitney):軍用/商用エンジンを担当します。代表例は、F-35向けのF135、A320neoファミリー向けのPW1100G-JMを含むGTFエンジンなどです。2025年通期売上高は329.16億ドル、セグメント営業利益は25.96億ドルでした。2026年1Q売上高は81.73億ドル(前年比+11%)で、商用アフターマーケットと軍用エンジンが増収をけん引しました。[9]
レイセオン(Raytheon):旧Raytheon Intelligence & SpaceとRaytheon Missiles & Defenseを中心に再編された防衛事業です。ミサイル、防空、レーダー、宇宙・サイバー、精密誘導兵器などを扱い、Patriot、GEM-T、AMRAAM、Coyote、Tomahawk、ESSMなどが代表的な製品・プログラムです。2025年通期売上高は280.43億ドル、セグメント営業利益は32.27億ドルでした。2026年1Q売上高は69.45億ドル(前年比+10%)で、PatriotやGEM-Tを含む陸上・防空システム、海軍向け弾薬プログラムが増収要因となりました。[12]
ミニ解説
- 需要環境(2025〜2026年):商用航空では機体稼働率の回復と整備需要の増加がCollinsとPratt & Whitneyのアフターマーケットを支えています。防衛では、Patriot、GEM-T、海軍向け弾薬、各種ミサイル需要がRaytheonの増収要因です。2026年1Q末の受注残2,710億ドルは、中期的な売上の見通しを支える大きな材料です。[4]
- リスク:GTF粉末金属問題は、点検・修理費用と航空会社への補償を通じてキャッシュフローの重荷になります。また、2026年1Q決算では、関税コストや一部事業売却の影響もセグメント別利益の説明に出ています。[11]
- 資産入替:Safranへの飛行制御・アクチュエーション事業売却、Simmonds Precision Products売却により、Collinsは重点領域への集中を進めています。事業売却は短期的に売上を押し下げる面もありますが、資本効率改善にはプラスに働きやすい施策です。[7][8]
- 2026年見通し:RTXは2026年1Q決算で、2026年通期の調整後売上高見通しを925億〜935億ドルへ引き上げ、調整後EPS見通しを6.70〜6.90ドルへ引き上げました。フリーキャッシュフロー見通しは82.5億〜87.5億ドルで据え置いています。[16]
【注】(出典リンク)
- 会社概要・2020年統合・本社所在地 → Raytheon Technologies:UTCとRaytheonの統合完了リリース → RTX 2025 Results and 2026 Outlook(確認日:2026-05-10) ↩
- RTXへの社名変更・3事業体制への再編 → RTX Form 10-K 2023(SEC) → RTX Annual Reports(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期業績・受注残・従業員規模 → RTX 2025 Results and 2026 Outlook → RTX 2025 Annual Report(PDF)(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年1Q業績・受注残 → RTX Q1 2026 Results → RTX Q1 2026 Results PDF(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期セグメント別売上高 → RTX 2025 Results and 2026 Outlook → RTX 2025 Annual Report(PDF)(確認日:2026-05-10) ↩
- Collins Aerospaceの2025年通期・2026年1Q業績 → RTX 2025 Results and 2026 Outlook → RTX Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- Collins飛行制御・アクチュエーション事業のSafranへの売却完了(2025年7月) → Safran公式リリース → Reuters(2025-07-21)(確認日:2026-05-10) ↩
- Simmonds Precision Products売却完了・Collins営業利益への影響 → RTX 2025 Results and 2026 Outlook → TransDigm Form 8-K(SEC、売却合意)(確認日:2026-05-10) ↩
- Pratt & Whitneyの2025年通期・2026年1Q業績 → RTX 2025 Results and 2026 Outlook → RTX Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- Pratt & Whitney GTF粉末金属問題の見積り(2023〜2026年) → RTX公式アップデート(2023-09-11) → RTX Form 8-K(SEC)(確認日:2026-05-10) ↩
- Pratt & Whitneyの2026年1Q内訳・商用OE減少・アフターマーケット増加 → RTX Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- Raytheonの2025年通期・2026年1Q業績と主要プログラム → RTX 2025 Results and 2026 Outlook → RTX Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- AIM-9X Block II生産契約(11億ドル、2025年6月) → RTX公式リリース → Reuters(2025-06-04)(確認日:2026-05-10) ↩
- ESSM Block 2ライセンス生産契約(三菱電機、2.5億ドル、2025年6月) → RTX公式リリース → PR Newswire(確認日:2026-05-10) ↩
- Raytheonの2026年1Q増収要因(Patriot、GEM-T、海軍向け弾薬) → RTX Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年通期見通しの引き上げ(調整後売上高・調整後EPS・FCF) → RTX Q1 2026 Results → RTX Q1 2026 Results PDF(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

