AMGN(アムジェン)今後の見通し
アムジェン(Amgen inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(AMGNとGILDを比較:アムジェンとギリアドサイエンシズ)を参照
直近決算
AMGN(アムジェン)は2月4日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想5.26$→結果6.02$
・売上高:予想89.2億$→結果91.8億$(前年同期比+9%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想20.9$→結果20.2~21.3$
・売上高:予想353.6億$→結果350~360億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。
企業概要
アムジェン(Amgen Inc., NASDAQ: AMGN)は、バイオ医薬のリーディング企業です。本社はカリフォルニア州サウザンドオークスにあり、免疫・骨、腫瘍、心血管、炎症、腎・血液などの領域で遺伝子工学・抗体・細胞治療などの先端技術を活用した医薬品を研究・開発・製造・販売しています。2025年Q2は売上高84億ドル(前年比+21%)と堅調で、買収効果と主力品の伸長が寄与しました。[1]
製品ポートフォリオは、関節リウマチ等のエンブレル(Enbrel)、骨粗しょう症のプロリア(Prolia)、脂質異常症のレパーサ(Repatha)、多発性骨髄腫のカイプロリス(Kyprolis)、乾癬・乾癬性関節炎等のオテズラ(Otezla)、KRAS G12C変異非小細胞肺がんのルマクラス/Lumakras(欧州名Lumykras)などのバイオ医薬が中心です。[2][3][4][5][6]
近年の拡大では、2023年10月に希少疾患・免疫領域に強みを持つHorizon Therapeuticsの買収を完了(Tepezza、Krystexxa、Uplizna等が加わり、免疫・眼科・希少疾患の収益基盤を拡充)。2023年には米国で初のアダリムマブBSAMJEVITAを発売し、自己免疫領域の選択肢を広げました。[7][8]
腫瘍領域では、DLL3標的二重特異性抗体IMDELLTRA(tarlatamab)が小細胞肺がんで加速承認を獲得(2024年)。KRAS阻害薬Lumakrasとともに、難治がんへのパイプライン強化が進んでいます。[9][6]
呼吸器では、アストラゼネカと共同で重症喘息のTezspire(tezepelumab)をグローバル展開し、脱ステロイドやフェノタイプ横断での有効性を訴求しています。[10]
既存の大型品に加え、血液・腎領域(例:Neulasta/Aranesp などの造血刺激薬)から骨・心血管・腫瘍へと収益の再配分を進め、M&A(Horizon、過去のChemoCentryxなど)と内製パイプラインの両輪で成長を図っています。なお、2015年に買収したDezimaのCETP阻害薬(TA-8995)は開発を終了しており、同社はPCSK9阻害薬Repathaなど差別化された心血管領域に経営資源を集中しています。[1][4]
日本では2013年にアステラス製薬との合弁(Amgen Astellas BioPharma)で再参入後、2016年にレパーサを発売。現在は単独展開に移行し、骨・腫瘍・炎症領域での製品を拡充しています(会社資料等)。[1]
ミニ解説
- 収益ドライバー(2025年時点):Prolia/Repatha/Otezlaなど成熟品の粘り+Horizon買収効果+オンコ新薬(IMDELLTRA等)。[1][7]
- 戦略の要:バイオ医薬の製造スケール、専門領域の深耕、選択的M&A、適応拡大/地域展開の継続。
【注】(出典リンク)
- 決算・本社表記(“THOUSAND OAKS, Calif.”):Amgen Q2 2025決算リリース → 一次情報(確認日:2025-09-24) ↩
- Enbrel 製品情報:一次情報(PI)(確認日:2025-09-24) ↩
- Prolia 製品情報:一次情報(PI)(確認日:2025-09-24) ↩
- Repatha 製品情報:一次情報(PI)(確認日:2025-09-24) ↩
- Kyprolis 製品情報:一次情報(PI)(確認日:2025-09-24) ↩
- Lumakras/Lumykras(KRAS G12C)情報:一次情報(EMA)(確認日:2025-09-24) ↩
- Horizon Therapeutics買収完了(2023/10/6):一次情報(Amgen PR)(確認日:2025-09-24) ↩
- AMJEVITA(アダリムマブBS)米国発売(2023/1/31):一次情報(Amgen PR)(確認日:2025-09-24) ↩
- IMDELLTRA(tarlatamab)小細胞肺がん:二次情報(Reuters)(確認日:2025-09-24) ↩
- Tezspire(tezepelumab)共同開発:一次情報(AstraZeneca US)(確認日:2025-09-24) ↩
- Otezla 製品情報:一次情報(PI)(確認日:2025-09-24) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

