CVX:シェブロンの配当推移

エネルギー,ダウ30銘柄,バフェット銘柄,配当






シェブロン(CVX)配当利回りと株価分析【2026年5月更新版】

シェブロン(CVX)配当利回りと株価分析【2026年5月更新版】

【2026年5月更新】
2025年通期業績、2026年第1四半期決算、2026年5月発表の四半期配当1.78ドル、Hess買収後の生産・バランスシート変化、2026年5月7日時点の株価180.42ドルを反映しました。2025年の営業CFは339億ドル、フリーCFは166億ドル、配当支払いは128億ドルです。[1][2][3]

シェブロン(Chevron Corporation)の配当利回りと株価をチャート(直近90日間)で見てみます。

権利落ち日や配当性向(1株配当÷EPS、EPS比で配当を払い過ぎていないかを見る指標)等も確認します。なお、エネルギー企業は原油・天然ガス価格、減損、為替、一時損益によってEPSが大きく変動するため、配当の安全性を見る際はEPSだけでなく、営業CF・フリーCF・負債水準もあわせて確認する必要があります。

配当利回りと株価の推移:3ヶ月チャート

年間利回り、配当成長率、配当性向、EPS等

年平均の配当利回りや配当成長率、配当性向、年間の一株配当(ドル)、平均株価、通年EPSの推移を確認します。データはシェブロンの年次報告書、10-K、決算リリース、配当情報をもとに整理しています。[2]

配当 平均株価 年EPS
平均利回り 成長率 配当性向 年計
2026E 約3.9% 約4% 約100%
(TTM EPS比)
7.12
(現行年率)
180.42
(5月7日)
約7.11
(TTM EPS)
2025 5% 約103%
(GAAP)
6.84 6.63
2024 4.42% 5% 67% 6.52 154.2 9.72
2023 3.77% 6% 57% 6.04 160.2 11.36
2022 3.57% 7% 31% 5.68 158.9 18.28
2021 5.10% 3% 65% 5.31 104.2 8.14
2020 5.84% 8% -174% 5.16 88.3 -2.96
2019 3.98% 6% 309% 4.76 119.6 1.54
2018 3.73% 4% 58% 4.48 120.2 7.74
2017 3.87% 1% 89% 4.32 111.5 4.85
2016 4.29% 0% -1589% 4.29 99.9 -0.27
2015 4.44% 2% 175% 4.28 96.4 2.45
2014 3.49% 8% 42% 4.21 120.5 10.14
2013 3.24% 11% 35% 3.90 120.2 11.09
2012 3.26% 14% 26% 3.51 107.6 13.32
2011 3.06% 9% 23% 3.09 100.9 13.44
2010 3.64% 7% 30% 2.84 78.1 9.48
2009 3.79% 5% 51% 2.66 70.2 5.24
2008 2.98% 12% 22% 2.50 84.9 11.67

※2025年の配当年計6.84ドルは、2025年中に支払われた1株配当額です。2026Eは2026年5月発表の四半期配当1.78ドルを4倍した現行年率配当7.12ドルを用いた参考値です。2026Eの配当性向は、2026年5月7日時点のTTM EPS約7.11ドルを用いた概算です。[1][3]

一貫した配当成長の実績

【2026年更新】 シェブロン(CVX)は2026年時点で39年連続増配を継続しています。2026年1月に四半期配当を1.78ドルへ4%引き上げ、2026年5月にも同額の四半期配当を発表しました。[1][3]

シェブロン(CVX)の配当実績は、エネルギー市場の大きな変動にもかかわらず、長期的な一貫性を示しています。2026年時点で39年連続増配を継続しており、S&P500構成銘柄の中でも長期の増配実績を持つ「配当貴族」(25年以上連続増配企業)としての地位を維持しています。[1] 特筆すべきは、2016年の原油安局面や2020年のCOVID-19期に純損失を計上しながらも、配当を維持・増額した点です。この配当の堅実さは、同社の財務基盤の強さと長期的な株主還元への姿勢を反映しています。

配当成長率の推移

CVXの配当成長率は、市場環境に応じて変動しながらも、長期的にはプラス成長を維持してきました:

