COST:コストコの配当推移

必需品,配当

コストコ(COST)配当利回りと株価分析 2025年最新版

コストコホールセール(Costco Wholesale Corporation)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを図る指標)等も確認してみます。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当($)、平均株価、通年EPSの推移を確認してみます。

(*年次決算は原則52週(前年差がある年は53週)で、期末はおおむね8月末〜9月初旬です。平均株価は9月1日~8月30日相当の期間で算出しています)

配当 平均株価 年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2025 0.51% -75% 27% 4.92 965.0 18.21
2024 2.10% 404% 117% 19.36 921.4 16.56
2023 0.54% 14% 27% 3.84 712.3 14.16
2022 0.67% -74% 26% 3.38 504.9 13.14
2021 2.53% 381% 115% 12.98 512.3 11.27
2020 0.72% 11% 30% 2.7 375.6 9.02
2019 0.80% 14% 30% 2.44 305.7 8.26
2018 0.90% -76% 30% 2.14 239.1 7.09
2017 4.68% 424% 146% 8.9 190.1 6.08
2016 1.05% -74% 32% 1.7 161.7 5.33
2015 4.21% 389% 121% 6.51 154.8 5.37
2014 0.94% -84% 29% 1.33 140.8 4.65
2013 7.00% 693% 176% 8.17 116.7 4.63
2012 0.98% 16% 26% 1.03 105.3 3.89
2011 1.03% 16% 27% 0.89 86.8 3.3
2010 1.06% 13% 26% 0.77 72.8 2.92
2009 1.17% 11% 28% 0.68 58.3 2.47
2008 1.22% 21% 0.61 50 2.89

※上表の「年計」は、通常配当(四半期配当)に加えて、該当年度に実施された特別配当を含みます。特別配当の有無により「成長率」「配当性向」が大きく振れる点に注意してください。[1][3][4]

2025年最新動向:四半期配当をh3.30へ(年換算.20)

【重要更新】コストコは2025年4月(発表ベース)に四半期配当を$1.16→$1.30へ引き上げました。年換算では$5.20です。[2]

一方で、配当の「年計(通常+特別)」で見ると、2024年度は特別配当($15)が含まれるため大きく跳ねます。2025年度は特別配当が入っていないため、見かけ上は反動減(上表の成長率がマイナス)になります。これは配当政策の悪化ではなく、特別配当の有無が統計上の見え方を変えている点が核心です。[3]

着実な配当成長の実績

コストコの配当は、通常配当(四半期配当)の引き上げを軸に、状況に応じて特別配当で上乗せする「二段構え」の色合いがあります。

  • 通常配当:継続的に引き上げ(直近は$1.30へ)。[2]
  • 特別配当:2013年・2015年・2017年に加え、近年では2021年($10)と2024年($15)が実施されています。[4][3]

特別配当は「毎年の恒常的な増配」とは別枠の株主還元です。そのため、配当投資家としては、上表のような「年計」だけでなく、通常配当の推移(四半期配当の水準)も併せて確認するのが実務的です。[2]

配当成長率の推移(特別配当の影響を含む)

コストコの配当成長率は、特別配当の実施年に急伸し、翌年に反動が出やすいパターンを示します。

  • 2013年・2015年・2017年:特別配当で大幅増加 → 翌年に調整
  • 2021年:特別配当($10)で大幅増加 → 2022年は反動
  • 2024年:特別配当($15)で大幅増加 → 2025年は反動

この「振れ」は、キャッシュフロー余力を背景にした臨時の株主還元が原因です。通常配当の持続力を見たい場合は、特別配当の影響を頭の中で切り分けておくと誤解が減ります。[1]

配当利回りの魅力

通常年の配当利回りは概ね0.5〜1%程度で推移しやすい一方、特別配当の年は一時的に利回りが跳ね上がります(上表の2021年・2024年など)。

  • 通常年:利回りは控えめ(成長株寄りの特徴)
  • 特別配当年:利回り・配当性向が一時的に上振れ
  • 魅力の中心は「高利回り」よりも、事業成長+通常配当の積み上げ+臨時還元の合算リターン

配当性向の持続可能性

通常配当だけで見れば、配当性向はおおむね健全な範囲に収まりやすい水準です(例:2025年度は上表で約27%)。[1]

