CVX(シェブロン)今後の見通し

エネルギー,ダウ30銘柄,バフェット銘柄,株価•決算

シェブロン(Chevron Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


銘柄比較については関連記事(XOM/CVX:エクソンモービルとシェブロンを比較)を参照

直近決算

CVX(シェブロン)5月1日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.97$→結果1.41$
・売上高:予想513.9億$→結果486.1億$(前年同期比+2%)
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

シェブロン(Chevron Corporation、ティッカー:CVX)は、原油・天然ガスの探鉱・開発から、輸送、精製、販売、化学品、新エネルギー関連事業までを手がける垂直統合型エネルギー企業です。本社機能は、2024年に発表された移転方針に基づき、現在はテキサス州ヒューストンにあります。米州、欧州、アフリカ、中東、アジア太平洋に拠点を展開し、世界の石油メジャーの一角を占めています。[1]

石油メジャーの一つとして、上流(Upstream)と下流(Downstream)を中心に事業を構成し、化学製品(主に合弁のChevron Phillips Chemical:CPChem)やパイプライン・輸送などのミッドストリーム機能を通じてサプライチェーン全体を最適化しています。2025年通期では、売上およびその他営業収益が1,844.32億ドル、日量372.3万バレルの石油等換算生産量、年末確認埋蔵量は約106億バレルの石油等換算でした。[2][3]

その事業は以下の3セグメントの機能で理解できます。

上流事業(Upstream)
原油・天然ガスの探鉱・開発・生産です。パーミアン盆地、DJ盆地、メキシコ湾、カザフスタン、豪州、東地中海、ガイアナなどでポートフォリオを展開しています。2025年通期の上流部門利益は128.22億ドル、2026年Q1の上流部門利益は39.09億ドルでした。2026年Q1の世界生産量は、Hess買収、メキシコ湾の新規プロジェクト、パーミアン盆地の成長により、前年同期比で15%増となりました。[4]

上流事業では、2025年にカザフスタンのTengizchevroil(TCO)でFuture Growth Projectが稼働し、米国ではメキシコ湾の複数プロジェクトが初油を達成しました。パーミアン盆地では2025年に日量100万バレルの石油等換算生産量目標を達成しています。2026年Q1には、TamarとLeviathanの拡張が稼働し、東地中海の天然ガス供給能力も高まりました。[2][4]

下流事業(Downstream)
原油の精製、燃料・潤滑油・ペトロケミカルの製造・販売を担います。Chevron、Texaco、Caltexブランドでグローバルに燃料・潤滑油を供給し、製品・原料の柔軟性を高める設備投資も進めています。2025年通期の下流部門利益は30.22億ドルでした。2026年Q1は、国際下流での精製マージン悪化やタイミング影響などにより、下流部門全体では8.17億ドルの損失となりました。一方、米国下流ではパサデナ製油所のLight Tight Oilプロジェクトの立ち上がりにより、2026年Q1の原油処理量が前年同期比で増加しました。[5]

中流(輸送・貯蔵・関連インフラ)
原油・ガスの輸送・貯蔵・パイプライン運営を通じて、供給安定化に寄与します。会計上は上流・下流に配賦されますが、実務上は生産地から精製・販売先までを結ぶ重要な機能です。東地中海では、TamarとLeviathanの拡張により域内需要と輸出に対応する天然ガス供給力を高めており、ガイアナではHess買収によってStabroek鉱区の30%持分を取得しました。[6]

沿革・M&Aとポートフォリオ最適化
19世紀末の米国石油産業黎明期に端を発し、統合・再編を経て現在の体制に至りました。近年は資産の入れ替えとM&Aで資本効率を高めています。2019年のアナダルコ買収競争からは撤退した一方、2020年にノーブル・エナジーを買収し、東地中海・パーミアン・DJ盆地の権益を獲得しました。2023年にはPDCエナジーを取得してコロラド州DJ盆地とパーミアンの地位を強化しました。さらに2025年7月にはHess Corporationの買収を完了し、ガイアナのStabroek鉱区、米国Bakken資産など成長資産を取り込みました。Stabroek鉱区は、発見済み可採資源量が110億バレル超の石油等換算とされる大型資産で、Chevronは同鉱区の30%持分を取得しています。[7][8][9]