  • 2008〜2013年:好調な原油市場で力強い成長(5〜14%)
  • 2014〜2017年:原油価格下落期も増配継続(0〜8%)
  • 2018〜2020年:業績回復に伴う増配加速(4〜8%)
  • 2021年:パンデミック後の慎重な成長(3%)
  • 2022〜2025年:エネルギー価格変動下でも持続的増配(5〜7%程度)
  • 2026年:四半期配当を1.78ドルへ4%引き上げ、39年連続増配を達成
【2026年実績】 2026年1月の増配決定により四半期配当は1.71ドルから1.78ドルへ引き上げられました。2026年5月1日にも同じ1.78ドルの四半期配当が発表され、支払日は2026年6月10日、基準日は2026年5月19日です。[3]

このパターンは、同社が景気循環や原油価格サイクルに対応しながらも、配当の継続的成長にコミットしていることを示しています。特に、2016年と2020年という厳しい市場環境下でも配当増加を維持した点は、エネルギーセクターでは貴重な実績です。ただし、エネルギー企業である以上、配当の安全性は常に原油・天然ガス価格、投資額、負債水準、フリーキャッシュフローに左右されます。

配当利回りの魅力

CVXの配当利回りは、長期的に市場平均を上回る魅力的な水準を維持しています。原油価格の低迷期や市場混乱期には特に高い利回りを提供し、収入重視の投資家にとって魅力的な投資先となっています。

【現在の状況】 2026年5月7日時点で、株価180.42ドル、現行年率配当7.12ドルを前提にすると、配当利回りは約3.9%です。2025年11月時点の「4.5%前後」という記述は、株価上昇と2026年の最新株価を反映して修正しました。[3]

特に注目すべき点は:

  • 市場環境に応じて3%台〜6%台の範囲で推移する配当利回り
  • 原油価格低迷期には利回りが上昇し、インカム投資家にとって買い場になりやすい
  • 長期的に見て、株価上昇と配当成長の両方で投資家に報いてきた実績
  • ただし、原油価格と株価の変動が大きいため、利回りだけでなくキャッシュフロー余力を見る必要がある

この安定した配当利回りは、シェブロンの「高品質エネルギー配当株」としての地位を強化しています。市場環境が悪化した際に配当利回りが上昇することは、エネルギー株投資ではよく見られる現象です。ただし、それが単なる割安化なのか、配当リスク上昇のサインなのかを判断するには、営業CF、フリーCF、負債、投資額を確認する必要があります。

注目ポイント:シェブロンは39年連続増配の「配当貴族」として、市場環境に左右されにくい配当成長を実現してきました。[1] 同社は原油価格の変動に対して、必要に応じて資本的支出の抑制、非中核資産の売却、自社株買いの調整などを行い、配当を守る姿勢を示してきました。さらに、2025年7月にはHess買収を完了し、ガイアナ沖Stabroek鉱区や米国Bakkenなどの成長資産を取り込みました。[4]

配当性向の持続可能性

CVXの配当性向は、原油価格サイクルに伴って大きく変動します。2015年、2019年のように配当性向が100%を大きく超える年や、2016年、2020年のように純損失により計算上マイナスとなる年もあります。一方で、好調な2022年には31%と低水準の配当性向を記録しています。

【2025年実績】 2025年の希薄化後EPSは6.63ドル、年間配当は6.84ドルでした。GAAP EPSベースの配当性向は約103%です。一方、2025年の調整後EPSは7.29ドルで、調整後EPSベースでは約94%です。EPSベースでは余裕が小さく見えますが、営業CF339億ドル、フリーCF166億ドルに対して配当支払いは128億ドルであり、キャッシュフローでは配当をカバーしています。[2]

配当性向変動の理解:エネルギー企業特有の純利益の変動性が、配当性向に大きく影響しています:

  • 2015〜2016年:原油価格急落による減益と資産減損で配当性向が急上昇
  • 2019年:下流事業の一時的要因による収益悪化で配当性向が大きく上昇
  • 2020年:COVID-19パンデミックによる原油価格暴落で純損失を計上
  • 2022年:エネルギー価格高騰による高収益で配当性向が31%に低下
  • 2025年:原油価格低下とHess統合後の投資・費用増により、GAAP EPSベースの配当性向は100%前後へ上昇

このような配当性向の変動は、会計上の一時的要因による純利益の変動も大きく影響します:

  • 資産減損:市場環境の変化による資産評価の見直し
  • 在庫評価:原油価格の急激な変動による棚卸資産の評価損益
  • 為替影響:海外事業の規模が大きいため、為替差損益が利益を左右する
  • 統合・再編コスト:Hess買収や構造改革に伴う一時費用