一方、特別配当が入る年は、配当性向が100%を超えて見えることがあります。これは「利益を超える配当=危険」という単純な話ではなく、特別配当が“過年度から蓄積された現金余力”も使って実施されうるためです。[3][4]

2024年度の見え方:特別配当($15)を含むため、年計ベースの配当性向が高く出ます。これは、通常配当の持続性とは分けて判断するのが妥当です。[3]

財務パフォーマンスと成長見通し

以下の表では、売上高(ここでは「総収入(Total revenue)」)、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージン(表記は同マージン)は%単位で表示しています。

主要財務指標の推移

年度 売上高 営業CF 同マージン 純利益
2025 275,235 13,335 5 8,099
2024 254,453 11,339 4 7,367
2023 242,290 11,068 5 6,292
2022 226,954 7,392 3 5,844
2021 195,929 8,958 5 5,007
2020 166,761 8,861 5 4,002
2019 152,703 6,356 4 3,659
2018 141,576 5,774 4 3,134
2017 129,025 6,726 5 2,679
2016 118,719 3,292 3 2,350
2015 116,199 4,285 4 2,377
2014 112,640 3,984 4 2,058
2013 105,156 3,437 3 2,039
2012 99,137 3,057 3 1,709
2011 88,915 3,198 4 1,462
2010 77,946 2,780 4 1,303
2009 71,422 2,092 3 1,086
2008 72,483 2,206 3 1,283

※2023〜2025の「売上高」は年次報告書の総収入(Total revenue)に合わせています。[1]

収益性と効率性の着実な向上

2025年度(52週、2025年8月31日終了)は、総収入が275,235M$、純利益が8,099M$となりました。[1]

また、会員収入(Membership fees)は2025年度に5,323M$へ増加しています。コストコの「年会費モデル」は、景気変動があっても底堅い収益の土台になりやすい構造です。[1]

最新決算(直近四半期)として、2026年度第1四半期(12週、2025年11月23日終了)の公表値も押さえておきます。[5]

  • 純売上高(Net sales):65,984M$(前年同期比+8.2%)
  • 会員収入(Membership fees):1,329M$(前年同期比+14.0%)
  • 純利益(Net income):2,001M$
  • 希薄化後EPS:$4.50
  • 既存店売上高(Comparable sales):+6.4%
  • デジタル(Digitally enabled comparable sales):+20.5%
  • 倉庫店数:923店舗

堅固なキャッシュフロー基盤

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFはM$(百万ドル)単位、営業CF成長率(表記は「成長率」)は%単位で表示しています。

年度 営業CF 成長率 投資CF 財務CF
2025 13,335 18 -5,311 -3,775
2024 11,339 2 -4,409 -10,764
2023 11,068 50 -4,972 -2,614
2022 7,392 -17 -3,915 -4,283
2021 8,958 1 -3,535 -6,488
2020 8,861 39 -3,891 -1,147
2019 6,356 10 -2,865 -1,147
2018 5,774 -14 -2,947 -1,281
2017 6,726 104 -2,366 -3,218
2016 3,292 -23 -2,345 -2,419
2015 4,285 8 -2,480 -2,324
2014 3,984 16 -2,093 -786
2013 3,437 12 -2,251 44
2012 3,057 -4 -1,236 -2,281
2011 3,198 15 -1,180 -1,277
2010 2,780 33 -2,015 -719
2009 2,092 -5 -1,101 -439
2008 2,206 6 -1,717 -643

※2025〜2023は年次報告書(10-K)に基づき更新。[1]

2024年度の財務CFが大きくマイナスなのは、特別配当($15)を含む株主還元の影響が大きい点がポイントです。[3]

健全な資本構成

以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率は%単位で表示しています(自己資本率=株主資本÷総資産)。

