XOM:エクソンモービルの配当推移
エクソンモービル(XOM)配当利回りと株価分析【2026年5月更新版】
エクソンモービル(Exxon Mobil Corp)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。
権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを見る指標)等も確認します。
本文の業績・配当データは、特に断りがない限り2025年通期決算、2026年第1四半期決算、2026年5月7日時点の株価・配当情報に基づいています。
エクソンモービルは2025年第4四半期から四半期配当を1株あたり1.03ドルへ引き上げ、2026年第1四半期・第2四半期も同額を維持しています。2026年第1四半期時点で、同社は43年連続増配を継続しています。2026年5月7日時点の株価144.86ドル、現行年率配当4.12ドルをもとにした配当利回りは約2.8%です。[1][2][3]
配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート
年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等
年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当(ドル)、平均株価、通年EPSの推移を確認します。以下の数値は各年のForm 10-K、決算リリース、配当データをもとに作成しています。[4]
| 年 | 配当 | 平均株価 | 年EPS | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均利回り | 成長率 | 配当性向 | 年計 | |||
| 2026E | 約2.8% | 横ばい (現時点) |
約69% (TTM EPS比) |
4.12 (現行年率) |
144.86 (5月7日) |
約5.94 (TTM) |
| 2025 | — | 約4% | 約60% | 4.00 | — | 6.70 |
| 2024 | 3.43% | 4% | 49% | 3.84 | 112.0 | 7.84 |
| 2023 | 3.39% | 4% | 41% | 3.68 | 108.6 | 8.89 |
| 2022 | 3.87% | 2% | 27% | 3.55 | 91.7 | 13.26 |
| 2021 | 6.02% | 0% | 65% | 3.49 | 58.0 | 5.39 |
| 2020 | 7.82% | 1% | -66% | 3.48 | 44.5 | -5.25 |
| 2019 | 4.65% | 6% | 102% | 3.43 | 73.7 | 3.36 |
| 2018 | 4.04% | 6% | 66% | 3.23 | 80.0 | 4.88 |
| 2017 | 3.74% | 3% | 66% | 3.06 | 81.9 | 4.63 |
| 2016 | 3.46% | 3% | 159% | 2.98 | 86.2 | 1.88 |
| 2015 | 3.48% | 7% | 75% | 2.88 | 82.8 | 3.85 |
| 2014 | 2.77% | 10% | 36% | 2.70 | 97.3 | 7.60 |
| 2013 | 2.72% | 13% | 33% | 2.46 | 90.5 | 7.37 |
| 2012 | 2.52% | 18% | 22% | 2.18 | 86.5 | 9.70 |
| 2011 | 2.32% | 6% | 22% | 1.85 | 79.7 | 8.42 |
| 2010 | 2.68% | 5% | 28% | 1.74 | 65.0 | 6.22 |
| 2009 | 2.34% | 7% | 42% | 1.66 | 70.9 | 3.98 |
| 2008 | 1.87% | 13% | 18% | 1.55 | 82.7 | 8.66 |
※2025年の年間配当は、2025年第1〜第3四半期の0.99ドルと第4四半期の1.03ドルを合計した4.00ドルです。2026Eは、2026年5月時点の四半期配当1.03ドルを4倍した現行年率配当4.12ドルを用いた参考値です。[1][2]
長期にわたり続く安定した配当の実績
エクソンモービル(XOM)の配当実績は、エネルギー市場の変動にもかかわらず、高い安定性を示しています。2026年時点で43年連続増配を達成しており、米国を代表する長期増配銘柄の一つです。特筆すべきは、2020年のCOVID-19パンデミックによるエネルギー需要急減と原油価格暴落の中でも、多くのエネルギー企業が配当削減を余儀なくされる中、XOMは配当を維持し、連続増配記録を守ったことです。
配当成長率の推移
XOMの配当成長率は市場環境に応じて変動しながらも、長期ではプラスを維持しています:
- 2008〜2014年:堅調な成長期(5〜18%の成長率)
- 2015〜2017年:原油価格低迷期でも成長継続(3〜7%)
- 2018〜2019年:回復基調(6%の安定成長)
- 2020〜2021年:パンデミック期の慎重な維持(0〜1%)
- 2022〜2025年:回復期での堅実な成長再開(おおむね2〜4%)
- 2026年:2026年5月時点では、四半期配当1.03ドルを維持。現行年率配当は4.12ドル
