【F】フォードモーターの株価と決算、配当

2019年6月24日

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フォードモーター(Ford Motor Company)は世界六位の自動車メーカーです。

世界各地に60以上の工場を展開。自動車だけでなくトラックの設計や製造、サービスを手掛け、子会社を通じて、自動車関連ローンや保険なども提供しています。

ブランドとして、各種自動車の「フォード」、高級車の「リンカーン」、スポーツカーの「マスタング」を保持しています。

2007年以降、経営難で資産売却を進め、「ジャガー・ランドローバー」や「ボルボ」を手放し、英国とベルギーの工場を閉鎖するなどの事業再編を行い、大規模な人員削減を行いました。2016年9月には日本市場からも完全撤退しています。

18年末の地域別売上高は、米国が60.8%。カナダが6%、他地域が33.2%程度でした。

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【F】フォードの創業の精神

歴史を振り返ると、ヘンリー・フォード (1863–1947)は、金持ちの遊び道具にすぎなかった「自動車」を庶民に手がとどくものにし、富をなしました。

彼は最初の会社を潰してしまい、3つ目の会社(フォード・モーター・カンパニー)でやっと事業を軌道に乗せます。

しかし、1903年に売り出したA型を1台完成させるには熟練工たちが12時間以上働かなければいけませんでした。

これでは、とても、一般庶民が買える「大衆のための自動車」にはならないので、フォードは気品や豪華さをなくし、シンプルで実用性の高い自動車のモデルを作り上げます。ステータス・シンボルのぜいたく品から、実用的な庶民の足になる車への転換を図ったわけです。

そこで優秀なエンジニアを集め、1904年から「T型」の製造にとりかかりました(フォード車は、A型⇒N型⇒T型の順で発売されている)

N型が好評を博している間に開発を進られたT型は1908年に825ドルで売り出されます(当時としては高額だが、競合車よりは安かった)。

T型ではデザインは基本的なものにとどめ、機械部品の規格化とコンベヤによる移動組立法を融合させ、飛躍的な生産能率の向上と原価の引下げを実現しました。

斜面を利用して部品を運搬したり、マグネットの組立てに用いたコンベヤを自動車の全行程に導入したりと、新たな工夫を凝らした結果、生産台数は急増し、1914年には米国内における自動車生産台数の約半分をフォードでまかなうほどになっています。

そのうえ、当時多くの工場が1日10時間労働だった中、フォード社は8時間労働制を行ったという、「働き方改革」のおまけつきでした。

もっとも、これは自動車産業の黎明期の逸話なので、現代のフォードは高級車やデザイン性の高い車も手掛けています。

自動運転ではAMZNと連携していますが、果たして、自動運転の大衆への普及は成就するのでしょうか。

主な指標を概観

まず、主要指標のデータを見てみます(出所はグーグルファイナンスなど)

1/2株価 7.5
6/21株価 10
株価上昇率 32.7%
52週高値 11.9
52週安値 7.4
EPS 0.77
PER 12.94
配当(利回り) 6.01%
時価総額(億$) 397
株式数(億) 39.2

株価推移(チャートと伸び率)

次に、株価の推移を見てみます(青線が株価推移。赤線が200日間の移動平均線)。

その株価の推移を1年ごとに見てみましょう

★1:各年の株価伸び率(※19年終値は6/21)
F 初値 最安 最高 終値 上昇率
2019 7.5 7.8 10.5 10 33%
2018 12.5 7.6 13.2 7.7 -39%
2017 12.2 10.6 13.2 12.5 2%
2016 13.9 11.2 14.1 12.1 -13%
2015 15.6 12.9 16.6 14.1 -10%
2014 15.4 13.5 17.8 15.5 1%
2013 13.2 12.1 17.8 15.4 17%
2012 11 8.9 13 13 18%
2011 17 9.4 18.8 10.8 -37%
2010 10.2 9.9 17 16.8 65%
2009 2.3 1.6 10.2 10 335%
2008 6.7 1.3 8.5 2.3 -66%
★2:各年初から2019/6/21までの伸び率
19年~ 18年~ 17年~ 16年~ 15年~ 14年~
33% -20% -18% -28% -36% -35%
13年~ 12年~ 11年~ 10年~ 09年~ 08年~
-24% -9% -41% -2% 334% 49%

配当利回りと配当性向

次に、配当利回りの推移を見てみます

権利落ち日 1株配当 利回り 当日株価
2019/04/24 0.15 6.3% 9.6
2019/01/20 0.15 7.0% 8.6
2018/10/23 0.15 5.7% 8.6
2018/07/23 0.15 5.2% 10.47
2018/04/10 0.15 5.0% 11.45
2017/10/23 0.15 5.8% 12.04
2017/07/24 0.15 5.7% 11.29
2017/04/20 0.15 5.3% 11.47
2017/01/20 0.2 5.5% 12.36
2016/10/26 0.15 4.7% 11.88
2016/07/28 0.15 4.4% 12.71
2016/04/29 0.15 5.0% 13.56
2016/01/29 0.15 4.1% 11.94

さらに、配当性向の推移をモーニングスター(MS)社のデータで見てみます。

★配当性向=1株当たり配当÷EPS×100〔純利益から配当金を支払っている割合〕

★MS社は非GAAPのEPSで配当性向を試算。GAAP基準のEPS試算〔=単純計算〕の箇所は筆者挿入。

年/月 EPS 配当 配当性向
(GAAP) 単純計算 MS試算
12/12 1.41 0.2 14.2 14.1
13/12 2.94 0.4 13.6 24.6
14/12 0.31 0.5 161.3 31.3
15/12 1.84 0.6 32.6 47.9
16/12 1.15 0.6 52.2 33.1
17/12 1.93 0.6 31.1 54.5
18/12 0.92 0.6 65.2 38.7