シェブロンの強みは、純利益が変動しても、営業キャッシュフローが配当を支える水準を維持している点にあります。2025年は営業CF339億ドル、フリーCF166億ドルを創出し、配当支払い128億ドルをカバーしました。2026年第1四半期は運転資本流出の影響で営業CFが25億ドルに低下しましたが、運転資本を除くCFFOは71億ドル、調整後フリーCFは41億ドルでした。[2][5]

財務パフォーマンスと成長見通し

以下の表では、売上高、営業CF、純利益はM$(百万ドル)単位、営業CFマージンは%単位で表示しています。

主要財務指標の推移

年度 売上高 営業CF 同マージン 純利益
2026 Q1 48,607 2,500 5% 2,210
2025 189,031 33,900 18% 12,299
2024 202,792 31,500 16% 17,661
2023 194,799 35,609 18% 21,369
2022 235,916 49,602 21% 35,465
2021 155,067 29,187 19% 15,625
2020 94,692 10,577 11% -5,543
2019 146,516 27,314 19% 2,924
2018 166,339 30,618 18% 14,824
2017 141,722 20,338 14% 9,195
2016 114,472 12,690 11% -497
2015 138,477 19,456 14% 4,587
2014 211,970 31,475 15% 19,241
2013 228,848 35,002 15% 21,423
2012 241,909 38,812 16% 26,179
2011 253,706 41,095 16% 26,895
2010 204,928 31,354 15% 19,024
2009 171,636 19,373 11% 10,483
2008 273,005 29,632 11% 23,931

収益性と効率性の変動

CVXの財務データからは、エネルギー産業特有の景気循環性と、同時に効率的な事業運営が見てとれます:

  • 売上高は原油価格に連動して変動し、2011年の253,706M$から2020年には94,692M$へ大きく減少
  • 営業CFマージンは景気循環を通じて11%〜21%の範囲で推移
  • 純利益は2022年に35,465M$を記録する一方、2016年と2020年には赤字を計上
  • 2025年は原油価格低下で純利益が12,299M$へ減少した一方、営業CFは33,900M$と高水準を維持
  • 2026年Q1はHess統合と米国生産増により生産量が伸びたものの、運転資本流出により営業CFは一時的に低下
【2025年実績】 2025年は売上高189,031M$、営業CF33,900M$、純利益12,299M$を記録しました。原油価格低下で純利益は2024年から減少しましたが、Hess統合、TCO Future Growth Project、Gulf of America、Permianなどの寄与により、生産量は過去最高水準となりました。[2]

特筆すべきは、シェブロンが2025年に原油価格低下の中でも、営業CFを2024年の315億ドルから339億ドルへ増やした点です。2025年にはHess統合、TCOの大型プロジェクト、米国メキシコ湾、Permian Basinが生産を押し上げ、収益基盤の厚みが増しました。一方、純利益は2024年の176.61億ドルから2025年の122.99億ドルへ減少しており、EPSベースで見た配当余力はやや低下しています。

安定したキャッシュフロー基盤

以下の表では、営業CF、投資CF、財務CFはM$(百万ドル)単位で表示しています。

年度 営業CF 投資CF 財務CF FCF
2026 Q1 2,500 -1,500
2025 33,900 -19,100 16,600
2024 31,500 -15,400 -23,500 15,000
2023 35,609 -15,232 -30,109
2022 49,602 -12,108 -24,978
2021 29,187 -5,865 -23,113
2020 10,577 -6,965 -3,736
2019 27,314 -11,458 -19,758
2018 30,618 -12,290 -13,699
2017 20,338 -8,320 -14,554
2016 12,690 -16,370 25
2015 19,456 -23,808 2,815
2014 31,475 -29,893 -4,999
2013 35,002 -35,609 -3,821
2012 38,812 -24,796 -8,980
2011 41,095 -27,489 -11,769
2010 31,354 -20,915 -5,165
2009 19,373 -16,572 -3,546
2008 29,632 -17,081 -10,400

シェブロンの強みは、安定したキャッシュフロー創出能力にあります。石油メジャーとしての規模と効率性を活かし、景気循環を通じて堅調なキャッシュフローを確保しています:

  • 2020年のパンデミック時でも10,577M$の営業CFを確保
  • 2022年には49,602M$の営業CFを記録
  • 2025年は原油価格が2024年より低下したにもかかわらず、営業CFは33,900M$に増加
  • 2025年のFCFは16,600M$で、配当支払い12,800M$をカバー
  • 2026年Q1は運転資本流出の影響でFCFがマイナスとなったが、調整後FCFは4,100M$を確保
【2025年ハイライト】 2025年は株主に対して総額271億ドルを還元しました。その内訳は、自社株買い121億ドル、配当128億ドル、Hess株式取得22億ドルです。[2] 2026年第1四半期も60億ドルを株主に還元し、その内訳は自社株買い25億ドル、配当35億ドルでした。[5]

