TTD(トレードデスク)今後の見通し

情報技術,株価•決算

ザ・トレードデスク(The Trade Desk, Inc.)の株価チャートの推移と主な指標(目標株価やPERなど)を確認します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

TTDは8月7日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.4$→結果0.41$
・売上高:予想6.86億$→結果6.94億$(前年同期比+19%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想$→結果~$
・売上高:予想7.16億$→結果7.17億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

ザ・トレードデスク(The Trade Desk, TTD)は、広告主や広告代理店向けの独立系デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を提供するアドテク企業です。自社でメディアを持たない“買い手側専業”の立場で、オープンインターネット上の広告をデータに基づいて買い付け・最適化します。[1]

DSPとは? 広告主がオンライン広告の在庫をリアルタイム入札(RTB)で購入・配信・検証するためのシステムです。TTDのプラットフォームは、入札・配信だけでなく、効果測定やレポーティングまで一元管理できる“広告の司令塔”として機能します。[2]

対応チャネル: ディスプレイ、動画、音声、ネイティブ、DOOH、そしてコネクテッドTV(CTV)まで多様な媒体に対応(主にオープンインターネット中心)。[3]

主な事業内容

  1. DSP(買い手側プラットフォーム):オンライン広告の購入・配信・最適化を自動化。UIは2023年に発表の新世代「Kokai」へ進化し、AI・測定・パートナー連携を強化。入札最適化の中核AIは「Koa」。[4][5]
  2. マルチチャネル広告配信:PC/スマホ/タブレットに加え、CTV・デジタル音声・DOOHを横断管理。媒体ごとに分断されがちなデータやKPIをクラウドベースで統合し最適化。[6]
  3. ファーストパーティデータ活用とID:Cookieに依存しにくいID基盤「Unified ID 2.0(UID2)」やデータ基盤「Galileo」で、顧客データをプライバシー配慮のうえ活用。[7][8]
  4. サプライチェーンの透明化:「OpenPath」で有力パブリッシャーと直接接続し、バイサイドとセルサイドの経路を短縮・可視化。[9]

料金モデル

TTDはサブスク定額ではなく、一般に広告出稿額の一定割合(プラットフォーム手数料)+付加価値機能で収益化します(10-K開示)。[10] なお、業界報道では概ね20%前後との言及がありますが、案件や機能により実際の料率は異なります[11]

最近のトピック

  • S&P 500採用(2025年7月18日有効):指数採用で市場での存在感が一段と拡大。[12]
  • 新CFO就任(2025年8月21日付):Alex Kayyal氏がCFOに就任。[13]
  • 最新決算:2025年Q2売上$694M(前年同期比+19%)。[14]

用語ミニ辞典

用語 かんたん説明 出典
DSP / RTB 広告の買い付け・配信・検証を自動化。入札はミリ秒単位の競り(RTB)。 [2]
CTV インターネット経由で見るテレビ(配信)への広告。測定・ターゲティングが発達。 [3]
UID2 メール等をハッシュ化してID化。Cookie後のターゲティング・測定を支える仕組み。 [7]
Kokai / Koa Kokai=新UI群とAI活用の総称。Koa=入札や配信を学習・最適化するAI。 [4], [5]
Galileo 広告主の自社データをプライバシー配慮で活用・接続するための基盤。 [8]
OpenPath 買い手と媒体社を直接につなぎ、経路を短縮・透明化する仕組み。 [9]
テイクレート 広告費の一定割合を手数料として受け取る料金モデル。 [10], [11]
PG / PMP Programmatic Guaranteed / Private Marketplace:私設取引や事前合意型の買い付け。 [16]

主要パートナー/連携(抜粋)

