F(フォード)今後の見通し
フォードモーター(Ford Motor Company)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(GMとFを比較:ゼネラルモーターズとフォードモーター)を参照
直近決算
F(フォード)は7月30日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.31$→結果0.37$
・売上高:予想452.9億$→結果501.8億$(前年同期比-1%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
フォード・モーター(Ford Motor Company, NYSE: F)は、100年以上にわたり自動車産業の発展を支えてきた米国の大手自動車メーカーです。現在の事業体制は「Ford Blue(ICE/ハイブリッドの乗用車・SUV・ピックアップ)」「Ford Model e(EV)」「Ford Pro(商用車・フリート/サービス)」の3セグメントで構成され、金融子会社のFord Creditが自動車ローン・リース等を提供します(2024通期)。[1]
フォードは米州・欧州・アジアほか世界各地域に製造・開発拠点を持ち、各市場のニーズに対応しています(拠点一覧・2025年時点)。[2]
世界各国で幅広い車種を展開しています。[1]
その事業領域は以下の通りです。
★乗用車・SUV・トラック:フォードブランドでは、大型車やSUV、ピックアップトラック(例:F-Series、F-150)を中核に、内燃・ハイブリッド・EVを併売しています(Ford Blue/Model e)。[1]
★高級車:リンカーン(Lincoln)ブランドを通じて高級車市場を展開。最新世代ではデジタル体験・運転支援の高度化を進めています。[1]
★スポーツカー:マスタングはスポーツカーとして世界的に知られ、電動SUV版のMustang Mach-Eもラインアップ(価格・装備は適宜見直し)。[3]
社史をさかのぼると、1903年にヘンリー・フォードによって設立され、大量生産方式を確立し低価格での自動車普及に貢献しました。[1]
戦後の黄金期を経てグローバル展開を進め、各地域に工場・開発拠点を設置。21世紀に入ると、2007年以降、ジャガー・ランドローバーやボルボの売却など選択と集中を進め、主要ブランド(フォード/リンカーン/マスタング)に注力しました。[1]
一方で、地域別の事業再編(例:日本市場の販売網整理、欧州での生産最適化など)を進めつつ、2020年代は3セグメント体制のもと収益性改善と電動化・ソフトウェアの両立を図っています(2024通期)。[1]
現在は世界各地域に製造・開発・部品拠点を運営し、自動車関連ローンや保険等はFord Creditが担っています(2024通期)。[1]
フォードは「One Ford」の考え方(共通プラットフォームの活用・グローバル開発の効率化)を軸に、ラインアップの集約とコスト低減を進めてきました。[4]
自動運転技術については、2022年にArgo AIの活動終了に伴い投資方針を見直し、レベル4の研究開発からレベル2/3の先進運転支援(BlueCruise/ActiveGlide等)の実装強化へリソースをシフトしました(2022年以降)。[5][6]
デジタルサービスでは、BlueCruise(高速域ハンズフリー運転支援)の機能拡張や価格改定を実施(2024年以降)、2025年も対象車種の拡大・性能改善を継続しています。[7][8]
Amazon Alexa Built-inとの連携を提供し、SYNC 4/4AとFord Premium Connectivity等を通じて音声操作・エンタメ・スマートホーム連携などをサポートしています(対象・条件は年式/車種により異なる)。[9][10]
電動化戦略では、需要動向を踏まえEV計画のタイミングを調整しつつ、2030年までに北米のFord Blue全ラインアップにハイブリッド選択肢を広げる方針を示しています(2024年公表)。[11][12]
ミニ解説:フォードは「Blue(ICE/HEV)× Model e(EV)× Pro(商用)」の三本柱で需給に応じたパワートレーン・収益配分を最適化し、運転支援はBlueCruise中心に段階的高度化。コネクテッド/音声(Alexa)もセットで体験価値を底上げする構図です(2024通期〜2025年)。[1][7][11]
【注】(出典リンク)
- 事業セグメントと概況(2024通期) → SEC Form 10-K(2024年12月期) → Ford IR(レポート集)(確認日:2025-09-24) ↩
- 世界拠点(工場・施設一覧) → Ford Corporate – Locations(確認日:2025-09-24) ↩
- Mach-Eの価格調整・販売動向の一例(価格改定) → Reuters(2024-02-20)(確認日:2025-09-24) ↩
- 「One Ford」の趣旨(グローバル共通化による効率化) → Reuters(2012-11-28) → Ford Corporate – One Ford(確認日:2025-09-24) ↩
- Argo AIの活動終了報道 → Reuters(2022-10-26)(確認日:2025-09-24) ↩
- 方針転換(L2/L3中心・BlueCruise強化) → Repairer Driven News(2022-10-27)(確認日:2025-09-24) ↩
- BlueCruise公式(機能/対象道路の概要) → Ford – BlueCruise(確認日:2025-09-24) ↩
- BlueCruiseの価格改定・機能更新(例) → Reuters(2024-10-01) → The Verge(2024-09-26)(確認日:2025-09-24) ↩
- Alexa Built-in(概要・対象) → Ford – Alexa Built-in → Ford Support – Alexa(確認日:2025-09-24) ↩
- Ford Digital Experience(Alexaの提供条件等) → Ford – Digital Experience(確認日:2025-09-24) ↩
- 電動化・ハイブリッド拡充方針(2030年までにFord Blue全車種へ) → Ford Media(2024-04-04)(確認日:2025-09-24) ↩
- EV投入タイミングの見直し・ハイブリッド強化報道 → AP(2024-04-04) → Detroit Free Press(2024-04-04)(確認日:2025-09-24) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想:結果
【出典】