このパターンは、市場環境が厳しい時期にも配当を維持・成長させるXOMの能力を示しています。特に、2020年のパンデミック時には純損失22,440M$を計上しながらも、営業CFはプラスを維持し、配当を守りました。これは、同社が株主還元を重要な資本配分方針の一つとして位置づけ、長期的な視点で経営していることを示しています。[4]
配当利回りの推移と魅力
XOMの配当利回りは、株価の変動と配当の着実な成長により、長期的に魅力的な水準を維持してきました。原油価格の低迷期(2015〜2016年)や市場不安定期(2020年)には特に高い利回りを記録し、インカム重視の投資家にとって重要な選択肢となりました。
特に注目すべき点は:
- 原油価格サイクルの低迷期には6%以上の高利回りを記録
- 株価上昇局面では利回りが低下しやすいが、増配により長期のインカム成長を狙える
- 競合他社と比較して、配当の安定性と財務体質のバランスが強い
- 利回りだけでなく、営業CF・FCF・負債水準を確認することが重要
高い配当利回りはエネルギーセクターの魅力の一つですが、XOMの場合は単に高配当というより、長期の増配実績、強いバランスシート、ガイアナやパーミアン盆地などの高収益資産によって支えられている点が特徴です。
配当性向の持続可能性
XOMの配当性向は、原油価格サイクルの影響を受けて大きく変動します。特に2016年(159%)と2019年(102%)には高い水準を記録しましたが、2020年のパンデミック時には純損失により計算上のマイナスとなりました。一方、2022年には過去最高益を記録し、配当性向は27%まで低下しています。
配当性向の変動要因:エネルギー企業特有の純利益の変動性が、配当性向に大きく影響しています:
- 原油価格の大幅な変動:2020年の暴落と2022年の高騰
- 資産減損:市場環境の変化による資産評価の見直し
- 事業ポートフォリオの最適化:低収益資産の売却や戦略的投資
- 税制変更や一時的費用:法人税率変更や組織再編コスト
- 2024〜2025年:Pioneer買収後の統合、増産効果、原油価格正常化が混在
しかし、XOMの強みは、純利益の変動にかかわらず、営業キャッシュフローが一貫して配当をカバーできる水準を維持している点にあります。2025年の営業CFは51,970M$、フリーCFは26,131M$、配当支払いは17,231M$でした。EPSベースの配当性向が上昇しても、キャッシュフローでは配当を十分にカバーしています。[4]
2026年第1四半期は、営業CFが8,705M$、フリーCFが2,699M$でした。四半期配当は4,334M$で、単純なFCFだけでは四半期配当を下回りましたが、同四半期は金融ヘッジ関連のマージン差入れなど一時的な要因があり、マージン差入れを除く営業CFは13,800M$とされています。短期の四半期変動だけでなく、通年の営業CFと投資額を見る必要があります。[2]
財務パフォーマンスと成長見通し
以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージンは%単位で表示しています。
主要財務指標の推移
| 年度 | 売上高 | 営業CF | 同マージン | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 85,138 | 8,705 | 10% | 4,183 |
| 2025 | 332,238 | 51,970 | 16% | 28,844 |
| 2024 | 349,585 | 55,022 | 16% | 33,680 |
| 2023 | 336,665 | 55,369 | 16% | 36,010 |
| 2022 | 400,737 | 76,797 | 19% | 55,740 |
| 2021 | 277,140 | 48,129 | 17% | 23,040 |
| 2020 | 181,502 | 14,668 | 8% | -22,440 |
| 2019 | 264,938 | 29,716 | 11% | 14,340 |
| 2018 | 290,212 | 36,014 | 12% | 20,840 |
| 2017 | 244,363 | 30,066 | 12% | 19,710 |
| 2016 | 208,114 | 22,082 | 11% | 7,840 |
| 2015 | 249,248 | 30,344 | 12% | 16,150 |
| 2014 | 411,939 | 45,116 | 11% | 32,520 |
| 2013 | 438,255 | 44,914 | 10% | 32,580 |
| 2012 | 480,681 | 56,170 | 12% | 44,880 |
| 2011 | 486,429 | 55,345 | 11% | 41,060 |
| 2010 | 383,221 | 48,413 | 13% | 30,460 |
| 2009 | 310,586 | 28,438 | 9% | 19,280 |
| 2008 | 477,359 | 59,725 | 13% | 45,220 |
収益性と効率性の変動
XOMの財務データは、石油・ガス産業特有の景気循環性を明確に示しています:
- 売上高は原油価格サイクルに連動し、2011年の486,429M$から2020年には181,502M$へ大きく減少
- 営業CFマージンは比較的安定しており、2021〜2025年は16〜19%の高水準を維持
