PFE:ファイザーの配当推移

配当

ファイザー(Pfizer Inc.)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを図る指標)等も確認してみます。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当($)、平均株価、通年EPSの推移を確認してみます。

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配当 平均株価 年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2024 6.02% 2% 119% 1.68 27.9 1.41
2023 4.44% 2% 443% 1.64 36.9 0.37
2022 3.21% 3% 29% 1.6 49.8 5.47
2021 3.70% 3% 41% 1.56 42.2 3.85
2020 4.36% 6% 93% 1.52 34.9 1.63
2019 3.81% 6% 51% 1.44 37.8 2.82
2018 3.67% 6% 73% 1.36 37.1 1.87
2017 3.96% 7% 36% 1.28 32.3 3.52
2016 3.86% 7% 103% 1.2 31.1 1.17
2015 3.51% 8% 101% 1.12 31.9 1.11
2014 3.62% 8% 73% 1.04 28.7 1.42
2013 3.49% 9% 30% 0.96 27.5 3.19
2012 4.00% 10% 45% 0.88 22 1.94
2011 4.32% 11% 63% 0.8 18.5 1.27
2010 4.53% -10% 71% 0.72 15.9 1.02
2009 5.37% -38% 65% 0.8 14.9 1.23
2008 6.99% 10% 107% 1.28 18.3 1.2

【出典】

変動する配当の実績

ファイザー(PFE)の配当実績は、製薬業界のグローバルリーダーとしての地位を反映した長期的な安定性を示しています。ただし、2008年の金融危機時には大幅な配当削減(-38%)を経験しました。これは同社の歴史上最大の配当調整であり、1株当たり配当が1.28ドルから0.80ドルへと大幅に減少しました。その後は着実な回復を遂げ、2009年以降は継続的な配当成長を実現しています。特に2012年から2019年にかけては年率6-10%の安定した配当成長を維持し、COVID-19パンデミック期間中(2020-2024年)も配当成長を継続している点が注目されます。

配当成長率の推移

PFEの配当成長率は、段階的な回復と安定期を経て現在に至っています:

  • 2008〜2009年:金融危機による大幅調整期(10%成長後、-38%の大幅減配)
  • 2010年:さらなる調整(-10%)で配当政策の再構築
  • 2011〜2013年:回復期(11%、10%、9%)で力強い成長再開
  • 2014〜2020年:安定成長期(6-8%)で持続的な配当増加を実現
  • 2021〜2024年:成熟期(2-3%)でより保守的な成長率にシフト

このパターンは、製薬会社特有の長期投資サイクルと市場環境への適応を反映しています。2008-2010年の配当調整期間は、リーマンショックによる資金調達環境の悪化と大型買収(ワイス社買収、2009年)による財務圧力が要因でした。その後の回復期(2011-2013年)は統合効果の実現と主力製品の安定収益により支えられ、2014年以降の安定期は成熟した製薬企業としての持続可能な成長モデルを確立しました。COVID-19ワクチンによる2021-2022年の収益急拡大期にも配当成長率を抑制的に維持し、長期的視点での配当政策を重視している姿勢が見て取れます。

配当利回りの魅力

PFEの配当利回りは、株価の変動と配当政策により変化していますが、製薬株としては魅力的な水準を維持しています。2024年現在の利回りは約6.0%程度と、他の大手製薬会社と比較して競争力があります:

  • 金融危機後の2010-2012年は4-5%程度の適度な利回りを維持
  • 2014-2019年は株価上昇に伴い3-4%で推移
  • COVID-19パンデミック後の株価調整により利回りが上昇

高い配当利回りは、以下の要因によるものと考えられます:

  • COVID-19ワクチン収益の正常化に伴う将来収益への懸念
  • 主力製品の特許切れによる成長性への疑問
  • 製薬業界全体への投資家の慎重姿勢
  • 金利上昇環境下での配当株への資金流入

注目ポイント:PFEは「配当貴族」的な特性を持つ製薬会社として、長期的な配当成長にコミットしています。同社は2008年の大幅減配以降、より持続可能な配当政策を採用し、景気循環や業績変動に対する耐性を高めています。COVID-19ワクチンによる一時的な収益拡大期にも配当を急激に増加させず、長期的な株主価値向上を重視する姿勢を示しました。

配当性向の持続可能性

配当性向は「1株配当 ÷ EPS」で計算される指標ですが、PFEの場合、製薬会社特有の収益変動により年度間で大きく変動します。特に2023年は配当性向が443%という異常に高い水準を記録しましたが、これはCOVID-19ワクチン収益の急激な減少による一時的な現象です。近年の配当性向は以下の通りです:

  • 2020年:93%(パンデミック初期の不確実性を反映)
  • 2021年:41%(ワクチン収益拡大により大幅改善)
  • 2022年:29%(ワクチン収益がピークに達し健全な水準)
  • 2023年:443%(ワクチン需要減少により一時的に悪化)
  • 2024年:119%(徐々に正常化するもやや高水準)

