LRCX(ラムリサーチ)今後の見通し
ラムリサーチ(Lam Research Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(AMATとLRCXを比較:アプライドマテリアルズとラムリサーチ)を参照
直近決算
4月22日(米国時間)にLRCX(ラムリサーチ)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.35$→結果1.47$
・売上高:予想57.3億$→結果58.4億$(前年同期比+24%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想1.45$→結果1.5~1.8$
・売上高:予想60.5億$→結果62~70億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
ラムリサーチ(Lam Research Corporation:NASDAQ: LRCX)は、米カリフォルニア州フリーモントに本社を置く、半導体ウエハー製造工程向けプロセス装置のリーディングカンパニーです。エッチング、成膜(CVD/ALD)、シングルウエハー洗浄、先進パッケージング関連技術を中核に、先端ロジック、DRAM、3D NAND、AI/HBM向け半導体の量産を支える装置とプロセス技術を提供しています。[1]
同社は「装置+プロセス+サービス」の一体提供で、TSMC、Samsung、Intel、Micron、SK hynixなどの主要ファウンドリー、IDM、メモリメーカーと長期的な関係を構築しています。FY2025(2025年6月期)通期の売上高は184.36億ドルで、FY2024の149.05億ドルから23.7%増となりました。地域別では、中国向けが売上の34%で最大でしたが、FY2024の42%からは低下しています。[2]
装置ラインは、プラズマエッチ、多様な薄膜形成(ALD/CVD)、高歩留まりに寄与するシングルウエハー洗浄、先進パッケージング向け装置を柱にしています。AI半導体では、HBM、先進DRAM、先端ロジック、チップレット、先進パッケージングの重要性が高まっており、ラムリサーチのエッチング・成膜・洗浄技術は、微細化と3D化の両方で使われます。[3]
1980年の設立以来、同社はエッチングと成膜のプロセス革新に注力し、1990年代からグローバルに事業を拡大してきました。近年は、装置販売(Systems)に加えて、保守、スペアパーツ、アップグレード、改造、非先端装置のReliant®製品ラインなどを含む顧客サポート関連収益を安定収益源として強化しています。FY2025通期では、Systems Revenueが114.91億ドル、Customer support-related revenue and otherが69.44億ドルでした。[4]
マクロ環境では、AI半導体需要が追い風となる一方、米国の対中輸出規制が重要なリスクです。2025年10-Kでは、中国向け売上がFY2025に全体の34%を占めたとされ、同地域は引き続き大きな市場です。ただし、米国政府の輸出ライセンス要件、エンティティリスト、軍事エンドユーザー規制、Huawei関連の外国直接製品ルールなどが、同社製品の販売やサービスに影響し得ると説明されています。[5]
製品・サービスの主な内容
★エッチング装置:微細パターニングやハイアスペクト比形状に対応するプラズマエッチ装置です。3D NAND、DRAM、先端ロジックでは、深く細い構造を高精度に加工する必要があり、エッチング工程の重要性が高まっています。ラムリサーチは、チャンバー設計、プラズマ制御、プロセス化学の最適化で、プロファイル制御、選択比、ダメージ低減を両立させることを狙っています。[3]
★成膜(CVD/ALD):ロジック、DRAM、NANDの先端配線、ギャップフィル、バリア膜、絶縁膜形成などに使われる成膜装置です。ALDやCVDは、微細化と3D構造化が進むほど膜厚均一性、段差被覆性、欠陥制御が重要になります。[3]
★シングルウエハー洗浄:粒子、ポリマー、金属汚染などを除去し、歩留まり向上に寄与する工程です。先端半導体では、わずかな欠陥でも歩留まりに大きな影響を与えるため、洗浄装置は量産品質を支える重要装置です。[3]
★先進パッケージング:AI半導体では、HBMやチップレットを高密度に接続する先進パッケージングの重要性が高まっています。ラムリサーチは、銅めっき、成膜、エッチング、洗浄などのプロセス技術を通じて、チップ間接続、配線、パッケージ基板側の製造要件に対応しています。[3]
★カスタマーサポート:保守、スペアパーツ、アップグレード、プロセス最適化、Reliant®製品ラインなどを通じて、装置稼働率と総所有コスト(TCO)の改善を支援します。FY2026年3月期にはCustomer support-related revenue and otherが21.11億ドルとなり、同社初の20億ドル超の四半期水準に達しました。[6]
所在地・体制
本社所在地は4650 Cushing Parkway, Fremont, CA 94538です。米国、アジア、欧州に開発・製造・サービス拠点を展開し、顧客の量産拠点に近い場所でプロセス開発、サポート、部品供給を行う体制を取っています。半導体製造装置は顧客ごとの工程条件が細かく異なるため、装置単体の販売だけでなく、量産立ち上げ後の継続的なプロセス改善が競争力の源泉になります。[1]
