PM(フィリップモリス)今後の見通し
フィリップモリスインターナショナル(Philip Morris International Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(PMとMOを比較:フィリップモリスとアルトリア)を参照
直近決算
4月22日(米国時間)にPM(フィリップモリス)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.83$→結果1.96$
・売上高:予想98.9億$→結果101億$(前年同期比+9%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想2.12$→結果2.02~2.07$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
フィリップ・モリス・インターナショナル(Philip Morris International, PMI)は、世界を代表するたばこ製品メーカーで、紙巻たばこに加え、加熱式たばこ、ニコチンパウチ、電子たばこ等のスモークフリー製品に事業の軸足を移しています。登記上の本社は米コネティカット州スタンフォード、事業運営の中核拠点はスイス・ローザンヌです。2025年年次報告書では、本社住所をスタンフォード、オペレーションセンターをローザンヌと記載しています。[1]
近年は加熱式たばこやニコチンパウチなど次世代製品への投資を拡大しています。2025年通期では、スモークフリー事業の売上構成比は41.5%、スモークフリー製品の推定成人ユーザーは4,300万人超、販売市場は106市場に拡大しました。2026年1–3月期(Q1)には、スモークフリー事業の売上構成比が43%となり、スモークフリー製品の販売市場は108市場に広がっています。[2][3]
PMは、主に以下の3つの分野で事業を展開しています。
- 紙巻たばこ:Marlboro、L&M、Parliament などの国際ブランドを展開。市場ごとの規制・嗜好に合わせたポートフォリオを構築しています。Marlboroは同社の主力ブランドで、2025年通期の紙巻たばこ出荷数量の約43%を占めました。2025年通期では、紙巻たばこの出荷数量は前年比1.5%減となる一方、加熱式たばこユニット(HTU)などを含むスモークフリー出荷数量は前年比12.8%増となりました。[4]
- 次世代たばこ(スモークフリー):加熱式たばこ「IQOS(ILUMA など)」、ニコチンパウチ「ZYN」、電子たばこ「VEEV」等を展開しています。米国では2025年1月にZYNの20銘柄がFDAの販売許可(PMTA)を取得しました。IQOSについては、FDAが2026年4月にIQOS 2.4、IQOS 3.0および3種類のHeatSticksについて、曝露低減表示を伴うMRTP認可を更新しています。ただし、FDAは「安全なリスクのない製品」と認めたわけではなく、認可された表示も特定製品・特定表現に限られます。[5][6]
- 地域別戦略:各国の規制・課税環境に応じ、紙巻からスモークフリーへの移行を推進しています。米国ではスウェディッシュマッチ(ZYN)買収(2022年)後、ZYNの供給拡大とIQOSの段階展開が重点です。2025年にはテキサス州など一部地域でIQOSの限定販売を開始し、2026年時点ではFDA認可の枠組みを前提に、米国での段階的な市場開拓を進めています。[7][8]
1847年にロンドンで創業されたPhilip Morrisの事業を源流とし、現在のPMIは2008年にAltria Groupから分離して独立した国際たばこ会社として上場しました。米国内の紙巻たばこ事業はAltria側に残し、PMIは米国外事業を中心にグローバル展開を続けてきました。2022年にはスウェディッシュマッチの買収でモダンオーラル領域(ZYN)を取り込み、スモークフリー転換を加速しています。[9][7]
2025年通期の年次報告では、売上高に相当するネットレベニューは406億ドル(前年比+7.3%)、営業利益は149億ドル(前年比+11.1%)、希薄化後EPSは7.26ドル、調整後希薄化EPSは7.54ドルでした。2025年通期の営業キャッシュフローは122億ドルで、取締役会は2025年9月に四半期配当を引き上げ、年率換算で1株5.88ドルとしました。[10]
2026年1–3月期(Q1)では、ネットレベニューは101億ドル(前年同期比+9.1%)、スモークフリー事業のネットレベニューは前年同期比+12.4%、紙巻等の燃焼式製品事業も前年同期比+6.7%となりました。スモークフリー事業の売上構成比は43%に上昇しており、ZYN、IQOS、VEEVなどの伸長が、PMIの成長を支える中心テーマになっています。[3]
PMは高配当銘柄としても知られますが、配当持続性はスモークフリー事業の拡大、紙巻たばこの数量減を補う価格決定力、規制対応の進捗に依存します。とくに米国では、ZYNの販売許可、IQOSのMRTP認可更新、未成年利用防止やマーケティング制限への対応が重要です。FDAはZYNの販売許可時に、若年層利用とマーケティング順守を継続監視するとしており、IQOSについても認可条件から外れた安全性・疾病リスク低減の訴求は認められていません。[5][6]
ひとことで:PMIの主戦略は「紙巻→スモークフリー」への転換です。2025年通期でスモークフリー事業は売上の41.5%、2026年Q1では43%まで上昇しました。ZYNは米国で販売許可を得て成長の柱になり、IQOSはFDAのMRTP更新により「曝露低減」表示の枠組みを維持しています。ただし、たばこ・ニコチン製品である以上、規制・訴訟・未成年利用防止は引き続き重要なリスクです。
【注】(出典リンク)
- 本社・オペレーションセンター → PMI 2025 Annual Report → PMI News: Stamford headquarters(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期のスモークフリー売上比率・ユーザー数・販売市場数 → PMI 2025 Annual Report → PMI Value Report 2025(確認日:2026-05-10) ↩
- 2026年Q1決算・スモークフリー売上比率・販売市場数 → PMI 2026 First-Quarter Results → PMI Investor Relations: 2026 Q1 Results(確認日:2026-05-10) ↩
- Marlboro比率・2025年出荷数量・スモークフリー出荷数量 → PMI 2025 Annual Report(確認日:2026-05-10) ↩
- ZYN 20銘柄のFDA販売許可(PMTA) → FDA Release(2025年1月16日) → PMI Release: ZYN authorization(確認日:2026-05-10) ↩
- IQOSのMRTP認可更新・曝露低減表示の範囲 → FDA Release(2026年4月17日) → FDA: PMI MRTP Applications(確認日:2026-05-10) ↩
- スウェディッシュマッチ買収・ZYN取り込み → PMI: Swedish Match offer → Swedish Match IR(確認日:2026-05-10) ↩
- 米国でのIQOS段階展開 → Reuters(2025年3月27日) → PMI: FDA reauthorization of IQOS MRTP(確認日:2026-05-10) ↩
- 沿革・2008年分社・上場 → PMI FAQ: About us → SEC: Altria / PMI separation materials(確認日:2026-05-10) ↩
- 2025年通期業績・営業利益・EPS・営業キャッシュフロー・配当 → PMI 2025 Annual Report → PMI 2025 Fourth-Quarter & Full-Year Results(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