四半期決算(2019予想など)

さらに、ロイターが調べた四半期決算のEPSと売上の予想を整理してみます(2019/5/3、売上単位は100万ドル)。

EPS:予想と結果

EPS予想 平均 上限 下限 期間
2020 1.41 1.85 0.83 1年
2019 1.36 1.6 1.14 1年
9-19 0.33 0.4 0.27 3カ月
6-19 0.31 0.38 0.23 3カ月
EPS 予想 結果
3-19 0.27 0.44 0.17 65.7
12-18 0.32 0.30 -0.02 5.5
9-18 0.28 0.29 0.01 4.5
6-18 0.31 0.27 -0.04 13.5
3-18 0.41 0.43 0.02 4.8
12-17 0.42 0.39 -0.03 6.65
9-17 0.32 0.43 0.11 32.51

売上高:予想と結果

売上予想 平均 上限 下限 期間
2020 145875 153500 141301 1年
2019 145712 150590 141996 1年
9-19 34766 37160 33066 3カ月
6-19 35702 37962 34181 3カ月
売上 予想 結果
3-19 37076 37239 163 0.4
12-18 37015 38717 1702 4.6
9-18 33299 34660 1362 4.1
6-18 35828 35905 77 0.2
3-18 37089 39012 1923 5.2
12-17 36993 38500 1507 4.1
9-17 32803 33646 843 2.6

※決算予想では米国会計基準(GAAP)とは異なる「非GAAP基準」の数値が多用されています。これは各社が経営実態を踏まえて調整した数値です(売上とEPSの数値が後述のGAAP基準での数値と異なる場合は、非GAAP基準の数値)。

通年決算(GAAP基準)

最後に、通年決算の数字を見てみます。

(売上、利益、資産、負債、資本、キャッシュフローなどの単位は百万ドル。EPS=希薄化後EPS)

損益計算(売上、純利益等)

  売上高 営業CF 同マージン 純利益
08/12 145114 -263 -0.2% -14766
09/12 116283 15477 13.3% 2717
10/12 128954 11477 8.9% 6561
11/12 135605 9784 7.2% 20213
12/12 133559 9045 6.8% 5613
13/12 146917 10444 7.1% 11953
14/12 144077 14507 10.1% 1231
15/12 149558 16226 10.8% 7373
16/12 151800 19850 13.1% 4589
17/12 156776 18096 11.5% 7731
18/12 160338 15022 9.4% 3677

※同マージン=営業キャッシュフローマージン。15%もあれば優良な数値。通常、売上高>営業CF>純利益となる。営業CF<純利益となる企業は粉飾決算の可能性あり。

EPSや営業利益率など

  営業利益率 EPS DSO
08/12 -1.5 -6.5 270.6
09/12 4.3 0.86 284.2
10/12 9.8 1.66 229.3
11/12 8.3 4.94 208.9
12/12 4.8 1.41 204.0
13/12 4.2 2.94 185.1
14/12 2.9 0.31 200.9
15/12 5.7 1.84 209.6
16/12 3.3 1.15 178.0
17/12 3.5 1.93 139.9
18/12 2.3 0.92 146.1

※DSO(デイズ・セールス・アウトスタンディング):売掛金回収に必要な日数。売掛金÷1日平均売上高で計算。期末に無理して売込みをかけてEPSをよい数値にした企業の場合は、売掛金が増え、DSOの数値が大きくなる。上記DSOの出所はモーニングスター社。

バランスシート

  総資産 総負債 株主資本 自己資本率
08/12 218298 232825 -14527 -6.7%
09/12 192040 199822 -7782 -4.1%
10/12 164687 165329 -642 -0.4%
11/12 178348 163277 15071 8.5%
12/12 189406 173417 15989 8.4%
13/12 202179 176034 26145 12.9%
14/12 208615 184150 24465 11.7%
15/12 224925 196268 28657 12.7%
16/12 237951 208764 29187 12.3%
17/12 258496 222890 35606 13.8%
18/12 256540 220574 35966 14.0%

ROAとROEなど

  ROA ROE 流動比率 当座比率
単位 倍率 倍率
08/12 -5.9 2.5 2.39
09/12 1.3 3.0 2.85
10/12 3.7 2.4 2.31
11/12 11.8 281.6 1.7 1.56
12/12 3.1 36.6 1.7 1.61
13/12 3.7 33.8 1.8 1.67
14/12 1.6 12.5 1.7 1.6
15/12 3.4 27.6 1.8 1.69
16/12 2.0 15.9 1.2 1.07
17/12 3.1 23.7 1.2 1.08
18/12 1.4 10.4 1.2 1.04
  • ROA=当期純利益÷総資産 ※総資産を用いて企業があげた利益の割合
  • ROE=当期純利益÷自己資本 ※投下資本に対して企業があげた利益の割合
  • 流動比率=流動資産÷流動負債 ※短期的な支払い能力を見る〔表では資本が負債の何倍かを表記〕

キャッシュフロー

  営業CF 投資CF 財務CF
08/12 -263 -2939 -9172
09/12 15477 6619 -22830
10/12 11477 6908 -24421
11/12 9784 -3041 -4241
12/12 9045 -14290 3705
13/12 10444 -19731 8133
14/12 14507 -21124 3423
15/12 16226 -26162 14266
16/12 19850 -25302 7400
17/12 18096 -19360 3394
18/12 15022 -16261 -122