領域 企業・ブランド 連携の要点 出典
CTV / ID連携 Disney DisneyのAudience GraphとUID2等の相互運用で大規模なアドレサビリティを推進。 [12a]
CTV(プログラマティック) Netflix 2024年にTTDなど複数DSPと連携発表。PMP/PG等の買い付けに対応拡大。 [15], [16]
CTV / アイデンティティ Roku RokuがUID2採用・TTD連携を発表。デマンド拡大とモネタイズ効率化を狙う。 [17]
リテールメディア Walmart Connect TTD技術でWalmart DSPを構築。2025年、独占条件の終了報道があったが、両社はパートナー継続を強調。 [18], [19], [20]
サプライ直結 VIZIO ほか OpenPath事例:直結で充足率・収益性を改善。 [9]

グローバル展開: 北米を中心に欧州・アジア・中南米・オセアニアにも展開。とくにCTVとリテールメディアの拡大が追い風です。[1]

参考リンク

  • 公式サイト/IRページ(会社概要・開示)[2][14]

メモ: 2025年はS&P500採用(7月)と同時期にマクロや取引環境の不確実性、主要パートナー構成の見直し報道などでボラティリティが拡大。短期の変動はある一方、CTV・リテールメディア・ファーストパーティデータ活用という構造潮流は継続しています(数値はいずれも記事内に明記の期・日付基準)。

【注】(出典リンク)

  1. 会社概要・対応領域 → The Trade Desk「About us / 公式サイト」 公式/トップページ 公式(確認日:2025-10-02)。
  2. DSP/RTBの定義・製品全般 → The Trade Desk(製品全般) 公式(確認日:2025-10-02)。
  3. 対応チャネルの概説 → The Trade Desk(製品全般) 公式(確認日:2025-10-02)。
  4. Kokai発表(2023-06-06) → The Trade Desk PR 公式(確認日:2025-10-02)。
  5. Koa(AI最適化)・Kokai解説 → The Trade Desk リソース/Business Wire Business Wire(確認日:2025-10-02)。
  6. マルチチャネルの一元管理 → The Trade Desk(公式サイト) 公式(確認日:2025-10-02)。
  7. UID2(IDソリューション) → The Trade Desk「Unified ID 2.0」 公式/IAB Tech Lab解説 IAB Tech Lab(確認日:2025-10-02)。
  8. Galileo発表(2023-01-05) → The Trade Desk PR 公式(確認日:2025-10-02)。
  9. OpenPath 概要/プロダクト → The Trade Desk リソース 解説/プロダクトページ 公式/ローンチPR(2022-02-15) 公式(確認日:2025-10-02)。
  10. 収益モデル(プラットフォーム手数料) → Form 10-K(2024通期) SEC(確認日:2025-10-02)。
  11. テイクレートに関する報道(概ね20%前後) → AdExchanger(2025-04-28) 記事(確認日:2025-10-02)。
  12. S&P 500採用(2025-07-18有効) → S&P Dow Jones Indices PR(2025-07-14) S&P/TTD IR(2025-07-17) TTD(確認日:2025-10-02)。
  13. DisneyとのID/CTV連携(2022-07-12) → TTD PR TTD/Disney Advertising PR Disney(確認日:2025-10-02)。
  14. 新CFO就任(2025-08-21付) → TTD IR(2025-08-07) IR(確認日:2025-10-02)。
  15. 2025年Q2決算(売上$694M、+19%) → TTD IR「Quarterly Results」 IR/Business Wire配信 Yahoo経由(確認日:2025-10-02)。
  16. Netflix×TTD連携発表(2024-05-15) → TTD PR TTD/StreamTV Insider 記事(確認日:2025-10-02)。
  17. Netflix Upfront(PG/PMP拡張・複数DSP連携) → Netflix(2024-05-15) 公式(確認日:2025-10-02)。
  18. RokuのUID2採用(2024-08-01) → Roku Newsroom 公式(確認日:2025-10-02)。
  19. Walmart DSP構築(TTD技術、2021-08-25) → Walmart PR 公式(確認日:2025-10-02)。
  20. 独占条件の終了報道(2025-08–09月) → eMarketer/Insider Intelligence 記事/Digiday 記事(確認日:2025-10-02)。
  21. 両社の継続関係強調(2025-08-14) → TTD PR 公式(確認日:2025-10-02)。

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