年度 総資産 総負債 株主資本 自己資本率 ROE
2025 77,099 53,564 23,535 31 34
2024 69,831 46,209 23,622 34 30
2023 68,994 43,936 25,058 36 28
2022 64,166 43,519 20,647 32 28
2021 59,268 41,190 18,078 31 28
2020 55,556 36,851 18,705 34 21
2019 45,400 29,816 15,243 34 24
2018 40,830 27,727 12,799 31 24
2017 36,347 25,268 10,778 30 25
2016 33,163 20,831 12,079 36 19
2015 33,017 22,174 10,617 32 22
2014 33,024 20,509 12,303 37 17
2013 30,283 19,271 10,833 36 19
2012 27,140 14,622 12,361 46 14
2011 26,761 14,188 12,002 45 12
2010 23,815 12,885 10,829 45 12
2009 21,979 11,875 10,024 46 11
2008 20,682 11,408 9,192 44 14

※2025〜2023は年次報告書(10-K)に基づき更新。[1]

まとめ:長期配当投資家にとってのコストコとは?

コストコは、会員制ビジネスモデル(年会費収入)による安定した収益基盤を活かし、通常配当の引き上げを継続しつつ、局面によっては特別配当も活用して株主還元を行う企業です。[1][2]

  • 通常配当:四半期配当を$1.30へ引き上げ(年換算$5.20)。[2]
  • 会員収入:2025年度は5,323M$、直近四半期(2026年度Q1)は1,329M$。[1][5]
  • 倉庫店数:2025年度末は914店舗、直近四半期は923店舗。[1][5]
  • 既存店・デジタル:直近四半期で既存店+6.4%、デジタル+20.5%。[5]

一方で、配当利回りそのものは通常年は高くなりにくいため、配当目的なら「利回り」よりも「通常配当の成長」と「特別配当が出る局面の理解」を重視するほうが、実態に合った判断になりやすいです。[3]

よくある質問

コストコの配当はどれくらい安全ですか?

通常配当ベースでは、配当性向は概ね健全な範囲で推移しやすいのが特徴です(例:2025年度は上表で約27%)。また、2025年度の営業キャッシュフローは13,335M$で、配当の原資となるキャッシュ創出力が確認できます。[1]

特別配当の実施パターンに規則性はありますか?

過去に複数回実施されていますが、固定の周期が明示されているわけではありません。近年では2021年に$10、2024年に$15の特別配当が公表されています。特別配当は「毎年の配当」ではなく、余剰資金・投資計画・財務方針などを踏まえた臨時の株主還元として捉えるのが自然です。[4][3]

メンバーシップモデルの持続可能性に懸念はありませんか?

2025年度時点で、会員基盤は1億4,500万人超のカード保有者、更新率は90%超(会社説明の表現)とされています。会員収入は総収入に対して比率は大きくない一方、利益の土台になりやすい点が特徴です。直近四半期でも会員収入は前年同期比+14.0%と伸びています。[1][5]

株価水準(バリュエーション)はどう見ればいいですか?

コストコは安定性と成長性が評価されやすく、株価指標が高めになりやすい銘柄です。配当投資の観点では「配当利回り」だけで判断せず、(1)利益成長、(2)通常配当の引き上げ余地、(3)会員収入の成長、(4)景気局面での既存店売上の粘り、をセットで見ると納得感が出やすいです。[1][5]

※本記事は投資判断の参考として公開情報を整理したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。[1]

ミニ解説:上表の「成長率」「配当性向」は、特別配当が入る年に急上昇し、翌年に反動が出ることがあります。通常配当の見通しを知りたい場合は、四半期配当の水準($1.30など)も併せて確認すると判断ミスが減ります。[2]

【注】(出典リンク)

  1. FY2025年次データ(財務諸表・会員収入・会員基盤・店舗数・キャッシュフロー等) → Costco Annual Report 2025(10-K一体資料)(確認日:2025-12-14)
  2. 四半期配当の引き上げ($1.16→$1.30、年換算$5.20) → Costco IR:配当引き上げのプレスリリース(2025)(確認日:2025-12-14)
  3. 特別配当($15) → Costco IR:特別配当$15のプレスリリース(2023)(確認日:2025-12-14)
  4. 特別配当($10) → Costco IR:特別配当$10のプレスリリース(2020)(確認日:2025-12-14)
  5. 最新決算(2026年度第1四半期:2025年11月23日終了、12週) → Costco IR:2026年度Q1の業績リリース(2025-12-11)(確認日:2025-12-14)

Posted by 南 一矢