投資CFに注目すると、シェブロンは市場環境に応じて投資規模を調整しながら、Permian Basin、Gulf of America、TCO、Guyanaなど高収益が期待される重点資産へ投資を集中しています。2025年はHess統合後の投資も加わり、資産規模と生産基盤が大きく拡大しました。

キャッシュフロー分析のポイント:シェブロンのキャッシュフロー管理は「安定性と成長のバランス」を重視しています。好調な時期には豊富なキャッシュを配当・自社株買い・負債管理に振り向け、同時に重点プロジェクトへの投資を継続します。この規律ある資本配分が、長期の増配実績を支えています。

健全な財務基盤

以下の表では、総資産、総負債、株主資本はM$(百万ドル)単位、自己資本率は%単位で表示しています。2025年以降はHess買収完了後のバランスシートを反映しています。

年度 総資産 総負債
(概算)
株主資本 自己資本率 総債務 純負債
2026 Q1 329,551 約140,180 183,715 約56% 45,428 40,101
2025 324,012 約131,836 186,450 約58% 40,758 34,461
2024 256,938 約103,781 152,318 59% 24,541 17,756
2023 261,632 99,703 161,929 62%
2022 257,709 97,467 160,242 62%
2021 239,535 99,595 139,940 58%
2020 239,790 107,064 131,688 55%
2019 237,428 92,220 144,213 61%
2018 253,863 98,221 154,554 61%
2017 253,806 104,487 148,124 58%
2016 260,078 113,356 145,556 56%
2015 264,540 110,654 152,716 58%
2014 266,026 109,835 155,028 58%
2013 253,753 103,326 149,113 59%
2012 232,982 95,150 136,524 59%
2011 209,474 87,293 121,382 58%
2010 184,769 78,958 105,081 57%
2009 164,621 72,060 91,914 56%
2008 161,165 74,048 86,648 54%

シェブロンの資本構成は、石油メジャーの中でも健全性が高いと評価できます:

  • 自己資本率は概ね50%台後半〜60%台前半で推移
  • Hess買収後の2025年末には総資産が324,012M$へ拡大
  • 2025年末の総債務は40,758M$、純負債は34,461M$
  • 2026年Q1末の総債務は45,428M$、純負債は40,101M$へ増加
  • 2026年Q1末のDebt-to-CFFOは1.5倍、Net debt-to-CFFOは1.3倍で、なお管理可能な水準
【2026年Q1実績】 Hess買収後、総資産は2026年3月末時点で329,551M$まで拡大しました。総債務は45,428M$、純負債は40,101M$です。純負債は増えていますが、同社の営業CF規模を考えると、財務レバレッジはなお保守的な範囲にあります。[5]

資本構成の変化には、以下の要因が影響しています:

  • 2008〜2013年:積極的な投資拡大期で総資産が増加
  • 2015〜2016年:原油価格の急落による資産評価の見直しと効率化
  • 2020年:パンデミックによる一時的な収益悪化と負債増加
  • 2021〜2024年:原油高によるキャッシュフロー増加と財務基盤の強化
  • 2025年:Hess買収完了により総資産・株主資本・総債務が大きく増加
  • 2026年Q1:運転資本流出と投資継続により純負債が増加

この強固な財務基盤は、不安定なエネルギー市場において重要な競争優位性となります。原油価格が低迷する局面でも、配当維持と戦略的投資を継続できる余力を持っていることが、長期的な株主価値創造につながっています。

まとめ:長期配当投資家にとってのCVXとは?

シェブロンは、エネルギー業界の変動性の高い環境においても、長期的な株主価値の創造と安定した配当政策を両立させてきました。原油価格サイクルや地政学的リスク、エネルギートランジションの課題にもかかわらず、39年連続増配を達成し、米国株式市場において「配当貴族」としての地位を確立しています。[1]

同社の強みは以下の点にあります:

  • 39年連続増配という優れた配当実績
  • 業界トップクラスの財務健全性
  • 安定した営業キャッシュフロー創出能力
  • Hess買収によりガイアナ沖・Bakkenなどの高収益資産を取得
  • Permian Basin、Gulf of America、TCOなど重点資産の生産拡大
  • 規律ある資本配分と投資効率の向上
  • 低炭素事業・電力・水素・リチウムなどへの段階的な取り組み
【直近の成果(2025〜2026年)】