- 純利益は2022年に55,740M$を記録するなど、原油価格環境に強く影響
- 2020年には純損失22,440M$を記録したが、翌年には迅速に黒字転換
- 2025年は原油価格の低下で純利益が減少した一方、生産量とコスト削減が業績を下支え
特筆すべきは、XOMの収益構造が景気循環性を持ちながらも、営業CFマージンが比較的安定している点です。これは、同社の垂直統合型ビジネスモデル(上流の探鉱・生産から下流の精製・販売、化学、スペシャルティ製品まで一貫した事業展開)により、原油価格の変動影響を部分的に相殺できるためです。
2025年は、累計構造的コスト削減額が2019年比で151億ドルに達し、そのうち2025年だけで30億ドルの追加削減を達成しました。同社は2030年までに累計200億ドルの構造的コスト削減を目標としています。[4]
強力なキャッシュフロー基盤
以下の表では、営業CF、投資CF、財務CF、FCFはM$(百万ドル)単位で表示しています。
| 年度 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 8,705 | — | — | 2,699 |
| 2025 | 51,970 | -25,927 | -39,081 | 26,131 |
| 2024 | 55,022 | -19,938 | -42,789 | 34,362 |
| 2023 | 55,369 | -19,274 | -34,297 | — |
| 2022 | 76,797 | -14,742 | -39,114 | — |
| 2021 | 48,129 | -10,235 | -35,423 | — |
| 2020 | 14,668 | -18,459 | 5,285 | — |
| 2019 | 29,716 | -23,084 | -6,618 | — |
| 2018 | 36,014 | -16,446 | -19,446 | — |
| 2017 | 30,066 | -15,730 | -15,130 | — |
| 2016 | 22,082 | -12,403 | -9,293 | — |
| 2015 | 30,344 | -23,824 | -7,037 | — |
| 2014 | 45,116 | -26,975 | -17,888 | — |
| 2013 | 44,914 | -34,201 | -15,476 | — |
| 2012 | 56,170 | -25,601 | -33,868 | — |
| 2011 | 55,345 | -22,165 | -28,256 | — |
| 2010 | 48,413 | -24,204 | -26,924 | — |
| 2009 | 28,438 | -22,419 | -27,283 | — |
| 2008 | 59,725 | -15,499 | -44,027 | — |
XOMの最大の強みは、その強力なキャッシュ創出能力にあります。石油メジャーとしての規模と効率性を活かし、景気循環を通じて安定したキャッシュフローを確保しています:
- 2020年のパンデミック時でさえ、14,668M$の営業CFを確保
- 2022年には76,797M$の営業CFを記録
- 2023〜2025年も50,000M$超の営業CFを維持
- 2025年のFCFは26,131M$で、配当支払い17,231M$をカバー
- 2026年Q1のFCFは2,699M$と四半期配当を下回ったが、マージン差入れを除く営業CFは13,800M$とされている
投資CFに注目すると、2021年は抑制的な投資でしたが、2022年以降は高収益プロジェクトへの投資を拡大しています。2024年はPioneer買収が完了し、2025年はパーミアン盆地、ガイアナ、LNG、化学、低炭素関連の投資を進めながら、株主還元も高水準で継続しました。
キャッシュフロー分析のポイント:XOMのキャッシュフローは「投資・成長・還元」の好循環を実現しています。高い営業CFをベースに、成長投資と株主還元をバランスよく実施しています。この強力なキャッシュ創出能力と規律ある資本配分が、XOMの長期的な競争優位性の源泉です。
健全な負債水準と資本構成
以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率は%単位で表示しています。
| 年度 | 総資産 | 総負債 | 株主資本 | 自己資本率 | 総債務 | 純負債 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026 Q1 | 464,410 | 203,414 | 260,996 | 56% | 47,661 | 39,226 |
| 2025 | 448,980 | 182,354 | 266,626 | 59% | 43,537 | 32,856 |
| 2024 | 453,475 | 182,869 | 270,606 | 60% | 41,710 | 18,523 |
| 2023 | 376,317 | 163,779 | 212,538 | 56% | — | — |
| 2022 | 369,067 | 166,594 | 202,473 | 55% | — | — |
| 2021 | 338,923 | 163,240 | 175,683 | 52% | — | — |
| 2020 | 332,750 | 168,620 | 157,150 | 47% | — | — |