最近のトピック(時点明記)
- FY2025通期:売上高は184.36億ドル、粗利益率は48.7%、研究開発費は20.96億ドルでした。売上成長は、メモリおよびファウンドリー向けの装置投資と、サポート関連収益の拡大が主因です。[2]
- FY2025通期の地域構成:中国34%、韓国22%、台湾19%、日本10%、米国7%、東南アジア5%、欧州3%でした。FY2024は中国42%だったため、中国比率は低下しましたが、なお最大地域です。[2]
- FY2025通期の市場別構成:装置・アップグレード売上の市場別構成は、Foundry45%、Memory42%、Logic/IDM13%でした。AI関連の先端ロジックとHBM/DRAM投資が、FoundryとMemoryの双方を支えています。[4]
- FY2026年3月期:売上高は58.41億ドル、GAAP粗利益率は49.8%、GAAP営業利益率は35.0%、GAAP希薄化後EPSは1.45ドルでした。Non-GAAP希薄化後EPSは1.47ドルでした。[7]
- FY2026年3月期の地域構成:中国34%、韓国23%、台湾23%、日本8%、米国6%、東南アジア4%、欧州2%でした。中国・韓国・台湾の3地域で売上の80%を占めています。[7]
- FY2026年3月期の売上内訳:Systems revenueが37.31億ドル、Customer support-related revenue and otherが21.11億ドルでした。サポート関連収益の伸びは、設置済み装置ベースの拡大とアップグレード需要を反映しています。[6]
- FY2026年6月期見通し:会社側は、2026年6月28日終了四半期について、売上高66.0億ドル±4.0億ドル、GAAP/Non-GAAP粗利益率50.5%±1%、GAAP/Non-GAAP営業利益率36.5%±1%、希薄化後EPS1.65ドル±0.15ドルを見込んでいます。[8]
- 輸出規制:2024年12月の米国規制更新時点では、会社側は当時の四半期ガイダンス変更は不要と公表しました。ただし、2025年10-Kでは、中国向け売上と輸出ライセンス要件に関するリスクが引き続き明記されています。[9][5]
ミニ解説
- 装置産業の収益構造:装置売上(Systems)は半導体メーカーの設備投資サイクルに左右されやすい一方、保守・部材・改造・Reliant®などのCustomer Supportは、設置済み装置ベースが広がるほど積み上がりやすい収益です。
- AI/HBMの追い風:AI半導体では、先端ロジックだけでなくHBM、DRAM、先進パッケージングの投資も増えます。ラムリサーチは、エッチング、成膜、洗浄、銅めっきなど複数工程でこの流れに関わります。
- 地政学リスク:中国向け売上はFY2025でも34%を占めます。対中輸出規制は、出荷可否、ライセンス取得、顧客の投資タイミング、地域ミックスに影響するため、四半期ごとの確認が必要です。
- 投資家が見るべき点:中国比率、HBM/DRAM投資、ファウンドリー投資、Customer Supportの伸び、粗利益率、輸出規制、そしてFY2026年6月期見通しが実現するかが重要です。
【注】(出典リンク)
- 本社所在地・会社概要・拠点 → Lam Research Locations → Lam Research Company(確認日:2026-05-10) ↩
- FY2025通期業績・地域別売上・粗利益率・R&D → Lam Research FY2025 Form 10-K(SEC) → Lam Research Annual Reports(確認日:2026-05-10) ↩
- 製品ポートフォリオ・プロセス領域 → Lam Research Products → Lam Research Processes(確認日:2026-05-10) ↩
- Systems/Customer Support売上・市場別構成・Reliant®定義 → Lam Research FY2025 Form 10-K:Revenue(確認日:2026-05-10) ↩
- 中国向け売上・対中輸出規制リスク → Lam Research FY2025 Form 10-K:Risk Factors(確認日:2026-05-10) ↩
- FY2026年3月期のSystems/Customer Support売上 → Lam Research March 2026 Quarter Results → Lam Research Newsroom(確認日:2026-05-10) ↩
- FY2026年3月期業績・地域別売上 → Lam Research Reports Financial Results for the Quarter Ended March 29, 2026 → Lam Research FY2026 Q3 Form 10-Q(SEC)(確認日:2026-05-10) ↩
- FY2026年6月期見通し → Lam Research March 2026 Quarter Outlook(確認日:2026-05-10) ↩
- 2024年12月の輸出規制更新に関する会社コメント → Lam Research Comments on Newly Announced Export Regulations(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
EPSと売上:予想:結果
【出典】