  • 2025年の世界生産量は3,723MBOEDとなり、2024年の3,338MBOEDから増加
  • 2025年はHess買収を完了し、Guyana、Bakken、米国ガス資産などを取り込み
  • 2025年の株主還元は271億ドル(配当128億ドル、自社株買い121億ドル、Hess株式取得22億ドル)
  • 2026年1月の4%増配により、四半期配当は1.78ドル、年率配当は7.12ドルへ
  • 2026年Q1は世界生産量が前年同期比15%増、米国生産量が24%増

一方で、投資家が留意すべき点としては:

  • 原油価格サイクルに伴う収益変動性
  • 2025年以降、EPSベースの配当性向が高くなっている点
  • Hess買収後の統合リスクと、期待シナジー達成の不確実性
  • 長期的なエネルギートランジションへの対応リスク
  • 炭素税や環境規制強化による収益性への潜在的影響
  • 地政学的リスク:中東、ベネズエラ、ロシア・ウクライナ、イスラエル周辺などの不安定性
  • 資産評価損のリスク:気候変動政策強化や価格下落に伴う座礁資産化

投資家へのポイント:シェブロンは「安定性と成長のバランス」を重視するエネルギーセクターの代表的な配当銘柄です。配当利回りは2026年5月7日時点で約3.9%と、米国大型株の中では魅力的な水準です。ただし、2025年のGAAP EPSベース配当性向は約103%まで上昇しており、EPSだけを見ると余裕は小さくなっています。したがって、今後は営業CF、FCF、純負債、Hess統合後のシナジー、原油価格の動向をあわせて見ることが重要です。

よくある質問

シェブロンの連続増配記録は今後も続くと期待できますか?

シェブロンの39年連続増配という実績は、今後も継続する可能性が高いと評価できます。同社は配当を経営の重要な株主還元手段として位置づけ、2016年や2020年といった厳しい市場環境下でも増配を継続してきました。2025年はGAAP EPSベースでは配当性向が100%前後に上昇しましたが、営業CF339億ドル、FCF166億ドルに対して配当支払いは128億ドルで、キャッシュフローでは配当をカバーしています。[2]

ただし、配当の安全性は原油価格とキャッシュフローに大きく左右されます。2026年Q1のように運転資本の影響でFCFが一時的にマイナスとなる四半期もあるため、単一四半期ではなく、通年の営業CF・FCF・負債推移を見ることが重要です。

シェブロンはエネルギートランジションにどのように対応していますか?

シェブロンのエネルギートランジション戦略は「実用的・段階的アプローチ」が特徴です。急激に石油・ガス事業を縮小するのではなく、既存事業の炭素強度を下げながら、再生可能燃料、水素、CCUS、リチウム、電力供給など、同社の技術や資産と親和性の高い分野へ選択的に投資しています。2025年には再生可能ディーゼルのGeismar拡張、米国データセンター向け電力ソリューション、Smackover Formationのリチウム関連資産などを進めました。[5]

この戦略は、短期的な配当原資を毀損しない範囲で新事業を育てるという点で、配当投資家には理解しやすい方針です。一方で、エネルギートランジションの速度が想定より速い場合、石油・ガス資産の評価や長期需要にはリスクが残ります。

2016年と2020年の赤字にもかかわらず配当を増加できた理由は何ですか?

シェブロンが2016年と2020年という厳しい状況でも配当増加を継続できた理由は、純利益とキャッシュフローが必ずしも同じ動きをしないためです。2016年は純損失を計上しましたが、営業CFは12,690M$でした。2020年も純損失を計上した一方、営業CFは10,577M$を確保しました。

加えて、同社は配当を守るため、資本的支出の削減、非中核資産の売却、コスト削減、自社株買いの調整、短期的な負債活用などを組み合わせることができます。こうした多層的な対応力が、長期の連続増配を可能にしてきました。

シェブロンとエクソンモービル、どちらが配当投資に適していますか?