| 2019 | 362,597 | 163,659 | 191,650 | 53% | — | — |
| 2018 | 346,196 | 147,668 | 191,794 | 55% | — | — |
| 2017 | 348,691 | 154,191 | 187,688 | 54% | — | — |
| 2016 | 330,314 | 156,484 | 167,325 | 51% | — | — |
| 2015 | 336,758 | 159,948 | 170,811 | 51% | — | — |
| 2014 | 349,493 | 168,429 | 174,399 | 50% | — | — |
| 2013 | 346,808 | 166,313 | 174,003 | 50% | — | — |
| 2012 | 333,795 | 162,135 | 165,863 | 50% | — | — |
| 2011 | 331,052 | 170,308 | 154,396 | 47% | — | — |
| 2010 | 302,510 | 149,831 | 146,839 | 49% | — | — |
| 2009 | 233,323 | 117,931 | 110,569 | 47% | — | — |
| 2008 | 228,052 | 110,529 | 112,965 | 50% | — | — |
XOMの資本構成は、石油メジャーの中でも健全性が高いと評価できます:
- 自己資本率は2025年末で約59%、2026年Q1末で約56%と高水準
- 2024年のPioneer買収後も、自己資本を厚く保ったまま事業規模を拡大
- 2025年末の総債務は43,537M$、純負債は32,856M$
- 2026年Q1末の総債務は47,661M$、純負債は39,226M$
- 2026年Q1末のDebt-to-capital ratioは15.4%、Net-debt-to-capital ratioは13.1%で、なお保守的な水準
資本構成の変化には、以下の要因が影響しています:
- 2010〜2011年:戦略的買収による資産・負債の拡大
- 2015〜2016年:原油価格の急落による資産評価見直しと投資抑制
- 2020年:パンデミックによる純損失と追加借入
- 2021〜2023年:原油高によるキャッシュフロー増加と負債削減
- 2024年:Pioneer買収による資産規模の大幅拡大
- 2025〜2026年:高水準の株主還元を続けながらも、バランスシートの健全性を維持
特筆すべきは、2024年にPioneer Natural Resourcesの大型買収を完了した後も、自己資本率が50%台後半を維持されている点です。これは、株式交換中心の買収構造と、統合後の強いキャッシュフロー創出力によるものです。強固な財務基盤は、長期的な成長投資と安定配当のための重要な土台です。
まとめ:長期配当投資家にとってのXOMとは?
エクソンモービルは、エネルギー業界の厳しい市場環境においても、長期的な株主価値の創造と安定した配当政策を両立させてきました。原油価格サイクルや地政学的リスク、エネルギートランジションの圧力にもかかわらず、43年連続増配を継続し、米国株式市場における代表的な長期増配銘柄としての地位を確立しています。[1]
同社の強みは以下の点にあります:
- 卓越したキャッシュフロー生成能力と規律ある資本配分
- 43年連続増配という長期実績
- 健全な財務体質(2026年Q1末のNet-debt-to-capital ratioは13.1%)
- 垂直統合型ビジネスモデルによる原油価格変動への耐性
- 低コスト生産資産への集中投資(ガイアナ、パーミアン盆地、LNGなど)
- 2019年比で累計151億ドルの構造的コスト削減
- 低炭素事業への段階的・選択的な投資
- 2025年通期の純生産量は日量470万石油換算バレルとなり、40年以上ぶりの高水準
- パーミアン盆地の生産量は2025年通期で日量160万石油換算バレル、ガイアナは総生産で日量70万バレル超を達成
- 2025年は総額37.2Bドルを株主に還元(配当17.2Bドル+自社株買い20.0Bドル)
- 2026年Q1も9.2Bドルを株主に還元(配当4.3Bドル+自社株買い4.9Bドル)
- 2026年Q1にはGolden Pass Train 1で初LNGを達成し、ガイアナでも記録的な生産を維持
一方で、投資家が留意すべき点としては:
- 原油価格サイクルに伴う収益変動性
- エネルギートランジションに伴う長期的な需要リスク
- 環境規制強化のリスク:炭素税や排出規制
- 再生可能エネルギーとの競争激化
- 地政学的リスク:中東、ロシア・ウクライナ、資源国の政治リスク
- Pioneer買収後の統合・シナジー実現リスク
- 気候変動対応戦略に対する投資家評価の二極化
投資家へのポイント:XOMは、「信頼性の高い配当」と「成長機会」を兼ね備えたエネルギーセクターの代表的な銘柄です。2026年5月7日時点の配当利回りは約2.8%で、過去の高利回り局面に比べると低めですが、これは株価上昇と財務健全性への評価を反映している面もあります。配当の安全性を見るうえでは、利回りだけでなく、営業CF、FCF、Debt-to-capital ratio、原油価格、投資額を継続的に確認することが重要です。
よくある質問
XOMの配当はどれくらい安全ですか?
