IBM(アイビーエム)今後の見通し
アイビーエム(International Business Machines Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
直近決算
IBMは7月23日に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.65$→結果2.8$
・売上高:予想165.9億$→結果170億$(前年同期比+8%)
★出典:IRページ
https://www.ibm.com/investor/financial-reporting
★予想値は以下のページを参照しました。
https://www.streetinsider.com/ec_earnings.php?q=IBM
企業概要
IBM(International Business Machines Corporation)は、1911年創業の老舗IT企業で、現在はハイブリッドクラウドとAIを中核に、ソフトウェア、コンサルティング、インフラ製品(メインフレーム等)をグローバルに提供しています。本社は米国ニューヨーク州アーモンク。[1][2]
IBMの報告セグメントは「ソフトウェア」「コンサルティング」「インフラストラクチャー」の3つです。かつての「GBS(Global Business Services)」は現在IBM Consultingとして展開。IBM Global Financing(IGF)は顧客向けのファイナンス活動として開示され、主要セグメントとは区分されています。[1][3]
- ソフトウェア:Red Hat(OpenShift/RHEL)、データ&AI(watsonx)、オートメーション、セキュリティ等。2024年以降は基盤モデル群Graniteのオープンソース化やAIガバナンス強化など、企業向けAIを拡充。[4][5]
- コンサルティング:戦略・テクノロジー助言、実装、運用支援までを一気通貫で提供(クラウド移行、データ活用、AI導入など)。[1]
- インフラストラクチャー:メインフレーム(IBM Z)、Power、ストレージ等。基幹業務を支える高信頼プラットフォームを提供。[1]
AIと量子計算への注力:企業向けAI基盤watsonxを拡張し、コード生成などに強いGraniteモデル群を公開。AIガバナンス機能も拡充しています。量子では、156量子ビットの「Heron」チップを経て、2029年に大規模フォールトトレラント機「Starling」を目指すロードマップを公表。[4][5][6]
M&Aと事業再編:2019年のRed Hat買収に続き、2024年7月にSoftware AGからStreamSetsとwebMethodsを取得してデータ連携/統合を強化。2025年2月にはHashiCorp買収を完了し、TerraformやVault等を取り込みハイブリッドクラウド自動化を拡張。2021年にはITインフラサービス事業をKyndrylとして分社化済みです。[7][8][9]
株主還元:IBMは2025年4月に30年連続の増配を発表し、配当を$1.68/四半期へ引き上げました。近年は配当中心で、自己株買いは抑制的(Red Hat買収後に停止、以降も限定的)です。[10][11]
沿革(抜粋):1911年CTRとして創業、1924年にIBMへ改称。2004年にPC事業を売却し、ソフト/サービス中心に転換。現在はハイブリッドクラウドとAIへ集中投資し、量子、オープンソースAI、アプリ/データ統合まで企業ITの広範をカバーしています。[1]
ミニ解説
- ハイブリッドクラウド=既存のオンプレ(自社DC)と複数パブリッククラウドを組み合わせて最適運用。レガシーを活かしつつAI/データ活用を前進させる設計です。[1]
- 「Red Hat+HashiCorp」連携で、OpenShift等の実行基盤とTerraform/Vault等の運用自動化・セキュリティをセットにできるのが最近の強みです。[8]
【注】(出典リンク)
- 年次報告(戦略・セグメント・事業説明) → IBM Annual Report 2024 → 公式HP(確認日:2025-09-26) ↩ ↩
- 本社所在地(Armonk, NY) → IBM IR: Contact the Board(確認日:2025-09-26) ↩
- セグメント開示のアップデート → IBM Newsroom(確認日:2025-09-26) ↩
- watsonx拡張・GraniteのOSS化 → IBM Newsroom(確認日:2025-09-26) ↩
- AIガバナンス強化 → IBM Newsroom(確認日:2025-09-26) ↩
- 量子ロードマップ(Heron/Starling) → IBM Quantum(確認日:2025-09-26) ↩
- StreamSets / webMethods 買収完了(2024/7) → IBM Newsroom(確認日:2025-09-26) ↩
- HashiCorp 買収完了(2025/2) → IBM Newsroom(確認日:2025-09-26) ↩ ↩
- Kyndryl 分社化(2021/11) → PR Newswire(確認日:2025-09-26) ↩
- 配当30年連続増配(2025/4/29) → IBM Newsroom(確認日:2025-09-26) ↩
- 自己株買いの抑制(Red Hat買収後の停止/限定再開の言及) → IBM 1Q21 10-Q(確認日:2025-09-26) ↩