シェブロンとエクソンモービルは、どちらも米国を代表する石油メジャーで、長期連続増配の実績を持つ優良配当銘柄です。シェブロンはHess買収によりGuyanaやBakkenの成長資産を取り込み、財務規律と株主還元を重視する姿勢が強い銘柄です。一方、エクソンモービルは規模、化学事業、低炭素投資、統合力の面で強みがあります。

どちらが優れているかは投資家の優先事項によります。シェブロンは比較的シンプルで株主還元重視の投資ストーリーが分かりやすく、エクソンモービルは事業規模と統合力を重視する投資家に向きます。エネルギーセクターのリスク分散を考えるなら、両社を組み合わせる選択も合理的です。

※本記事は投資判断の参考として財務データを分析したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもとで行ってください。

【参考情報】
本文中の財務データ・配当データは、シェブロンの年次報告書(Form 10-K)、決算リリース、IR資料および主要な金融情報サイト等をもとに整理しています。

【注】(出典リンク)

  1. 配当実績・39年連続増配 → 一次情報:Chevron「Stock and Dividend Information」Chevron「Fourth Quarter 2025 Results」(確認日:2026-05-07)
  2. 2025年通期業績・EPS・営業CF・FCF・株主還元 → 一次情報:Chevron「Fourth Quarter and Full-Year 2025 Results」Chevron「Reports and Filings」(確認日:2026-05-07)
  3. 2026年Q1決算・2026年5月発表の四半期配当・株価 → 一次情報:Chevron「First Quarter 2026 Results」 → 参考情報:Google Finance「CVX:NYSE」(確認日:2026-05-07)
  4. Hess買収完了 → 一次情報:SEC EDGAR「Chevron Completes Acquisition of Hess Corporation」 → 補助:Reuters「Chevron completes acquisition of Hess」(確認日:2026-05-07)
  5. 2026年Q1の生産・CF・バランスシート・事業進捗 → 一次情報:Chevron「First Quarter 2026 Results」Chevron「Events and Presentations」(確認日:2026-05-07)
  6. 長期業績・過去年次データ → 一次情報:Chevron「Reports and Filings」SEC EDGAR「Chevron filings」(確認日:2026-05-07)

変更箇所(今回)

  • 更新時点を「2025年11月」から「2026年5月」に変更しました。
  • 2025年通期決算を反映しました。2025年の売上高は189,031M$、営業CFは33,900M$、純利益は12,299M$、希薄化後EPSは6.63ドルです。
  • 2025年の調整後EPS7.29ドルを追加し、配当性向の解釈をGAAP EPSと調整後EPSの両面から整理しました。
  • 2024年の配当年計を6.84ドルから6.52ドルへ修正しました。6.84ドルは2025年の年間配当であり、2024年の配当額ではありません。
  • 2025年の年間配当を6.84ドルとして追加しました。
  • 2026年の現行年率配当を7.12ドルに更新しました。2026年1月に四半期配当が1.78ドルへ引き上げられ、2026年5月にも1.78ドルの四半期配当が発表されています。
  • 連続増配年数を38年から39年へ更新しました。
  • 2026年5月7日時点の株価180.42ドルを反映し、現行配当利回りを約3.9%へ更新しました。
  • 2025年のGAAP EPSベース配当性向を約103%、調整後EPSベース配当性向を約94%として整理しました。
  • 2026Eの配当性向を、現行年率配当7.12ドルとTTM EPS約7.11ドルを用いた参考値として約100%に更新しました。
  • 2026年第1四半期決算を追加しました。売上高は48,607M$、純利益は2,210M$、調整後利益は2,793M$、希薄化後EPSは1.11ドル、調整後EPSは1.41ドルです。
  • 2026年Q1の営業CF2.5Bドル、FCFマイナス1.5Bドル、調整後FCF4.1Bドルを追加しました。
  • 2025年の株主還元を271億ドルに更新しました。内訳は自社株買い121億ドル、配当128億ドル、Hess株式取得22億ドルです。
  • 2026年Q1の株主還元60億ドルを追加しました。内訳は自社株買い25億ドル、配当35億ドルです。
  • 2025年のバランスシートをHess買収後の数値へ更新しました。総資産324,012M$、総債務40,758M$、株主資本186,450M$です。
  • 2026年Q1末のバランスシートを追加しました。総資産329,551M$、総債務45,428M$、株主資本183,715M$、純負債40,101M$です。
  • Hess買収について、2025年7月完了、Guyana・Bakkenなどの成長資産取得、2025年の生産量増加への寄与を反映しました。
  • エネルギートランジション関連の記述を、2025年の再生可能ディーゼル、データセンター電力、リチウム関連投資の進捗を踏まえて更新しました。
  • 本文中の旧式の脚注や出典表記を削除し、出典リンクを本文末の「【注】(出典リンク)」へ統一しました。
  • 元記事の構成を維持しつつ、2025年通期実績、2026年Q1決算、最新配当、最新株価、Hess買収後の財務・生産構造を反映しました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}



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Posted by 南 一矢