XOMの配当は、現時点では安全性が高いと評価できます。同社は2020年のパンデミック時に純損失を計上した際にも配当を維持し、その後も43年連続増配を継続しています。2025年の営業CFは51,970M$、FCFは26,131M$、配当支払いは17,231M$で、配当はFCFで十分にカバーされています。2026年Q1はFCFが2,699M$と配当を下回りましたが、これは一時的なマージン差入れなどの影響があり、マージン差入れを除く営業CFは13,800M$です。[2][4]
短期的な原油価格下落局面では配当性向が上昇する可能性がありますが、同社のバランスシート、低コスト資産、キャッシュフロー創出力を考えると、短中期的な配当削減リスクは低いと考えられます。
エネルギートランジションはXOMの配当にどのような影響を与えますか?
エネルギートランジションは長期的にXOMの事業モデルに変化をもたらす可能性がありますが、同社は段階的かつ現実的なアプローチで対応しています。特徴的なのは、既存の石油・ガス事業を急激に縮小するのではなく、低コストで高収益な資産に集中しながら、CCS(二酸化炭素回収・貯留)、水素、低排出燃料、リチウムなどへ選択的に投資している点です。[5]
この段階的アプローチにより、短中期的には伝統的な石油・ガス事業からのキャッシュフローが配当原資を支え続ける一方、低炭素事業が将来のオプションとして育つ構図が想定されます。そのため、エネルギートランジションが直ちに配当政策の急激な変更につながる可能性は低いと見られます。
2020年の純損失にもかかわらず配当を維持できた理由は何ですか?
2020年にXOMが22,440M$の純損失を計上しながらも配当を維持できた理由は、純損失の大部分が資産減損など非現金項目によるもので、営業キャッシュフローは14,668M$のプラスを確保していたためです。加えて、同社は資本的支出の削減、運営コストの削減、流動性確保、非中核資産の売却などを組み合わせて、配当原資を守りました。
この経験は、XOMの配当政策が単年度の純利益ではなく、景気循環を通じたキャッシュフロー創出力と財務余力に支えられていることを示しています。
2024年のPioneer買収は配当政策にどのような影響を与えますか?
2024年に完了したPioneer Natural Resourcesの買収は、XOMの配当政策に中長期的にプラスの影響をもたらす可能性があります。この買収により、XOMはパーミアン盆地における生産量を大きく拡大し、低コスト・高収益の石油・ガス資産を強化しました。[6]
短期的には買収関連コストや統合コストが収益を圧迫する可能性はありますが、2025年にはパーミアン盆地とガイアナの生産拡大が業績を支えました。中長期的には、安定的な生産増とコストシナジーによって配当成長余地を広げる効果が期待できます。
※本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。
出典の詳細はページ末尾の「【注】(出典リンク)」をご確認ください。
【注】(出典リンク)
- 配当実績・43年連続増配・2025年第4四半期配当 → 一次情報:ExxonMobil「Announces 2025 Results」 → ExxonMobil「Dividend Information」(確認日:2026-05-08)↩
- 2026年第1四半期決算・2026年第2四半期配当・CF・負債比率 → 一次情報:ExxonMobil「First-Quarter 2026 Results」 → ExxonMobil SEC Filings(確認日:2026-05-08)↩
- 株価・配当利回り → 参考情報:Google Finance「XOM:NYSE」 → StockAnalysis「XOM Dividend」(確認日:2026-05-08)↩
- 2025年通期業績・営業CF・FCF・バランスシート → 一次情報:ExxonMobil「Announces 2025 Results」 → ExxonMobil「Financial Results」(確認日:2026-05-08)↩
- 低炭素事業・エネルギートランジション戦略 → 一次情報:ExxonMobil「Advancing Climate Solutions」 → ExxonMobil「Sustainability and Reports」(確認日:2026-05-08)↩
- Pioneer Natural Resources買収 → 一次情報:ExxonMobil「Completes Acquisition of Pioneer Natural Resources」 → 補助:Reuters「Exxon closes Pioneer deal」(確認日:2026-05-08)↩
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ミニ解説: エネルギー企業の配当を見るときは、配当利回りと配当性向だけでは不十分です。原油価格の下落局面ではEPSが大きく落ちるため、営業CF、FCF、投資額、純負債、Debt-to-capital ratioをあわせて見ると、配当の安全性を判断しやすくなります。