GOOGL(アルファベット)今後の見通し

AI(人工知能),通信

何度かの株価暴落を乗り越えて、アルファベットはしぶとく成長を続けています。

GOOG(GOOGL)の勢いがどこまで続くのか。

今後の見通しの参考として、アルファベットの株価チャートの推移と金利、主な指標(目標株価やPERなど)、直近決算などを確認してみます。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

GOOGL(アルファベット)は7月24日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.17$→結果2.31$
・売上高:予想939.1億$→結果964.3億$(前年同期比+14%)
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

アルファベット(Alphabet Inc.)はカリフォルニア州マウンテンビューに本社を置く、世界最大級のテクノロジー企業グループです。

検索エンジン「Google」を中核とし、オンライン検索、広告、YouTube、Android、Google Cloud などの主要サービスを提供するほか、Waymo、Verily といった先進事業(Other Bets)にも取り組んでいます。

(議決権のある【GOOGL】〈クラスA:1株1票〉と、議決権のない【GOOG】〈クラスC:無議決権〉が発行され、創業者らが保有するクラスBは1株10票の議決権。議決権の構造により、創業者・古参株主の影響力が維持される設計です)

最新の決算データ(FY2024)では、売上の約87%が Google Services から、うち広告収入が約2,646億ドルで全社売上の約76%を占めます。Google Search、YouTube、Google Network(ディスプレイ)などの広告基盤は依然として強力です。2025年4-6月期(Q2)も Search/YouTube/Subscriptions & Devices/Cloud がいずれも2桁成長と堅調でした。

Android は世界最大のモバイルOSであり、2025年7月時点の世界シェアは概ね7割超。Google Cloud はエンタープライズ向けのクラウド(GCP、Workspace等)で、2024年通期売上432億ドル、営業利益61億ドルと黒字化を定着させ、2025年Q2も売上136億ドル(前年同期比+32%)と高成長が続いています。

その他、アプリ(Google Play)、ハードウェア(Pixel、Nest、Home など)、サブスクリプション(YouTube Premium/TV、Google One 等)を含む「Subscriptions, Platforms & Devices」も拡大しています。

近年は生成AIの普及により検索体験の競争が激化。Alphabet は「Gemini」ファミリー(1.5/2.x系モデル等)や「AI Overviews」などを投入し、検索・製品群のAI統合を加速しています。

その事業は Google 事業と Other Bets に分かれます。

Google事業

Google Search:世界中で日々数十億件の検索クエリを処理。2024年は Search & other の売上が1,981億ドル

YouTube:世界最大級の動画プラットフォーム。広告が柱で、2024年の YouTube 広告売上は361億ドル。有料サービス(YouTube Premium/TV)も伸長。

Android:世界最大のモバイルOS(2025年7月の世界シェア約72%)。

Google Cloud:GCP・Workspace など企業向けサービスを提供。2024年通期売上432億ドル、営業利益61億ドル。2025年Q2は売上136億ドル(+32%)。

広告プラットフォーム:Google Ads、YouTube Ads、AdSense/Ad Manager 等が Google Services の主要収益源(2024年の広告収入2,646億ドル)。

その他収益:Google Play、Pixel/Nest などのデバイス、YouTube/Google One 等のサブスク群が「Subscriptions, Platforms & Devices」として拡大。

Other Bets(先端分野)

Waymo:自動運転の配車サービスをサンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックス、オースティン、アトランタ等で展開。2026年にダラスへ拡張予定。

Verily:ライフサイエンス/ヘルスケアのデータ・AI基盤に注力(近年は事業整理や資産売却を経て選択と集中)。

CapitalG:Alphabet の独立系グロース投資ファンド(成長企業へのエクイティ投資)。

Calico:老化・健康寿命に関する研究開発。

アルファベットのルーツは1998年設立の Google。2004年のIPOを経て検索・オンライン広告で世界的地位を確立し、2015年に持株会社 Alphabet 体制へ移行。以後、Google は既存コア事業の強化とAI統合、Other Bets は自動運転やヘルスケア等の長期テーマに取り組む体制となりました。2024年には四半期配当を開始し、安定的な株主還元(配当+自社株買い)も併行しています。


初心者向けミニ解説
・「Google Services」=広告+Android/Play/YouTube/デバイス等の「消費者向けプロダクト群」。
・「広告比率が高い」=検索とYouTubeが強く、売上の大半を占める構造。クラウド等の非広告領域が伸び、依存度は徐々に低下。
・「二種類の株式」=GOOGL(議決権あり)、GOOG(議決権なし)。創業者の高い議決権が維持されやすい仕組み。


【出典】

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