配当持続性の評価:2023年の異常な配当性向443%は、主にCOVID-19ワクチン需要の急激な減少によるEPSの低下(0.37ドル)が要因です。これは以下の一時的要因によるものと考えられます:

  • COVID-19ワクチンの需要正常化:パンデミック特需の終了による売上急減
  • 在庫調整コスト:過剰在庫の処分費用と製造ラインの調整費用
  • 研究開発費の増加:次世代ワクチンや新薬開発への投資拡大
  • 一時的な特別損失:事業再編に伴うリストラクチャリング費用

製薬業界特有の考慮点:製薬会社の収益は以下の理由で変動します:

  • ブロックバスター薬の特許切れサイクル:主力製品の独占期間終了による売上減少
  • 新薬承認の不確実性:規制当局の承認プロセスによる収益計上の遅延
  • 大型買収・提携の影響:M&Aに伴う一時的費用と統合効果
  • 為替変動:グローバル展開による為替レートの影響
  • 薬価政策の変更:各国の医療費抑制政策による価格圧力

重要なのは、PFEの営業キャッシュフロー(2024年:12,744百万ドル)は配当をカバーするのに十分であり、一時的な会計上の利益変動にもかかわらず、基本的な事業からの現金生成能力は健全であることです。2023年の営業CF大幅減少(8,700百万ドル)も、主にCOVID-19関連の在庫調整や事業再編コストによるものであり、2024年には回復傾向を示しています。

財務パフォーマンスと成長見通し

以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージン(表記は同マージン)は%単位で表示しています。

主要財務指標の推移

年度 売上高 営業CF 同マージン 純利益
2008 48,296 18,238 38 8,104
2009 49,269 16,587 34 8,635
2010 65,165 11,454 18 8,257
2011 61,035 20,240 33 10,009
2012 54,657 16,746 31 14,570
2013 51,584 17,684 34 22,003
2014 49,605 17,084 34 9,135
2015 48,851 14,688 30 6,960
2016 52,824 16,192 31 7,215
2017 52,546 16,802 32 21,308
2018 40,825 15,827 39 11,152
2019 40,905 12,588 31 16,027
2020 41,651 14,403 35 9,159
2021 81,288 32,580 40 21,979
2022 101,175 29,267 29 31,372
2023 59,554 8,700 15 2,119
2024 63,627 12,744 20 8,031

収益性と効率性の変動

PFEの財務データからは、製薬業界特有の長期サイクルとCOVID-19パンデミックの特別な影響が明確に見て取れます:

  • 売上高は2021-2022年のCOVID-19ワクチンブームで急拡大(81,288M$→101,175M$)
  • 営業CFマージンは2023年に15%まで低下するも、2024年には20%へ回復
  • 純利益は2022年にピーク(31,372M$)を記録後、2023年には2,119M$まで急減
  • 2024年の回復傾向(売上高7%増、純利益279%増)により正常化の兆し

特に注目すべき変動要因:

  • 2009-2010年:ワイス社買収(680億ドル)による売上高の急拡大と統合コスト
  • 2011-2019年:統合効果の実現と主力製品による安定成長期
  • 2021-2022年:COVID-19ワクチン(Comirnaty)の爆発的成功による収益急拡大
  • 2023年:パンデミック特需終了による急激な調整とコスト増加
  • 2024年:既存事業の回復と新たな成長ドライバーの寄与

2023年の業績悪化は主に一時的要因によるものと考えられ、2024年の回復は同社の基礎的な事業力の健全性を示しています。営業CFマージンの改善(15%→20%)は、コスト構造の最適化と収益性の回復を反映しています。

安定したキャッシュフロー基盤

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFはM$(百万ドル)単位、営業CF成長率(表記は「成長率」)は%単位で表示しています。

年度 営業CF 成長率 投資CF 財務CF
2008 18,238 37 -12,835 -6,560
2009 16,587 -9 -31,272 14,481
2010 11,454 -31 -492 -11,174
2011 20,240 77 1,843 -20,607
2012 16,746 -17 6,154 -15,999
2013 17,684 6 -10,544 -14,975
2014 17,084 -3 -5,654 -10,187
2015 14,688 -14 -2,980 -10,409
2016 16,192 10 -7,791 -9,228
2017 16,802 4 -4,740 -13,350
2018 15,827 -6 4,525 -20,441
2019 12,588 -20 -3,945 -8,485
2020 14,403 14 -4,271 -9,649
2021 32,580 126 -22,546 -9,816
2022 29,267 -10 -15,783 -14,834
2023 8,700 -70 -32,278 26,066
2024 12,744 46 2,652 -17,140

