UNH(ユナイテッドヘルス)今後の見通し

ダウ30銘柄,ヘルスケア

ユナイテッドヘルスグループ(UnitedHealth Group Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

直近決算

ユナイテッドヘルスは2025年1月16日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想6.74$→結果6.81$
・売上高:予想1016.1億$→結果1008億$(前年同期比+7%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想29.86$→結果29.5~30$
・売上高:予想4456.4億$→結果4500~4550億$
★出典:IRページ
https://www.unitedhealthgroup.com/content/dam/UHG/PDF/investors/2024/2025-16-01-uhg-reports-fourth-quarter-results.pdf
★予想値は以下のページを参照しました。
https://www.streetinsider.com/ec_earnings.php?q=UNH

企業概要

ユナイテッドヘルスグループ(UnitedHealth Group Inc)はミネソタ州ミネアポリスに本社を置く、世界最大級の医療保険およびヘルスケアサービス企業です。

傘下の「UnitedHealthcare」と「Optum」という2大ブランドを核として、個人、企業、政府向けに包括的な医療給付およびサービスを提供。

全売上の約70%以上が医療保険事業から得られています。

医療保険では米国で首位のシェアを維持。約1億4,000万人以上の顧客にサービスを展開し、売上の約96%は米国市場から計上されています。

この強固な基盤により、UNHはヘルスケア業界におけるディフェンシブかつ成長性の高い企業として高く評価されています。

UNHの事業は、主に医療保険事業と医療サービス事業の2本柱により構成され、それぞれが密接に連携することで包括的なヘルスケアソリューションを提供しています。

★医療保険事業(UnitedHealthcare)

個人、企業、政府機関向けに各種医療保険プランを提供しています。

・一般消費者向け:個人や家族向けに、病院やクリニックでの治療費補助、予防医療、ウェルネスプログラムなどを提供。

・企業・団体向け:従業員およびその家族向けの医療保険プランを提供し、健康管理と疾病予防を支援。

・政府向け:メディケイドやメディケアを通じ、特に高齢者や低所得者層の医療アクセス向上に寄与。

・退職者向け健康管理:長期的な健康維持のためのプランを提供し、医療費管理のサポートを実施。

★医療サービス事業(Optum)

Optumは、医療情報技術や臨床サービスを統合した事業部門として、従来の保険事業だけでは補完しきれなかった医療提供全体の効率化を実現しています。

以下のサブブランドにより展開されています。

・OptumRx:処方箋給付管理(PBM)を中心とし、薬剤コストの管理と患者の治療遵守を支援。

・OptumInsight:ビッグデータ解析やリスク管理、経営コンサルティングを通じ、医療機関や保険会社の運営効率向上を支援。

・OptumHealth:臨床サービスや健康管理プログラムを展開し、患者の治療効果向上と医療費削減に寄与。

社史をさかのぼると、UNHは、1940年代に医療保険事業として創業されたことに始まります。

創業当初は、主に医療給付サービスを提供することで、医療費の負担軽減と健康管理の支援を目的としていました。

米国における医療制度の変化や人口高齢化の進展を背景に事業規模を拡大し、国内最大手の医療保険会社としての地位を確立。

UNHは、医療保険事業と医療サービス事業の双方を統合する形で進化してきました。

1990年代以降、UNHは急速に成長する医療費の高騰や、より質の高い医療提供への需要に応えるべく、保険契約基盤の拡大に加え、傘下ブランド「Optum」を設立。

Optumは、処方箋給付管理(PBM)、医療データ解析、臨床支援サービスなど、保険以外の医療サービス分野を強化。

UNHは従来の保険会社から総合的なヘルスケアソリューションプロバイダーへと変貌を遂げました[1][3]。

UNHは、2012年にダウ平均株価指数に組み入れられるなど、投資家からも高い評価を受けています。

近年は、M&Aを通じた事業拡大が積極的に行われており、例えば2015年に薬剤給付管理事業を手がける「Catamaran」の買収、2017年に外科病院運営企業「Surgical Care Affiliates」の買収、2019年6月にはダビータから医師・医療機関支援事業(Davita Medical Group)を、同年12月には特殊医局の「Diplomat」を買収するなど、事業基盤の強化と再編を推進しています。

一方、オバマケアをターゲットにした個人加入保険比較サイト向け事業は赤字となったため、2017年に全面撤退するなど、効率的な事業ポートフォリオの再構築が進められています[2][3][4]。

また、AI、ビッグデータ、テレヘルスなどの先端技術を積極的に活用し、医療保険および医療サービスの質向上とコスト効率化を実現しています。

将来的には、米国を中心とした市場の高齢化、医療費上昇への対応、新型技術の普及に伴い、UNHのサービス需要はさらに拡大し、グローバルなヘルスケア市場におけるリーディングカンパニーとしての地位は一層強固になることが期待されています。

★出所

UNH公式HP
UNH Wikipediaページ
Bloombergによる企業概要
Reutersによる企業概要

【事業構成】

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Posted by 南 一矢