低炭素への取り組み
「Chevron New Energies」を通じ、再生可能燃料、CCS、メタン削減、産業向け水素、リチウム、発電関連などの案件に投資しています。2021〜2028年で100億ドルの低炭素投資枠を掲げ、操業の炭素強度低減と顧客の移行支援を進めています。ただし、同社の収益の中心は引き続き原油・天然ガスであり、低炭素事業は投資規模、収益性、規制・補助金環境を慎重に見る必要があります。2026年Q1には、MicrosoftおよびEngine No. 1と、テキサス西部の電力プロジェクトに関する独占契約を締結したことも公表しています。[10][4]

最新の業績トピック
2025年通期のChevron帰属利益は122.99億ドル、調整後利益は135.21億ドルでした。営業キャッシュフローは339億ドル、フリーキャッシュフローは166億ドルです。2025年には株主へ271億ドルを還元し、その内訳は自己株買い121億ドル、配当128億ドル、Hess株式取得関連の支出22億ドルでした。2026年には四半期配当を1株1.78ドルへ4%引き上げることを発表しています。[2]

2026年Q1(2026年3月31日終了四半期)は、売上およびその他営業収益が475.56億ドル、総収益およびその他収入が486.07億ドル、Chevron帰属利益が22.10億ドル、調整後利益が27.93億ドル、希薄化後EPSが1.11ドルでした。同期には株主へ60億ドルを還元し、その内訳は自己株買い25億ドル、配当35億ドルでした。世界および米国の生産量は、それぞれ前年同期比で15%増24%増となっています。[4]

ひとことで:Chevronは、2025年にHess買収を完了し、ガイアナ・Bakken・パーミアン・メキシコ湾を中心に上流の成長軸を強化しました。2025年通期は記録的な生産量とHess統合効果で営業キャッシュフローを伸ばし、配当・自社株買いも継続しています。一方で、原油・天然ガス価格、精製マージン、Hess統合後のシナジー、ガイアナ開発、下流の収益変動、低炭素投資の採算性が、投資家にとって重要な確認点です。[2][4][9]

【注】(出典リンク)

  1. 本社移転・企業概要 → Chevron Announces Headquarters RelocationChevron:Who We Are(確認日:2026-05-10)
  2. 2025年通期業績・生産量・株主還元・配当引き上げ → Chevron Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 ResultsChevron 2025 Annual Report(確認日:2026-05-10)
  3. 2025年確認埋蔵量・年次報告補足資料 → Chevron 2025 Form 10-K(SEC)Chevron Annual Report Supplement(確認日:2026-05-10)
  4. 2026年Q1業績・上流生産・株主還元・新規プロジェクト → Chevron Reports First Quarter 2026 ResultsChevron 2026 Q1 Form 10-Q(SEC)(確認日:2026-05-10)
  5. 下流事業・精製・パサデナ製油所 → Chevron RefiningChevron Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10)
  6. 中流機能・東地中海・Stabroek鉱区 → Chevron Q1 2026 ResultsChevron Completes Acquisition of Hess Corporation(確認日:2026-05-10)
  7. ノーブル・エナジー買収 → Chevron Acquires Noble Energy(確認日:2026-05-10)
  8. PDCエナジー買収 → Chevron Announces Agreement to Acquire PDC Energy(確認日:2026-05-10)
  9. Hess買収完了・ガイアナStabroek鉱区 → Chevron Completes Acquisition of Hess CorporationReuters:Chevron closes Hess acquisition(確認日:2026-05-10)
  10. 低炭素事業・Chevron New Energies → Chevron New EnergiesChevron Q1 2026 Results(確認日:2026-05-10)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

EPSと売上:予想:結果

【出典】

Posted by 南 一矢