PFEのキャッシュフロー分析から、製薬会社としての特徴的なパターンが確認できます:

  • 2021年の営業CF急拡大(126%成長)はCOVID-19ワクチンによる収益爆発を反映
  • 2023年の営業CF大幅減少(-70%)は一時的調整であり、2024年には46%回復
  • 投資CFは継続的にマイナスで、積極的な研究開発と設備投資を実施
  • 2023年の大規模な投資CF(-32,278M$)は戦略的投資と事業再編の集中実施

特に注目すべき点:

  • 2009年:ワイス買収による投資CF大幅マイナス(-31,272M$)と資金調達
  • 2021年:COVID-19ワクチン成功による強力な現金創出(32,580M$)
  • 2023年:大型戦略投資(がん治療薬企業買収等)による投資CF拡大
  • 2024年:投資CFがプラス転換(2,652M$)し、資産売却効果を反映

キャッシュフロー分析のポイント:PFEのキャッシュフローパターンは、「大型投資→統合→収穫→再投資」の製薬業界特有のサイクルを反映しています。2021-2022年のCOVID-19特需による大量の現金創出を、2023年の戦略的投資(新薬開発企業の買収、製造能力拡張、次世代技術への投資)に充当し、将来の成長基盤を構築しています。2024年の営業CF回復(46%成長)は、これらの投資効果が早期に現れ始めていることを示唆しています。

負債水準と資本構成

以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率は%単位で表示しています。

年度 総資産 総負債 株主資本 自己資本率 負債比率
2008 111,148 53,408 57,556 52 93
2009 212,949 122,503 90,014 42 136
2010 195,014 106,749 87,813 45 122
2011 188,002 105,381 82,190 44 128
2012 185,798 104,120 81,260 44 128
2013 172,101 95,481 76,307 44 125
2014 167,566 95,944 71,301 43 135
2015 167,381 102,384 64,720 39 158
2016 171,615 111,776 59,544 35 188
2017 171,797 100,141 71,308 42 140
2018 159,422 95,664 63,407 40 151
2019 167,594 104,148 63,143 38 165
2020 154,229 90,756 63,238 41 144
2021 181,476 104,013 77,463 43 134
2022 197,205 101,288 95,917 49 106
2023 226,501 137,213 89,288 39 154
2024 213,396 124,899 88,497 41 141

PFEの資本構成には、製薬業界の特性と戦略的投資サイクルを反映した変動パターンが見られます:

  • 2009年のワイス買収により総資産が倍増(111,148M$→212,949M$)
  • 自己資本率は2008年の52%から2016年には35%まで低下するも、近年は改善傾向
  • 2022年にはCOVID-19収益により自己資本率が49%まで回復
  • 2023年の戦略投資により一時的に負債比率が上昇(106%→154%)

資本構成の変動要因:

  • 2009年:ワイス買収のための大規模資金調達による負債増加
  • 2010-2016年:買収統合コストと主力製品の特許切れによる収益性低下
  • 2017-2020年:事業効率化と資産最適化による段階的改善
  • 2021-2022年:COVID-19ワクチン収益による財務体質の大幅改善
  • 2023年:戦略的買収と研究開発投資拡大による負債比率上昇
  • 2024年:負債削減努力による財務指標の改善(154%→141%)

現在の負債比率141%は製薬業界としては適正水準であり、以下の理由により持続可能と考えられます:

  • 安定した営業キャッシュフロー基盤(2024年:12,744M$)
  • 多様化された製品ポートフォリオによる収益の安定性
  • 充実した新薬パイプラインによる将来成長の見込み
  • 製薬業界の高い参入障壁と収益性
  • グローバル市場での確固たる地位

まとめ:長期配当投資家にとってのPFEとは?

ファイザー(PFE)は、世界最大級の製薬会社として長期的な安定性と成長性を兼ね備えた魅力的な配当株です。同社は2008年の金融危機時の大幅減配を経て、より持続可能な配当政策を確立し、過去15年間にわたって着実な配当成長を実現してきました。COVID-19パンデミックによる一時的な収益拡大期にも配当を急激に増加させず、長期的視点での株主価値向上を重視する姿勢を示しています。

同社の強みは以下の点にあります:

  • 15年以上にわたる継続的な配当成長実績(2009年以降の減配なし)
  • 魅力的な配当利回り(約6.0%)と製薬株としての競争力
  • 多様化された製品ポートフォリオによる収益の安定性
  • 充実した新薬パイプラインと研究開発力による将来成長性
  • COVID-19ワクチン開発で実証されたmRNA技術の先進性
  • グローバル市場での確固たる地位と販売ネットワーク
  • 製薬業界特有の高い参入障壁と収益性
  • 健全な財務体質と安定したキャッシュフロー生成能力

一方で、注意すべき点としては:

  • COVID-19ワクチン特需終了による一時的な業績調整
  • 主力製品の特許切れリスクによる将来収益への影響
  • 製薬業界特有の研究開発リスクと新薬承認の不確実性
  • 規制リスク:薬価政策や承認基準の変更による収益への影響
  • 競争激化リスク:バイオテクノロジー企業や他の製薬大手との競争
  • 為替リスク:グローバル展開に伴う為替変動の影響
  • 訴訟リスク:副作用や特許侵害に関する法的責任
  • ESG課題:薬価問題や医療アクセスに関する社会的責任

投資家へのポイント:PFEへの投資は、「安定配当と適度な成長」を重視する長期投資家に適しています。同社の配当政策は保守的でありながら持続性が高く、製薬業界の不確実性を考慮した慎重なアプローチを採用しています。2024年現在の高い配当利回り(約6.0%)は、COVID-19特需終了による一時的な株価調整を反映しており、長期投資家にとって魅力的な参入機会となる可能性があります。ただし、製薬業界特有のリスク(特許切れ、規制変更、開発失敗)を理解し、ポートフォリオの一部として適切に配分することが重要です。特に、同社の新薬パイプラインの進展と既存事業の回復状況を継続的に評価し、長期的な競争優位性の維持を確認することが求められます。

よくある質問

PFEの配当の安全性はどの程度ですか?

PFEの配当安全性は、製薬大手としては比較的高いと評価できます。2008年の金融危機時に大幅減配を経験しましたが、それ以降15年間は継続的な配当成長を維持しています。現在の配当性向は2024年で119%とやや高めですが、これは主にCOVID-19ワクチン特需終了による一時的なEPS低下によるものです。重要なのは営業キャッシュフロー(2024年:12,744百万ドル)が配当支払い(約9,500百万ドル)を十分にカバーしていることです。同社は2023年の業績低迷期にも配当を維持し、長期的なコミットメントを示しています。ただし、主力製品の特許切れが本格化する2026-2028年頃には、配当成長率の鈍化や一時的な調整の可能性もあります。

COVID-19ワクチン特需終了の影響はどの程度続きますか?

COVID-19ワクチン特需の終了による影響は、2023年をボトムとして2024年から回復傾向にあります。ワクチン関連売上は2022年の約370億ドルから2023年には約130億ドルまで減少しましたが、2024年以降は年間50-80億ドル程度の安定収益が見込まれています。これは季節性インフルエンザワクチンと同様の定期接種需要によるものです。同社は既にワクチン特需に依存しない事業構造への転換を進めており、がん治療薬(Ibrance、Bavencio等)、希少疾患治療薬、ワクチン以外の感染症治療薬などの成長により、2025年以降の安定成長を目指しています。重要なのは、COVID-19で蓄積されたmRNA技術が次世代ワクチン開発(RSV、インフルエンザ、帯状疱疹等)に活用される点で、これが中長期的な競争優位性となる可能性があります。

主力製品の特許切れリスクはどの程度深刻ですか?

PFEの特許切れリスクは今後5年間で最も重要な課題の一つです。主力製品である乳がん治療薬Ibrance(年間売上約50億ドル)が2027年頃、肺がん治療薬Lorbrena等も2020年代後半に特許切れを迎える予定です。ただし、同社は以下の対策により影響を軽減しています:(1)新薬パイプラインの充実(現在80以上のプログラムが進行中)、(2)既存薬の新適応症開発による市場拡大、(3)バイオシミラー参入への対応策(患者サポートプログラム、製剤改良等)、(4)戦略的買収による製品ポートフォリオの強化。特に、2023年に買収したSeagen社のがん治療薬(ADC技術)や、2024年に提携を拡大したBioNTech社との次世代がんワクチンなどが、特許切れによる収益減少を相殺する重要な成長ドライバーとなる見込みです。

製薬業界の薬価引き下げ圧力への対応は十分ですか?

製薬業界全体が直面する薬価引き下げ圧力に対し、PFEは多角的なアプローチで対応しています。米国では2022年のインフレ削減法(IRA)により、Medicare薬価交渉の対象となる可能性がありますが、同社の主力製品の多くは比較的新しく、当面は直接的な影響は限定的です。より重要なのは、(1)価値ベース医療(VBM)への対応強化、(2)希少疾患や革新的治療法への注力による高い価格設定の正当化、(3)新興国市場での量的拡大による収益多角化、(4)バイオシミラー事業への参入による防御戦略です。同社は既に複数の希少疾患治療薬を開発中であり、これらは薬価圧力の影響を受けにくい分野です。また、COVID-19で実証されたスピード開発能力を活かし、市場投入までの期間短縮により投資回収効率を高める戦略も採用しています。長期的には、個別化医療や予防医学への展開により、従来の薬価モデルとは異なる価値提供を目指しています。

※本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。

【出典】

   

Posted by 南 一矢